JPH0426305B2 - - Google Patents

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JPH0426305B2
JPH0426305B2 JP60291007A JP29100785A JPH0426305B2 JP H0426305 B2 JPH0426305 B2 JP H0426305B2 JP 60291007 A JP60291007 A JP 60291007A JP 29100785 A JP29100785 A JP 29100785A JP H0426305 B2 JPH0426305 B2 JP H0426305B2
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JP
Japan
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heat ray
laminate
reflective film
type heat
film
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Morihiro Matsuda
Takashi Wada
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Toyota Central R&D Labs Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は熱線遮蔽積層体、特に可視光に対し透
明な基板に薄膜を積層し透明度を損うことなく効
果的に熱線、特に可視領域近傍の赤外線に対し遮
蔽効果を発揮する改良された熱線遮蔽積層体に関
する。
[従来技術] 可視光透過性起案、例えばガラス板あるいはプ
ラスチツク板は通常良好な可視光透過性を有する
が反面において可視領域より長波長側の光線(赤
外線)に対しても良好な透過性を有するため、基
板を透過した熱線のエネルギを適当な手段により
処理する必要が種々生じていた。
特に、太陽光に含まれるエネルギは、可視光線
と赤外線によるものとがそれぞれ約50%ずつ占め
る。従つて、前記基板を例えば建築物や車両等の
窓ガラスとして用いた場合には、基板を透過する
赤外線により、夏場には室内温度が上昇し冷房負
荷が増大してしまい、また、冬場には室内温度が
低下し暖房負荷が増大するという問題があつた。
このため、従来より基板に熱線反射膜を被覆し
て、可視光に対する透過性を損なうことなく、赤
外線のみを選択的に遮蔽する熱線遮蔽積層体が実
用化されており、このような積層体としては、被
覆される反射膜の種類に応じて、干渉タイプのも
のとドルーデミラータイプのものとが知られてい
た。
干渉タイプ 前記干渉タイプの反射膜は、透明基板上に透明
な高屈折率誘電体層と低屈折率誘電体層とを所定
の膜厚にして交互に積層して形成され、光の干渉
を利用して所望の波長の光を選択的に反射するも
のである。
ここにおいて、前記高屈折率誘電体層として
は、例えばTiO2,CdS,ZnS等が用いられ、また
低屈折率誘電体層としては、例えばSiO2,CaF2
LiFなどが用いられる。
第2図及び第3図には、このような干渉タイプ
の熱線反射膜として市販のコールドフイルタ(日
本真空光学製)を用いて形成された熱線遮蔽積層
体の分光特性が示されている。
ここにおいて、第2図は、熱線反射膜側から太
陽光を入射したときの分光特性を表わしている。
この場合に干渉タイプの熱線遮蔽積層体は、波長
約0.7(μm)を境として透過率と反射率とが反転
し、波長約0.4〜0.7(μm)も可視領域で理想に近
い可視光線透過特性を示す。また、0.7(μm)以
上の赤外領域、特に太陽光の熱線遮蔽の際に最も
重要な波長0.7〜1.0(μm)の近赤外領域において
高い反射率を示し熱線遮蔽を行うことが理解され
る。
第3図は、積層体へ向け太陽光をその基板側か
ら入射したときの分光特性を表わしている。この
場合に熱線遮蔽積層体は、前記第2図と略等しい
分光透過特性を示す。しかし、その分光反射特性
を大幅に低下し分光吸収特性が増加するため、熱
線の遮蔽を主として吸収によつて行うようになる
ことが理解される。
ところで、干渉タイプの熱線遮蔽積層体は以上
の分光特性を有することから、この熱線遮蔽積層
体を建築物又は車等の窓として利用する場合に、
熱線反射膜が車室内へ位置するよう積層体を窓枠
に取付けると、第3図に示す分光特性からも明ら
かなように、太陽エネルギの約1/2を占める赤外
線を吸収して窓の温度が上昇し、窓からの対流、
輻射熱によつて室内温度が上昇してしまうという
問題がある。
このため、このような干渉タイプの熱線遮蔽積
層体を、窓として利用する場合には、熱線反射膜
が外側になるように積層体を窓枠に取付ける必要
があつた。
このようにすることにより、可視光線を良好に
透過し、しかも1.0(μm)以下の近赤外線を反射
し、良好な熱線遮蔽効果を発揮することが可能と
なる。
干渉タイプの問題点 しかし、この干渉タイプの熱線遮蔽積層体は、
波長約1.0(μm)以上の赤外線に対しては以下に
のべる理由から必ずしも良好な熱線遮蔽効果を発
揮することができないという問題があつた。
すなわち、この熱線遮蔽積層体は、第2図に示
す特性からも明らかなように、波長約1.0(μm)
以上の赤外線の大部分を吸収し、しかもこの波長
領域における赤外線の一部を室内に透過するとい
う特性を有する。
従つて、例えばこの熱線遮蔽積層体を窓ガラス
として用い、夏に外部から室内へ熱線が進入する
場合を想定してみると、太陽光に含まれる1.0
(μm)以上の赤外線は、積層体の熱線反射膜付近
にて吸収され、積層体自体の温度上昇を引き起
す。このとき、この積層体の室内側に面する基板
は、一般に物体からの熱輻射(波長10(μm)前
後)に対する反射率が低いために、熱線反射膜付
近で吸収された熱線が室内へ向け熱輻射の形で再
放射され、室内の温度上昇を引き起すこととな
る。
更に、前記第2図に示すごとく、この干渉タイ
プの熱線遮蔽積層体は1.0(μm)以上の波長領域
において幾分高い透過率を示すため、太陽光に含
まれるこの波長領域における熱線の一部が積層体
を介して直接室内へ透過され、室内温度の上記を
引き起すこととなる。
このように、干渉タイプの熱線遮蔽積層体は、
夏に熱線遮蔽用の窓などとして使用された場合に
必ずしも充分に外部からの熱線を遮蔽し室内の冷
房負荷の低減を図ることができないという問題が
あつた。
また、この熱線遮蔽積層体を、窓ガラスとして
用い、冬に室内から屋外へ逃げる熱線を遮蔽する
場合を想定してみると、このタイプの積層体は、
熱輻射に対する反射率が低いために、室内からの
輻射熱を吸収して屋外へ再放射しやすく、室内の
温度低下を有効に防止し得ないという問題があつ
た。
ドルーデミラータイプ また、可視光透過性基板上にドルーデミラータ
イプの熱線反射膜を被覆して形成された熱線遮蔽
積層体は、自由電子のプラズマ振動を利用して所
望の波長の光を選択的に反射させるものである。
前記ドルーデミラータイプの熱線反射膜としては
SnO2:Sb膜やIn2O3:Sn膜等が知られている。
第4図には、特公昭57−24524に示されたドル
ーデミラータイプの熱線遮蔽積層体の分光特性が
表されており、この積層体は、熱線反射膜として
In2O3:Sn膜が用いられている。
ここにおいて、前記分光特性データは、積層体
に向け光を熱線反射膜側から入射して測定したも
のであるが、このタイプの熱線遮蔽積層体では、
光を基板側から入射して測定しても同一の分光特
性となることが確認されている。
従つて、このタイプの熱線遮蔽積層体を窓など
に利用する場合には、反射膜保護の観点から、熱
線反射膜が室内側となるように積層体を窓枠に取
付けて使用することが好ましい。
更に、このタイプの積層体は、熱輻射に対する
反射率が高く吸収率又は放射率が低いため、輻射
熱を効果的に遮蔽することが可能である。
ドルーデミラータイプの問題点 しかし、このタイプの積層体は、第4図に示す
ごとく、透過率と反射率とが反転する波長が約
1.0(μm)と、前記干渉タイプの積層体に比し長
波長側にずれている。しかもこれが現在実用化さ
れているドルーデミラータイプの中では最も短波
長側に位置しているものである。
従つて、このようなドルーデミラータイプの積
層体では、太陽光の熱線遮蔽の際に最も重要な
0.7〜1.0(μm)の近赤外線領域に対して高い透過
率を示してしまい、この結果、前記干渉タイプの
積層体に比し熱線遮蔽性能が劣るという問題があ
つた。
[発明の目的] 本発明はこのような従来の課題に鑑みなされた
ものであり、その目的は、熱線遮蔽性能に優れた
可視光透過熱線遮蔽積層体を提供することにあ
る。
[問題点を解決するための手段] 前記目的を達成するために、本発明の熱線遮蔽
積層体は、可視光透過性基板の、外側表面に干渉
タイプの熱線反射膜を、内側表面にドルーデミラ
ータイプの熱線反射膜を被覆して形成され、前記
干渉タイプとドルーデミラータイプの各熱線反射
膜の光学的特性が相補的に組合わされ、外側から
入射する光に対し、可視領域において高い透過
率、赤外線領域において高い熱線遮蔽率を示すこ
とを特徴とする。
以下に、本発明の構成を更に詳細に説明する。
第1図には本発明の熱線遮蔽積層体100の具
体的な構成が示されており、この積層体100
は、可視光透過性基板10の外側表面に干渉タイ
プの熱線反射膜12を被覆し、また基板10の内
側表面にドルーデミラータイプの熱線反射膜14
を被覆して形成されている。
本発明において前記可視光透過性基板10とし
ては、耐候性、耐久性に優れた例えば透明ガラ
ス、透明樹脂などを用いることが望ましく、この
うち透明ガラスは透明度、耐候性、耐久性に最も
優れた特性を示す。
また、前記干渉タイプの熱線反射膜12は、高
屈折率透明誘電体層と低屈折率透明誘電体層とを
所定の膜厚で交互に積層被覆して形成することが
好ましく、前記高屈折率透明誘電体層としては例
えばTiO2,CdS,ZnS等が用いられており、また
前記低屈折率透明誘電体層としてはSiO2,CaF2
LiFなどが用いられる。
また前記ドルーデミラータイプの熱線反射膜1
4は、透明半導体膜を用いて形成されており、こ
のような半導体膜としては、例えば、SnO2:Sb
膜やIn2O3Sn膜等が用いられる。
本発明の熱線遮蔽積層体100は、このように
透過率と反射率とが反転する波長が0.7(μm)と
理想に近い干渉タイプの熱線反射膜12と、物体
からの熱輻射に対する反射率が高いドルーデミラ
ータイプの熱線反射膜14とを組合わせることに
より、お互いの反射膜の欠点を互いに補うようそ
の光学的特性を相補的に組合わせ、可視領域にお
いて高い透過率、赤外線領域において高い熱線遮
蔽率を示す優れた光学特性を発揮することができ
る。
[作用] 本発明は以上の構成から成り次にその作用を説明
する。
本発明の熱線遮蔽積層体100は、室内と室外
との視界を確保しつつ熱線のみを効果的に遮蔽す
るために各種用途に用いられ、例えば自動車、船
舶、航空機及び各種建築物の窓、ガラス戸及びそ
の他の用途に幅広く用いられる。
以下に、本発明の熱線遮蔽積層体100を、車
両又は建築物の窓として用いた場合を例にとりそ
の作用を説明する。
本発明の熱線遮蔽積層体100を窓として用い
る場合には、第1図に示すごとくその干渉タイプ
の熱線反射膜12が室外側に、ドルーデミラータ
イプの熱線反射膜14が室内側となるように用い
られる。
ここにおいて、200は熱線遮蔽積層体100
に入射する太陽光を表し、210,220,23
0は入射太陽光200の反射光、吸収光、透過光
を表す。また240は、熱線遮蔽積層体100に
外側から入射する外部物体からの熱輻射、250
は内側から入射する熱輻射、260,270はそ
れぞれこの積層体100から室外又は室内へ放出
される熱輻射をそれぞれ表している。
まず、室外が室内より高温である夏の日中を想
定する。
このとき、窓に設けられた熱線遮蔽積層体10
0に、外部から陽射しの強い太陽光200が入射
すると、この入射太陽光200は積層体内部で次
のようにして反射光210、吸収光220及び透
過光230とにそれぞれ分割される。
すなわち、積層体100に入射した太陽光20
0はまず干渉タイプの熱線反射膜12により第2
図に示す分割特性にしたがつて分割される。
この際、入射太陽光200のうち、大部分の可
視光線と、略1(μm)以上の赤外線の一部はこの
反射膜12を透過し基板10に到達する。
また、入射太陽光200のうち、0.7〜1(μm)
の波長領域にある大部分の近赤外線と、それ以上
の波長領域にある可視光線及び赤外線の一部は、
この反射膜12で反射され、反射光210とな
る。
更に、入射太陽光200に含まれる赤外線から
反射膜12で反射された分と、この反射膜12を
透過した分とを差し引いた残りの赤外線は、この
反射膜12で吸収され吸収光220となる。
また、前述したように、熱線反射膜12を透過
した太陽光200、すなわち可視光線の大部分と
赤外線の一部は、可視光透過性基板10に到達す
る。
そして、基板10に到達した可視光線の大部分
はそのまま基板10を透過し、また赤外線は基板
10を通過する間に若干吸収されその一部が吸収
光220となる。
また、基板10を透過した太陽光200、すな
わち可視光線の大部分と赤外線の一部は、ドルー
デミラータイプの熱線反射膜14に到達し、この
反射膜14により第4図に示す分光特性にしたが
つて分割される。
すなわち、この反射膜14に達した太陽光20
0に含まれる可視光線の大部分は、反射膜14を
透過し、透過光230となる。また、この反射膜
14に達した太陽光200に含まれる約1.0(μm)
以上の赤外線は、その一部が反射膜14内で吸収
され吸収光22となり、残りは反射され反射光2
10となる。
このように、本発明の熱線遮蔽積層体100を
用いて窓などを形成することにより、太陽光の約
1/2を占める可視光線を良好に選択透過し、残り
の赤外線を反射及び吸収により効果的に遮蔽する
ため、夏に窓を介して室内に侵入してくる熱線を
最小限に抑制し、室内の冷房負荷の低減を図るこ
とが可能となる。
また、本発明の熱線遮蔽積層体100は、室外
から侵入してくる熱輻射240の大部分を干渉タ
イプ熱線反射膜12にて吸収しその温度が上昇す
るため、この積層体から室外と室内へ向け熱輻射
が行われることとなる。この際、本発明によれ
ば、室内側に位置するドルーデミラータイプの熱
線反射膜14に比し、室外側に位置する干渉タイ
プの熱線反射膜12の方が放射率が高いため、前
述熱輻射のほとんど大部分が室外へ向け行われる
ことになる。
このように、本発明によれば、夏に太陽光や周
囲物体からの熱輻射によつて窓に設けられた積層
体100の温度が上昇し、この積層体100から
周囲に向け再び輻射熱が放出されたとしても、こ
の輻射熱が大部分は室外へ向け放出されるので、
これによつて室内温度が上昇し冷房負荷が増大す
ることはない。
また、本発明の熱線遮蔽積層体100は、その
室内側に第4図に示すごとく熱輻射に対し高い反
射率を示すドルーデミラータイプの熱線反射膜1
4が被覆されている。このため、冬に室内側から
積層体100へ入射される熱輻射250は、この
ドルーデミラータイプの熱線反射膜14によりそ
の大部分が再度室内へ向け反射され、室内の温度
低下を有効に防止することが可能となる。
先願との比較 また、本出願人らは、既に可視光透過性基板の
室内側表面に、干渉タイプの熱線反射膜と、ドル
ーデミラータイプの熱線反射膜とを順次積層被覆
してなる可視光透過熱線遮蔽積層体の提案を行つ
ている。(実願昭60−141007)。この先願に係る積
層体と、本発明の積層体とを比較すると、先願に
係る積層体は、室外側に可視光透過性基板が面し
ているため、積層体内部へ大部分の赤外線が入射
してしまい、必然的に積層体が吸収する赤外線の
割り合いが大きくその温度が上昇する。
これに対し、本発明に係る積層体は、赤外線に
対する反射率の高い干渉タイプの熱線反射膜12
を室外側に面して設けているため、積層体内部に
おける赤外線の吸収割合が低く、積層体自身の温
度上昇を有効に防止することができる。
この結果、本発明によれば、前記先願にかかる
積層体に比し、積層体自体の温度上昇に伴なう耐
久性の低下を有効に防止することができ、更に積
層体から室内へ向けた熱輻射を低減し、室内の温
度上昇を有効に防止することが可能となる。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、可視光
を選択的に透過し、しかも熱線遮蔽特性に優れた
可視光透過熱線遮蔽積層体を提供することが可能
となる。
[実施例] 次に本発明の好適な実施例を説明する。
構 成 本実施例の熱線遮蔽積層体100は、第1図に
示すように、可視光透過性基板10として厚さ5
mmの普通の透明ガラス(ソーダライム)を用いて
いる。
そして、この基板10の一方の面に、干渉タイ
プの熱線反射膜12として厚さ0.09μmのTiO2と、
厚さ0.18μmのSiO2とを交互に六層被覆形成し、
またその他方の面にドルーデミラータイプの熱線
反射膜14として、厚さ0.3μmのIn2O3:Snを被
覆形成している。
そして、このように形成された熱線遮蔽積層体
100を、例えば自動車又は建築物の熱線遮蔽用
透明窓として用いる場合には、その干渉タイプ熱
線反射膜12が室外側となるように窓枠などに取
り付け固定すれば良い。
ここにおいて、前記干渉タイプ熱線反射膜12
の膜厚は、干渉の理論式を用いて最適膜厚となる
ように決定した。
また、前記ドルーデミラータイプ熱線反射膜1
4の膜厚は、理論的に決定することができないた
め、次のように実験的に決定した。すなわち、
種々の膜厚のドルーデミラータイプ熱線反射膜を
作り、波長10(μm)の赤外線に対する反射率を測
定したところ、第5図に示すような結果が得られ
た。
この測定データから、反射膜14を高反射率
(低放射率)のものとするためには膜厚を0.3
(μm)以上にすれば良いことがわかる。この反
面、膜厚をあまり厚くしすぎると、可視光に対す
る透過率が低くなることから、膜厚の上限は約
0.6(μm)程度となる。
従つて、本実施例においてはドルーデミラータ
イプの熱線反射膜14を膜厚0.3(μm)に決定し
た。
製造方法 次に本実施例にかかる干渉タイプの熱線反射膜
12とドルーデミラータイプの熱線反射膜14の
製造方法を説明する。
実施例において、干渉タイプの熱線反射膜12
を構成するTiO2膜とSiO2膜はいわゆるCVD法
(Chemical Vaper Deposition)を用いて次のよ
うにして形成した。
まず、前述したように、普通の透明ガラスを用
いて形成された基板10を420℃に加熱し、この
基板10の一方の面にTi(OC3H74磁気とH2O蒸
気とを吹付けてTiO2膜を形成し、次にこのTiO2
膜上にSiH4ガスとN2Oガスとを吹付けてSiO2
を形成する。
本実施例においては、このような製膜動作が交
互に繰返され、基板10の一方の面にTiO2膜と
SiO2膜が交互に六層被覆形成されて成る干渉タ
イプの熱線反射膜12が形成される。
また、本実施例においてIn2O3:Sn膜から成る
ドルーデミラータイプの熱線反射膜14はいわゆ
るスプレー法を用いて形成される。
すなわち、前述したように干渉タイプの熱線反
射膜12を基板10の一方の面に形成したのち、
基板10の他方の面に、InCl3・xH2O 25grと
SnCl4・yH2O 5.8grを酢酸n−ブチル50c.c.に溶
かした溶液お、N2ガスで霧化して吹付ける。こ
れにより、基板10の他方の面に、ドルーデミラ
ータイプ熱線反射膜14が形成されることにな
る。
特 性 次にこのようにして形成された熱線遮蔽積層体
100の特性について検討する。
まず本実施例の熱線遮蔽積層体100に向け、
干渉タイプの熱線反射膜12側から光を入射させ
て各種データを測定したところ、積分可視光線透
過率は0.72、エア・マス2のときの太陽光線透過
率は0.32、太陽光線吸収率は0.27、波長10(μm)
に対する放射率は0.85という優れた光学特性を有
することが確認された。
また、この熱線遮蔽積層体100に、ドルーデ
ミラータイプの熱線反射膜14側から光を入射し
て測定した波長10(μm)に対する放射率は0.15で
あつた。
また、本実施例の熱線遮蔽積層体100を、ド
ルーデミラータイプの熱線反射膜14が室内側に
なるようにして、自動車の熱線遮蔽透明窓として
用いた場合の熱線遮蔽性能を検討した。
このとき、外気温度を35℃、車室内温度を25
℃、外部から入射する日射量を1000W/m2に設定
し、外部から車室内へ入射する熱量を測定したと
ころ、その値は385W/m2であつた。これに対し、
従来の例えば干渉タイプの熱線遮蔽積層体を用い
て同様な実験を行つたところ、車室内の入射熱量
は550W/m2であり、このことから、本実施例の
熱線遮蔽積層体100は、非常に優れた熱線遮蔽
性能を発揮することが理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る可視光透過熱線遮蔽積層
体の好適な実施例を示す説明図、第2図及び第3
図は従来の干渉タイプの熱線遮蔽積層体の分光特
性図、第4図は従来のドルーデミラータイプの熱
線遮蔽積層体の分光特性図、第5図はドルーデミ
ラータイプ熱線反射膜の赤外線反射率に対する膜
厚依存特性を示す説明図である。 10……可視光透過性基板、12……干渉タイ
プの熱線反射膜、14……ドルーデミラータイプ
の熱線反射膜、200……太陽光、210……反
射光、220……吸収光、230……透過光、2
40,250,260,270……熱輻射。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 可視光透過性基板の、外側表面に干渉タイプ
    のの熱線反射膜を、内側表面にドルーデミラータ
    イプの熱線反射膜を被覆して形成され、前記干渉
    タイプとドルーデミラータイプの各熱線反射膜の
    光学的特性が相補的に組合わされ、外側から入射
    する光に対し、可視領域において高い透過率、赤
    外線領域において高い熱線遮蔽率を示すことを特
    徴とする可視光透過熱線遮蔽積層体。 2 特許請求の範囲1記載の積層体において、 前記干渉タイプの熱線反射膜は、高屈折率透明
    誘電体層と、低屈折率透明誘電体層とを所定の膜
    厚で交互に積層してなることを特徴とする可視光
    透過熱線遮蔽積層体。 3 特許請求の範囲1,2のいずれかに記載の積
    層体において、 前記ドルーデミラータイプの熱線反射膜は、
    SnO2:Sb膜又はIn2O3:Sn膜を用いて成ること
    を特徴とする可視光透過熱線遮蔽積層体。 4 特許請求の範囲1〜3のいずれかに記載の積
    層体において、 前記熱線遮蔽積層体は、干渉タイプの熱線反射
    膜を室外側、ドルーデミラータイプの熱線反射膜
    を室内側に向けた熱線遮蔽透明窓として用いるこ
    とを特徴とする可視光透過熱線遮蔽積層体。
JP60291007A 1985-12-23 1985-12-23 可視光透過熱線遮蔽積層体 Granted JPS62148254A (ja)

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JP60291007A JPS62148254A (ja) 1985-12-23 1985-12-23 可視光透過熱線遮蔽積層体

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JP60291007A JPS62148254A (ja) 1985-12-23 1985-12-23 可視光透過熱線遮蔽積層体

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Publication Number Publication Date
JPS62148254A JPS62148254A (ja) 1987-07-02
JPH0426305B2 true JPH0426305B2 (ja) 1992-05-07

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ID=17763250

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JP60291007A Granted JPS62148254A (ja) 1985-12-23 1985-12-23 可視光透過熱線遮蔽積層体

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