JPH04303584A - 内燃機関用スパークプラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関、特に高圧
縮比設定、又は過給機を具える内燃機関に使用されるス
パークプラグの絶縁体脚長部の構造に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】近年の内燃機関においては、高出力化の
達成と同時に、低燃費化を実現するために、内燃機関の
燃焼室内における圧縮比を高圧縮設定とするものや、タ
ーボチャージャー等の過給機を装備することが行なわれ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものにおいて、高出力化の達成と同時に、低燃費化
を実現するために、内燃機関の圧縮比を高圧縮設定とす
るものや、ターボチャージャー等の過給機を装備する場
合において、高圧縮比設定等によりスパ−クプラグの放
電電圧が上昇することとなる。

【０００４】そして、長期間スパークプラグを使用する
と、スパークプラグの中心電極が激しく摩耗し易くなり
、この中心電極の摩耗が進行した状態で高い放電電圧を
かけ続けると、中心電極と外側電極との火花ギャップが
大きくなっているので、この中心電極と外側電極との間
での着火が起こり難くなり、絶縁体表面に沿って主体金
具へリークする放電現象を発生し、失火等を生じてしま
うことがある。

【０００５】従って、この絶縁体表面から主体金具への
ジャンピングを防ぐために、中心電極と外側電極との間
の火花ギャップの初期設定を小さくすることにより、こ
の火花放電による中心電極の摩耗に対処していたが、こ
の火花ギャップの初期設定において、その火花ギャップ
を小さくすることは、高圧縮比設定、又は過給機を装備
した内燃機関において、スパークプラグ使用初期におけ
る混合気の着火性を犠牲にすることとなる。

【０００６】そこで、この発明は上記従来のものの持つ
欠点を改善するものであり、高圧縮ひ設定、又は過給機
を装備した内燃機関に使用し、高い放電電圧のかかるス
パークプラグにおいて、中心電極の火花消耗によって生
じるジャンピングを防止することができるようにするも
のである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そのために、中心電極を
保持する絶縁体脚長部の側周に凹陥部を周設すると共に
、この凹陥部内に金属粉末３０〜９５ｗｔ％、セラミッ
ク粉末７０〜５ｗｔ％を調合したペースト状インクによ
り、あらかじめアルミナ質のグリ−ンシ−トにあるいは
絶縁体表面に直接に印刷又は塗布することで電極部を形
成し、この電極部から主体金具へ通電を確保するように
リード部を引き出した上、絶縁体表面に直接印刷又は塗
布した場合には、上記電極部にアルミナ質のグリーンシ
ートを被覆して、同時焼成により密着接合してなるもの
である。

【０００８】更には、絶縁体脚長部に周設する凹陥部の
位置を、絶縁体前端面からの距離Ａを２．０ｍｍ以上と
し、更に凹陥部の深さＴを０．１ｍｍ以上としてなるも
のである。

【０００９】

【作用】以上の構成を具えるので、中心電極を保持する
絶縁体の側周に凹陥部を周設すると共に、この凹陥部内
にあらかじめアルミナ質のグリーンシート上にあるいは
凹陥部表面上に金属粉末３０〜９５ｗｔ％、セラミック
粉末７０〜５ｗｔ％を調合したペースト状インクにより
印刷又は塗布して形成される電極部を配設することで、
スパークプラグの中心電極と主体金具との間に発生する
電界強度分布が弱まるので、絶縁体の脚長部と主体金具
とのジャンピングを防止することができる。

【００１０】更に、低温燃焼時に発生するカーボンは、
帯電しているものであるので、この中心電極と主体金具
との間に発生する電界強度分布が弱まることによって、
絶縁体脚長部先端におけるカーボン等の付着、堆積を最
小限のものとすることができるので、耐汚損性を向上さ
せることができ、濃い混合気を使用する過給機を具える
内燃機関での使用においても、失火或はプレイグニッシ
ョンの発生を抑制することができるものである。

【００１１】

【実施例】この発明を図に示す実施例により更に説明す
る。（１）は、この発明の実施例である内燃機関用スパ
ークプラグであり、この内燃機関用スパークプラグ（１
）は、軸孔（３）の先端に中心電極（４）を保持すると
共に、導電性ガラスシール（１６）によって挟持される
抵抗体（５）及び端子電極（６）の一端を前記軸孔（３
）内に封着する絶縁体（２）と、この絶縁体（２）の軸
孔（３）先端に保持される中心電極（４）の先端の対向
する位置に外側電極（９）を具え、その側周に内燃機関
に装着する時に螺合させるネジ部（８）を有する主体金
具（７）から構成されるものである。

【００１２】そして、第２図に示す実施例においては中
心電極（４）を保持する絶縁体（２）の脚長部（１４）
の側周においては、凹陥部（１０）を周設すると共に、
この凹陥部（１０）内に金属粉末３０〜９５ｗｔ％、セ
ラミック粉末７０〜５ｗｔ％を調合したペースト状イン
クにより印刷又は塗布して上記凹陥部（１０）の絶縁体
（２）表面上に形成される電極部（１１）を配設し、こ
の電極部（１１）から主体金具（７）へ通電を確保する
ようにリード部（１２）を引き出す一方で、絶縁体（２
）の脚長部（１４）の側周における凹陥部（１０）内に
形成される電極部（１１）に対して、焼成後の収縮率を
勘案して、高電圧の中心電極（４）との間に貫通が起こ
らないように、厚さ０．２〜２．０ｍｍ、好ましくは０
．３ｍｍ以上とするアルミナ質のグリーンシート（１３
）を被覆して、同時焼成により、上記電極部（１１）に
密着、接合させてなるものである。

【００１３】又、上記電極部（１１）は凹陥部（１０）
内の絶縁体（２）表面に直接印刷あるいは塗布すること
に代え、あらかじめアルミナ質のグリ−ンシ−ト（１３
）上に前記配合のペ−ストインクを印刷、塗布して電極
部（１１）構成し、これを凹陥部（１０）内に印刷、塗
布部分を内側として嵌着した上、同時焼成することもで
きる（第３図）。この場合は、あらかじめ電極部（１１
）を形成して、凹嵌部（１０）に嵌合接着でき、しかも
、更にこれを別のグリ−ンシ−トにより被覆する必要が
ないからその作業が容易である。

【００１４】なお、絶縁体（２）の脚長部（１４）の側
周に周設する凹陥部（１０）の位置は、中心電極（４）
が突出する絶縁体（２）の脚長部（１４）の前端面（１
５）からの距離をＡとした場合に、Ａ≧２．０ｍｍとし
、更に、この絶縁体（２）の脚長部（１４）の側周に周
設される凹陥部（１０）の深さをＴとした場合、Ｔ≧０
．１ｍｍとしてなるものである。

【００１５】ここで、絶縁体（２）の脚長部（１４）の
側周に周設する凹陥部（１０）の位置は、中心電極（４
）が突出する絶縁体（２）の脚長部（１４）の前端面（
１５）からの距離をＡとした場合に、Ａ≧２．０ｍｍと
したのは、少なくとも２．０ｍｍ以上ないと、中心電極
（４）の先端との間においてフラッシュオーバーが発生
し失火が起こり易くなるので、３．０ｍｍ以上が好まし
いものである。

【００１６】更に、この絶縁体（２）の脚長部（１４）
の側周に周設される凹陥部（１０）の深さをＴとした場
合、Ｔ≧０．１ｍｍとしてなるは、この凹陥部（１０）
内に配設する電極部（１１）を被覆し、密着接合するグ
リーンシート（１３）が、同時焼成により収縮しても、
絶縁体（２）の脚長部（４）の表面から突出しないよう
にし、フラッシュオーバーの発生を抑制しようとするも
のである。

【００１７】この発明が以上の構成を具えるので、中心
電極（４）を保持する絶縁体（２）の脚長部（１４）の
側周に周設される凹陥部（１０）内に配置され、アルミ
ナ質のグリーンシートによって被覆され、密着、接合す
る、金属粉末３０〜９５ｗｔ％、セラミック粉末７０〜
５ｗｔ％を調合したペースト状インクにより印刷又は塗
布することで形成される電極部（１１）又は、上記グリ
−ンシ−ト上に印刷、塗布により形成される電極部（１
１）により、内燃機関に装着されたスパークプラグ（１
）の中心電極（４）と主体金具（７）との間に発生する
電界強度分布が弱まるので、ジャンピングを防止するこ
とができる。

【００１８】更に、低温燃焼時に発生するカーボンは、
帯電しているので、この中心電極（４）と主体金具（７
）との間に発生する電界強度分布が弱まることによって
、絶縁体（２）の脚長部（１４）の先端におけるカーボ
ン等の付着、堆積を最小限のものとすることができるか
ら、カーボン付着、堆積による耐汚損性を向上させるこ
とができ、濃い混合気を使用する過給機を具える内燃機
関での使用においても、失火或はプレイグニッションの
発生を抑制することができるものである。

【００１９】そこで、この発明の実施例について、従来
構造のものと高電圧を負荷として与えた場合に、ジャン
ピングが発生する放電電圧に付いて比較したところ、図
４に示すように、従来構造のものであってはジャンピン
グが２２ｋＶで発生するが、この発明の実施例において
は３４ｋＶの放電電圧まで、ジャンピングの発生が抑制
され、この発明の効果が十分に認められた。

【００２０】

【発明の効果】以上のとおり、絶縁体脚長部の側周に電
極を埋設することによって中心電極と主体金具との間に
発生する電界強度を緩和することができるので、ジャン
ピングを防止することができると共に、低温燃焼時に発
生する帯電するカーボンが絶縁体脚長部の先端に付着、
堆積することを抑制できるので耐くすぶり汚損性を向上
させることができる優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例である内燃機関用スパークプ
ラグの部分断面図である。

【図２】その要部拡大断面図である。

【図３】この発明の別の実施例における絶縁体先端部の
斜視図である。

【図４】従来例とのジャンピング発生時の放電電圧を比
較した結果である。

【符号の説明】

１　　内燃機関用スパークプラグ ２　　絶縁体 ３　　軸孔 ４　　中心電極 ５　　抵抗体 ６　　端子電極 ７　　主体金具 ８　　ネジ部 ９　　外側電極 １０　　凹陥部 １１　　電極部 １２　　リード部 １３　　グリーンシート １４　　絶縁体の脚長部 １５　　前端面 １６　　導電性ガラスシール １７　　線パッキン

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　中心電極を保持する絶縁体脚長部の側
   周に凹陥部を周設すると共に、この凹陥部内に金属粉末
   ３０〜９５ｗｔ％、セラミック粉末７０〜５ｗｔ％を調
   合したペースト状インクによりあらかじめアルミナ質の
   グリ−ンシ−ト上に印刷又は塗布して形成する電極部を
   その印刷又は塗布部を内面として設け、この電極部から
   主体金具へ通電を確保するリード部を構成し、同時焼成
   により密着接合してなる内燃機関用スパークプラグ。
2. 【請求項２】　　中心電極を保持する絶縁体脚長部の側
   周に凹陥部を周設すると共に、この凹陥部内に金属粉末
   ３０〜９５ｗｔ％、セラミック粉末７０〜５ｗｔ％を調
   合したペ−スト状インクにより直接表面に印刷又は塗布
   して形成する電極部を設け、この電極部から主体金具へ
   通電を確保するリ−ド部を構成し、上記電極部にアルミ
   ナ質のグリ−ンシ−トを被覆して、同時焼成により密着
   してなる内燃機関用スパ−クプラグ。
3. 【請求項３】　　絶縁体脚長部に周設する凹陥部の位置
   を、絶縁体前端面からの距離Ａを２．０ｍｍ以上とし、
   更に凹陥部の深さＴを０．１ｍｍ以上としてなる請求項
   １又は請求項２記載の内燃機関用スパークプラグ。