JPH04286710A - ダブルアジマス磁気ヘッド及び該磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はＶＴＲ等の磁気記録装置
に用いられるダブルアジマス磁気ヘッド及び該磁気ヘッ
ドを備えた磁気記録再生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、クリアビジョンの普及や高品位Ｖ
ＴＲの民生化に伴い、磁気記録再生装置の高性能化への
要求は大きくなっている。上記要求を満足するためには
、前記磁気記録再生装置内でも重要な役割を果たす回転
シリンダ−の高性能化、更には回転シリンダ−に取り付
けられる磁気ヘッドの高性能化、あるいは高付加価値が
必要である。これに伴い、例えば特殊再生の高画質化に
対応して　　１つのヘッドベ−スに２個のヘッドチップ
を取り付けた所謂ダブルアジマス磁気ヘッドが採用され
ている。

【０００３】一方、ＶＴＲ等に用いられる磁気テープと
しては、抗磁力ＨＣの大きいメタルテ−プやＳ−ＶＨＳ
用テ−プが採用されている。また、磁気ヘッドとしては
、磁気媒体の高抗磁力化に対応してギャップ近傍部に高
飽和磁束密度の金属磁性薄膜を配置した、所謂メタルヘ
ッドが採用されている。

【０００４】通常、ＶＴＲに用いられるダブルアジマス
磁気ヘッドにおいては、テ−プ進入側に第１のモ−ド、
例えばＥＰ（長時間記録再生）モ−ド時に用いられるト
ラック幅１９μｍのＥＰモ−ド用ヘッドが配置され、テ
−プ退出側に第２のモ−ド、例えば高画質のＳＰ（短時
間記録再生）モ−ド時に用いられるトラック幅５９μｍ
のＳＰモ−ド用ヘッドが配置されている。

【０００５】ＥＰモ−ドはＳＰモ−ドに比べ再生画質が
悪く、しかもヘッドのトラック幅が小さくヘッドの形状
によっては金属磁性薄膜を薄く出来るため、ヘッドの製
造が容易であり、ＥＰモ−ド用ヘッドとしてはギャップ
近傍部に金属磁性薄膜を形成したＭＩＧ（Ｍｅｔａｌ　
　Ｉｎ　　Ｇａｐ）ヘッドが採用されている。これに対
して、ＳＰモ−ドはＥＰモ−ドに比べ再生画質が良く、
しかもヘッドのトラック幅が大きいため、ヘッドの形状
によってはヘッドの製造が困難であり、ＳＰモ−ド用ヘ
ッドとしては金属磁性薄膜を用いないフェライトヘッド
が採用されている。

【０００６】ところが、ＳＰモ−ドにおいても更なる高
画質化の要求が高く、ＳＰモ−ド用ヘッドとしてＭＩＧ
ヘッドを採用する必要性が出てきた。このため、ＳＰモ
−ド用ヘッドとしてＭＩＧヘッドを採用した記録再生装
置を試作検討したが、高抗磁力の磁気テ−プに対しては
、ＥＰモ−ド用ヘッドとしてＭＩＧヘッドを用いた場合
に比べてその効果は小さく、高価なＭＩＧヘッドを採用
する必要性はほとんどなかった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来例の
欠点に鑑み為されたものであり、磁気媒体退出側に位置
する第２のヘッドチップが動作するＳＰモ−ド等のモ−
ド時においても、再生特性が十分に向上するダブルアジ
マス磁気ヘッド及び該磁気ヘッドを備えた磁気記録再生
装置を提供することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は磁気媒体進入側
に位置する第１ヘッドチップと磁気媒体退出側に位置す
る第２ヘッドチップとから成るダブルアジマス磁気ヘッ
ドにおいて、前記第２ヘッドチップは磁気媒体退出側に
位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜を有する第１コア
半体と、磁気媒体進入側に位置しギャップ近傍部に金属
磁性薄膜を有する第２コア半体とにより構成され、前記
第１コア半体のギャップ形成面には巻線溝が形成され、
前記第２コア半体のギャップ形成面には上端が前記巻線
溝よりも媒体摺接面側に位置する切り欠きが形成され、
該切り欠きにより前記ギャップのギャップ深さを規制し
たことを特徴とする。

【０００９】更に、本発明では前記切り欠きは前記金属
磁性薄膜を分断し、前記第２コア半体にまで及んでいる
ことを特徴とする。

【００１０】更に、本発明では前記第１ヘッドチップは
磁気媒体進入側に位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜
を有する第１コア半体と、磁気媒体退出側に位置しギャ
ップ近傍部に金属磁性薄膜を有する第２コア半体とによ
り構成され、前記第１コア半体のギャップ形成面には巻
線溝が形成され、該巻線溝により前記ギャップのギャッ
プ深さを規制したことを特徴とする。

【００１１】更に、本発明では前記第１ヘッドチップの
ギャップのギャップ深さと前記第２ヘッドチップのギャ
ップのギャップ深さとが等しいことを特徴とする。

【００１２】また、本発明は磁気媒体進入側に位置し第
１のモ−ド時に動作する第１ヘッドチップと、磁気媒体
退出側に位置し第２のモード時に動作する第２ヘッドチ
ップとから成るダブルアジマス磁気ヘッドを備えた磁気
記録再生装置において、前記ダブルアジマス磁気ヘッド
の第２ヘッドチップは磁気媒体退出側に位置しギャップ
近傍部に金属磁性薄膜を有する第１コア半体と、磁気媒
体進入側に位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜を有す
る第２コア半体とにより構成され、前記第１コア半体の
ギャップ形成面には巻線溝が形成され、前記第２コア半
体のギャップ形成面には上端が前記巻線溝よりも媒体摺
接面側に位置する切り欠きが形成され、該切り欠きによ
り前記ギャップのギャップ深さを規制した構成であるこ
とを特徴とする。

【００１３】更に、本発明の磁気記録再生装置では、前
記第１のモ−ドが長時間記録再生モ−ドであり、前記第
２のモ−ドが短時間記録再生モ−ドであることを特徴と
する。

【００１４】

【作用】上記構成によれば、磁気媒体退出側に位置する
第２ヘッドチップにより記録再生する場合においても、
前記第２ヘッドチップのギャップのギャップ深さが磁気
媒体進入側に位置する第２コア半体の切り欠きにより規
制されるため、低周波領域において記録電流を大きくし
ても、記録減磁は生じない。

【００１５】

【実施例】先ず、本発明を生むに至った実験について図
面を参照して説明する。

【００１６】図５はこの実験で用いた磁気ヘッドの断面
図、図６は上記磁気ヘッドの媒体摺接面を示す図である
。

【００１７】この磁気ヘッドはＭｎ−Ｚｎフェライト等
の酸化物磁性材料より成る第１、第２コア半体１５，１
６とにより構成されており、該第１、第２コア半体１５
，１６のギャップｇ近傍部にはセンダストより成る金属
磁性薄膜１７，１７が被着形成されている。前記第１コ
ア半体１５には巻線溝１８が形成されており、該巻線溝
１８によりギャップｇのギャップ深さｄが規制されてい
る。１９，１９は前記第１、第２コア半体１５，１６を
接合固定するためのガラスである。

【００１８】この実験では、上記構造の磁気ヘッドを磁
気テ−プの進行方向が矢印ａ方向にになるように磁気記
録再生装置に装着した場合と、矢印ｂ方向になるように
磁気記録再生装置に装着した場合とについて自己記録再
生出力を測定し、その結果を図７に示す。尚、この時の
ヘッド−媒体間の相対速度は３．８ｍ／ｓｅｃ、記録信
号の周波数は１ＭＨｚである。

【００１９】図７から判るように、ギャップ深さｄを規
制する巻線溝１８を有する第１コア半体１５が磁気テー
プ進入側に位置する場合（矢印ａの場合）、記録電流を
大きくしても第１コア半体１５が磁気テープ退出側に位
置する場合（矢印ｂの場合）のように自己記録再生出力
値が低下することはなく、その値は大きい。例えば、矢
印ｂの場合において最大再生出力となる記録電流値にお
ける両者の差は約１ｄＢであり、また記録電流８０ｍＡ
における両者の差は約３ｄＢである。また、単に最大再
生出力を比較した場合においても約１．５ｄＢの差があ
り、いずれの場合においても矢印ａの場合の方が高出力
である。更に、このような実験結果の傾向は記録波長よ
りも記録信号の周波数に大きく依存しており、５ＭＨｚ
以上の高周波領域ではほとんど関係がなく、１ＭＨｚ以
下の低周波領域において大きく関係することと、記録媒
体の抗磁力Ｈｃには殆ど依存しないことが実験により判
った。

【００２０】次に、図面を参照して本発明のダブルアジ
マス磁気ヘッド及び該磁気ヘッドを用いた磁気記録再生
装置について説明する。

【００２１】図１は本実施例の磁気記録再生装置に用い
られるダブルアジマス磁気ヘッドの要部断面図、図２は
上記磁気ヘッドの媒体摺接面を示す図である。

【００２２】図中、矢印Ａは磁気テ−プの進行方向であ
り、本実施例のダブルアジマス磁気ヘッドでは、テ−プ
進入側に位置する第１ヘッドチップ１とテ−プ退出側に
位置する第２ヘッドチップ２とが所定距離隔ててヘッド
ベ−ス３に取り付けられている。前記第１ヘッドチップ
１はＭｎ−Ｚｎフェライト等の酸化物磁性材料より成る
第１、第２コア半体４、５とにより構成されており、該
第１、第２コア半体４、５のギャップｇ１近傍部にはセ
ンダストより成る金属磁性薄膜６、６が被着形成されて
いる。前記第１コア半体４には巻線溝７が形成されてお
り、該巻線溝７によりギャップｇ１のギャップ深さｄ１
が規制されている。８、８は前記第１、第２コア半体４
、５を接合固定するためのガラスである。第１ヘッドチ
ップ１では、第１コア半体４がテ−プ進入側に位置し、
第２コア半体５がテ−プ退出側に位置している。

【００２３】前記第２ヘッドチップ２はＭｎ−Ｚｎフェ
ライト等の酸化物磁性材料より成る第１、第２コア半体
９、１０とにより構成されており、該第１、第２コア半
体９、１０のギャップｇ２近傍部にはセンダストより成
る金属磁性薄膜１１，１１が被着形成されている。前記
第１コア半体９には巻線溝１２が形成されており、前記
第２コア半体１０のギャップ形成面には断面Ｖ字状の切
り欠き１３が形成されている。前記切り欠き１３は金属
磁性薄膜１１を分断し、第２コア半体１０にまで及んで
いる。また、前記切り欠き１３は第１、第２コア半体９
、１０突き合わせ時において巻線溝１２よりも媒体摺接
面側に位置しており、切り欠き１３の上端によりギャッ
プｇ２のギャップ深さｄ２が規制されている。この時、
ギャップｇ２のギャップ深さｄ２はギャップｇ１のギャ
ップ深さｄ１に等しい。尚、前記切り欠き１３の底部の
角度θは９０°である。１４、１４は前記第１、第２コ
ア半体９、１０を接合固定するためのガラスである。第
２ヘッドチップ２では、第１コア半体９がテ−プ退出側
に位置し、第２コア半体１０がテ−プ進入側に位置して
いる。

【００２４】本実施例の磁気記録再生装置では、ＥＰモ
−ド時においては第１ヘッドチップ１が動作する。この
時、磁気テープはギャップ深さｄ１を規制する巻線溝７
を有する第１コア半体４側から進入するため、上述の実
験結果から判るように低周波領域における記録再生特性
が向上する。また、ＳＰモ−ド時においては第２ヘッド
チップ２が動作し、磁気テープはギャップ深さｄ２を規
制する切り欠き１３を有する第２コア半体１０側から進
入するため、低周波領域における記録再生特性が向上す
る。

【００２５】次に、上記実施例のダブルアジマス磁気ヘ
ッドにおいて、切り欠き１３の深さと自己記録再生出力
との関係を実験により調べ、その結果を図３に示す。こ
の時の自己記録再生出力は、上記構造のダブルアジマス
磁気ヘッドにおいて切り欠きを設けなかった場合の出力
値を基準にした。尚、第２コア半体１０のコア幅ｍは２
５０μｍ、金属磁性薄膜１１の膜厚ｎは５〜６μｍであ
る。

【００２６】図３から判るように、第２コア半体１０の
ギャップ形成面に深さ１５０μｍ以下の切り欠き１３を
設けた場合、切り欠きを設けなかった場合に比べて自己
記録再生出力が向上する。特に、切り欠き１３の深さが
６０μｍの時、自己記録再生出力は最大値となり、約１
．５ｄＢ向上する。

【００２７】また、本発明は上記実施例の構造の磁気ヘ
ッドに限らず、テ−プ退出側に位置する第２ヘッドチッ
プの媒体摺接面が図４（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すよ
うな形状であるダブルアジマス磁気ヘッドにおいても、
第２コア半体側に上述のような切り欠きを設けることに
より、記録信号の周波数が１ＭＨｚの時の最大再生出力
は表１に示すように０．９〜１．５ｄＢ向上する。尚、
図４において、２０、２０、２０、２０はフェライト等
よりなる酸化物磁性基板である。

【００２８】

【表１】

【００２９】尚、第２ヘッドチップを金属磁性薄膜を用
いない通常のフェライトヘッドにより構成したダブルア
ジマス磁気ヘッドに対しては、上記実施例と同様の効果
は得られなかった。これは、この構造の磁気ヘッドでは
、ギャップ近傍部を構成する磁性材料の飽和磁束密度が
小さく、記録減磁が小さいためであると考えられる。

【００３０】

【発明の効果】本発明によれば、磁気媒体退出側に位置
する第２ヘッドチップが動作するモ−ド時においても、
再生特性が十分に向上したダブルアジマス磁気ヘッド及
び該磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置を提供し得る
。

【図面の簡単な説明】

【図１】ダブルアジマス磁気ヘッドの断面図である。

【図２】ダブルアジマス磁気ヘッドの媒体摺接面を示す
図である。

【図３】切り欠きの深さと自己記録再生出力との関係を
示す図である。

【図４】テ−プ退出側に位置するヘッドチップの媒体摺
接面を示す図である。

【図５】磁気ヘッドの断面図である。

【図６】磁気ヘッドの媒体摺接面を示す図である。

【図７】記録電流と自己記録再生出力との関係を示す図
である。

【符号の説明】

１　　　　　　　　第１ヘッドチップ ２　　　　　　　　第２ヘッドチップ ４　　　　　　　　第１コア半体 ５　　　　　　　　第２コア半体 ６　　　　　　　　金属磁性薄膜 ７　　　　　　　　巻線溝 ９　　　　　　　　第１コア半体 １０　　　　　　第２コア半体 １１　　　　　　金属磁性薄膜 １２　　　　　　巻線溝 １３　　　　　　切り欠き ｇ１、ｇ２　　ギャップ ｄ１、ｄ２　　ギャップ深さ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　磁気媒体進入側に位置する第１ヘッド
   チップと磁気媒体退出側に位置する第２ヘッドチップと
   から成るダブルアジマス磁気ヘッドにおいて、前記第２
   ヘッドチップは磁気媒体退出側に位置しギャップ近傍部
   に金属磁性薄膜を有する第１コア半体と、磁気媒体進入
   側に位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜を有する第２
   コア半体とにより構成され、前記第１コア半体のギャッ
   プ形成面には巻線溝が形成され、前記第２コア半体のギ
   ャップ形成面には上端が前記巻線溝よりも媒体摺接面側
   に位置する切り欠きが形成され、該切り欠きにより前記
   ギャップのギャップ深さを規制したことを特徴とするダ
   ブルアジマス磁気ヘッド。
2. 【請求項２】　　前記切り欠きは前記金属磁性薄膜を分
   断し、前記第２コア半体にまで及んでいることを特徴と
   する請求項１記載のダブルアジマス磁気ヘッド。
3. 【請求項３】　　前記第１ヘッドチップは磁気媒体進入
   側に位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜を有する第１
   コア半体と、磁気媒体退出側に位置しギャップ近傍部に
   金属磁性薄膜を有する第２コア半体とにより構成され、
   前記第１コア半体のギャップ形成面には巻線溝が形成さ
   れ、該巻線溝により前記ギャップのギャップ深さを規制
   したことを特徴とする請求項１または２記載のダブルア
   ジマス磁気ヘッド。
4. 【請求項４】　　前記第１ヘッドチップのギャップのギ
   ャップ深さと前記第２ヘッドチップのギャップのギャッ
   プ深さとが等しいことを特徴とする請求項１、２または
   ３記載のダブルアジマス磁気ヘッド。
5. 【請求項５】　　磁気媒体進入側に位置し第１のモ−ド
   時に動作する第１ヘッドチップと、磁気媒体退出側に位
   置し第２のモード時に動作する第２ヘッドチップとから
   成るダブルアジマス磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装
   置において、前記ダブルアジマス磁気ヘッドの第２ヘッ
   ドチップは磁気媒体退出側に位置しギャップ近傍部に金
   属磁性薄膜を有する第１コア半体と、磁気媒体進入側に
   位置しギャップ近傍部に金属磁性薄膜を有する第２コア
   半体とにより構成され、前記第１コア半体のギャップ形
   成面には巻線溝が形成され、前記第２コア半体のギャッ
   プ形成面には上端が前記巻線溝よりも媒体摺接面側に位
   置する切り欠きが形成され、該切り欠きにより前記ギャ
   ップのギャップ深さを規制した構成であることを特徴と
   する磁気記録再生装置。
6. 【請求項６】　　前記第１のモ−ドが長時間記録再生モ
   −ドであり、前記第２のモ−ドが短時間記録再生モ−ド
   であることを特徴とする請求項５記載の磁気記録再生装
   置。