JPH04242090A - 内燃機関のスパークプラグ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のスパ−クプラ
グに関し、特に放電電圧が低く、長寿命で、製造簡易な
スパ−クプラグに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年の排気ガス浄化の要請を背景として
、希薄な混合気による内燃機関の点火起動が望まれてお
り、電極消耗による放電電圧の大きな上昇を避けるため
に、スパ−クプラグ中心電極の先端面にＰｔを中心とし
た貴金属チップを接合することが行われている。

【０００３】一方、特公昭５２−３９１４３号公報ない
し特公昭５９−３３９４９号公報には中心電極の先端面
ないしその近傍に溝ないし凹凸を設けて放電電圧を下げ
る試みがなされている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】そこで、上記貴金属チ
ップに溝を形成するようになせば、寿命が長く放電電圧
の低いスパ−クプラグを得ることができるが、中心電極
に接合した貴金属チップに溝を形成することは、芯ずれ
等を考慮すると必要以上に大径のものを使用する必要が
あり、貴金属材料が無駄に消費されるとともに製造にも
手間取るという問題がある。

【０００５】これを解消するするために、予め溝を形成
した貴金属チップを中心電極端面に溶接することが考え
られるが、溶接時の電流による抵抗発熱および加圧によ
って往々にして溝が潰れてしまうという問題があった。

【０００６】本発明はかかる課題を解決するもので、貴
金属チップを好適に中心電極に溶接でき、長寿命で放電
電圧が低く、製造も容易な内燃機関のスパ−クプラグを
提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の構成を説明する
と、内燃機関のスパークプラグは、内燃機関に装着され
るハウジング５内に筒状絶縁碍子１を設けて中心電極２
を挿通配設するとともに該中心電極２に対向せしめて接
地電極３を設け、これら中心電極２および接地電極３の
対向面の少なくとも一方に、柱状の貴金属チップ４をそ
の一端面で溶接により接合し、該貴金属チップ４には溶
接前に他端面に溝４１を形成して、該溝４１の深さをＨ
，溝の幅をＷ、端面の直径をＤ、溝４１を含む端面の全
面積をＳ，溝４１を除いた端面の面積をＳ１として、Ｗ
≧０．１５ｍｍ １．０ｍｍ≦Ｄ≦２．５ｍｍ ０．２＜Ｓ１／Ｓ＜１．０ Ｈ≦（Ｓ１／Ｓ−０．２）×√Ｓ×０．９ｍｍに設定し
たものである。

【０００８】かかる構造のスパ−クプラグによれば、必
要な溶接電流および圧力を加えて中心電極２の対向面に
貴金属チップ４を良好に接合できるとともに溝４１が潰
れる不具合は生じず、形成された溝４１により充分低い
放電電圧が実現される。

【０００９】

【実施例】図２において、金属筒製のハウジング５は下
端外周のネジ部５１により内燃機関のシリンダヘッドに
装着され、該ハウジング５内には筒状絶縁碍子１の下半
部が挿通固定され、下端部内に中心電極２が固着してあ
る。中心電極２は内材が銅、外材がＮｉ基合金である。 上記絶縁碍子１の上半部内には中軸６が挿入され、絶縁
碍子１外へ露出するその上端は端子６１となっている。 かかる中軸６は下端を導電性のグラスシ−ル材７によっ
て中心電極２の上端に加熱溶着されている。中心電極２
の下端面は絶縁碍子の外へ露出し、この端面に詳細を後
述する貴金属チップ４が溶接固定されている。一方、ハ
ウジング５の下端開口縁からはＬ字形に屈曲する接地電
極３が延出し、その先端は上記貴金属チップ４に対向し
て放電ギャップを形成している。

【００１０】貴金属チップ４の詳細を図１に示し、該チ
ップ４は円柱形で、一端面が中心電極２の下端面に溶接
にて接合され、接地電極３に対向する他端面には十文字
の溝４１が形成されている。ここで上記溝４１は深さが
Ｈ、幅がＷであり、溝４１を含む端面の面積はＳ、溝４
１を除いた端面の面積がＳ１、端面直径はＤである。ま
た、貴金属チップ４の材料としては耐磨耗性で、高温強
度に優れ、かつ高硬度のものが良く、Ｐｔ−Ｉｒ、Ｐｔ
−Ｎｉ、Ｐｔ−Ｗ等の白金合金、好ましくは７０〜８５
ＷＴ％と３０〜１５ＷＴ％Ｉｒの合金、３０〜１５ＷＴ
％Ｉｒと０．５〜２．０ＷＴ％Ｎｉ残りＰｔよりなるＰ
ｔ−Ｉｒ−Ｎｉ合金、８０〜９０ＷＴ％Ｐｔと２０〜１
０ＷＴ％Ｎｉの合金、９５〜９７ＷＴ％Ｐｔと５〜３Ｗ
Ｔ％Ｗの合金を使用する。

【００１１】かかる構造の貴金属チップ４を中心電極２
に溶接する場合には、図３（ａ）に示す如く中心電極２
の端面上に貴金属チップ４を位置決めし、上方より抵抗
溶接機の溶接電極棒８を圧接せしめて通電する。この通
電電流により貴金属チップ４と中心電極２の接合面にジ
ュ−ル熱が発生し、チップ４の一部が中心電極２母材内
に埋没して接合部が若干大径となった状態で溶接が完了
する（図３（ｂ））。この時、一定の条件を満足しない
と溶接後の溝深さＨ１が溶接前の深さＨよりも小さくな
る、すなわち溝４１が潰れる。

【００１２】これを各種の条件下で実験した結果を以下
図４〜図７に示す。この実験は図４に示すように十文字
溝を使用し、溝の底からチップ底面までの寸法は０．３
ｍｍと一定にした。図４はチップ径を１．５（すなわち
面積Ｓを１．７７）としてＳ１／Ｓを変更したもので、
例えばＳ１／Ｓ━０．３１ではＨ━０．１５、Ｓ１／Ｓ
━０．８４ではＨ━０．７がそれぞれ限度であることが
知られる。

【００１３】図５はＳ１／Ｓ━０．５として、Ｓを変更
したもので、Ｓ━０．７９ではＨ━０．２、Ｓ━４．９
１ではＨ━０．６がそれぞれ限度であることが知られる
。図６はＳ１／Ｓ━０．７として同様にＳを変更したも
ので、この場合はＳ━０．７９でＨ━０．４、Ｓ━４．
９１でＨ━１．０が限度であることが知られる。

【００１４】以上の結果をまとめたものが図７であり、
溝を４１含めた貴金属チップ４の端面の面積Ｓ（すなわ
ちチップ径Ｄ）をパラメ−タとして、面積比Ｓ１／Ｓに
対する初期チップ溝深さＨの最大値は図中の各直線で示
され、これは Ｈ━（Ｓ１／Ｓ−０．２）×√Ｓ×０．９（ｍｍ）で近
似される。しかして、この関係式で得られる値以下の溝
深さを適宜選択する。この場合のＤは、一般に使用され
る中心電極の径が２．７ｍｍであり、また、１ｍｍ以下
では火花放電によるチップ消耗が大きくなり、放電電圧
低下の効果が小さいことから、１．０ｍｍ≦Ｄ≦２．５
ｍｍの範囲とする。また、上記各直線より、Ｓ１／Ｓ━
０．２では溝深さＨが零、すなわち溝の潰れが避けられ
ないから、０．２＜Ｓ１／Ｓ＜１．０とする。

【００１５】また、チップ溝幅Ｗについては、図８より
０．１５ｍｍ以上でないと充分な電圧低減効果が得られ
ない。なお、図中、線ｘは十文字溝、線ｙは一文字溝に
ついての実験結果である。

【００１６】貴金属チップ４の溝形状は各種のものが使
用でき、Ｖ断面溝（図９（ａ））、Ｕ断面溝（図９（ｂ
））、スター形溝（図９（ｃ））、紋形溝（図９（ｄ）
）等が使用できる。

【００１７】貴金属チップ４を図１０に示す如く接地電
極３にも設けると更に放電電圧低減の効果があり、また
、接地電極３のみに設ける構造としても良い。

【００１８】

【発明の効果】以上の如く、本発明のスパ−クプラグは
、放電電圧を充分低くできる上に長寿命であり、しかも
貴金属チップの設置コストおよび手間を大きく低減でき
るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】中心電極先端部の斜視図である。

【図２】スパ−クプラグの全体断面図である。

【図３】貴金属チップの溶接過程を示す概略断面図であ
る。

【図４】実験結果を示すグラフである。

【図５】実験結果を示すグラフである。

【図６】実験結果を示すグラフである。

【図７】実験結果を示すグラフである。

【図８】実験結果を示すグラフである。

【図９】各種貴金属チップの形状を示す平面図と断面図
である。

【図１０】本発明の他の例を示す中心電極先端部の側面
図である。

【符号の説明】

１　　絶縁碍子 ２　　中心電極 ３　　接地電極 ４　　貴金属チップ ４１　　溝 ５　　ハウジング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　内燃機関に装着されるハウジング内に
   筒状絶縁碍子を設けて中心電極を挿通配設するとともに
   該中心電極に対向せしめて接地電極を設け、これら中心
   電極および接地電極の対向面の少なくとも一方に、柱状
   の貴金属チップをその一端面で溶接により接合し、該貴
   金属チップには溶接前に他端面に溝を形成して、該溝の
   深さをＨ，溝の幅をＷ、端面の直径をＤ、溝を含んだ端
   面の全面積をＳ，溝を除いた端面の面積をＳ１として、
   Ｗ≧０．１５ｍｍ １．０ｍｍ≦Ｄ≦２．５ｍｍ ０．２＜Ｓ１／Ｓ＜１．０ Ｈ≦（Ｓ１／Ｓ−０．２）×√Ｓ×０．９ｍｍに設定し
   たことを特徴とする内燃機関のスパークプラグ。