JPH04313700A - 散弾銃用装弾の抱弾筒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、標的射撃や狩猟に使用
する散弾銃用装弾の抱弾筒に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に公知の散弾装弾は図７で示すよう
に、後底面１に***を装着し、きょう底部２Ａを有する
薬きょう２に、火薬３、ガスシールワズ４とファイバー
ワズ５で構成される送り１１、散弾覆い６、散弾７を充
填したあと、蓋８と薬きょう２の開口部捲き込み９によ
るクリンプ１５で封止する構成である。

【０００３】散弾覆い６は円盤６Ｂに複数の円筒片６Ａ
を一体に取り付けた形状で、隣りあう円筒片６Ａの間に
はスリット１０で示す複数の切り口が形成されている。 この散弾覆い６は、銃口から射出直後に風圧によりスリ
ット１０で分割されている各円筒片６Ａが花びらのよう
に開き、散弾７の散開を妨げないように速やかに散弾７
から離脱、落下するように考案されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】散弾銃の銃身には、射
出する散弾の散開度を狭めて密集性を高め、遠距離射撃
に適するようにした絞り筒銃身がある。この絞り筒銃身
に頼らず平筒銃身（改良平筒、スキートチョーク、リセ
スチョーク、真円筒等）から発射しても散開度がち小さ
くパターンパーセンテージ（所定射距離における弾痕模
様の密度）を向上させる手段として、弾速散弾粒の大き
さ（散弾の号数）を変える方法があるが、その向上性は
微々たるもので、期待できるほどの効果はない。

【０００５】また、５０年以上も前に紙袋又は網袋に収
納した散弾を薬きょう内に装填し、射出後予め定めた距
離を飛行した後で袋が破断して散弾が露出し、散開が始
まるように考案したものが試みられたが、この考案では
袋が銃身内を通過中に破断してしまったり、あるいは射
出後全く袋が破断しないで散弾を内蔵した単体弾の形状
のまま飛行するものが生じたりして、実用化できなかっ
た。従って、現在でもパターンパーセンテージを顕著に
高めるには、絞り筒銃身を使用することが只一の方法に
なっている。

【０００６】本発明の目的は、銃口から発射した後も暫
時散弾を内蔵保持する機能を有する抱弾筒を散弾覆いに
代えて使用し、平筒銃身から発射しても高密度のパター
ンパーセンテージを呈する特殊な散弾装弾の開発を可能
にするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の特徴とする構成は、***を装着した薬きょ
うに火薬、送り、抱弾筒及び散弾を順次充填し、薬きょ
うの開口部を封止する散弾銃用の装弾において、散弾を
収容する抱弾筒は切り口のない円筒と、前記送りに対接
する円盤とが夫々の軸線を共有して一体に構成され、円
筒の他端は開口し、前記円筒及び円盤の外径は、ともに
適応する散弾銃の標準口径よりやや小径で、前記円筒の
内面には、少なくとも１つの環状突起または環状突片が
円筒と一体に突設されているものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記の構成により、円筒の内面に、少
なくとも１つの環状突起または環状突片が形成された抱
弾筒で散弾を拘束し、散開を遅らせて密集した円形の理
想的なパターンを具現する。

【０００９】

【実施例】以下本考発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１は第１実施例の抱弾筒２０の前面図、図２は
図１に示す抱弾筒２０をファイバワズ５及び散弾７とと
もに薬きょう２に充填し、クリンプ１５を施す前の状態
でのＸ−Ｏ−Ｙ断面を示す要部正面図である。抱弾筒２
０は柔軟で塑性変形を生じやすいプラスチック等で作ら
れ、その形状は射出成形によって製造するのにも適して
いる。

【００１０】前記抱弾筒２０はコップのような形状であ
り、図２で示すように、円筒２２と円盤２１とがそれぞ
れの軸線を共有して一体に成形され、円盤２１の後端面
２７が前記ファイバーワズ５に対接するように薬きょう
２内に充填される。尚、円筒２２の前端３３は開口して
いる他、図７のスリット１０に相当する切り口を有しな
い。すなわち、円筒２２に切り口を有しないことが在来
の散弾覆い６と異なる本発明の第１の特徴である。

【００１１】前記円筒２２と円盤２１の外径は、ともに
適応する散弾銃の銃身（図４）１３の標準口径（包底面
から２２９ｍｍの点における銃身の内径）より僅かに小
径である。円筒２２の内面２３には、その前端から予め
定めた長さＬ１の部分に、予め定めた傾斜角θの裁頭円
錐面で形成された１個の環状突起２４が円筒２２と一体
に突設されている。この環状突起２４を有することが、
本発明の第２の特徴である。また、設計変更例として、
図１に破線で示すように、環状突起２４部分に円筒２２
の軸線に平行な複数の溝２５を設けて、環状突片２４Ｂ
とする場合もある。

【００１２】図３に示す第２実施例における抱弾筒２０
Ａは、巾ｗの環状突起２４Ａを曲面にしたものであって
、曲面は要求される性能に適したもの（例えば、球面、
回転楕円面等）にすることができる。さらに、抱弾筒２
０Ａの内面２３に断面が３角径の環状突起２８を円筒２
２Ａの軸線の直角方向に突設する。すなわち、第２実施
例は、複数の環状突起２４Ａ及び２８を有する抱弾筒２
０Ａである。

【００１３】尚、図示省略してあるが、円筒２２、２２
Ａの外面には、ローレットのような、その軸線に平行な
多数の小さな凸条を設けることができ、さらに、図７で
示す送り１１をプラスチック製とし、これと抱弾筒２０
、２０Ａを一体に成形することも可能である。

【００１４】次に上記の構成より成る本発明の作用を詳
述する。図４は銃身１３内で火薬３の爆発圧力（以下爆
圧という）により加速状態にある散弾７が抱弾筒２０に
及ぼす作用を説明するための軸線断面図で、５はファイ
バーワズ、１３Ａは銃腔であり、前記の環状突起２４、
２４Ａ及び２８は図示省略してある。図５は同じく抱弾
筒２０に充填した散弾７のうち、円盤２１に近い１層の
散弾７を円筒の前端３３側から見た説明図である。

【００１５】火薬３の爆発により、散弾７を内蔵する抱
弾筒２０は、静止状態から１０−３秒台の微少時間内に
音速を超える遷音速にまで急加速される。従って、その
加速が激烈であるばかりでなく、散弾７は鉛を主体とし
た合金であるから、質量が大きく加速に抵抗する力、す
なわち、慣性抗力が大きい。

【００１６】よって、散弾７が抱弾筒２０に及ぼす作用
は次の通りである。 （１）　　円盤２１は爆圧で急加速を強制されているの
に反し、対接する散弾、例えば散弾７Ａは慣性で同一速
度を維持しようとしている。よって、前記慣性抗力で散
弾７Ａは円盤２１の前面２６に軸線と平行な方向に圧入
され、深い凹み１２Ａを生ずるのである。 （２）　　次に例を散弾７Ｂ、７Ｃ、７Ｄにとると、散
弾７Ｂは慣性抗力によって散弾７Ｃと散弾７Ｄの間に割
り込むため、散弾７Ｃは半径方向の外向きに移動して、
円筒２２の内面に凹み１２Ｂを生じさせ、同時に散弾７
Ｄが半径方向に軸心に向かって移動する。これにより、
隣接する散弾７Ｅを強く押すのである。このようにして
、散弾７相互の接触部面圧も上昇し、各散弾７は強い摩
擦力によって相互に繋止される。さらに、散弾７Ｅの移
動は連鎖的に隣接する散弾７を移動させ、凹み１２Ｂの
反対面にも凹み１２′Ｂが生ずるのである。

【００１７】以上詳述したように、急加速時の慣性抗力
によって、各散弾７は軸線方向及び半径方向の他、図５
に示すように、散弾７Ｆの割り込みによって散弾７Ｇ及
び７Ｉが矢印方向、すなわち円周方向にも移動するため
、各散弾７は抱弾筒２０の中にぎっしり詰め込まれて互
いに突っ張り合う状態になり、抱弾筒２０の円筒２２の
統べての内面２３に接触する散弾７による凹みが生じ、
この凹みと前記散弾７相互間の摩擦力によって、各散弾
７は抱弾筒２０内に繋止拘束された状態になって銃口か
ら射出されるのである。

【００１８】（３）　　円筒２２内面２３の凹みの深さ
と、散弾７相互の接触面圧は、後方、すなわち、円盤２
１に近い部分が最大で、前方のものは順次小さくなる。 図４において、凹み１２Ｂ＞１２Ｃを図示してある。こ
のことは、前方の散弾７の慣性抗力による荷重が後方に
隣接する散弾７に加わるためであり、射出後回収した抱
弾筒２０の内面２３に印加されている残留圧痕の様態が
、これを実証している。これは海洋の水圧が深度を増す
ほど増大するのと同様である。

【００１９】散弾７を内蔵した抱弾筒２０が銃口から射
出されると、その前面には相対風の動圧と静圧の和、す
なわち、全圧（総圧）が作用する。散弾７は球形である
から、その相互間には、円盤２１の前面２６（図４）ま
で連通する多数の空隙が存在する。抱弾筒２０にはスリ
ット１０（切り口）がないため、空気の洩れがなく、こ
の空隙の空気圧は全圧を受け止めて上昇し、銃口から射
出後極めて微少な時間経過後に空気圧は飽和状態になる
。この飽和状態の空気圧を抱弾筒内圧という。

【００２０】また、抱弾筒２０の外側面を流れる相対風
は境界層が剥離して、乱流状の伴流（後流）を生じ、円
盤２１の後端面２７（図４）に作用する圧力は低圧にな
る。よって、円盤２１の前面２６に作用する抱弾筒内圧
と、後端面２７に作用する低圧との圧力差による形状抗
力が、衝撃波の発生による造波抗力と共に抱弾筒２０を
減速させるよう働くのである。以下この機能をエアブレ
ーキという。

【００２１】抱弾筒２０の最前面に位置する第１層の散
弾７は、前記（３）で説明した通り、浅い凹みと弱い摩
擦力で軽く抱弾筒２０に繋止されている。また、散弾７
が抱弾筒２０内にある限り、抱弾筒内圧は前面から受け
る全圧とバランスしている。高速で比重が大きい鉛合金
の散弾７が速度を維持しようとする慣性力は大きいから
、エアブレーキ作用で減速状態にある抱弾筒２０との軽
い繋止は、この慣性力によって容易に解除され、第１層
の散弾７は抱弾筒２０から離脱して単独の飛行をするよ
うになって散開を始めるのである。この最初の離脱開始
時点をＴ１で表すこととする。

【００２２】続いて、第２層の散弾７は、第１層の散弾
７による影響を受けなくなったので、散弾相互間に作用
していた摩擦力が減少して繋止がゆるみ、離脱可能な状
態になる。このように、継続的に抱弾筒２０内の散弾７
の繋止解除が進行して、やがて、抱弾筒２０に内蔵され
ている全散弾７が、抱弾筒２０から離脱可能な状態にな
るのである。

【００２３】しかるに、図２に示すように、円筒２２の
傾斜のない内面２３部分Ｌ２の断面積は、環状突起２４
の先端の開口部断面積より大きい。従って、散弾７が抱
弾筒２０から離脱するのには環状突起２４で囲まれた狭
い通路を通過しなければならないため、散弾７の抱弾筒
２０からの離脱は環状突起２４を通過するときの抵抗に
よって制限され、全散弾７の離脱完了時点Ｔ２までには
若干の秒時を要するのである。尚、図３の環状突起２８
も散弾７の移動に抵抗して、その離脱を遅らせるために
設けたものである。

【００２４】散弾７を内蔵している抱弾筒２０は大きな
運動のエネルギーを有しているから、風圧抵抗を容易に
排除して、あまり減速せずに暫時遷音速の範囲で飛行す
る。銃***出時点をＴ０とすると、離脱開始までの秒時
は（Ｔ１−Ｔ０）、離脱継続秒時は（Ｔ２−Ｔ１）で表
される。（Ｔ１−Ｔ０）及び（Ｔ２−Ｔ１）は微小な秒
時であっても飛行速度が極めて速いから、それ等の秒時
内に抱弾筒２４、２４Ａは、散弾７を内蔵した状態で、
かなりの距離を標的に向かって進んでしまっているので
ある。

【００２５】拘束されない散弾は、その飛行距離が長い
ほど広い範囲に散開するから、銃***出と同時に全散弾
７が一斉に散開を始める在来の装弾に比して、銃***出
後タイムラグを設けて散開の開始を遅らせ、しかも、そ
の後の散開が、ある時間継続するようにした本発明の抱
弾筒２０、２０Ａを用いた装弾は、そのパターンが顕著
に濃密になる。

【００２６】第３実施例を示す図６は抱弾筒２０Ｂの正
面図で、第１実施例の抱弾筒２０の後端外側面に環状の
フランジ２９を突設したものである。フランジ２９の外
径Ｄは適応する散弾銃の標準口径に略等しく、また円筒
２２の外径ｄは、前記標準口径よりやや小径であり、そ
の他の構成は抱弾筒２０と同一である。フランジ２９の
巾Ｗは、円盤２１の厚さと同一でなくてもよく、また、
フランジ２９の外側面に環状の浅い溝を設けることも可
能である。

【００２７】図６は、抱弾筒２０Ｂが銃口から射出され
た後、何等かの原因で射出軸線Ｓ−Ｓに対し傾いた状態
を誇張図示したもので、その傾き角をθ１で示してある
。抱弾筒２０Ｂはプラスチック製で軽いから、図示のよ
うに散弾７を内蔵している場合の重心は軸線０−０上で
中央より僅かに前方の点Ｇの位置になる。フランジ２９
の前面３０上の１点をＰとし、抱弾筒２０Ｂの飛行によ
る相対風をＦで表すと、点Ｐには線分ＰＧの直角方向に
相対風Ｆによる空気力の分力ｆが作用する。従って、「
ｆ（力）×線分ＰＧ（モーメントアーム）」の復元モー
メントが発生し、抱弾筒２０Ｂは重心Ｇを中心として、
その軸線０−０が射出軸線Ｓ−Ｓに一致するまで反時計
方向に回転する。すなわち、フランジ２９は抱弾筒２０
Ｂの飛行姿勢を安定させるスタピライザーとして働くの
であって、この機能は飛行機の水平及び垂直両尾翼の合
成機能に相当する。よって、射出後、抱弾筒２０Ｂは射
出軸線と同軸を保って飛行を続けるので、散弾７の離脱
が均一になり、円形の理想的パターンを得ることができ
る。

【００２８】

【発明の効果】以上のように本発明は、散弾を収容する
抱弾筒は切り口のない円筒と、前記送りに対接する円盤
とが夫々の軸線を共有して一体に構成され、円筒の他端
は開口し、前記円筒及び円盤の外径は、ともに適応する
散弾銃の標準口径よりやや小径で、前記円筒の内面には
、少なくとも１つの環状突起または環状突片が円筒と一
体に突設した構成であるから、銃口から射出後暫時散弾
を抱弾筒に内蔵保持して散弾の散開を拘束し、この抱弾
筒から離脱した散弾群の散開度を狭めて理想的な密集パ
ターンで飛行させることができる。また、自然環境保護
の見地から、鉛害防止のため威力の劣る鋼製散弾を用い
る場合も、抱弾筒を用いた装弾はパターンパーセンテー
ジが高いから、その点を補うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の抱弾筒の前面図

【図２】図１のＸ−Ｙ−Ｚ断面を示す要部正面図

【図３
】第２実施例の抱弾筒の断面図

【図４】本発明の作用を説明するための軸線断面図

【図
５】本発明の作用を説明するための円筒の前端側から見
た図

【図６】第２実施例の抱弾筒の正面図

【図７】従来一般の散弾装弾の要部断面側面図

【符号の説明】

１　　後底面中央 ２　　薬きょう ３　　火薬 ４　　ガスシールワズ ５　　ファイバーワズ ６　　散弾覆い ６Ａ　　円筒片 ６Ｂ　　円盤 ７　　散弾 ８　　蓋 ９　　捲き込み １０　　スリット １１　　送り １３　　銃身 １３Ａ　　銃腔 １５　　クリンプ ２０、２０Ａ、２０Ｂ　　抱弾筒 ２１　　円盤 ２２　　円筒 ２３　　内面 ２４、２４Ａ　　環状突起 ２４Ｂ　　環状突片 ２５　　溝 ２６　　前面 ２７　　後端面 ２８　　環状突起 ２９　　フランジ ３０　　前面 ３３　　前端

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　***を装着した薬きょうに火薬、送り
   、抱弾筒及び散弾を順次充填し、薬きょうの開口部を封
   止する散弾銃用の装弾において、散弾を収容する抱弾筒
   は切り口のない円筒と、前記送りに対接する円盤とが夫
   々の軸線を共有して一体に構成され、円筒の他端は開口
   し、前記円筒及び円盤の外径は、ともに適応する散弾銃
   の標準口径よりやや小径で、前記円筒の内面には、少な
   くとも１つの環状突起または環状突片が円筒と一体に突
   設されていることを特徴とする散弾銃用装弾の抱弾筒。
2. 【請求項２】　　前記円盤の送りに対接する端部の外周
   面に、円盤と同心の環状フランジを突設した請求項１記
   載の散弾銃用装弾の抱弾筒。