JPH04253866A - 脱臭剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は脱臭剤に関するもので、
更に詳しく述べるならば、珪酸塩及び亜鉛化合物を含む
ゲルを主成分とした、硫化水素、アンモニア、メルカプ
タン、アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスの吸着性に優
れた脱臭剤である。

【０００２】

【従来の技術】近年、生活環境の変化に伴い生活空間に
存在する微量な硫化水素、アンモニア、メルカプタン、
アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスに対する関心が高ま
っている。これらの悪臭ガスを除去して快適な生活環境
を維持するために、脱臭剤が要求され、家庭生活にも様
々な脱臭剤が使用されている。

【０００３】これらの脱臭剤は日常生活で使用されるも
のであるから、次のような条件を満たすものであること
が要求される。

【０００４】（１）日常の生活空間に存在する微量な硫
化水素、アンモニア、メルカプタン、アミン及びアルデ
ヒド等の各種悪臭ガスに対して優れた脱臭性能を有する
ものであること。（２）安全性の高いものであること。 （３）取扱が容易なものであること。（４）安価なもの
であること。

【０００５】しかしながら従来、上記のすべての条件を
充分に満足する脱臭剤は存在しなかった。活性炭はメル
カプタン及びアミン等の悪臭ガスの脱臭効果は優れてい
るが、日常の生活空間に微量存在する悪臭ガスである硫
化水素やアンモニアに対する脱臭効果はあまり高くない
。この点を改良する目的で活性炭に酸、アルカリあるい
はある種のハロゲン化合物を担持させた添着炭と呼ばれ
る製品もつくられている。しかし、そのような処理を行
った製品は酸或いはアルカリそのものと同様に一種の危
険物としての取扱が必要となるため、日常生活での使用
には適さない場合も多い。

【０００６】また、硫酸鉄にアスコルビン酸を加えた製
品も市販されている。この種のものは、アンモニア、ア
ミン等の塩基性の悪臭ガスに対する脱臭効果は良好であ
るが、硫化水素、メルカプタン及びアルデヒド等に対す
る脱臭効果は殆どなく、また水に濡れると溶解するため
、湿潤ガスの脱臭には使用できないという欠点がある。

【０００７】その他の化学脱臭剤も多数開示されている
が、酸性やアルカリ性の強いものが多く、また除去でき
るガスの種類も限られており、吸湿または乾燥の影響を
受け易い欠点を有するものも多い。

【０００８】その他、有機系脱臭剤もあるが耐熱性が低
く、加工も困難でまた高価である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は日常の生活空
間に存在する微量の悪臭成分の除去を目的としたもので
、特に問題となる硫化水素、アンモニア、メルカプタン
、アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスに対して優れた脱
臭効果を有し、安全性が高く且つ取扱の容易な、全く新
しい組成の脱臭剤を提供しようとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明等は、上記目的を
達成するため、珪酸塩ゲルの生成過程と比表面積の関係
及びゲルに亜鉛化合物を内包させた場合の吸着性につい
て鋭意研究を重ねた結果、硫化水素、アンモニア、メル
カプタン、アミン及びアルデヒド等の悪臭ガスに対して
優れた脱臭性能を有するゲル状組成物が存在することを
見出し、それに基づいて本発明に到達した。

【００１１】すなわち、珪酸塩１００　重量部に対して
亜鉛化合物５〜２５重量部を含むゲルからなる脱臭剤、
及び珪酸塩及び亜鉛化合物の水溶液をＰＨを９〜１１に
調整し、４５〜８０℃に保持して珪酸塩及び亜鉛化合物
を含有するゾルを生成せしめた後、酸で中和して生成し
たゲルを沈降させることを特徴とする脱臭剤の製法であ
る。

【００１２】以下本発明について詳しく説明する。尚こ
こで、珪酸塩とは珪酸の塩のみではなく珪酸ゲルを生成
させる過程で生ずる珪酸、無水珪酸等も含まれている。

【００１３】本発明の脱臭剤は珪酸塩及び亜鉛化合物か
らなる珪酸ゲル構造を有する組成物である。本発明の脱
臭剤の原料には広範囲の珪酸塩を使用できるが、例えば
、アルカリ性の水溶液に溶解する水ガラス、水酸化珪素
、シリカゾル、シリカゲル等が好ましい。

【００１４】また亜鉛化合物も特に限定しないが、例え
ば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛等が好ま
しい。

【００１５】珪酸塩及び亜鉛化合物の水溶液のＰＨを調
整するためには、アルカリ性化合物、例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、アンモ
ニア等が使用出来る。また、このアルカリ性水溶液を中
和するためには、酸例えば、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸等
を使用することが出来る。但し、亜鉛化合物が硫酸塩の
場合には、ＰＨ調整用のアルカリ化合物として、水酸化
カルシウムや水酸化バリウムを使用すると、水に不溶性
の塩が生成する為好ましくない。

【００１６】同様にＰＨ調整用のアルカリ化合物として
、水酸化カルシウムや水酸化バリウムを使用した場合は
、ＰＨ調整用に硫酸を使用すると水に不溶な塩が生成す
るので好ましくない。

【００１７】本発明の脱臭剤に含まれる亜鉛化合物の含
有量は、珪酸塩１００重量部に対して５〜２５重量部と
する必要がある。亜鉛化合物の含有量が５重量部より少
ない場合は、珪酸塩のみからなるゲルとほぼ同様な吸着
特性を示し、これらの吸着特性は、本発明の組成領域で
得られる微粉末及び球形粒子の吸着特性に較べて、著し
く低い値となる。

【００１８】亜鉛化合物の含有量が２５重量部より多い
場合は、単位亜鉛含有量に対するアンモニア吸着量が減
少し、効率が低下するためである。また、本発明の脱臭
剤を製造する工程で亜鉛化合物を２５部以上使用しても
、珪酸ゲル中の亜鉛の含有率があまり高まらず、ロスが
増加するため好ましくない。

【００１９】本発明の脱臭剤の調製法としては、珪酸塩
及び亜鉛化合物をアルカリ性水溶液に溶解して、ＰＨを
９〜１１に調整し、溶液を４５〜８０℃に保持する必要
がある。 溶液をこのような条件で保持することにより、溶液中の
珪酸分子が次第に重合してポリ珪酸分子が形成され、そ
の内部に亜鉛化合物を包含したゾルが形成される。

【００２０】この際、溶液のＰＨ及び温度は生成するゾ
ルの組成及び構造と密接な関係があり、更に本発明の脱
臭剤の比表面積、細孔容積、細孔分布等微細構造に極め
て大きな影響を有する。溶液中に含まれる水酸基が珪酸
分子の重合触媒となるため、ＰＨが９より低いと触媒に
なる水酸基の濃度が低いため重合が進まず、すなわちゾ
ルが成長しない。従って、溶液を中和してゲルを沈澱、
乾燥して脱臭剤を調製しても細孔構造が発達していない
ため比表面積が小さく、また脱臭性も低く実用性が乏し
い。

【００２１】また１１より高くなると重合が阻害されて
、ゾルの生成速度が著しく低下する。これは水酸基濃度
の上昇により、ポリ珪酸分子の荷電が増大して分子同志
の反発が増大することによるものと考えられる。

【００２２】また、溶液温度が８０℃以上になると重合
速度が速くなり、溶液中に生成するゾルは疎な構造とな
るため、脱臭剤の比表面積が低下して、悪臭吸着能力が
悪くなる。温度が４５℃以下になると、重合速度が遅く
なり、溶液中に生成するゾルは緻密な構造となって、細
孔が殆ど形成されず、従って比表面積が非常に小さくな
るため吸着性が低下して脱臭剤には使用出来ない。

【００２３】溶液をこの条件の範囲内に保持してゾルを
生成させる時間は特に限定しないが、１０〜６０分程度
が好ましい。

【００２４】次に、溶液を中和することにより、亜鉛化
合物を包含した珪酸ゾルはゲルに相転移して沈降する。 中和時のＰＨは特に限定しないが、６〜８の範囲が好ま
しい。このゲルをろ別して乾燥することにより、本発明
の脱臭剤が得られる。

【００２５】本発明による珪酸塩、亜鉛化合物脱臭剤は
、５００　℃付近までは良好な吸着性を示し、熱的安定
性も優れている。

【００２６】本発明に関わる珪酸塩、亜鉛化合物系脱臭
剤は、日常の生活空間に微量に含まれる硫化水素、アン
モニア、メルカプタン、アミン及びアルデヒド等の各種
悪臭ガスの脱臭に関してきわめて良好な特性を有する。 これらの悪臭は通常使用される活性炭では殆ど除去でき
ない、硫化水素やアンモニア等の成分にも高い効果を有
する点が特に注目される。また、本発明の吸着剤は無毒
性の珪酸塩及び亜鉛化合物から構成されているため安全
性が高く、また微粉末は紙及びシート等に容易に担持で
き、熱的にも安定なため、プラスチックへの錬り込みも
可能であることなど、加工性にも優れているので、脱臭
剤として産業上の利用性も高いものである。

【００２７】

【作用】本発明の脱臭剤は細孔構造を有し、比表面積が
６００　〜７００ｍ２／ｇ　の珪酸ゲル及びその内部に
包含された亜鉛化合物よりなっている。従って、珪酸ゲ
ルの物理吸着と亜鉛化合物の化学作用との相乗作用によ
って高い吸着性を示すものと考えられる。

【００２８】

【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。

【００２９】（実施例１）２リットルビーカーに純水１
リットルと水ガラス６０ｇ、硫酸亜鉛１５ｇを加え、Ｎ
ａＯＨでＰＨを１０にして攪拌し均一な溶液として４５
℃、１５分間熟成した。再度攪拌しながら４０％Ｈ２Ｓ
Ｏ４　を加えてＰＨを７に調製し、室温にて４時間放置
した。

【００３０】生成物を濾過洗浄後、２００　℃で３時間
乾燥し、本発明の、珪酸塩、亜鉛化合物よりなる脱臭剤
を製造した。この脱臭剤のＢＥＴ（Ｂｒｕｎａｕｅｒ−
Ｅｍｍｅｔｔ−Ｔｅｌｌｅｒ）比表面積は６５０ｍ２／
ｇ　であり、化学分析により、構成比率は重量比で珪酸
塩対亜鉛化合物は１００　対５．３　であった。

【００３１】この脱臭剤のアンモニアに対する吸着性は
次のようにして調べた。

【００３２】脱臭剤１００ｍｇ　を内容積１２０ｍｌ　
の硝子製バイアル瓶に入れ、ゴム栓をした後、マイクロ
シリジンを使って所定量のアンモニアガスをバイアル瓶
内に注入する。ガスを注入してから２時間後、バイアル
瓶内の空気をマイクロシリジンで取り出し、ガス検知管
を使用してガス濃度を分析した。

【００３３】その結果を表１に示した。

【００３４】（実施例２〜４）亜鉛化合物と珪酸塩の量
的割合及び、熟成条件を種々変化させた以外は実施例１
と同様にして脱臭剤を得た。これらの脱臭剤の化学分析
による珪酸塩と亜鉛化合物の重量比、及びアンモニアガ
スに対する吸着特性を表１に示した。

【００３５】（比較例１〜２）実施例２と同じ配合で、
熟成条件を変えた以外は、実施例２と同様にして脱臭剤
を得た。この吸着剤のＢＥＴ（Ｂｒｕｎａｕｅｒ−Ｅｍ
ｍｅｔｔ−Ｔｅｌｌｅｒ）比表面積は、４７０ｍ２／ｇ
及び２１０ｍ２／ｇ　で化学分析により、珪酸塩対亜鉛
化合物は重量比で１００　対８．３　及び１００　対７
．６　であった。この珪酸塩、亜鉛化合物系の吸着剤の
アンモニアガスに対する吸着特性を表１に示した。

【００３６】（比較例３〜４）実施例４と同じ配合で、
熟成条件を変えた以外は、実施例４と同様にして脱臭剤
を得た。この吸着剤のＢＥＴ（Ｂｒｕｎａｕｅｒ−Ｅｍ
ｍｅｔｔ−Ｔｅｌｌｅｒ）比表面積は、２７０ｍ２／ｇ
及び１８０ｍ２／ｇ　で化学分析により、珪酸塩対亜鉛
化合物は重量比で１００　対８．１　及び１００　対１
８．０であった。この珪酸塩、亜鉛化合物系の吸着剤の
アンモニアガスに対する吸着特性を表１に示した。

【００３７】（比較例５）実施例４と同じ配合で、熟成
条件を変えた以外は、実施例４と同様にして脱臭剤を得
た。この吸着剤のＢＥＴ（Ｂｒｕｎａｕｅｒ−Ｅｍｍｅ
ｔｔ−Ｔｅｌｌｅｒ）比表面積は、２１０ｍ２／ｇで化
学分析により、珪酸塩対亜鉛化合物は重量比で１００　
対７．６　であった。この珪酸塩、亜鉛化合物系の吸着
剤のアンモニアガスに対する吸着特性を表１に示した。

【表１】

【００３８】

【発明の効果】本発明に関する珪酸塩、亜鉛化合物系脱
臭剤は、日常生活においても発生する硫化水素、アンモ
ニア、メルカプタン、アミン及びアルデヒド等の悪臭ガ
スを吸着除去する性能が優れているのみならず、無毒性
の珪酸塩及び亜鉛化合物から構成されているため安全性
が高く、また微粉末は紙及びシート等に容易に担持させ
ることが出来る。更に、熱的にも５００　℃程度まで安
定なため、プラスチックへの錬り込みも可能で、加工性
にも優れているので、脱臭剤として産業上の利用性も高
い。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　珪酸塩１００　重量部に対して亜鉛化
   合物５〜２５重量部を含むゲルからなる脱臭剤。
2. 【請求項２】　　珪酸塩及び亜鉛化合物の水溶液をＰＨ
   を９〜１１に調整し、４５〜８０℃に保持して珪酸塩及
   亜鉛化合物を含有するゾルを生成せしめた後、酸で中和
   して生成したゲルを沈降させることを特徴とする脱臭剤
   の製法。