JPH04300954A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH04300954A
JPH04300954A JP3092710A JP9271091A JPH04300954A JP H04300954 A JPH04300954 A JP H04300954A JP 3092710 A JP3092710 A JP 3092710A JP 9271091 A JP9271091 A JP 9271091A JP H04300954 A JPH04300954 A JP H04300954A
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JP
Japan
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polyethylene
weight
polyester
thermoplastic resin
resin composition
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Pending
Application number
JP3092710A
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English (en)
Inventor
Tadashi Sezume
瀬詰 忠司
Noritomo Ezure
江連 規党
Yukihiko Yagi
八木 幸彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はポリエステルとポリエチ
レンとを含有する熱可塑性樹脂組成物に関し、特にポリ
エステルとポリエチレンとが良好に相溶化し、耐衝撃性
、引張伸度、引張降伏強度等の機械的強度及び成形性が
良好で、軽量化された熱可塑性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
ステルは、絶縁性、機械的強度、耐衝撃性、耐熱性等に
優れることから自動車、家電製品等の各種電装部品に用
いられているが、比重が大きいため、大型のものに使用
する場合には特に重量が大きくなってしまう。一方ポリ
エチレンは成形性、耐薬品性、耐水性等に優れているが
、剛性、耐熱性等に劣るという欠点がある。そこで、こ
のようなポリエステルとポリエチレンとをブレンドする
ことにより、双方の欠点を緩和し、バランスのよい樹脂
とすることが試みられている。ところがポリエチレンと
ポリエステルとは相溶性が十分でないので、単にブレン
ドしただけでは耐衝撃性や表面剥離性が低下するという
問題がある。 【0003】そのため、両者の相溶性を改善するために
エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体等のエポ
キシ基含有エチレン系共重合体を添加することによりポ
リエステルとポリエチレンとを相溶化することが考えら
れる。 【0004】しかしながら、エポキシ基含有エチレン系
共重合体を添加した組成物は、剛性、引張伸度等の機械
的強度等が低下し、しかもポリエチレンとポリエステル
とが十分に相溶化していないため、耐衝撃性が十分では
ないという問題がある。 【0005】このように従来はポリエチレンとポリエス
テルとを混合すると、機械的強度、絶縁性、耐衝撃性、
成形性、耐薬品性、耐水性、耐表面剥離性等のいずれか
の物性が大きく低下し、全てが満足できるレベルにある
組成物、いわゆるバランスのよい樹脂を得るのが困難で
あった。 【0006】したがって本発明の目的は、ポリエステル
とポリエチレンとが良好に相溶化し、耐衝撃性、引張伸
度、引張降伏強度等の機械的強度及び成形性が良好で、
軽量化された熱可塑性樹脂組成物を提供することである
。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意検討
の結果、本発明者らは、ポリエステルとポリエチレンの
相溶化剤として、アクリルアミド基とエポキシ基とを有
する特定のグリシジル化合物による変性ポリエチレンを
含有する組成物は、ポリエステルとポリエチレンとが良
好に相溶化しているとともに、耐衝撃性、引張伸度、引
張降伏強度等の機械的強度及び成形性のバランスがよい
ことを見出し、本発明に想到した。 【0008】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物は
、(a) ポリエステル50〜95重量%と、(b) 
下記一般式【化2】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以上有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4
の整数を表す。) で表されるグリシジル化合物を含有
するポリエチレン系樹脂5〜50重量%とを含有するこ
とを特徴とする。 【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
いて(a) ポリエステルは、一般に飽和ジカルボン酸
と飽和二価アルコールとからなる熱可塑性樹脂で、例え
ばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート(ポリブ
チレンテレフタレート)、ポリヘキサメチレンテレフタ
レート、ポリシクロヘキサン−1,4 −ジメチロール
テレフタレート、ポリネオペンチルテレフタレート等が
挙げられる。これらの中で特にポリエチレンテレフタレ
ート及びポリブチレンテレフタレートが好ましく、特に
ポリブチレンテレフタレートが好ましい。 【0010】上記ポリエステルは0.30〜 1.8の
固有粘度〔η〕及び10〜 200m当量/kgの末端
カルボキシル基の濃度を有するのが好ましい。ここで固
有粘度〔η〕(dl/g)はo−クロロフェノール溶媒
中において25℃で測定した溶液粘度より求めたもので
ある。 【0011】ポリブチレンテレフタレートの場合、固有
粘度〔η〕は0.30〜 1.8で、末端カルボキシル
基濃度は10〜 200m当量/kgであるのが好まし
い。この場合も同様にテレフタル酸成分はアルキル基、
ハロゲン基等で置換されたものでもよく、またグリコー
ル成分は1,4 −ブチレングリコールの他に50重量
%程度まで他のグリコール、例えばエチレングリコール
、プロピレングリコール、ヘキサメチレングリコール等
を含有していてもよい。 【0012】また、ポリエチレンテレフタレートの場合
、固有粘度〔η〕は0.30〜1.2 で、末端カルボ
キシル基濃度は10〜 200m当量/kgであるのが
好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレート中のテレ
フタル酸成分は、アルキル基、ハロゲン基等で置換され
たものでもよく、またグリコール成分は、エチレングリ
コールの他に50重量%程度まで他のグリコール、例え
ば1,4 −ブチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ヘキサメチレングリコール等を含有していてもよい
。 【0013】本発明において(b) ポリエチレン系樹
脂はアクリルアミド基とエポキシ基とを有する特定のグ
リシジル化合物からなるモノマーをグラフト重合してな
る変性ポリエチレンを2重量%以上含有するものである
。 【0014】上記グリシジル化合物は、下記一般式(1
) : 【化3】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以上有する
炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4
の整数を表す。)で表される。 【0015】好ましいグリシジル化合物としては、下記
一般式(2) で表されるものが挙げられる。 【化4】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。 ) 【0016】このようなグリシジル化合物は、例えば特
開昭60−130580 号に示される以下のような方
法により製造することができる。 【0017】まず、フェノール性水酸基を少なくとも1
つ以上有する芳香族炭化水素と、N−メチロールアクリ
ルアミド又はN−メチロールメタクリルアミド、あるい
はN−メチロールメタクリルアミドのアルキルエーテル
誘導体 (以下、これらをN−メチロールアクリルアミ
ド類という)を酸触媒で縮合させることにより、下記一
般式(3)【化5】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Ar’ は水酸基を少なくとも1つ以上有する炭素数6
〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数を
表す。)で表される化合物を製造する。 【0018】上記フェノール性水酸基を少なくとも1つ
以上有する芳香族炭化水素としては特に制限はないが、
例えばフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、
p−クレゾール、2,6−キシレノール、2,4−キシ
レノール、o−クロルフェノール、m−クロルフェノー
ル、p−クロルフェノール、o−フェニルフェノール、
2,6−ジフェニルフェノールなどのフェノール性化合
物、ヒドロキノン、カテコール、フロログルシノールな
どのポリフェノール性化合物、1−ナフトール、2−ナ
フトール、9−ヒドロキシアントラセンなどの多環式ヒ
ドロキシ化合物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン (ビスフェノール−A) 、ビス(4−
ヒドロキシフェニル) メタンなどのビスフェノール類
等が挙げられる。 【0019】次に上記一般式(3) で表される化合物
の水酸基をグリシジル化することにより、一般式(1)
 で表されるグリシジル化合物を得ることができる。こ
のグリシジル化には、一般式(3) で表される化合物
とエピハロヒドリンとの付加反応を行った後、苛性アル
カリにより脱ハロゲン化水素を行うのが好ましい。 【0020】エピハロヒドリンとの付加反応は、相間移
動触媒を用いて行う。上記エピハロヒドリンとしては、
エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨード
ヒドリン等を用いることができる。 【0021】また相間移動触媒としては、例えばテトラ
ブチルアンモニウムブロマイド、トリオクチルメチルア
ンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライドなどの第4級アンモニウム塩、テトラフェ
ニルホスホニウムクロライド、トリフェニルメチルホス
ホニウムクロライドなどの第4級ホスホニウム塩などを
用いることができる。 【0022】上記相間移動触媒の使用量は、一般式(3
) で表される化合物を100 モル%として、0.0
1〜100 モル%の範囲で使用するのが好ましい。特
に好ましい相間移動触媒の使用量は、0.05〜10モ
ル%である。また反応時間及び反応温度は50〜120
 ℃で5分〜2時間、より好ましくは80〜110 ℃
で10〜30分である。 【0023】続いて、苛性アルカリにより脱ハロゲン化
水素を行う。上記苛性アルカリとしては、苛性ソーダ、
苛性カリ、水酸化リチウムなどが使用できる。これらは
固体のままか、もしくは水溶液として用いることができ
る。また脱ハロゲン化水素の触媒としては上述の相間移
動触媒と同様のものを用いることができる。また上記相
間移動触媒以外の触媒としては、クラウンエーテル類、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール等が挙げられる。 【0024】上記苛性アルカリの使用量は、一般式(3
) で表される化合物に対して等モル量を使用するのが
好ましい。より好ましくは、1.1 〜1.5 倍モル
を使用する。 また反応時間及び反応温度は20〜90℃で10分〜3
時間、より好ましくは40〜70℃で30分〜2時間で
ある。 【0025】また上記変性用モノマーにより変性するポ
リエチレンは、エチレンを構成単位とする高分子化合物
で、メルトインデックス(MI 190 ℃、2.16
 kg 荷重) 0.01〜50g/10 分、密度(
ASTM D1505)が0.955 〜0.885 
g/cm3 のものであり、10重量%以下程度他のα
−オレフィンと共重合していてもよい。このようなポリ
エチレンとしては、低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン等が挙げられるが、特
に剛性が高く、得られる組成物のバランスがよいことか
ら高密度ポリエチレンが好ましい。本発明において高密
度ポリエチレンは、密度0.935 g/cm3 以上
であり、またそのメルトインデックス(MI 190 
℃、2.16 kg 荷重) は、0.1 〜10g/
10 分であるのが好ましい。 【0026】このようなグリシジル化合物によるポリエ
チレンの変性(グラフト重合)は、溶液法又は溶融混練
法のいずれでも行うことができる。溶融混練法の場合、
ポリエチレンと上述した変性用のグリシジル化合物、及
び必要に応じて触媒を、押出機や二軸混練機等に投入し
、 120〜 300℃の温度に加熱して溶融しながら
0.1 〜20分混練する。また溶液法の場合、キシレ
ン等の有機溶剤に上記出発物質を溶解し、90〜 20
0℃の温度で0.1 〜100 時間撹拌しながら行う
。いずれの場合にも、触媒として通常のラジカル重合用
触媒を用いることができ、例えば過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、過酸化
アセチル、ターシャリーブチルペルオキシ安息香酸、過
酸化ジクミル、ペルオキシ安息香酸、ペルオキシ酢酸、
ターシャリーブチルペルオキシピバレート、2,5−ジ
メチル−2,5−ジターシャリーブチルペルオキシヘキ
シン等の過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等
のジアゾ化合物類等が好ましい。触媒の添加量は変性の
グリシジル化合物100 重量部に対して0.1 〜1
0重量部程度である。なお、本発明においては上記グラ
フト反応時にフエノール系酸化防止剤を添加することが
できる。ただし、ラジカル重合用触媒を添加しない場合
には、添加しない方が好ましい。 【0027】このような変性ポリエチレン中のグリシジ
ル化合物の含有量は0.01〜30重量%の範囲内とな
るようなものであるのが好ましく、より好ましくは0.
1 〜10重量%である。グリシジル化合物による変性
量が0.01重量%未満であると、ポリエチレンとポリ
エステルとの相溶性向上に十分な効果がなく、また30
重量%を超えると機械的強度が低下する。 【0028】また、ポリエチレン系樹脂において、変性
ポリエチレン以外の未変性のポリエチレンとしては、上
述した変性ポリエチレンの変性対象となるものと同様の
ものを用いることができる。 【0029】なお、ポリエチレン系樹脂は、上述したよ
うな変性ポリエチレン単独あるいは変性ポリエチレンと
未変性のポリエチレンとの混合物であるが、上述したよ
うな変性ポリエチレンのポリエチレン系樹脂における含
有量は(b) ポリエチレン系樹脂を100 重量%と
して2重量%以上である。変性ポリエチレンの含有量が
2重量%未満ではポリエチレン系樹脂とポリエステルと
の相溶性向上に十分な効果がない。好ましい変性ポリエ
チレンの含有量は10〜50重量%である。 【0030】ただし、ポリエチレン系樹脂全体を100
 重量%として、アクリルアミド基とエポキシ基とを有
する特定のグリシジル化合物の含有量が0.01重量%
以上となるようにするのが好ましい。ポリエチレン系樹
脂全体に対してグリシジル化合物の含有量が0.01重
量%未満ではポリエチレン系樹脂とポリエステルとの相
溶性向上に十分な効果がない。より好ましくは0.1 
重量%以上である。 【0031】上述したような(a) ポリエステルと、
(b) ポリエチレン系樹脂との配合割合は、まず(a
) +(b) の合計を100 重量%として(a) 
ポリエステルが50〜95重量%、好ましくは60〜9
0重量%であり、(b) ポリエチレン系樹脂が5〜5
0重量%、好ましくは10〜40重量%である。(a)
 ポリエステルが50重量%未満では(ポリエチレン系
樹脂が50重量%を超えると) 、ポリエステルの特性
が損なわれ、一方ポリエステルが95重量%を超えると
 (ポリエチレン系樹脂が5重量%未満では)、ポリエ
チレン系樹脂の添加による効果が十分に発揮されない。 【0032】なお、本発明においては上述したような(
a) ポリエステルと、(b) ポリエチレン系樹脂と
にさらに耐衝撃性、成形性、伸び物性等を改良すること
を目的として、(c) スチレン系ブロック共重合体を
添加することができる。 【0033】本発明において(c) スチレン系ブロッ
ク共重合体とは、ポリスチレンブロックとポリオレフィ
ンブロックとからなる共重合体、あるいはこれらの水添
物である。また上記共重合体をエポキシ基含有モノマー
、不飽和カルボン酸又はその無水物等により変性したも
のも含む。 【0034】このようなスチレン系ブロック共重合体と
しては、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重
合体 (SIS、スチレン−イソプレンブロック共重合
体も含む) 、スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
ク共重合体 (SBS、スチレン−ブタジエンブロック
共重合体も含む)、スチレン−水添イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(スチレン−エチレン−プロピレン
−スチレンブロック共重合体:SEPS)、スチレン−
水添ブタジエン−スチレンブロック共重合体 (スチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体:
SEBS)等が挙げられる。 【0035】また上記スチレン系ブロック共重合体の変
性物の場合、変性用のモノマーとしては、エポキシ基含
有モノマー、不飽和カルボン酸又はその無水物等が挙げ
られる。 【0036】上記エポキシ基含有モノマーとしては、例
えばメタクリル酸グリシジルエステル、アクリル酸グリ
シジルエステル等が挙げられる。また上述した変性ポリ
エチレンの変性用モノマーであるアクリルアミド基とエ
ポキシ基とを有する特定のグリシジル化合物も用いるこ
とができる。 【0037】また不飽和カルボン酸又はその無水物はし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のジカルボ
ン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、エンド−ビシ
クロ−[2,2,1] −5−ヘプテン−2,3−ジカ
ルボン酸無水物 (無水ハイミック酸) 等のジカルボ
ン酸無水物等が挙げられ、特にジカルボン酸及びその無
水物が好ましい。 【0038】このようなエポキシ基含有モノマー、ある
いは不飽和カルボン酸又はその無水物によるスチレン系
ブロック共重合体の変性は、スチレン系ブロック共重合
体に上記変性用モノマーをグラフト重合、あるいはラン
ダム重合させることにより行えばよい。 【0039】グラフト重合の場合、まず、スチレン系ブ
ロック共重合体と、変性用の不飽和カルボン酸又はその
無水物、あるいはエポキシ基含有モノマー及び必要に応
じて触媒を、押出機や二軸混練機等に投入し、150 
〜300 ℃程度、好ましくは180 〜250 ℃程
度で溶融しながら混練する。この際の不飽和カルボン酸
又はその無水物、あるいはエポキシ基含有モノマーの添
加量はスチレン系ブロック共重合体100重量部に対し
て0.1 〜20重量部程度、好ましくは0.5 〜1
0重量部程度である。 【0040】上述したようなスチレン系ブロック共重合
体の添加量は、(a) +(b) の合計100 重量
部に対して、1〜15重量部である。スチレン系ブロッ
ク共重合体の含有量が1重量部未満では、その添加によ
る成形性及び、伸び物性等の向上効果が十分でなく、ま
た15重量部を越えると、耐熱性や剛性が低下する。好
ましいスチレン系ブロック共重合体の含有量は2〜10
重量部である。 【0041】本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記組成と
なるが、さらにその強化や改質を目的として、他の充填
材や強化材、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯
電防止剤、発泡剤、核剤等を添加することができる。 【0042】上述したような本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、上記各成分を一軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ミキサー、混練ロール、ブラベンダー等の混練機を用い
て220 〜300 ℃、好ましくは230 〜280
 ℃で加熱溶融状態で混練することにより得ることがで
きる。なお溶融混練は、各成分を一括で又は二段以上の
工程に分けて行うことができる。 【0043】 【作用】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、アクリルアミ
ド基とエポキシ基とを有する特定のグリシジル化合物に
よる変性ポリエチレンを含有するポリエチレン系樹脂と
、ポリエステルとを含有してなるので、ポリエステルと
ポリエチレンとが良好に相溶化しており、耐衝撃性、伸
び特性等の機械的強度、成形性等の全てが良好であり、
しかも軽量化されている。 【0044】このような効果が得られる理由は必ずしも
明らかでないが、機械的強度、絶縁性、耐衝撃性に優れ
たポリエステルと、成形性、耐薬品性、耐水性に優れる
ポリエチレンとをアクリルアミド基とエポキシ基とを有
する特定のグリシジル化合物による変性ポリエチレンに
より良好に相溶化し、両者の長所が良好に発揮されるた
めであると考えられる。 【0045】 【実施例】以下の具体的実施例により本発明をさらに詳
細に説明する。なお、各実施例及び比較例において、原
料及び添加剤としては、以下のものを使用した。 [1] ポリエステル ・ポリブチレンテレフタレート PBT:〔帝人(株)製 TRB J、固有粘度〔η〕
0.87〕[2] ポリエチレン ・高密度ポリエチレン HDPE:〔メルトインデックス(MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 0.2 g/10 分、密度(A
STM D1505)0.935g/cm 3 〕・線
状低密度ポリエチレン LLDPE:〔メルトインデックス(MI、190 ℃
、2.16kg荷重)4.0g/10 分、密度(AS
TM D1505)0.934 g/cm3 〕・低密
度ポリエチレン LDPE:〔メルトインデックス(MI、190 ℃、
2.16kg荷重) 2.4 g/10 分、密度(A
STM D1505)0.923 g/cm3 〕[3
] 変性用モノマー AXE:下記化学式 【化6】 により表されるグリシジル化合物〔鐘淵化学工業(株)
製〕 [4] 変性スチレン系ブロック共重合体CMSEBS
:〔エポキシ変性スチレン−水添ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体、旭化成工業(株)製:タフテックZ
513〕 [5] エポキシ基含有エチレン系共重合体・エチレン
−グリシジルメタクリレートランダム共重合体 EGMA:〔住友化学工業(株)製  ボントファース
トE〕 【0046】合成例1 変性ポリエチレンの製造 線状低密度ポリエチレン(LLDPE :MI 4.0
g/10 分、密度0.934 g/cm3 )100
重量部と、AXE5重量部と、ラジカル発生剤(POX
 :パーヘキシン2−5B) 0.05重量部とをドラ
イブレンドし、その後クリュー径45mmφ、L/D=
28の二軸押出機により、190 ℃、200rpmで
押出し、AXE変性ポリエチレン(CMPE)を得た。 【0047】このようにして得られた変性ポリエチレン
のメルトインデックスは1.8 g/10分であり、A
XEのグラフト率は4.6 重量%であった。 【0048】実施例1〜6、比較例1〜3ポリエステル
(PBT) と、ポリエチレン(HDPE 、LDPE
又はLLDPE)と、変性ポリエチレン(CMPE)と
、変性スチレン系ブロック共重合体(CMSEBS)と
を第1表に示す割合で、ヘンシェルミキサによりドライ
ブレンドした後、スクリュー径45mmφ、L/D=2
8の二軸押出機により、250 ℃、200rpmで混
練し、熱可塑性樹脂組成物を得た。 【0049】このようにして得られた熱可塑性樹脂組成
物のメルトフローレート (250 ℃、2.16kg
荷重) 、引張降伏強度、引張破断伸度、曲げ弾性率、
アイゾット衝撃強度、熱変形温度、比重を測定した。結
果を第2表に示す。 【0050】また比較のために実施例1、5及び6の組
成物において、変性ポリエチレンの代わりにエチレン−
グリシジルメタクリレートランダム共重合体(EGMA
)を使用した組成物について同様にメルトフローレート
 (250℃、2.16kg荷重) 、引張降伏強度、
引張破断伸度、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、熱変
形温度、比重を測定した。結果を第2表に示す。 【0051】                     第    
1    表組  成 重量部    実施例1  実施例2  実施例3  
実施例4  実施例5  実施例6PBT      
80      80      80      8
0      80      60HDPE    
10        6        −     
   −      16      30LLDPE
    −        −      10   
     −        −        −L
DPE      −        −      
  −      10        −     
   −CMPE    10      10   
   10      10        4   
   10CMSEBS        −     
   4        −        −   
     −        −  【0052】                          
 第    1    表    ( 続  き ) 
     組  成       重量部      比較例1    比較
例1    比較例2        PBT    
    80        80        6
0          HDPE      10  
      16        30       
   EGMA      10          
4        10    【0053】                     第    
2    表物  性        実施例1  実
施例2  実施例3  実施例4  実施例5  実施
例6MFR                    
                         
                   (g/10 
分) (1)    7.5        10  
     8.3       8.1       
 12        14引張降伏強度      
                         
                         
  (kg/cm2 ) (2)    480   
    490       480       4
60       480       410引張破
断伸度                      
                         
            (%) (3)      
   80       160        80
       100        60     
  150曲げ弾性率               
                         
                    (kg/c
m2 ) (4)  22000     21000
     21000     20000     
22000     19000アイゾット衝撃強度 
                         
                         
 (kg ・cm/cm)(5)   8      
  16        7        12  
      7        8熱変形温度    
                         
                         
       (℃)   (6)      120
       118       118     
  110       122       108
  比重                     
                         
                   (g/cm3
 ) (7)   1.22      1.22  
    1.22      1.21      1
.21      1.15【0054】                     第    
2    表    ( 続  き )    物  
性            比較例1    比較例2
    比較例3            MFR  
                         
                         
    (g/10 分) (1)        2
.1         0.4         1.
3              引張降伏強度    
                         
                     (kg/
cm2 ) (2)        420     
    410         360      
        引張破断伸度           
                         
               (%) (3)   
         100          30 
         80              
曲げ弾性率                    
                         
       (kg/cm2 ) (4)     
 16000       19000       
14000              アイゾット衝
撃強度                      
                      (kg
 ・cm/cm)(5)       12     
     8          15       
       熱変形温度             
                         
               (℃)   (6) 
         117         120 
         90              
  比重                     
                         
           (g/cm3 ) (7)  
     1.22        1.22    
    1.15            【0055
】(1) MFR:ASTM D1238により250
 ℃、2.16kg荷重にて測定。 (2) 引張降伏強度:ASTM D638 により測
定。 (3) 引張破断伸度:ASTM D638 により測
定。 (4) 曲げ弾性率:ASTM D790 により測定
。 (5) アイゾット衝撃強度:ASTM D256 に
より、23℃、ノッチ付きにて測定。 (6) 熱変形温度:ASTM D648 により4.
6kg/cm2 にて測定。 (7) 比重:ASTM D792 により測定。 【0056】第2表から明らかなように、実施例1〜6
の熱可塑性樹脂組成物は、引張降伏強度、引張破断伸度
、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度、熱変形温度の全て
が良好でバランスのよいものであった。特に変性スチレ
ン系ブロック共重合体を含有する実施例2の熱可塑性樹
脂組成物は、引張破断伸度及び耐衝撃性が特に優れてい
た。これに対し、比較例1〜3の熱可塑性樹脂組成物は
、対応する実施例と比較して、引張降伏強度及び曲げ弾
性率が劣っていた。 【0057】 【発明の効果】以上詳述したように、本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、ポリエステルとポリエチレンの相溶化剤
として、アクリルアミド基とエポキシ基とを有する特定
のグリシジル化合物による変性ポリエチレンを含有して
なるので、ポリエステルとポリエチレンとが良好に相溶
化しているとともに、耐衝撃性、引張伸度、曲げ弾性率
等の機械的強度、成形性等のバランスに優れているとと
もに、軽量化されている。 【0058】このような本発明の熱可塑性樹脂組成物は
、各種エンジニアリングプラスチックとして、特に自動
車の内装及び外装部品、家電部品、工業材料部品、包装
材料等用の樹脂組成物として好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  (a) ポリエステル50〜95重量
    %と、(b) 下記一般式 【化1】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
    Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以上有する
    炭素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4
    の整数を表す。) で表されるグリシジル化合物を含有
    するポリエチレン系樹脂5〜50重量%とを含有するこ
    とを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】  請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物
    において、前記(a) ポリエステルが、ポリブチレン
    テレフタレート又はポリエチレンテレフタレートである
    ことを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】  請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂
    組成物において、前記(a) ポリエステルと(b) 
    ポリエチレン系樹脂の合計100 重量部に対して、さ
    らに(c) スチレン系ブロック共重合体1〜15重量
    部を含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009535467A (ja) * 2006-05-01 2009-10-01 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 放射線硬化性樹脂組成物およびそれを使用した急速三次元的画像形成方法
US8501033B2 (en) 2009-03-13 2013-08-06 Dsm Ip Assets B.V. Radiation curable resin composition and rapid three-dimensional imaging process using the same
JP2018145217A (ja) * 2017-03-01 2018-09-20 藤森工業株式会社 シーラント用樹脂組成物、積層フィルム及び容器

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