JPH0423667Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本願はクリツプの挟持力により裏表紙と綴込み
部との間に介装した紙葉を保持する構成のクリツ
プフアイルに関する。

従来の技術 従来、厚手の方形状の合成樹脂板からなる裏表
紙の一側縁に、細幅の背表紙と、それから内方に
水平状に延びる広幅の表部と、その表部からその
下側に折返される広幅の折込み部と、それからＶ
字状に屈曲する前記背表紙よりも稍広幅の係止片
とを夫々谷折線を介して順次連設し、これらを前
記裏表紙と表部と折込み部とが上下方向で重合す
るように折込んで綴込み部を形成すると共に、こ
の綴込み部の中央位置に背表紙部から表部にかけ
て開口する操作孔を設けて成るフアイル本体と、
側縁部を前記折込み部の外面に溶着した前記裏表
紙の表面を覆う大きさをもつ薄手の方形状の合成
樹脂板から成る表紙板と、縦断面がコ字状の弾性
金属板からなり、上部片の先端部に、内向きに屈
曲し、前記係止片と係合する係合部を有したクリ
ツプとから構成され、このクリツプを、前記操作
孔の位置で、下部片が裏表紙の下面に摺接し、か
つ、上部片が操作孔を介して前記表部と折込み部
との間に介入するように前記綴込み部に摺動可能
に取付けて折込み部と裏表紙との間で紙葉を挟圧
するように構成して成るクリツプフアイルは既に
知られている。

考案が解決しようとする問題点 ところで、上記した従来のクリツプフアイルに
あつては、クリツプの係合部が係合する係止片
を、比較的高価である厚手の合成樹脂板からなる
フアイル本体の一側縁にその前後幅の全長に渉つ
て一体に延設して成るので、以下に述べるような
不都合を有する。

即ち厚手の合成樹脂板から成る係止片は常時起
立方向に強い復元力を有しているので、紙葉を綴
込んだ状態及びクリツプを外方に牽引して係止片
を起立方向に押圧し、紙葉の綴込みを解除した状
態では、係止片の中央部近傍は、それよりも堅い
クリツプの上部片により、この起立方向の傾きは
抑止されるが、それから離れた係止片の前後方向
の端部位置では上記の抑止作用が働かないので、
係止片の端部が綴込み部の表部の内面を強く押圧
する傾向にあり、そのため経時的に綴込み部が膨
らんで体裁を損なうばかりでなく、この状態で多
数のクリツプフアイルを例えばフアイルボツクス
などに収納したとき、クリツプの収納冊数がそれ
だけ減少するという不都合があつた。

問題点を解決するための手段 そこで、本願は、厚手の合成樹脂板から成る係
止片に代えて、薄手の合成樹脂からなる表紙板に
係止片を設けて上記した不都合を解消するため
に、厚手の方形状の合成樹脂板から成る裏表紙に
一側縁に、細幅の背表紙と、それから内方に水平
状に屈曲する広幅の表部と、その表部からその下
側に折返される広幅の折込み部とを夫々谷折線を
介して順次連設し、これらを前記裏表紙と表部と
折込み部とが上下方向で重合するように折込んで
綴込み部を形成すると共に、この綴込み部の中央
位置に表紙部から表部にかけて開口する操作孔を
設けて成るフイルム体と、側縁部を前記折込み部
の下面に固着すると共に、その側縁部に、前記折
込み部の端縁でＶ字状に屈曲する前記背表紙より
も稍広幅の係止片を延設した前記裏表紙の表面を
覆う大きさをもつ薄手の方形状の合成樹脂板から
成る表紙板と、縦断面がコ字状の弾性金属板から
なり、上部片の先端部に、内向きに屈曲して前記
係止片と係合する係合部を有したクリツプとから
構成され、このクリツプを、前記操作孔の位置
で、下部片が裏表紙の下面に摺接し、かつ、上部
片が操作孔を介して前記表部と折込み部との間に
介入するように、前記綴込み部に摺動可能に取り
付けて、折込み部と裏表紙との間で紙葉を挟圧す
るように構成したものである。

作 用 しかして、使用に際しては、操作孔の位置でク
リツプの上部片と下部片とを指により摘持して外
方に摺動するクリツプの係合部が表紙板の係止片
に係合して、それ以上の摺動は阻止される。この
状態で紙葉などの端部を綴込み部の位置で裏表紙
と、表紙板との間に介在する。そして再びクリツ
プをフアイル本体方向に押圧すると、クリツプの
上部片は、綴込み部内に深く侵入して、この係合
部と下部片により裏表紙と折込み部との間で表紙
板と紙葉とを挟着する。

実施例 以下、図面と共に本願実施例を詳述する。１
は、第２図で示すように、厚手で所望に帯色され
た方形状の合成樹脂板からなる裏表紙２の一側縁
に、細幅の背表紙３と、広幅の表部４と、前記背
表紙３よりもさらに細幅の折返し代５と、前記表
部４とほぼ等しい幅の折込み部６とを夫々谷折線
７，８，９，１０を介して連設し、前記裏表紙２
の表面に折込み部６が重合するように前記谷折線
７，８，９，１０で折曲して扁平角状の綴込み部
１１を形成したフアイル本体、１２は前記背表紙
３の中央位置に開設した操作孔を示し、この操作
孔１２は前記表部４の中央位置に形成した円弧状
の切欠部１３と連続している。１４は前記裏表紙
２を覆う大きさを有した薄手の好ましくは透明の
合成樹脂板から成る表紙板を示し、その一側縁に
前記折込み部６とほぼ等しい側縁部１５を一体に
有し、その側縁部１５が前記折込み部６の下面に
溶着され、かつ、この側縁部１５の外端縁のさら
に谷折線１６を介して前記背表紙３の幅より稍広
幅で、好ましくは前記操作孔１２の長さよりも長
くかつ側縁部１５の全長よりも短い台形状の係止
片１７が前記操作孔１２に対向する中央部に延設
してあり、この係止片１７はＶ字状に屈曲されて
内方に傾斜した状態で表部４と折込み部６との間
に折り返されている。１８は、前記操作孔１４の
長さとほぼ等しい長さを有した縦断面コ字状の弾
性金属板から成るクリツプで、前記操作孔１２よ
り綴込み部１１内に介入する前下がりに傾斜した
上部片１８ａの先端縁に、内向きＵ字状に屈曲し
て、前記係止片１７に係合する係合部１８ｂを有
し、かつ、下部片１８ｃは前記裏表紙２の下面に
摺接されると共に、係合部１８ｂと下部片１８ｃ
との間で裏表紙２と側縁部１５とが挟圧される。
ｐは紙葉である。

しかして、使用に際しては、従来と同様に、
先ず操作孔１２の切欠部１３に臨むクリツプ１８
の上部片１８ａと裏表紙２の下面に摺接するクリ
ツプ１８の下部片１８ｃとを指により摘持して、
クリツプ１８を外方に牽引すると、第４図想像線
で示すようにクリツプ１８の係合部ｂが表紙板１
４の係止片１７に係合し、その位置で外方への引
き出しは阻止される。

上記において、クリツプを外方に強く牽引した
場合、操作孔１２の長さよりも係止片１７の長さ
は長く、かつ、背表紙３の幅よりも係止片１７の
幅が広いので、クリツプ１８の係合部１８ｂが係
止片１７を越えて操作孔１２より脱することはな
い。

そしてこのクリツプ１８の外方への引き出し状
態で折込み部６と裏表紙２との間を開くことがで
きるので、その間に紙葉ｐの一端部を介在する。
次いで、クリツプ１８を内方に押圧すると、係合
部１８ｂが係止片１７より外れてクリツプ１８は
綴込み部１１内に深く侵入すると共に、係合部１
８ｂと下部片１８ｃとにより紙葉ｐは前記裏表紙
２と表紙板１４の側縁部１５との間で挟着され、
紙葉ｐは綴り込まれる。

考案の効果 以上のように本願によれば、クリツプの係合部
が係合する係止片を、厚手の合成樹脂から成るフ
アイル本体に設けないで薄手の合成樹脂からなる
表紙板の１側縁に設けて成るので、係止片が立ち
上がつて表部の内面に接しても、係止片よりも表
部が堅いことにより、係止片の先縁が表部を押し
上げる作用は抑止され、従つて綴込み部に膨らみ
を与える惧れはなく、長期において綴込み部の原
形が保持できて体裁を良好にすると共に、厚手の
合成樹脂から成る係止片を有しないので、軽量化
が得られ、またフアイル本体に比し表表紙は安価
に得られるので、コストの軽減をはかることがで
きるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本願の実施例を示し、第１図は総体斜視
図、第２図は一部を省略したフアイル本体の展開
図、第３図は一部を省略した表紙板の展開図、第
４図は部分拡大縦断面図である。 図中、１はフアイル本体、２は裏表紙、３は背
表紙、４は表部、６折込み部、７，８，９，１
０，１６は谷折線、１１は綴込み部、１２は操作
孔、１４は表紙板、１５は側縁部、１７は係止
片、１８はクリツプ、１８ａは上部片、１８ｂは
係合部、１８ｃは下部片である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 厚手の方形状の合成樹脂板から成る裏表紙の
   一側縁に、細幅の背表紙と、それから内方に水
   平状に屈曲する広幅の表部と、その表部からそ
   の下側に折返される広幅の折込み部とを夫々谷
   折線を介して順次連設し、これらを前記裏表紙
   と表部と折込み部とが上下方向で重合するよう
   に折込んで綴込み部を形成すると共に、この綴
   込み部の中央位置に背表紙部から表部にかけて
   開口する操作孔を設けて成るフアイル本体と、
   側縁部を前記折込み部の下面に固着すると共
   に、その側縁部に、前記折込み部の端縁でＶ字
   状に屈曲する前記背表紙よりも稍広幅の係止片
   を延設した前記裏表紙の表面を覆う大きさをも
   つ薄手の方形状の合成樹脂板から成る表紙板
   と、縦断面がコ字状の弾性金属板からなり、上
   部片の先端部に、内向きに屈曲して前記係止片
   と係合する係合部を有したクリツプとから構成
   され、このクリツプを、前記操作孔の位置で、
   下部片が裏表紙の下面に摺接し、かつ、上部片
   が操作孔を介して前記表部と折込み部との間に
   介入するように、前記綴込み部に摺動可能に取
   り付けて、折込み部と裏表紙との間で紙葉を挟
   圧するように構成したことを特徴とするクリツ
   プフアイル。 (2) 係止片を表紙板の側縁板の側縁中央部に折線
   を介して延設して成る実用新案登録請求の範囲
   第１項記載のクリツプフアイル。 (3) 裏表紙が適宜帯色され、かつ、表紙板が透明
   である実用新案登録請求の範囲第１項または第
   ２項記載のクリツプフアイル。