JPH04248014A - 動圧流体軸受装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報機器，事務機，測
定機器等に用いられる動圧流体軸受装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】この種の動圧流体軸受装置としては、例
えば磁気ディスク用のものがある。近年、磁気ディスク
はますます高密度化する傾向にあり、これに伴い、磁気
ディスク用の軸受装置においても、線記録密度の向上を
はかるために軸受の非回転数同期成分の振れを小さくす
ることが求められている。この要求に応えるためには、
従来の玉軸受に代わって振動の小さい動圧流体軸受装置
が適している。

【０００３】従来の動圧流体軸受装置は、軸が嵌合して
いるハウジング（スリーブ）の内径面に、円筒状のラジ
アル軸受面が、軸方向に間隔をおいて２ヵ所に設けられ
ている。一方、スリーブに嵌合する軸には、長手方向に
間隔をおいて２ヵ所にラジアル受面が設けられており、
ラジアル軸受面とラジアル受面とは軸受すきまを介して
対向してラジアル軸受を構成している。ラジアル軸受面
にはヘリングボーン状の動圧発生用の溝が設けられてお
り、ラジアル軸受すきまに保持される極めて微少量の潤
滑剤に、そのヘリングボーン状動圧発生用の溝のポンピ
ング作用で圧力を発生させて流体動力学的潤滑をおこな
うようになされている。そして、二カ所の軸受すきまの
間の個所は軸受すきまより大きなすきまの潤滑剤溜りで
ある。潤滑剤溜りの軸受すきま近傍部は軸受すきまに向
かってせまくなる大きなテーパ角度のテーパ状となって
いる。しかして、軸受すきま内の潤滑剤が漏れ又は蒸発
で失われると早期に軸受としての機能を果たさなくなる
。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の動圧流体軸受装置は、潤滑剤溜り内の潤滑剤のラジ
アル軸受すきまへの補給が不十分であった。本発明は、
簡単な構造で潤滑剤溜り内の潤滑剤をラジアル軸受すき
まに送り込むことができる特殊な流体溜りを設けた動圧
流体軸受装置を提供して、上記従来の問題点を解決する
ことをその目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、スリーブの内
径面は軸方向に離れた二カ所に円筒状のラジアル軸受面
を有し、スリーブに嵌合する軸はラジアル軸受面に軸受
すきまを介して対向するラジアル受面を有し、ラジアル
軸受面とラジアル受面との少なくとも一方にヘリングボ
ーン状の動圧発生用の溝が設けられ、前記二カ所の軸受
すきまの間の個所は軸受すきまより大きなすきまの潤滑
剤溜りである動圧流体軸受装置において、前記潤滑剤溜
りの軸受すきま近傍部は、軸受すきまに向かってせまく
なる２〜８°のテーパ角度のテーパ状となって軸受すき
まに接続することを特徴とする。

【０００６】

【作用】ラジアル軸受すきまに接続するゆるいテーパを
もつ潤滑溜りを設けたために、ラジアル軸受すきまに向
かって毛管現象により潤滑剤が補給される。したがって
、耐久性のよい動圧流体軸受装置が得られる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図１は、本発明の一実施例の縦断面図であり、軸
１が嵌合しているスリーブ２の内径面３に、円筒状のラ
ジアル軸受面４が軸方向に間隔をおいて二カ所に設けら
れてある。一方、軸１には、長手方向に間隔をおいて二
カ所にラジアル受面５が設けられており、ラジアル軸受
面４とラジアル受面５とはラジアル軸受すきま６を介し
て対向してラジアル軸受Ｒを構成している。ラジアル受
面５には、ヘリングボーン状の動圧発生用の溝７が設け
られている。この動圧発生用の溝７は、屈曲部７ａより
軸端側の溝長さの方が屈曲部７ａより反軸端側の溝長さ
より長い非対称形のヘリングボーン状の溝パターンにな
っている。これにより、ラジアル軸受すきま６内の潤滑
剤が軸端側へ漏れにくくしている。

【０００８】スリーブ２の内径面３は、二カ所のラジア
ル軸受すきま６の間の個所が、ラジアル軸受すきま６の
部分の内径（すなわちラジアル軸受面４の内径）より大
きい内径とされ、これによりラジアル軸受すきま６より
大きなすきまの潤滑剤溜り１０が設けられている。しか
も、その潤滑剤溜り１０の内面は、ラジアル軸受すきま
近傍部１１が、ラジアル軸受すきま６に向かってせまく
なるテーパ角度θ＝２〜８°のテーパ状となって、ラジ
アル軸受すきま６に接続している。このように、潤滑剤
溜り１０の両端部を先細りのテーパ状にした理由は、潤
滑剤溜り１０内の潤滑剤が軸１とのすきまが狭くなる方
に毛管現象で引っ張られ易くするためである。テーパ角
度θが２°より小さくては、この引っ張り力が弱すぎる
。逆に、テーパ角度θが８°より大きいと、すきまの大
きい方での潤滑剤の保持力が弱くなり、重力あるいは外
部衝撃などで潤滑剤が流出してしまう。また、軸１とス
リーブ２との間のすきまに変化がない場合、すなわちテ
ーパ角度θが０°の場合、及び２°より小さい場合は、
潤滑剤の流動が少なくなり、ラジアル軸受すきま６への
潤滑剤の供給が円滑に行われにくい。

【０００９】なお、潤滑剤溜り１０の中間部には、スリ
ーブ２を半径方向に貫通してハブ１２の内部に連通する
空気抜き孔１３が設けられている。この空気抜き孔１３
は、温度変化があってもスリーブ２の内外の気圧を同一
にして、ラジアル軸受すきま６内の潤滑剤の外部への洩
れを防止する。軸１の下端は平面状のスラスト受面１５
とされ、このスラスト受面１５はスリーブ２に固着され
たスラスト板１６に設けられたスラスト軸受面１７に対
向しており、スラスト受面１５とスラスト軸受面１７と
でスラスト軸受Ｓを構成している。スラスト軸受面１７
には図示しないが動圧発生用の溝が設けられ、またスリ
ーブ２の内径面３の下端部には、下方のラジアル軸受面
４より大径の逃げ部１８が設けられている。もっとも、
スラスト軸受Ｓの動圧発生用の溝は、スラスト受面１５
に設けてもよく、あるいはスラスト軸受面１７とスラス
ト受面１５との双方に設けてもよい。

【００１０】この動圧流体軸受装置は、ラジアル軸受す
きま６及びスラスト受面１５とスラスト軸受面１７との
間のスラスト軸受すきまに毛細管現象により保持される
極めて微少量の潤滑剤で潤滑される。軸１の上端部には
一体回転可能にハブ１２が嵌着され、そのハブ１２に図
示しない磁気ディスクが取り付けられるようになってい
る。

【００１１】ハブ１２は駆動モータＭにより軸１と共に
回転駆動される。回転駆動モータＭを構成する円筒状の
ロータマグネット２０は、ハブ１２の内径面に一体回転
可能に取付けられている。このロータマグネット２０に
対向するステータコイル２１は、スリーブ２の円筒状胴
部に固定されている。次に作用を説明する。

【００１２】いま、回転駆動モータＭのステータコイル
２１に通電すると、ロータマグネット２０に回転力が発
生してハブ１２が軸１と一体的に回転する。軸１が回転
すると、ラジアル軸受Ｒの動圧発生用の溝７のポンピン
グ作用によってラジアル軸受すきま６の潤滑剤は、ヘリ
ングボーンの溝の屈曲部７ａへ流入する。そして溝の屈
曲部７ａに充満した潤滑剤は、ラジアル軸受すきま６を
通ってラジアル軸受すきま６の軸方向両端部に移行して
循環する。この実施例の場合、非対称ヘリングボーンの
動圧発生用の溝７の長さの長い外側パターンの溝で発生
する圧力が、より短い内側パターンの溝のそれより大き
くなり、ラジアル軸受すきま６内の潤滑剤がラジアル軸
受Ｒより軸端側部に送り出されることを効果的に防止す
る。

【００１３】スラスト軸受Ｓにおいても、ヘリングボー
ン状（又はスパイラル状）の動圧発生用の溝のポンピン
グ作用により、潤滑剤の循環が行われる。こうしてラジ
アル軸受Ｒにおいては、動圧発生用の溝７のポンピング
作用による動圧が発生し、ラジアル軸受すきま６内の潤
滑剤の圧力が高くなり、軸１はスリーブ２のラジアル軸
受面４に非接触で半径方向に支持される。一方、スラス
ト軸受Ｓにおいては、スラスト軸受面１７の動圧発生用
の溝のポンピング作用によって動圧が発生し、軸１はス
ラスト板１６のスラスト軸１７に非接触で支持される。

【００１４】動圧流体軸受装置の起動・停止時並びに回
転中の潤滑剤の飛散による軸受外への流出、および潤滑
剤の蒸発により、ラジアル軸受すきま６内の潤滑剤の減
少が起こっても、潤滑剤溜り１０からラジアル軸受すき
ま近傍部１１を経て、テーパによるすきまのせまい方に
向かって、潤滑剤が毛管現象で自動的に、且つ効果的に
徐々に補給される。したがって、長期間にわたって軸受
性能の劣化がなく、優れた耐久性が得られる。

【００１５】この実施例によれば、更に、潤滑剤溜り１
０を二カ所のラジアル軸受Ｒ間に設けたので、潤滑剤溜
り１０の分、ラジアル軸受Ｒ間のスパンが大きく取れて
、外部モーメントに対して強い軸受装置とすることがで
きる。なお、ラジアル軸受Ｒに設ける動圧発生用の溝７
の溝パターンを必ずしも非対称形とする必要はなく、対
称形の溝パターンとしても良い。

【００１６】また、上記実施例のラジアル軸受Ｒにおけ
る動圧発生用の溝７は、スリーブ２のラジアル軸受面４
に設けてもよく、あるいはラジアル軸受面４とラジアル
受面５との双方に設けても良い。また、動圧発生用の溝
７は軸受すきま６内にのみ位置しても良く、また動圧発
生用の溝７の軸方向両端部は軸受すきま６から軸方向外
側にはみ出しても良く、潤滑剤溜り１０内に位置しても
良い。

【００１７】また、上記実施例では軸回転としたが、ス
リーブ回転であっても良い。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように本発明の動圧流体軸
受装置は、軸方向に離れた二カ所のラジアル軸受面と、
これに軸受すきまを介して対向するラジアル受面との少
なくとも一方に、ヘリングボーン状の溝が設けられ、二
カ所の軸受すきまの間の個所は潤滑剤溜りである動圧流
体軸受装置において、前記潤滑剤溜りの軸受すきま近傍
部は軸受すきまに向かってせまくなる２〜８°のテーパ
角度のテーパ状となって軸受すきまに接続するものとし
た。そのため、ラジアル軸受すきまから潤滑剤が飛散流
出，蒸発などで徐々に失われても、潤滑溜りに保持され
ている潤滑剤が毛管現象によって強制的に補給され、軸
受性能の劣化がほとんどなく耐久性に優れた動圧流体軸
受装置が得られる。しかも製造工程が簡単で生産性が高
く、低コストで提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の動圧流体軸受装置の一実施例の縦断面
図である。

【符号の説明】 １　　　　軸 ２　　　　スリーブ ４　　　　ラジアル軸受面 ５　　　　ラジアル受面 ６　　　　軸受すきま ７　　　　動圧発生用の溝 １０　　　　潤滑剤溜り

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　スリーブの内径面は軸方向に離れた二
   カ所に円筒状のラジアル軸受面を有し、前記スリーブに
   嵌合する軸はラジアル軸受面に軸受すきまを介して対向
   するラジアル受面を有し、前記ラジアル軸受面とラジア
   ル受面との少なくとも一方にヘリングボーン状の動圧発
   生用の溝が設けられ、前記二カ所の軸受すきまの間の個
   所は軸受すきまより大きなすきまの潤滑剤溜りである動
   圧流体軸受装置において、前記潤滑剤溜りの軸受すきま
   近傍部は軸受すきまに向かってせまくなる２〜８°のテ
   ーパ角度のテーパ状となって軸受すきまに接続すること
   を特徴とする動圧流体軸受装置。