JPH04276448A - インクジェットヘッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【技術分野】本発明は、圧電体駆動方式のオンデマンド
型インクジェットヘッドの構造に関し、より詳細には、
圧電体駆動によりインク流路に圧電ひずみ変化を与えて
インク粒子を吐出する際に生ずる流路間相互干渉を圧電
体内で伝播する共振波を低減させて抑制する構造を有す
るインクジェットヘッドに関する。

【０００２】

【従来技術】インクジェット記録装置は、極めて低騒音
で高速印字が可能で安価な普通記録紙を用いることがで
きる特徴を備えているが、特に、圧電体を具備してこれ
に電気信号を印加することにより生ずる圧電変位を利用
して圧力室（インク流路）内に圧力波を形成し、必要に
応じたインク粒子を吐出するオンデマンド型インクジェ
ット記録装置は簡易小型な記録装置である。

【０００３】図２（ａ），（ｂ），（ｃ）は、インクジ
ェット記録装置のインクジェットヘッドの基本構成を示
す図で、図（ａ）は構成要素を示す斜視図、図（ｂ）は
流路板裏面を示す斜視図、図（ｃ）は構成要素を一体に
接合したときの斜視図である。図中、１１は流路板、１
２は圧電体、１３はインク供給口、１４はオリフィス、
１５は圧力室、１６はインク室、１７は圧電体歪部、１
８は仕切スリット、１８ａは充填剤、１９は基板である
。

【０００４】図示において、流路板１１にはインク供給
口１３よりインクの供給を受けてインクを収容するイン
ク室１６が図（ｂ）に示すごとく裏面に凹部として設け
られており、更に該インク室１６に連通してインクの流
路となり、加圧によりインク粒子を吐出するノズル１４
を端部に有する加圧室１５が複数平行して設けられてい
る。

【０００５】圧電体１２は、駆動電圧の印加により厚さ
方向にひずみを生ずる積層された圧電素子からなり、一
面を基板１９上に固着し、他面には前記加圧室１５に対
向した位置に加圧室１５の数だけ圧電体歪部１７が設け
られている。該圧電体歪部１７は、前記加圧室１５より
僅かに狭い加圧室１５の長手方向に延びる凸部をなすも
ので、圧電体１２に平行した複数のスリット１８を設け
ることにより形成される。なおスリット１８内には低ヤ
ング率の軟質弾性材からなる充填剤１８ａが充填されて
いる。流路板１１と圧電体１２および基板１９は図（ｃ
）に示すごとく圧力室１５と圧電体歪部１７とが対向す
るように重ねられて一体に接合される。

【０００６】図３（ａ），（ｂ），（ｃ）は、インクジ
ェットヘッドのオリフィス面およびヘッド断面を示す図
で、図（ａ）はオリフィス面の断面図、図（ｂ）は圧力
室断面図、図（ｃ）は図（ａ）のＡＢ線断面図で、図中
、図２と等しい作用をする部分には同一の符号を付して
いる。

【０００７】図示において、凸部をなす圧電体歪部１７
は電圧を印加すると該圧電体歪部１７は厚み方向、すな
わち長さＬの圧力室１６の断面積を小さくする方向に変
位するひずみが生ずるアクチュエータであり、前記ひず
みにより圧力室１５内に圧力波が生じてオリフィス１４
よりインク粒子を噴射する。しかし、圧力室１５が複数
設けられたインクジェットヘッドの場合、圧力室１５を
単独で駆動した場合と複数同時に駆動した場合とではノ
ズル１４よりインク粒子を噴射するインク粒子化特性に
違いを生ずる。これは圧力室１５の間に相互干渉（クロ
ストーク）が生じるためである。相互干渉が生ずると結
果的にドット位置精度を悪化し、ドット径にバラツキを
生じさせ、記録画質を低下させることになる。

【０００８】本出願人が先に提案した特開平１−２４２
２６１号公報の「液体噴射記録ヘッド」は、インク粒子
を噴射する際の相互干渉をなくすために、複数のインク
流路に連通するインク室に圧力波吸収部材を配設したも
のである。圧力波吸収部材としては、インクを通過する
が溶出しにくい多孔性のポリエチレン等の有機材料、あ
るいはポーラスなセラッミクス材料等の無機材料又はス
テンレス線をメッシュ状に織った金属材料等が用いられ
ている。しかし、上述の従来技術は圧力波吸収部材をイ
ンク室内に配設しているので、インク室を介して非駆動
の圧力室に伝わる圧力波を原因とする相互干渉について
は有効であるが、固体部品を介する振動や共振現象等に
対しては効果はなく、相互干渉の低減対策としては十分
なものとは云えなかった。

【０００９】

【目的】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされた
もので、固体部品である圧電体を伝播する圧力波を抑制
することにより相互干渉を低減したインクジェットヘッ
ドを提供することを目的としてなされたものである。

【００１０】

【構成】本発明は、上記目的を達成するために、（１）
圧電体にスリットを設け、該スリット間で形成される凸
部をアクチュエータとし、該凸部に対応して平行流路が
設けられ、該平行流路の面に対して垂直な方向に厚み変
位を生じさせることで、液滴をノズルから噴射させるイ
ンクジェット記録装置であって、隣接するアクチュエー
タの間に前記圧電体と前記平行流路の構成部材で隔壁部
が構成され、該隔壁部は前記圧電体と前記平行流路の構
成部材で互いに接合されており、前記隔壁部と前記アク
チュエータの間に弾性体を充填されるか、前記圧電体と
前記平行流路の構成部材の間に薄膜部材を設け、該薄膜
部材は前記隔壁部によって挟持されていることを特徴と
するインクジェットヘッドにおいて、前記圧電体の各々
の隔壁部に対向した裏面に前記平行流路に平行する裏面
仕切溝を設けたこと、更には、（２）前記（１）におけ
る裏面仕切溝内に吸音作用を有する物質を充填したこと
を特徴とするものである。以下、本発明の実施例に基づ
いて説明する。

【００１１】図１（ａ），（ｂ）は、本発明のインクジ
ェットヘッドのノズル方向からみた断面を示す図で、図
中、１は流路板、２は圧電体、２ａは上端面、２ｂは下
端面、３は流路板隔壁、４は圧電体隔壁、５は圧力室、
６は圧電体歪部、７は仕切スリット、８は基板、９はス
リット、１０は溝、７ａ，９ａ，１０ａは充填剤であり
、図（ａ）と図（ｂ）とは、スリット９および溝１０の
裏面仕切溝形状のみ相違したものである。

【００１２】図示において、圧電体２には紙面に垂直な
方向に複数の仕切スリット７が設けられて圧電体隔壁４
と圧電体歪部６とに区画され圧電体歪部６は凸状の駆動
部（アクチュエータ）となる。すなわち、凸部をなす圧
電体歪部６に電圧を印加することにより厚み方向に伸び
るひずみを生ずる。仕切スリット７には圧電体２へのイ
ンク滲透と圧電体隔壁４へのひずみ伝播を防ぐために軟
質弾性剤７ａが充填されている。

【００１３】流路板１には圧電体歪部６に対応して平行
流路である圧力室５が設けられ、該圧力室５は流路板隔
壁３で区画されている。該流路板隔壁３と前記圧電体隔
壁４とは流路板１の構成部材で互いに接合されており、
圧電体歪部６への電圧印加によって生ずるひずみは圧力
室５を加圧駆動して圧力室５内のインク粒子をノズル（
図示せず）より噴射する。

【００１４】前記の如く、圧力室５を電圧体歪部６で駆
動した場合、圧力室５の間に相互干渉を生じインク粒子
化特性に影響を及ぼすが、これ以外相互干渉の要因の一
つとして圧電体歪部６の厚み方向の振動がある。すなわ
ち、インク粒子の噴射は圧電体歪部６を矢印Ｐ方向に歪
ませて圧力室５内に圧力波を発生させ、この圧力波によ
り行なうが、圧電体歪部６で生じた歪によって生じた圧
力波は、圧電体歪部６の上端面２ａにおいて圧力室５内
のインクに向け透過すると同時に圧電体歪部６内部に反
射する。他方、圧電体歪部６の歪によって生じた圧力波
の一部は圧電体２の下端部２ｂにも伝播し、該下端面２
ｂで反射および透過する。

【００１５】前記圧電体歪部６の駆動により上端面２ａ
、下端面２ｂとの間で反射する圧力波は定在波となり、
圧電体歪部６を厚み方向に振動させる。この振動は隣接
する圧力室５にも伝播して相互干渉の一要因となる。

【００１６】図（ａ）の９は圧電体２の裏面で圧電体隔
壁４を延長した位置に設けたスリットで、図（ｂ）の１
０は前記スリット９の位置に設けた溝であり、スリット
９および溝１０は共に裏面仕切溝であるが、該裏面仕切
溝の形状は図示のものに限るものではない。前記の裏面
仕切溝を圧電体２の圧電隔壁部４の延長上に設けること
により、圧電体歪部６の上端面２ａ、下端面２ｂ間で伝
播し定在波を発生しても、裏面仕切溝により隣接する圧
電体歪部６への伝播する主な圧力波は遮断され、裏面仕
切溝以外のすき間を回折する程度の圧力波だけが影響す
ることとなるので、裏面仕切溝のない場合に比べて隣接
する圧力室５へ伝播する圧力波は小さくなって相互干渉
は低減する。

【００１７】充填材９ａ，１０ａは裏面仕切溝であるス
リット９、溝１０に充填する吸音作用のある材質であり
、例えば、ゴム材の中に金属を混合することにより音響
インピーダンスを調整した材質のもので、この材質のも
のを充填することにより裏面仕切溝が空洞の場合に比べ
て相互干渉は小さくなりより効果的となる。

【００１８】

【効果】以上の説明から明らかなように、本発明による
と以下のような効果がある。 （１）請求項１に対応する効果：流路板に設けられた圧
力室を圧電体歪部で駆動されるインクジェットヘッドに
おいて、圧電体の下面で圧電体隔壁の延長上に裏面仕切
溝を設けることにより、駆動側の圧電体歪部で発生した
圧力波が隣接する圧力室に及ぼすことを抑制するので、
相互干渉の少ない高画質の印字ができる。 （２）請求項２に対応する効果：請求項１の裏面仕切溝
に吸音性のある材質のものを充填することにより、裏面
仕切溝が空洞の場合に比しより相互干渉を小さくできる
。

【図面の簡単な説明】

【図１】　　本発明のインクジェットヘッドのノズル方
向からみた断面を示す図である。

【図２】　　インクジェット記録装置のインクジェット
ヘッドの基本構成を示す図である。

【図３】　　インクジェットヘッドのオリフィス面およ
びヘッド断面を示す図である。

【符号の説明】

１…流路板、２…圧電体、２ａ…上端面、２ｂ…下端面
、３…流路板隔壁、４…圧電体隔壁、５…圧力室、６…
圧電体歪部、７…仕切スリット、８…基板、９…スリッ
ト、１０…溝、７ａ，９ａ，１０ａ…充填剤。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　圧電体にスリットを設け、該スリット
   間で形成される凸部をアクチュエータとし、該凸部に対
   応して平行流路が設けられ、該平行流路の面に対して垂
   直な方向に厚み変位を生じさせることで、液滴をノズル
   から噴射させるインクジェット記録装置であって、隣接
   するアクチュエータの間に前記圧電体と前記平行流路の
   構成部材で隔壁部が構成され、該隔壁部は前記圧電体と
   前記平行流路の構成部材で互いに接合されており、前記
   隔壁部と前記アクチュエータの間に弾性体を充填される
   か、前記圧電体と前記平行流路の構成部材の間に薄膜部
   材を設け、該薄膜部材は前記隔壁部によって挟持されて
   いることを特徴とするインクジェットヘッドにおいて、
   前記圧電体の各々の隔壁部に対向した裏面に前記平行流
   路に平行する裏面仕切溝を設けたことを特徴とするイン
   クジェットヘッド。
2. 【請求項２】　　前記裏面仕切溝内に吸音作用を有する
   物質を充填したことを特徴とする請求項１記載のインク
   ジェットヘッド。