JPH04295401A - 水中付着生物忌避剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、船舶の船底および魚網
、ブイ等の海中に置かれる設備、ダムの付属設備等の水
中構築物、火力発電所の復水器冷却用水あるいは石油化
学工業の熱交換器冷却用水の取水路等に有害な水中生物
が付着し繁殖することを防止する水中付着生物忌避剤に
関する。

【０００２】

【従来の技術】船舶の船底部、海中に置かれた設備、水
中構築物および冷却用水の取水路など常時水と接触する
部分には、フジツボ、カキ、ムラサキイガイ、ヒドロム
シ、セルプラ、板コケムシ、ホヤ、フサコケムシ、アオ
サ、アオノリ、シオミドロ等の貝類および藻類が付着繁
殖し、これらの付着生物は流体抵抗の増加、熱伝導性の
低下を起こし設備機器の能力を低下させるなど好ましく
ない状態を引き起こす。

【０００３】従来、このような淡水および海水有害生物
の付着繁殖を防止するための各種の防汚剤が使用されて
いる。このような防汚剤の有効成分としては硫酸銅、亜
酸化銅、有機スズ化合物などが従来から知られており現
在も多く用いられている。これらの有効成分は塗料中に
１０〜５０重量％含有せしめ、海水中で連続的に溶出さ
せることにより有害生物の付着を防止している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし最近、重金属や
有害元素により河川もしくは海水などの環境が汚染され
たり、さらには魚を媒介とし人体への害が生ずるという
ような社会的問題を起こしつつあり、防汚剤においても
有機スズ化合物等の使用に対し指導がなされている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】このような現状に鑑み、
本発明者らは、有機スズ化合物以外の化合物で、安全で
防汚効果を有する化合物を開発すべく鋭意研究を重ねた
結果、ビサボレンが有害水中付着生物の忌避作用を有す
ることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに
至った。即ち本発明の水中付着生物忌避剤は、ビサボレ
ンを有効成分とすることを特徴とするものである。ビサ
ボレンには、α、βおよびγ−異性体が存在するが、本
発明においては、それらのいずれを用いてもよく、また
、それらの混合物として用いてもよく、さらには他の水
中付着生物忌避剤と混合して使用することもできる。 また、このビサボレンは化学的に合成することによって
も得られるが、天然に存在するビサボレンを多く含有す
る植物、動物、例えばショウガ科植物、腔腸動物などか
ら公知の方法により抽出した抽出物を使用することがで
き、さらにこの抽出物から分離した単品を使用すること
ができる。本発明のビサボレンを有効成分とする水中付
着生物忌避剤は、塗料、溶液、乳剤などの形に調製し使
用される。これは通常行われる一般的な処方を採用して
問題なく実施できる。例えば、塗料として使用する場合
は、ビサボレンを塗料調製剤に配合して防汚塗料を調製
し、これを船底、水中構築物および冷却用取水路に塗布
することができる。この際使用される塗膜形成剤として
は、例えば油ワニス，　合成樹脂、人造ゴム等である。 防汚塗料には所望に応じさらに溶剤や体質顔料を加える
ことができる。この場合、前記有効成分は塗膜形成剤の
重量に基づき、好ましくは０．５　〜４０％、さらに好
ましくは１〜２０％の割合で配合される。溶液として使
用する場合は、ビサボレンを塗膜形成剤に配合し、溶媒
に溶解した溶液とし、これを水中生物の付着繁殖を防止
する目的で養殖漁網、定置漁網などへ塗布することがで
きる。塗膜形成剤としては、例えば天然樹脂、合成樹脂
、人造ゴム等が使用され、溶媒としては、トルエン、キ
シレン、クメン、アセトンなどが使用される。また溶液
は必要の応じ、可塑剤などの添加剤を加えることができ
る。溶液として使用する場合、前記有効成分は溶液中に
基づき、好ましくは　０．５〜５０重量％、さらに好ま
しくは１〜２０重量％の割合で配合される。乳剤として
使用する場合は、溶媒中に前記有効成分を溶解し、さら
に界面活性剤を添加し用いる。また本剤は養殖漁網、定
置漁網など水中使用物素材の高分子樹脂に練り込んで使
用することもできる。

【０００６】

【発明の効果】本発明の水中付着生物忌避剤は、有効成
分が天然物由来で、食品成分にも多く存在する安全性の
高い化合物であり、しかも従来の有機スズ化合物が付着
生物を殺生することにより防汚性を示しているのに対し
、本発明の忌避剤は付着生物を殺生することなく、付着
機能のみを阻止する作用を利用したものであり、水中付
着生物忌避効果に優れると共に魚介類に安全性の高い水
中付着生物忌避剤である。

【０００７】

【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。 実施例 小笠原珊瑚礁域で採集した腔腸動物ウミトサカ１ｋｇを
細断した後、アセトン２ｋｇを加え、２４時間室温暗所
に静置後、これをろ過してろ液と残渣に分別した。ろ液
を減圧下常温にて濃縮しアセトンを除去し、これに酢酸
エチルを加え分配し、上層である酢酸エチル層と下層で
ある水層を分離し、得られた酢酸エチル層を減圧下濃縮
して酢酸エチルを除去して油状物１０．２ｇを得た。さ
らに、この油状物をシリカゲルカラムクロマトに付し、
ヘキサンでの溶出画分を常温減圧下にて濃縮してヘキサ
ンを除去し、β−ビサボレンの単品を得た。得られたβ
−ビサボレンについてムラサキイガイの付着阻止効果を
伊奈らの方法（Ａｇｒｉｃ．Ｂｉｏｌ．Ｃｈｅｍ．，５
３，３３１９（１９８９））により試験した。つまり、
供試化合物の２５ｍｇおよび５ｍｇをアセトン１ｍｌに
溶解し試験用紙に直径４ｃｍの円形に塗布した。乾燥後
、ムラサキイガイ４枚を塗布円の外周に接着し、２０℃
海水の流水中へ静置した。３時間後、ムラサキイガイは
新たな付着足糸を形成した。その付着足糸数を調べ、付
着阻止効果を判定した。また比較例として硫酸銅１ｍｇ
およびアセトンのみを使用し同様の試験を行った。結果
を表１に示す。

【０００８】

【表１】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　ビサボレンを有効成分とすることを特
   徴とする水中付着生物忌避剤。