JPH04235986A - ピリドピリミジン誘導体、その製造法および用途 - Google Patents

ピリドピリミジン誘導体、その製造法および用途

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JPH04235986A
JPH04235986A JP3019467A JP1946791A JPH04235986A JP H04235986 A JPH04235986 A JP H04235986A JP 3019467 A JP3019467 A JP 3019467A JP 1946791 A JP1946791 A JP 1946791A JP H04235986 A JPH04235986 A JP H04235986A
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JP
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group
reaction
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acid
ring
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JP3019467A
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Hiroshi Akimoto
秋元 浩
Tetsuo Miwa
三輪 哲生
Koichiro Otsu
大津 紘一郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は抗腫瘍剤として有用な新
規ピリドピリミジン誘導体、その製造法および用途に関
する。 【0002】 【従来の技術】葉酸は、生体内におけるギ酸やホルムア
ルデヒドなどに由来するC1単位の運搬体として、核酸
生合成系、アミノ酸・ペプチド代謝系およびメタン生成
系などの各種酵素反応の補酵素の役割を担っている。特
に、核酸生合成系においては、2つの経路すなわちプリ
ン合成系ならびにチミジン合成系におけるC1単位の代
謝、転移反応に必須である。通常、葉酸がその生物活性
を発揮するには、2段階に還元を受け、活性補酵素型に
変換されなくてはならない。その第2段階を支配する酵
素(ジヒドロ葉酸還元酵素)と強く結合し、ジヒドロ葉
酸からテトラヒドロ葉酸への還元を抑制する薬物として
アメソプテリン(メソトレキサート:MTX)およびそ
の周辺化合物が知られている。これらの薬物はDNA合
成に障害を与え、結果として細胞死を招来する薬剤であ
るため抗腫瘍剤として開発され、現在臨床的に重要な地
位を占めている。さらに、これら薬物と異なって、ジヒ
ドロ葉酸還元酵素阻害を示さず、プリン生合成機構の初
期段階に関与するグリシンアミド  リボヌクレオチド
  トランスホルミラーゼ阻害を主な作用機序とする新
規テトラヒドロアミノプテリン系抗腫瘍剤(5,10−
ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒドロアミノプテリ
ン:DDATHF)[ジャーナル・オブ・メディシナル
・ケミストリィ(Journal of Medici
nal Chemistry) 28, 914 (1
985)]も報告されている。 【0003】一方、これら6員環と6員環の縮合環を基
本骨格とする葉酸拮抗剤以外に、5員環と6員環の縮合
環であるピロロ[2,3−d]ピリミジン骨格とグルタ
ミン酸部分とをフェニレン基を含む基で架橋した化合物
にも抗腫瘍活性の存在することが報告されている(特願
平01−72235号)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】現在、癌の治療に関し
て種々の研究がなされているが、特に、新しい作用機序
にもとづくより効果の優れた、かつ癌細胞に高選択性を
有する薬剤の開発が待ち望まれている。葉酸に対する拮
抗を作用機序とした抗腫瘍剤、MTXは、現在、臨床上
で使用されているが、比較的毒性が強くかつ固形癌にあ
まり効果がないなど、充分満足すべき治療結果が得られ
ていない。また、この種薬剤による癌細胞の耐性獲得も
大きな問題である。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、鋭意研究を積み重ねた結果、ピリド[2,3−
d]ピリミジン骨格の5位に2〜5原子からなる炭素鎖
で架橋した新規ピリドピリミジン誘導体が腫瘍細胞に対
して選択毒性の高い優れた抗腫瘍作用を示すことを見い
出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)
一般式: 【化5】 (式中、A環は水素化されていてもよいピリジン環であ
って、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有して
いてもよい2価の環状基または炭素数2〜5の低級アル
キレン基を、Xはアミノ基またはヒドロキシル基を、Y
はアミノ基、水素原子または低級アルキル基を、Rは水
素原子または低級炭化水素基を、−COOR1および−
COOR2は同一または異なってエステル化されていて
もよいカルボキシル基を、nは2〜5の整数をそれぞれ
示し、Rはn個の繰り返しにおいて異なっていてもよい
)で表されるピリドピリミジン誘導体またはその塩、(
2)一般式: 【化6】 (式中、A環、B、X、Y、Rおよびnは上記と同意義
を有する)で表される化合物またはそのカルボキシル基
における反応性誘導体と、一般式: 【化7】 (式中、−COOR1および−COOR2は同一または
異なってエステル化されていてもよいカルボキシル基を
示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
る請求項1記載の化合物の製造法、 (3)一般式: 【化8】 (式中、A環、B、X、Y、Rおよびnは上記と同意義
を有し、−COOR3はエステル化されていてもよいカ
ルボキシル基を示す)で表されるピリドピリミジン誘導
体、および、 (4)請求項1記載の化合物またはその塩を含有する抗
腫瘍組成物に関する。 【0006】上記式中、Xがヒドロキシル基である場合
、化合物(I)、(II)および(IV)はそれらの互
変異性体との平衡混合物として存在することが出来る。 以下に、互変異性可能な部分構造式を掲げ、それらの間
の平衡関係を示す。 【化9】 表示の便宜上、本明細書においては、ヒドロキシル型を
記載し、それらに相当する命名法を採用するが、いずれ
の場合においても互変異性体であるオキソ体をも含むも
のとする。また、本発明化合物(I)、(II)および
(IV)には複数の不整中心の存在が可能であるが、化
合物(I)におけるグルタミン酸に由来する側鎖の不整
炭素原子の絶対配置がS(L)である以外、その他の不
整中心の絶対配置はS、RあるいはRSの混合物いずれ
であってもよい。この場合、複数のジアステレオアイソ
マーが存在するが、必要とあれば通常の分離精製手段に
より容易に分離することが出来る。このようにして分離
することが出来る上記全てのジアステレオアイソマーも
本発明の範囲内に属する。 【0007】上記式中、Rで示される低級炭化水素基と
しては、炭素数1〜3のアルキル基(例、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル基)、炭素数2〜3のアル
ケニル基(例、ビニル、1−メチルビニル、1−プロペ
ニル、アリル、アレニル基)、炭素数2〜3のアルキニ
ル基(例、エチニル、1−プロピニル、プロパルギル基
)が挙げられ、好ましくはメチル、エチルおよびプロパ
ルギル基である。Yで示される低級アルキル基としては
、たとえば上記Rで述べたごとき炭素数1〜3のアルキ
ル基等が用いられる。 【0008】A環で示される水素化されていてもよいピ
リジン環としてはピリジン、ジヒドロピリジン、テトラ
ヒドロピリジンが挙げられ、好ましくはピリジンおよび
テトラヒドロピリジンである。該A環は可能な置換位置
に1個以上の置換基を有していてもよく、かかる置換基
としては、たとえば、炭素数1〜3のアルキル基(例、
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基)、炭素数
2〜3のアルケニル基(例、ビニル、1−メチルビニル
、1−プロペニル、アリル、アレニル基)、炭素数2〜
3のアルキニル基(例、エチニル、1−プロピニル、プ
ロパルギル基)、シクロプロピル基、ハロゲン原子、(
例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、炭素数1〜4のア
ルカノイル基(例、ホルミル、アセチル、プロピオニル
、ブチリル、イソブチリル基)、ベンゾイル基、置換ベ
ンゾイル基(例、p−クロロベンゾイル、p−メトキシ
ベンゾイル、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基)
、シアノ基、カルボキシ基、カルバモイル基、ニトロ基
、ヒドロキシ基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチ
ル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシ
エチル基、エトキシエチル基、炭素数1〜3のアルコキ
シ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ基)、メル
カプト基、炭素数1〜4の置換アミノ基(例、メチルア
ミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ
基)、炭素数1〜2のアルカノイルアミノ基(例、ホル
ムアミド、アセトアミド基)などが挙げられる。 【0009】Bで示される置換基を有していてもよい2
価の環状基または炭素数2〜5の低級アルキレン基にお
いて、2価の環状基としては、ヘテロ原子(例、N、O
、S)を環中に1ないし3個含んでいてもよい2価の飽
和または不飽和5〜6員環状炭化水素または複素環基が
好ましく、結合手は環中の隣合わない位置から出ている
のが好ましい。これらの環状基の例としては、フェニレ
ン、シクロペンタニレン、シクロヘキサニレン、ピリジ
ンジイル、フランジイル、チオフェンジイル、チアゾー
ルジイルなどが挙げられる。また、炭素数2〜5の低級
アルキレン基としては、エチレン、プロピレン、ブチレ
ン、ペンタニレンなどが挙げられ、好ましくは1,4−
フェニレン、2,5−チオフェンジイルである。 【0010】Bで示される2価の環状基または炭素数2
〜5の低級アルキレン基は1〜2個の置換基を有してい
てもよく、このような置換基としては、たとえばメチル
、エチル、プロピルなどの炭素数1〜3のアルキル基、
ビニル、アリルなどの炭素数2または3のアルケニル基
、フェニル、トリルなどのアリール基、フッ素、塩素、
臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、メトキシ、エトキシ
などの炭素数1〜3のアルコキシ基、ヒドロキシル基お
よびアミノ基などが挙げられる。 【0011】−COOR1、−COOR2、−COOR
3で示されるエステル化されていてもよいカルボキシル
基におけるR1、R2、R3としては通常カルボキシル
基の保護基として用いられる炭素数1〜4のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、te
rt−ブチル)、炭素数2または3のアルケニル基(例
、ビニル、アリル)、アラルキル基(例、ベンジル、p
−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒド
リル、トリチル)およびアリール基(例、フェニル、p
−ニトロフェニル、ナフチル)などが挙げられ、好まし
くはメチル、エチル、tert−ブチル、ベンジルであ
る。 【0012】次に本発明化合物(I)またはその塩の製
造法について説明する。化合物(I)またはその塩は、
式(III)で表されるグルタミン酸誘導体を式(II
)で表されるカルボン酸またはそのカルボキシル基にお
ける反応性誘導体でアシル化することにより得られる。 上記アシル化の手段としては、自体公知の方法により、
通常ペプチド合成に用いられる公知の試薬、反応溶媒、
反応条件などを採用して実施することができる[泉屋ほ
か著、ペプチド合成の基礎と実験、丸善(1985)]
。たとえば、化合物(III)をカルボジイミド類、り
ん酸誘導体類、ハロゲノアザ芳香族四級塩類などのいわ
ゆる脱水縮合剤存在下、化合物(II)でアシル化する
方法が挙げられる。化合物(III)の化合物(II)
に対する使用量は一般に約1〜20モル当量であり、好
ましくは約1〜5モル当量である。 【0013】脱水縮合剤は、化合物(II)に対して、
一般に約1〜25モル当量、好ましくは約1〜5モル当
量である。該カルボジイミド類としては、ジシクロヘキ
シルカルボジイミドが実用上好ましいが、その他、たと
えばジフェニルカルボジイミド、ジ(o−またはp−)
トリルカルボジイミド、ジ−tert−ブチルカルボジ
イミド、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエ
チル)カルボジイミド、1−シクロヘキシル−3−(4
−ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド、1
−エチル−3−(2−ジエチルアミノプロピル)カルボ
ジイミドおよび1−エチル−3−(3−ジエチルアミノ
プロピル)カルボジイミドなどを用いてもよい。りん酸
誘導体類としては、ジフェニルりん酸アジド、ジフェニ
ルりん酸クロリド、シアノりん酸ジエチルなどが有利に
用いられる。ハロゲノアザ芳香族四級塩類としては、2
−クロロ−1−メチルピリジニウムヨージド、2−フル
オロ−1−メチルピリジニウムトシラート、2−クロロ
−3−メチルベンゾチアゾリニウムトリフルオロメタン
スルホナートなどを用いることができる。本アシル化反
応は適宜の溶媒存在下で実施するのが好ましく、溶媒と
しては、たとえば、水、アルコール類(例、メタノール
、エタノール)、エーテル類(例、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
モノグリム、ジグリム)、ニトリル類(例、アセトニト
リル)、エステル類(例、酢酸エチル)、ハロゲン化炭
化水素類(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化
炭素)、芳香族炭化炭素類(例、ベンゼン、トルエン、
キシレン)、アセトン、ニトロメタン、ピリジン、ジメ
チルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、スルホランまたはそれらの適当な混
合溶媒などが使用される。 【0014】本反応は、通常、pH2〜14、好ましく
は約5〜10の範囲で、約−10℃からその反応溶媒の
沸点(約100℃まで)、好ましくは約0℃〜50℃の
範囲の反応温度で、約0.5〜100時間程度反応させ
て実施し得る。反応液のpHは適宜、酸(例、塩酸、硫
酸、りん酸、硝酸、酢酸)、塩基(例、ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸カルシ
ウム、炭酸バリウム、炭酸水素ナトリウム、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミ
ン、トリエタノールアミン、ピリジン)あるいは緩衝液
(例、りん酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液)など
で必要に応じて調整する。 【0015】なお、反応は、アシル化を促進しうる触媒
を用いることによりさらに有利に進行させることができ
る。このような触媒としては、たとえば塩基触媒、酸触
媒が挙げられる。このような塩基触媒としては、たとえ
ば三級アミン[トリエチルアミン、ジイソプロピルエチ
ルアミンなどの脂肪族アミン;ピリジン、ピコリン、ル
チジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−(1−ピロ
リジニル)ピリジン、ジメチルアニリンなどの芳香族ア
ミン]などが挙げられる。酸触媒としては、たとえばル
イス酸(例、塩化亜鉛、塩化アルミナム、塩化第二鉄、
四塩化チタン、四塩化スズ、塩化コバルト、塩化第二銅
、三フッ化ホウ素エーテラート等)なとが挙げられる。 上記触媒の中でも4−ジメチルアミノピリジンまたは4
−(1−ピロリジニル)ピリジンなどが好ましい場合が
多い。触媒の使用量は、アシル化を促進し得る触媒量程
度がよく、通常、化合物(II)に対して約0.001
〜10モル当量、好ましくは約0.01〜1モル当量で
ある。 【0016】カルボン酸のカルボキシル基における反応
性誘導体を用いるアシル化の手段としては、たとえばカ
ルボン酸(II)の酸ハライド(例、フルオリド、クロ
リド、ブロミド、ヨージド)、酸無水物(例、無水ヨー
ド酢酸、無水イソ酪酸)、低級モノアルキル炭酸エステ
ル(モノメチル炭酸エステル、モノエチル炭酸エステル
、モノプロピル炭酸エステル、モノイソプロピル炭酸エ
ステル、モノブチル炭酸エステル、モノイソブチル炭酸
エステル、モノsec−ブチル炭酸エステル、モノte
rt−ブチル炭酸エステル)との混合酸無水物、活性エ
ステル(例、シアノメチルエステル、カルボエトキシメ
チルエステル、メトキシメチルエステル、フェニルエス
テル、o−ニトロフェニルエステル、p−ニトロフェニ
ルエステル、p−カルボメトキシフェニルエステル、p
−シアノフェニルエステル、チオフェニルエステル、チ
オピリジルエステル)、酸アジド、りん酸ジエステル(
例、ジメチルホスファート、ジエチルホスファート、ジ
ベンジルホスファート、ジフェニルホスファート)との
混合酸無水物、亜りん酸ジエステル(例、ジメチルホス
ファイト、ジエチルホスファイト、ジベンジルホスファ
イト、ジフェニルホスファイト)との混合酸無水物など
も挙げることができる。この反応性誘導体を用いたアシ
ル化手段において、溶媒、触媒、および反応温度などは
上記カルボジイミド類などの脱水縮合剤を用いた場合と
同様である。 【0017】なお、化合物(I)のうち−COOR1お
よび−COOR2がカルボキシル基である化合物(I−
1)を製造する場合、化合物(III)のうち−COO
R1および−COOR2がエステルである化合物を化合
物(II)と反応させたのち、自体公知の分解反応ある
いは接触還元反応に付して脱エステル化することができ
る。該分解反応としては、たとえば、塩基性条件下での
加水分解反応(A法)、酸性条件下での加水分解反応(
B−1法)、酸性条件下での分解反応(B−2法)など
が挙げられる。A法に用いられる塩基としては、たとえ
ば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナ
トリウムブトキシド、カリウムブトキシドなどの金属ア
ルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化バリウムなどの金属水酸化物、アン
モニア、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン類が
挙げられる。B−1法において用いられる酸としては、
たとえば、塩酸、硫酸、臭化水素酸、硝酸、りん酸など
の鉱酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、トシル酸、カンファースルホン酸、トリ
フルオロメタンスルホン酸などの有機酸が挙げられ、B
−2法において用いられる酸(触媒)としては、たとえ
ば、塩化水素、臭化水素、過塩素酸、硫酸、硝酸、りん
酸などの鉱酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、トシル酸、カンファースルホン酸
、トリフルオロメタンスルホン酸、などの有機酸、塩化
亜鉛、塩化アルミナム、塩化第二鉄、四塩化チタン、四
塩化スズ、五塩化アンチモン、塩化コバルト、塩化第二
銅、三フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸が挙げ
られる。分解反応はいずれの場合も、適宜な溶媒中−7
8℃からその溶媒の沸点、好ましくは0〜80℃の範囲
にて、30分間〜2日間反応することによって行われる
。反応溶媒としては、A法およびB−1法の場合、たと
えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、エチレングリコール、メトキシエタノール、
エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン
、モノグリム、ジグリム、ピリジン、ジメチルスルホキ
シド、スルホランまたはそれらの適宜な混合物が使用さ
れ、B−2法の場合には、たとえば、酢酸エチル、ジメ
チルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノ
グリム、ジグリム、ジクロロメタン、クロロホルム、四
塩化炭素、アセトニトリル、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ニトロメタン、ピリジンまたはそれらの適宜の混
合溶媒が使用される。 【0018】該接触還元反応(C法)としては、適宜な
溶媒を用いて約−40℃からその溶媒の沸点、より好ま
しくは約0〜50℃の範囲の温度で実施される。使用さ
れる溶媒としては、水、アルコール類(例、メタノール
、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタ
ノール、tert−ブタノール、エチレングリコール、
メトキシエタノール、エトキシエタノール)、酢酸エス
テル類(例、酢酸メチル、酢酸エチル)、エーテル類(
例、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリム)、芳香
族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)、
ピリジン、ジメチルホルムアミドおよびそれらの適宜の
混合溶媒が挙げられる。接触還元の触媒としては、たと
えば、パラジウム、白金、ロジウム、ニッケル、ルテニ
ウムなどの金属、およびそれらの錯体化合物が用いられ
る。この際、少量の酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫
酸などを添加すると反応を有利に進行させ得ることがあ
る。反応時間は、反応に支障のない限り限定されないが
、通常20分〜30時間である。 【0019】いずれの反応によって化合物(I−1)へ
誘導するかは−COOR1および−COOR2の性質に
よっても異なるが、通常、−COOR1および−COO
R2がメチル、エチル、プロピル、ブチル、sec−ブ
チル、フェニルあるいは置換フェニル基によってエステ
ル化されたカルボキシル基の場合にはA法またはB−1
法、−COOR1および−COOR2がイソプロピル、
tert−ブチル、ベンズヒドリル、トリチル基により
エステル化されたカルボキシル基の時にはB−2法、ま
た、ベンジル基あるいは置換ベンジル基、ベンズヒドリ
ル、トリチル基などによりエステル化されたカルボキシ
ル基の時にはA法、B法も用いることができるが、C法
がより有利に適用できる。なお、−COOR1と−CO
OR2が互いに異なる場合、上記A法、B−1法、B−
2法およびC法を適宜組み合わせればよい。 【0020】化合物(I)および(IV)のA環(ピリ
ジン環)の酸化状態については完全不飽和、ジヒドロ、
テトラヒドロの3通りの可能性がある。また、ジヒドロ
体についてはさらに3通りの位置異性体が存在する。こ
れらは後に記載するように、化合物(IV)を製造する
段階ですでに作り分ける事が可能であるが、最終化合物
(I)からも自体公知の酸化反応や還元反応を行うこと
によりA環の酸化状態を変換することができる[エム・
ヒュドリッキー(M. Hudlicky)、オキシデ
イションズ・イン・オーガニック・ケミストリー(Ox
idations in Organic Chemi
stry)、American Chemical S
ociety、Washington, DC (19
90)]および[M.Hudlicky、レダクション
ズ・イン・オーガニック・ケミストリー(Reduct
ions in Organic Chemistry
)、John Wiley & Sons、 New 
York (1984)]。 【0021】酸化反応、すなわち脱水素反応によりA環
をテトラヒドロピリジンの状態からジヒドロあるいは完
全不飽和の状態に誘導する反応、あるいはジヒドロの状
態から完全不飽和の状態に誘導する反応は、酸化剤ある
いは、脱水素剤の存在下に実施することができる。脱水
素剤の例としては、たとえば、パラジウム、白金、ロジ
ウム、ルテニウムなどの金属類、それらを活性炭、アス
ベスト、アルミナなどの担体に乗せたもの、あるいはこ
れら金属の錯体化合物が用いられ、酸化剤の例としては
、たとえば、硫黄、セレン、硝酸、ヒ酸(As2O5)
、二酸化マンガン、フェリシアン化カリウム、酢酸第二
水銀、トリフルオロ酢酸第二水銀、酸化銀などの酸化力
のある無機化合物、あるいはtert−ブチルハイポク
ロライト、ニトロベンゼン、ジクロロジシアノキノンな
どの酸化力のある有機化合物が用いられる。これらの酸
化剤、あるいは脱水素剤の使用量は、そのものの性質に
もよるが、通常、目的物に対して約0.01〜20モル
当量であり、より好ましくは約0.1〜5モル当量使用
すればよい。本酸化反応は、用いる試薬の種類により無
溶媒、あるいは気相で行うこともできるが、適宜の溶媒
の存在下にでも有利に実施できる。該溶媒としては、た
とえば、水、アルコール類(例、メタノール、エタノー
ル)、エーテル類(例、ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、モノグリム
、ジグリム)、ニトリル類(例、アセトニトリル)、エ
ステル類(例、酢酸エチル)、ハロゲン化炭化水素類(
例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、芳
香族炭化炭素類(例、ベンゼン、トルエン、キシレン)
、アセトン、ニトロメタン、ピリジン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホル
アミド、スルホラン、二硫化炭素またはそれらの適当な
混合溶媒などを挙げることができる。本反応は、通常、
約−10℃〜約400℃、好ましくは約30℃〜350
℃の範囲の反応温度で、約0.5〜100時間程度反応
させて実施し得る。 【0022】ただし、反応温度が反応内容物の沸点を上
回る場合には、気相で、あるいは封管中で反応を行うこ
とが好ましい。還元反応、すなわち、水素添加反応によ
りA環を完全不飽和の状態からジヒドロあるいはテトラ
ヒドロピリジンの状態に誘導する反応、あるいはジヒド
ロの状態からテトラヒドロピリジンの状態に誘導する反
応は、還元剤、あるいは水素添加剤の存在下に実施する
ことができる。本還元反応は、たとえば、いわゆる接触
還元条件、すなわちパラジウム、白金、ロジウム、ルテ
ニウム、ニッケル、コバルト、クロミウムなどの金属類
、それらを活性炭、アスベスト、アルミナなどの担体に
乗せたもの、あるいはこれら金属の塩、酸化物、および
錯体化合物を、水素雰囲気下、あるいはシクロヘキサジ
エン、ぎ酸などの水素移動反応に用いられる有機化合物
存在下で作用させる方法が挙げられる。この際、少量の
酸(例、酢酸、トリフルオロ酢酸、塩酸、硫酸など)を
添加すると反応を有利に進行させ得ることがある。 【0023】さらに、金属ヒドリド類(例、ナトリウム
シアノボロヒドリド)を用いる還元条件で本還元反応を
実施してもよい。これらの還元剤、あるいは水素添加剤
の使用量は、そのものの性質にもよるが、通常、目的物
に対して約0.01〜20モル当量であり、より好まし
くは約0.1〜5モル当量使用すればよい。本還元反応
は、用いる試薬の種類により、適宜、溶媒の存在下で有
利に実施できる。該溶媒としては、たとえば、水、アル
コール類(例、メタノール、エタノール)、エーテル類
(例、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、モノグリム、ジグリム)、エ
ステル類(例、酢酸エチル)、芳香族炭化炭素(例、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン)、またはそれらの適当な
混合溶媒などを挙げることができる。本反応は、通常、
約−80℃〜約200℃、好ましくは約0℃〜150℃
の範囲の反応温度で、約0.5〜100時間程度反応さ
せて実施し得る。この場合には化合物(I)の他の官能
基(たとえば、エステル化されていてもよいカルボン酸
、アミド結合など)が還元されない試薬、反応条件など
を選択することが肝要である。以下に、原料化合物(I
I)の製造法について説明する。 【化10】 【0024】式中、X、Y、R、R3は上記と同意義を
、Lはヒドロキシ基から容易に誘導され得る脱離可能な
基(例、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、ベ
ンゼンスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオ
キシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基)を、
Wは通常の化学反応でアルデヒドに変換可能な官能基[
例、カルボン酸およびその誘導体(エステルなど)、ヒ
ドロキシメチル(−CH2OH)基]を、Z1、Z2は
酸素原子または酸化されていてもよい硫黄原子(S、S
O、SO2)を、R4、R5、およびR7は低級アルキ
ル基(例、メチル、エチル、プロピル、iso−プロピ
ル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、不
飽和アルキル基(例、ビニル、アリル)、アラアルキル
基(例、ベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシ
ベンジル、フェネチル、ベンズヒドリル、トリチル)ま
たはアリール基(例、フェニル、ナフチル)を示し、R
4とR5は結合して2価の置換基(例、エチレン、プロ
ピレンなど)を形成してもよい。R6は、シアノ基また
は−COOR8で表されるカルボン酸エステル残基を示
し、R8には上記R7で定義される置換基の概念が適用
される。 【0025】第一工程   化合物(V)から炭素ー炭素結合生成反応によりア
ルデヒドに変換可能な官能基Wを持つ炭素鎖を延長する
反応である。このような反応としては、自体公知の反応
を用いることができ、好ましくはウィティヒ型反応、ア
ルドール型反応などをあげることができる[たとえば、
ジェイ・マシュウら(J.Mathieu & J.W
eill−Raynal)、フォーメイション・オブ・
C−Cボンズ(Formation of C−C B
onds)、GeorgThieme Publish
ers、Stuttgart (1975)]。 これらの反応は必要に応じて水素添加反応と組み合わせ
ることも可能である。水素添加反応は通常、水素雰囲気
下金属触媒(例、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウ
ム、ルテニウム)を添加した接触還元条件で有利に進行
する。なお、出発原料(V)は文献公知の方法により容
易に得る事が出来る[特開平01−72235号、エイ
・アール・ハンズら(A.R.Hands et al
.)、 ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー(
C)(J.Chem.Soc.(C)),1967,1
099)]。 【0026】第二工程   第一工程で得られた化合物(VI)の官能基Wをア
ルデヒドに変換する反応である。Wがアルデヒドよりも
酸化度が高い場合、すなわちカルボン酸およびその誘導
体の場合には、還元反応に付し、Wがアルデヒドよりも
酸化度が低い場合、すなわちヒドロキシメチル(−CH
2OH)基の場合には、酸化反応に付すとよい。還元反
応としては、自体公知の方法が用いられ、好ましくはジ
イソブチルアルミナムヒドリドなどの金属ヒドリド類に
よる還元反応を挙げることができる。この場合にはWで
表されるカルボン酸(およびその誘導体)の還元が−C
OOR3で表されるエステルよりも優先して進行する条
件を選択することが望ましい。また、Wがこの還元反応
によりアルデヒドに止まらず、ヒドロキシメチルにまで
還元された場合には、以下の酸化反応の条件を適用する
こともできる。酸化反応としてはスワーン(Swern
)酸化などのモファット(Moffat)型の酸化や、
 ピリジニウムクロロクロマート(pyridiniu
m chlorocromate)などの高酸化度金属
化合物を用いる酸化反応が有利に適用される。 【00
27】第三工程   第二工程で得られた化合物(VII)に、アリル金
属化合物を作用させアルコール体(VIII)へ導く工
程である。アリル金属の付加反応は自体公知の試薬、反
応条件など[たとえば、根岸英一、オルガノメタリック
ス・イン・オーガニック・シンセシス(Organom
etallics in Organic Synth
esis)、John Wiley & Sons、N
ew York (1980)]が適用されるが、ハロ
ゲン化アリル(例、ヨウ化アリル)と低原子価金属(例
、スズ)により系内でアリル金属化合物を調製して行う
反応(たとえば、向山光昭ら、ケミストリー・レターズ
,(Chem. Lett.), 1981, 152
7)を用いてもよい。 【0028】第四工程   第三工程で得られるホモアリルアルコール体(VI
II)の二重結合を酸化的に切断してアルデヒドとした
後、適当な保護基を導入してアルデヒド等価体(IX)
を製造する工程である。酸化的切断の方法は自体公知の
反応を用いることができる[たとえば、エイ・エッチ・
ハイネス(A.H.Haines)、 メソッズ・フォ
ア・ザ・オキシデーション・オブ・オーガニック・コン
パウンズ(Methods for theOxida
tionof Organic Compounds)
、Academic Press、London (1
985)]。より具体的にはオゾン酸化とそれに引き続
く還元処理、あるいは触媒量のオスミウム酸と過ヨウ素
酸ナトリウムなどによりアルデヒドを製造することがで
きる。保護されたアルデヒドの等価体としては−CH(
OCH3)2、−CH(OCH2CH3)2、−CH(
SCH3)2、−CH(OCH2C6H5)2、−CH
(OCH2)2などが挙げられ、これらはアルデヒドと
相当するアルコール類(例、メタノール、エタノール、
エチレングリコール、プロパンジオール)、チオール類
(例、メチルメルカプタン、メルカプトエタノール、プ
ロパンジチオール)やオルトギ酸エステル、オルトチオ
ギ酸エステルなどから触媒存在下で製造することができ
る。このような触媒としては通常アルデヒドに保護基を
導入する際に用いられるものを使用することができるが
、好ましくは塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ピ
リジニウムp−トルエンスルホナートなどのプロトン酸
、三フッ化ホウ素エーテラート、塩化アルミナム、塩化
亜鉛などのルイス酸をあげることができる。その際ヒド
ロキシ基がエステル化される場合も有り得るが、このエ
ステルは通常の加水分解条件でヒドロキシ基を再生する
ことができる。 【0029】第五工程   第四工程で得られるアルコール体(IX)のヒドロ
キシ基は通常用いられるハロゲン化反応あるいはアシル
化反応により容易に目的とする脱離基(L)に変換する
事が出来る。 【0030】第六工程   脱離基を有する化合物(X)は、塩基性の条件下、
マロノニトリルあるいはシアノ酢酸エステル[NCCH
2COOR8;R8は上記と同意義]との縮合反応によ
り化合物(XI)とすることが出来る。使用する塩基、
溶媒、反応条件などは自体公知の方法に従った。 【0031】第七工程   化合物(XI)を、グアニジンや各種アミジン(ホ
ルムアミジン、 アセトアミジンなど)で処理するとシ
アノ基あるいはエステル残基と反応し、ついで閉環・環
化を起こし、新たにピリミジン環が形成される。閉環の
際、塩基性条件下で行うと反応を有利に進行させる事も
出来る。用いられる塩基としては、例えば、ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert
−ブトキシドなどの金属アルコキシドがある。反応溶媒
としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノ
ール、tert−ブチルアルコール、ジメチルスルホキ
シド、ヘキサメチルホスホルアミドなどがあり、反応温
度は 0〜150 ℃、好ましくは 20〜100 ℃
、また、反応時間は1〜24時間である。 【0032】第八工程   第七工程で得られる化合物(XII)において、保
護されたアルデヒド等価基[−CH(Z1R4)(Z2
R5)]の保護基[(Z1R4)(Z2R5)]を除去
し、ピリミジン環上のアミノ基と環化させジヒドロピリ
ドピリミジン化合物(IV;A環はジヒドロ)を製造す
る反応である。 保護基の除去は自体公知の方法によって実施し得る。こ
の際酸化的条件(例、酸素を含む空気の存在、ジクロロ
ジシアノキノンや硫黄などの酸化力のある化合物との共
存)で反応をおこなうと、通常、酸化を受けたピリドピ
リミジン化合物(IV;A環は完全不飽和)が得られる
。 一方、この際還元的条件(例、パラジウムなどの金属触
媒を用いる接触水素添加反応、ナトリウムシアノボロヒ
ドリドなどの金属ヒドリドを用いる還元反応)で反応を
行うと、通常、還元を受けた5,6,7,8−テトラヒ
ドロピリドピリミジン化合物(IV;A環はテトラヒド
ロ)が得られる。この酸化条件や還元条件については、
自体公知の方法により実施しうる。なお、保護基[(Z
1R4)(Z2R5)]の除去の際にカルボン酸誘導体
−COOR3も脱保護され、一挙に実施例の化合物(I
I)を生じることもありうる。 【0033】第九工程   化合物(VII)にトリフェニルホスホラニリデン
酢酸のエステル類(例、メチルエステル)を作用させ、
α,β−不飽和エステル化合物(XIII)を製造する
工程であり、反応条件は通常のウィティヒ反応に用いら
れる溶媒、反応温度などが採用されうる。 【0034】第十工程   化合物(XIII)のα,β−不飽和エステル部分
に塩基性条件下、マロノニトリルあるいはシアノ酢酸エ
ステル[NCCH2COOR8;R8は上記と同意義]
をマイケル付加させることにより化合物(XIV)とす
ることができる。使用する塩基、溶媒、反応条件などは
自体公知の方法に従って実施される。 【0035】第十一工程   化合物(XIV)をグアニジンあるいは各種アミジ
ン(ホルムアミジン、アセトアミジンなど)で処理する
とシアノ基あるいはエステル残基と反応し、ついで二つ
の環化反応が進行し、新たにピリド[2,3−d]ピリ
ミジン環が形成される。閉環の際、塩基性条件下で行う
と反応を有利に進行させる事も出来る。用いられる塩基
としては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウム
エトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどの金属
アルコキシド挙げられる。反応溶媒としては、例えば、
メタノール、エタノール、プロパノール、tert−ブ
チルアルコール、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチル
ホスホルアミドなどが挙げられ、反応温度は 0〜15
0 ℃、好ましくは 20〜100 ℃、また、反応時
間は0.1〜48時間、好ましくは0.5〜24時間で
ある。 【0036】第十二工程   化合物(XV)のラクタムのオキソ部分を還元反応
によりメチレンへ変換するとテトラヒドロピリドピリミ
ジン化合物(IV;A環はテトラヒドロ)が製造できる
。還元剤としては自体公知のものを用いることができる
が、例えばボラン−テトラヒドロフラン錯体等を用いる
と効率的に還元することができる。さらに、このものに
自体公知の酸化反応を適用すると脱水素反応が進行し、
ピリドピリミジン化合物(IV;A環は完全不飽和)が
生成される。 【0037】原料化合物(II)の製造:第十三工程 
 第八および第十二工程で得られるエステル体(IV)
は、A法:塩基性条件下における加水分解反応、B法:
酸性条件下における加水分解反応または酸性非水条件下
における分解反応、あるいはC法:接触還元反応、によ
り原料化合物(II)へ導く事が出来る。いずれの反応
によって化合物(II)へ誘導するかはR3の性質によ
っても異なるが、通常、R3がメチル、エチル、プロピ
ル、ブチルあるいはsec−ブチル基のときはA法、R
3がイソプロピルあるいはtert−ブチル基のときは
B法、また、ベンジル基あるいは置換ベンジル基のとき
はC法が有利に適用される。これらの反応も自体公知の
方法によって実施され得る。 【0038】上記において使用される反応、試薬ならび
に反応条件などに関しては、次に掲げる文献において公
知であり詳細に解説されている。エム・ヒュウドリッキ
ー(M. Hudlicky)、オキシデイションズ・
イン・オーガニック・ケミストリー(Oxidatio
ns in Organic Chemistry,A
merican Chemical Society,
Washington, DC (1990));エム
・ヒュウドリッキー(M.Hudlicky)、レダク
ションズ・イン・オーガニック・ケミストリー(Red
uctions in Organic Chemis
try,John Wiley & Sons, Ne
w York (1984));ジェイ・エフ・ダブリ
ュウ・マッコウミー(J.F.W.McOmine)、
プロテクティブ・グループス・イン・オルガニック・ケ
ミストリー(Protective Groups i
n Organic Chemistry,Plenu
m Press,London and New Yo
rk (1973));パイン・ヘンドリクソン・ハモ
ンド、有機化学(第4版)[I]−[II]、広川書店
 (1982);およびエム・ファイザーら(M.Fi
eser and L.Fieser)、リエージェン
ト・フォア・オルガニック・シンセシス   第1−1
3巻(Reagents for Organic S
ynthesis Vol.1−13,Wiley−I
nterscience,NewYork,Londo
n,Sydney and Toronto (196
9−1987))。 【0039】なお、これらの工程により製造される本発
明化合物(I)、(II)および(IV)、あるいは各
工程における原料化合物ならびに生成物などは通常の分
離精製手段、たとえば濃縮、溶媒抽出、クロマトグラフ
ィー、再結晶などにより、反応混合物から単離すること
が出来る。 【0040】本発明の製造法によって得られる化合物(
I)、(II)および(IV)は塩を形成していてもよ
い。塩基の塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、非毒性金属、アンモニウムおよび置換アンモニウム
、たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシ
ウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、アンモニウ
ム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム
、トリエタノールアンモニウム、ピリジニウム、置換ピ
リジニウムなどの塩があげられる。酸の塩としては、た
とえば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などとの鉱
酸塩、シウ酸、酒石酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタ
ンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスル
ホン酸、カンファースルホン酸などとの有機酸塩が挙げ
られる。 【0041】本発明化合物(I)またはその塩は、葉酸
およびその関連化合物を基質として利用する1種類以上
の酵素に対して阻害作用を有する。従って、これら化合
物は、現在までMTXで治療されて来た絨毛癌、白血病
、***腺癌、頭頚部表皮癌、偏平上皮癌、小細胞肺癌お
よびリンパ肉腫はもとよりその他の各種腫瘍を治療する
目的で単独あるいは他の抗腫瘍剤と併用で使用すること
が可能である。 【0042】抗腫瘍剤として用いる場合、化合物(I)
またはそれらの塩を、それ自体あるいは通常用いられる
方法により薬理学的に許容されうる担体、賦形剤、希釈
剤などを使用して、たとえば、粉末、顆粒、錠剤、カプ
セル剤、坐剤、注射剤などの形態として、経口的または
非経口的に投与し得る。投与量は、対象動物(例えば、
人、犬、猫、ウサギ、猿、ラット、マウス等の混血動物
)、疾患、症状、化合物の種類、投与経路などにより異
なるが、たとえば、経口投与の場合は本発明化合物とし
て上記温血動物に1日当たり約 4.0〜200mg/
kg体重であり、好ましくは10〜100mg/kg体
重である。非経口投与の場合は1日当たり約2.0〜2
00mg/kg体重、好ましくは5〜100mg/kg
体重である。注射剤としての投与方法としては、筋肉内
注射、腹腔内注射、皮下注射、静脈注射などが挙げられ
る。 【0043】上記製剤化は、自体公知の方法に従って行
われる。上記経口製剤、たとえば、錠剤を製造する際に
は、結合剤(例、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース、マクロゴールなど)
、崩壊剤(例、デンプン、カルボキシメチルセルロース
カルシウムなど)、滑沢剤(例、ステアリン酸マグネシ
ウム、タルクなど)などを適宜配合することが出来る。 また、非経口製剤、たとえば、注射剤を製造する際には
、等張化剤(例、ブドウ糖、D−ソルビトール、D−マ
ンニトール、塩化ナトリウムなど)、防腐剤(例、ベン
ジルアルコール、クロロブタノール、パラオキシ安息香
酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピルなど)、緩衝液
(例、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)な
どを適宜配合することが出来る。錠剤の製造の具体例と
しては、例えば1錠当たりの使用量として本発明化合物
(I)またはその塩約2.0〜25mg/kg、乳糖1
00〜500mg、コーンスターチ約50〜100mg
、ヒドロキシプロピルセルロース約5〜20mgを常法
により混合し、顆粒化し、コーンスターチおよびステア
リン酸マグネシウムと混和後、打錠して、1錠約100
〜500mg、直径約3〜10mmの錠剤とする。また
、この錠剤を1錠当たりの使用量として、ヒドロキシプ
ロピルメチルメチルセルロースフタレート(約10〜2
0mg)とヒマシ油(約0.5〜2mg)とを濃度約5
〜10%となるように溶解したアセトン−エタノール混
液を用いて、コーティングすることにより腸溶性の被覆
錠とすることも出来る。注射剤の調整の具体例としては
、例えば、1アンプル当たりの使用量として、本発明化
合物(I)のナトリウム塩約4.0〜100mgを(i
)約2mlの生理食塩水に溶解したものをアンプルに注
入した後密封をし、これを約110℃で約30分間熱滅
菌するか、あるいは(ii)約10〜40mgのマンニ
トールまたはソルビトールを約2mlの滅菌した蒸留水
にとかしたものに溶解した後アンプルに注入し、これを
凍結乾燥して封をすることによっても調整することが出
来る。凍結乾燥した化合物の使用に際しては、該アンプ
ルを開封し、例えば生理食塩水を注入して化合物の濃度
が約2.0〜25mg/mlとなるように溶解した溶液
とし、皮下、静脈または筋肉内に投与する注射剤とする
ことが出来る。 【0044】 【参考例および実施例】以下に参考例および実施例を挙
げて本発明を具体的に説明するが、これらは単なる例示
であって、本発明を何ら限定するものではない。 参考例1 4−(4−ヒドロキシ−1−ブテニル)安息香酸ter
t−ブチルの製造アルゴン気流下水素化ナトリウム 4
.08 gのテトラヒドロフラン懸濁液 (400 m
l) に (3−ヒドロキシプロピル)トリフェニルホ
スホニウムブロミド 68.2 g を加え、 4時間
加熱還流した後、 4−ホルミル安息香酸tert−ブ
チル 35.1 g のテトラヒドロフラン溶液 (1
00 ml) を加え1.5時間加熱還流した。 減圧
下溶媒を留去して得られる残渣にエーテル(500 m
l) を加えて、 不溶物をセライトを用いて濾別した
。 濾液を減圧下溶媒を留去して得られる残渣をフラッ
シュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 400 
g、展開溶媒酢酸エチル−ヘキサン 10:1→3:1
)で精製すると表題化合物 28.1 g が得られた
。 IR (Neat) : 3410, 2983,
 2940, 1713, 1648, 1605, 
1568, 870, 848 cm−1.1H−NM
R (CDCl3) δ: 1.48 (1H,brs
), 1.60 (9H,s), 2.30−2.70
 (2H,m), 3.65−3.90 (2H,m)
, 5,63−6.70 (2H,m), 7.33 
(1H,d,J=8Hz), 7.36 (1H,d,
J=8Hz), 7.91 (1H,d,J=8Hz)
, 7.95 (1H,d,J=7Hz).【0045
】参考例2 4−(4−ヒドロキシブチル)安息香酸tert−ブチ
ルの製造参考例1の化合物 28.1 g および 1
0% パラジウムー炭素3.0 g のメタノール懸濁
液 (150 ml) を水素雰囲気下で4時間撹拌し
た。 セライトを用いて触媒を濾別し、 濾液は減圧下
溶媒を留去すると表題化合物 28.3 g が得られ
た。 IR (Neat) : 2980, 1940
, 1720, 1710, 1608, 848 c
m−1.1H−NMR (CDCl3) δ: 1.1
0−1.85 (4H,m), 1.59 (9H,s
), 1.67 (2H,t,J=7Hz),3.62
 (2H,t,J=Hz), 7.20 (2H,d,
J=8Hz), 7.88 (2H,d,J=8Hz)
.【0046】参考例34−(4−oxobutyl)
安息香酸tert−ブチルの製造塩化オキサリル 6.
09 g のジクロロメタン溶液 (60 ml) に
−60℃でジメチルスルホキシド 7.50 g のジ
クロロメタン溶液 (15 ml) を加え、 2分間
撹拌した。 反応液に同じ温度で参考例2の化合物 1
0.01 g のジクロロメタン溶液 (40 ml)
 を5分以内で加え、 15分間撹拌した後、 トリエ
チルアミン 20.24 g を滴下し、 5分間撹拌
した。 反応温度を30分間で0℃に昇温した後、 反
応液を水 (300ml) に注加しジクロロメタンで
抽出した。 減圧下溶媒を留去して得られる残渣をフラ
ッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル 200
 g、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン 1:10)で
精製すると表題化合物 8.59 g が得られた。 
 IR (Neat) : 2980, 2940, 
1720, 1710, 1608, 848 cm−
1.1H−NMR (CDCl3) δ: 1.60 
(9H,s), 1.96 (2H,tt,J=7Hz
,7Hz), 2.43 (2H,dd,J=7Hz,
1Hz), 2.68 (2H,t,J=7Hz), 
7.20 (2H,d,J=8Hz), 7.90 (
2H,d,J=8Hz), 9.78 (1H,t,J
=1Hz).【0047】参考例4 6−[4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル
]−1−ヘキセン酸メチルの製造トリフェニルホスホラ
ニリデン酢酸メチル 2.42 g および参考例3の
化合物 1.61 g のトルエン溶液 (20 ml
) を1時間加熱還流したのち0℃で1時間放置した。 生成した沈澱物を濾去し、 濾液を濃縮して得られる残
渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル
 75 g、展開溶媒:エーテル−ヘキサン 1:8)
で精製すると表題化合物 1.54 g が得られた。   IR (Neat) : 2975, 2940,
 1720, 1710, 1652, 1605, 
845 cm−1.1H−NMR (CDCl3) δ
: 1.57 (9H,s), 1.80 (2H,t
t,J=7Hz,7Hz), 2.22 (2H,dd
t,J=7Hz,7Hz,1.5Hz), 2.64 
(2H,t,J=7Hz), 3.69 (3H,s)
, 5.84 (1H,dd,J=15.5Hz,1.
5Hz), 6.93 (1H,dt,J=15.5H
z,7Hz), 7.17 (2H,d,J=8Hz)
, 7.86 (2H,d,J=8Hz). 【0048】参考例5 6−[4−(tert−ブトキシカルボニル)フェニル
]−3−(ジシアノメチル)ヘキサン酸メチルの製造参
考例4の化合物 1.228 g およびマロノニトリ
ル 400 mg の tert−ブチルアルコール−
テトラヒドロフラン溶液 (13 ml、 10:3)
 にカリウムtert−ブトキシド678 mg のテ
トラヒドロフラン溶液 (4.03 ml) を加えて
室温で20時間撹拌した。 反応液を水に加え、 酢酸
エチルで抽出し、 有機層は飽和食塩水で洗浄後無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。 減圧下溶媒を留去して得ら
れる残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリ
カゲル 30 g、 展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン
 1:6)で精製すると表題化合物 1.20 g が
得られた。IR (Neat) : 2930, 22
50,1735, 1707, 1605, 843 
cm−1.1H−NMR (CDCl3) δ: 1.
40−1.90 (4H,m), 1.58 (9H,
s), 2.30−2.83 (5H,m),3.63
 (3H,s), 4.29−4.37 (1H,m)
, 7.20(2H,d,J=8Hz), 7.90 
(2H,d,J=8Hz).【0049】参考例6 4−[3−(2,4−ジアミノ−7−オキソ−5,6,
7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン
−5−イル)プロピル]安息香酸tert−ブチルの製
造アルゴン雰囲気下カリウムtert−ブトキシド 5
81 mg およびグアニジン塩酸塩457 mg の
 tert−ブチルアルコール−テトラヒドロフラン溶
液 (10ml、 1:1) に参考例5の化合物 1
.48 g の tert−ブチルアルコール溶液 (
10 ml) を加え、 3時間加熱還流した。反応液
を氷水 (100 ml) に注加し、 生成した白色
結晶を濾取し、 さらに結晶は水、 メタノール、 エ
ーテルで順次洗浄した後、 70℃で真空乾燥すると表
題化合物 1.35 gが得られた。IR (KBr)
 : 3500, 3355, 3220, 2980
, 2940, 1710, 1663, 1620,
 1563,850  cm−1.1H−NMR (M
e2SO−d6) δ: 1.20−1.75 (4H
,m), 1.53(9H,s), 2.33 (1H
,d,J=15Hz), 2.55−2.70 (1H
,m), 2.60 (2H,t,J=8Hz), 2
.83−2.97 (1H,m), 3.33 (1H
,brs), 5.91 (2H,brs), 6.2
1 (2H,brs), 7.28 (2H,d,J=
8Hz), 7.80 (2H,d,J=8Hz).【
0050】参考例7 4−(4−ヒドロキシ−6−ヘプテニル)安息香酸te
rt−ブチルの製造スズ 2.31 g と参考例3の
化合物 4.02 g のテトラヒドロフラン懸濁液 
(30ml) にヨウ化アリル 2.99 g のテト
ラヒドロフラン溶液 (20 ml) を滴下し、 室
温で1時間撹拌した。 反応液に水 (100 ml)
、 エーテル (100 ml) および2規定 K2
CO3 を加えて pH 10 に調整し、 10分間
撹拌した。 生成した白色沈澱物をセライトを用いて濾
去し、 水層からエーテルで抽出し、 有機層は飽和食
塩水で洗浄後無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 減圧
下溶媒を留去して得られる残渣をフラッシュカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル 200 g、展開溶媒:
酢酸エチル−ヘキサン 1:6)で精製すると表題化合
物 4.38 g が得られた。IR (Neat) 
: 3425, 2980, 2940, 1712,
 1638, 1608, 847 cm−1.1H−
NMR (CDCl3) δ: 1.30−2.00 
(5H,m), 1.58 (9H,s), 2.00
−2.30 (2H,m),2.69 (2H,t,J
=Hz), 3.50−3.80 (1H,m), 4
.97−5.10 (1H,m), 5.20 (1H
,s), 5.58−6.05 (1H,m), 7.
20 (2H,d,J=8Hz), 7.90 (2H
,d,J=8Hz). 【0051】参考例8 4−(4−ヒドロキシ−6,6−ジメトキシヘキシル)
安息香酸tert−ブチルの製造参考例7の化合物 1
.00 g の水ージオキサン混合溶液 (12 ml
、1:3) に四酸化オスミウム 9 mg を加え5
分間撹拌した。 次第に黒褐色になった溶液に撹拌しな
がら過ヨウ素酸ナトリウム 1.58 g を30分か
けて数回に分けて加えた。 さらに10分間撹拌した後
反応液に水 (50 ml) を加え、 水層からエー
テルで抽出し、 まとめた有機層は飽和食塩水で洗浄後
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 減圧下溶媒を留去
して得られる残渣にメタノール (8 ml)、 オル
トギ酸メチル (5 ml) および 三フッ化ホウ素
エーテラート 10 mg を加え、 室温で45分間
撹拌した。 反応液に2規定炭酸カリウム水溶液 (1
0 ml) を加えさらに1時間撹拌した後、 減圧下
メタノールを留去し水層からエーテルで抽出した。 有
機層は飽和食塩水で洗浄した後無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。 減圧下溶媒を留去して得られる残渣をフラッ
シュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル  30 
g、展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン 1:3)で精製
すると表題化合物890 mg が得られた。 IR 
(Neat) : 3485, 2945, 1715
, 1609, 848 cm−1.1H−NMR (
CDCl3) δ: 1.30−1.60 (2H,m
), 1.58 (9H,s), 1.71 (1H,
dd,J=6Hz,6Hz), 2.69 (2H,t
,J=7Hz), 2.73 (1H,brs), 3
.33 (3H,s), 3.36 (3H,s), 
3.80(1H,t,J=6Hz), 4.55 (1
H,t,J=6Hz), 7.21 (2H,d,J=
8Hz), 7.90 (2H,d,J=8Hz). 【0052】参考例9 4−[6,6−ジメトキシ−5−(メチルスルホニルオ
キシ)ヘキシル]安息香酸tert−ブチルの製造参考
例8の化合物 439 mg のピリジン溶液 (1 
ml) に0℃で、メタンスルホン酸クロリド 178
 mg を加えた。すぐに室温に昇温し、2.5時間撹
拌した。真空ポンプを用いて減圧下溶媒を留去したのち
得られた残さにエーテル (10 ml)とトリエチル
アミン 100 mg を加え5分間撹拌した。エーテ
ル層を水、 飽和硫酸銅水溶液、 飽和食塩水で順次洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留
去すると表題化合物 561 mg が得られた。IR
 (Neat) 2950, 1715, 1610,
 903, 847 cm−1.1H−NMR (CD
Cl3) δ: 1.58 (9H,s), 1.66
−1.83 (4H,m), 1.83−2.04 (
2H,m),2.50−2.80 (2H,m), 2
.98 (3H,s), 3.30 (3H,s), 
3.32 (3H,s), 4.50 (1H,dd,
J=7Hz,5Hz), 4.70−5.50 (1H
,m), 7.20 (2H,d,J=8Hz), 7
.90 (2H,d,J=8Hz).【0053】参考
例10 4−[4−(ジシアノメチル)−6,6−ジメトキシヘ
キシル]安息香酸tert−ブチルの製造アルゴン雰囲
気下、水素化ナトリウム 608 mg のジメチルス
ルホキシド懸濁液(10 ml) を70℃で1時間撹
拌した後、 氷冷しつつマロノニトリル 1.67 g
のジメチルスルホキシド溶液 (10 ml) を滴下
して10分間撹拌した。 反応液にヨウ化ナトリウム 
543 mg つづいて参考例9の化合物 1.51 
g のジメチルスルホキシド溶液 (10 ml) を
加え70℃で13時間加熱し、室温まで冷却した。反応
液を氷水に注加し、 1規定硫酸水素カリウム水溶液で
 pH 6 に調整し、エーテルで抽出した。 有機層は水、 飽和食塩水で順次洗浄し無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られる残渣を
フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル60
 g、 展開溶媒:酢酸エチル−ヘキサン 1:7)で
精製することにより表題化合物785 mg を得た。 IR (Neat) : 2950, 2250, 2
200, 1714, 1608, 848 cm−1
.1H−NMR (CDCl3) δ: 1.50−1
.90 (7H,m), 1.59 (9H,s), 
2.50−2.86 (2H,m),3.35 (6H
,s), 4.30−4.43 (1H,m), 4.
40 (1H,d,J=4Hz), 7.20 (2H
,d,J=8Hz), 7.91 (2H,d,J=8
Hz).【0054】参考例11 4−[4−(2,4,6−トリアミノピリミジン−5−
イル)−6,6−ジメトキシヘキシル]安息香酸ter
t−ブチルの製造アルゴン雰囲気下、グアニジン塩酸塩
 126 mg の tert−ブチルアルコール懸濁
液 (2 ml) にカリウムtert−ブトキシドの
1 M テトラヒドロフラン溶液 (1.32 ml)
 を加え、 10分間撹拌した後参考例10の化合物 
424 mg の tert−ブチルアルコール溶液 
(4 ml) を加え、 4時間加熱還流した。反応液
を水 (20 ml) に加え、酢酸エチルで抽出し、
 有機層は飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾
燥した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物をフラッ
シュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−8%
アンモニア含有エタノール 20:1)で精製すると表
題化合物 391 mg が得られた。IR (KBr
) : 3500, 3400, 3200, 294
0, 1710, 1608, 1570, 844 
cm−1.1H−NMR (CDCl3) δ: 1.
45−1.70 (2H,m), 1.57 (9H,
s), 1.70−2.03 (4H,m),2.55
−2.80 (6H,s), 2.62 (2H,t,
J=7Hz), 3.26 (6H,s), 4.23
 (1H,dd,J=6Hz,5Hz), 4.43 
(2H,brs), 4.56 (4H,brs), 
7.15 (2H,d,J=8Hz), 7.86 (
2H,d,J=8Hz).【0055】実施例1 4−[3−(2,4−ジアミノ−5,6,7,8−テト
ラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−5−イル)
プロピル]安息香酸tert−ブチルの製造参考例6の
化合物 1.14 g のテトラヒドロフラン懸濁液 
(12 ml) にボラン−テトラヒドロフランの 1
 M テトラヒドロフラン溶液 (20.0 ml) 
を加えて室温で3.5時間撹拌した。 反応液に酢酸−
メタノール (12 ml、1:1) を加えて室温で
18時間撹拌した後、 減圧下溶媒を留去し、得られた
残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル 30 g、 展開溶媒:濃アンモニア水と分液した
ジクロロメタン → ジクロロメタン−8%アンモニア
含有エタノール 20:1)で精製すると表題化合物 
1.07 g が得られた。IR (KBr) : 3
395, 3340, 3190, 2935, 28
55, 1712, 1663, 1600, 157
7, 848  cm−11H−NMR (CDCl3
) δ: 1.25−1.60 (2H,m), 1.
59 (9H,s), 1.60−1.95 (4H,
m),2.40−2.54 (1H,m), 1.55
−1.82 (2H,m), 3.27 (1H,t,
J=3Hz), 3.27−3.33 (1H,m),
4.29 (2H,brs), 4.39 (2H,b
rs), 4.87 (1H,brs), 7.22 
(2H,d,J=8Hz), 7.91 (2H,d,
J=8Hz) 【0056】実施例2 N−[4−[3−(2,4−ジアミノ−5,6,7,8
−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−5−
イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ジエ
チルの製造実施例1の化合物 574 mg にトリフ
ルオロ酢酸 3 ml を加え、 室温で1.5時間撹
拌した。減圧下に溶媒を留去し、70℃で減圧下乾燥し
、得られた残渣と L−グルタミン酸ジエチル塩酸塩 
529 mg のジメチルホルムアミド溶液 (5 m
l) に0℃でジフェニルホスホリルアジド 485 
mg のジメチルホルムアミド溶液 (3 ml) を
加え、15分間撹拌後、 ひきつづき同じ温度でトリエ
チルアミン 669 mg のジメチルホルムアミド溶
液 (3 ml) を滴下した。0℃で30分間、 室
温で40時間撹拌した後、 減圧下溶媒を留去し、 得
られた残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(
シリカゲル 30 g、 展開溶媒:濃アンモニア水と
分液したジクロロメタン →ジクロロメタン−8%アン
モニア含有エタノール 40:1→30:1→20:1
)で精製することにより表題化合物 634 mg を
得た。IR (KBr) : 3380, 2940,
 1735, 1630, 1575, 1440, 
1200, 850 cm−11H−NMR (CDC
l3) δ: 1.23 (3H,t,J=7Hz),
 1.31 (3H,t,J=7Hz), 1.30−
1.90 (6H,m), 2.03−2.41 (2
H,m), 2.46 (1H,t,J=6Hz), 
2.49 (1H,t,J=8Hz), 2.48−2
.81(2H,m), 3.22−3.29 (1H,
m), 3.28−3.34 (1H,m), 4.1
3 (2H,q,J=7Hz), 4.25 (2H,
q,J=7Hz), 4.30 (2H,brs), 
4.37 (2H,brs), 4.70−4.82 
(1H,m), 4.82 (1H,brs), 7.
06 (1H,d,J=7Hz), 7.25 (2H
,d,J=8Hz), 7.75 (2H,d,J=8
Hz) 【0057】実施例3 N−[4−[3−(2,4−ジアミノ−5,6,7,8
−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−5−
イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸の製
造実施例2の化合物 618 mgのテトラヒドロフラ
ン−水混合溶液 (2:1、15ml) に1規定水酸
化ナトリウム水溶液 (3.62 ml) を加えて室
温で2時間撹拌後、 反応液を5 mlにまで濃縮した
。 反応液に酢酸 (1ml) および水 (5ml)
を加えると白色結晶が生成した。結晶を微細化した後、
濾取し、氷水でよく洗浄した。得られた結晶を減圧下6
0℃で乾燥することにより表題化合物 469 mg 
を白色結晶として得た。IR (KBr) : 335
0, 2925, 1700, 1650, 1630
, 1555, 843 cm−11H−NMR (M
e2SO−d6) δ: 1.10−2.10 (8H
,m), 2.30 (2H,t,J=7Hz), 2
.55−2.75(3H,m), 3.00−3.37
 (2H,m), 4.20−4.37 (1H,m)
, 6.49 (4H,brs), 7.13 (1H
,brs), 7.27 (2H,d,J=8Hz),
 7.77 (2H,d,J=8Hz), 8.31 
(1H,d,J=7Hz)【0058】実施例4 N−[4−[3−(2,4−ジアミノピリド[2,3−
d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−
L−グルタミン酸ジエチル および N−[4−[3−
(2,4−ジアミノ−5,8−ジヒドロピリド[2,3
−d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]
−L−グルタミン酸ジエチルの製造参考例11の化合物
 200 mg にトリフルオロ酢酸2 ml を加え
、 室温で18時間撹拌した。 反応液に水 1ml を滴下し、さらに2時間撹拌し、
減圧下に溶媒を留去し、 さらにトルエンを用いて共沸
によりトリフルオロ酢酸を除いた。70℃で減圧下に乾
燥して 4−[3−(2,4−ジアミノピリド[2,3
−d]ピリミジン−5−イル)プロピル]安息香酸の粗
結晶を得た。アルゴン雰囲気下、この結晶と L−グル
タミン酸ジエチル塩酸塩 161 mg のジメチルホ
ルムアミド溶液(1.5 ml) に0℃でジフェニル
ホスホリルアジド 136 mg のジメチルホルムア
ミド溶液 (1.5 ml) を加え、15分間撹拌後
、 ひきつづき同じ温度でトリエチルアミン 204 
mg のジメチルホルムアミド溶液 (1.5 ml)
 を滴下した。0℃で30分間、 室温で48時間撹拌
した後、 反応液を空気に対して解放系にして、さらに
5日間撹拌した。 減圧下溶媒を留去し、 得られた残
留物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル 20 g、展開溶媒:濃アンモニア水と分液したジ
クロロメタン → 濃アンモニア水と分液したジクロロ
メタン−エタノール 40:1→30:1→20:1)
で精製することにより、まず N−[4−[3−(2,
4−ジアミノ−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]
ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−L−
グルタミン酸ジエチル 40 mg つづいて N−[
4−[3−(2,4−ジアミノピリド[2,3−d]ピ
リミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−L−グ
ルタミン酸ジエチル 32 mg を得た。 ピリジン体 IR (KBr) : 3350, 2980, 29
30, 1735, 1640, 1610, 157
5 cm−11H−NMR (CDCl3/CD3OD
) δ: 1.23 (3H,t,J=7Hz), 1
.32 (3H,t,J=7Hz), 2.00−2.
40 (4H,m), 2.40−2.55 (2H,
m), 2.82 (2H,t,J=7Hz), 2.
94 (2H,t,J=7Hz), 4.12 (2H
,q,J=7Hz), 4.25 (2H,q,J=H
z), 4.78 (1H,dt,J=8Hz,5Hz
), 6.85 (1H,d,J=5Hz), 7.2
7 (2H,d,J=8Hz), 7.79 (2H,
d,J=8Hz), 8.62 (1H,d,J=5H
z)ジヒドロピリジン体 IR (KBr) : 3375, 3200, 29
90, 2948, 1735, 1668−1640
, 1610, 1570 cm−11H−NMR (
CDCl3) δ: 1.23 (3H,t,J=7H
z), 1.31 (3H,t,J=7Hz), 1.
35−1.87 (4H,m), 2.00−2.65
 (6H,m), 3.27−3.37 (1H,m)
, 4.11 (2H,q,J=7Hz), 4.25
 (2H,q,J=Hz), 4.30−4.85 (
1H,m), 6.04 (1H,d,J=5Hz),
 6.13 (1H,dd,J=8Hz,5Hz),7
.07 (1H,dd,J=8Hz,3Hz), 7.
21 (2H,d,J=8Hz), 7.71 (2H
,d,J=8Hz)【0059】実施例5 N−[4−[3−(2,4−ジアミノピリド[2,3−
d]ピリミジン−5−イル)プロピル]ベンゾイル]−
L−グルタミン酸の製造N−[4−[3−(2,4−ジ
アミノピリド[2,3−d]ピリミジン−5−イル)プ
ロピル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸ジエチル 4
5 mg のテトラヒドロフラン−水混合溶液 (2:
1、 1.5 ml) に 1規定水酸化ナトリウム水
溶液 (0.265 ml) を加えて室温で2時間撹
拌後、 減圧下 0.5 ml にまで濃縮した。 ミ
リポアフィルターを用いて不溶物を濾去し、 濾液に酢
酸 (0.2 ml) を加えて生成した白色結晶を濾
取し、氷水でよく洗浄した。得られた結晶を減圧下65
℃で乾燥することにより表題化合物 23.5 mg 
が白色結晶として得られた。 IR (KBr) : 3400, 3215, 29
40, 1712, 1650, 1640, 160
8, 1565 cm−11H−NMR (Me2SO
−d6) δ: 1.84−2.10 (4H,m),
2.34 (2H,t,J=7Hz), 2.73 (
2H,t,J=7Hz), 3.11 (2H,t,J
=7Hz), 4.30−4.42 (1H,m), 
6.61 (2H,brs), 6.90 (1H,d
,J=4.5Hz), 7.17 (2H,brs),
 7.30 (2H,d,J=8Hz),7.80 (
2H,d,J=8Hz), 8.44 (1H,d,J
=9Hz), 8.47 (1H,d,J=4.5Hz
) 【0060】実施例6 N−[4−[3−(2,4−ジアミノ−5,8−ジヒド
ロピリド[2,3−d]ピリミジン−6−イル)プロピ
ル]ベンゾイル]−L−グルタミン酸の製造N−[4−
[3−(2,4−ジアミノ−5,8−ジヒドロピリド[
2,3−d]ピリミジン−6−イル)プロピル]ベンゾ
イル]−L−グルタミン酸ジエチル 62 mg のテ
トラヒドロフラン−水混合溶液 (2:1, 1.5 
ml) に 1規定水酸化ナトリウム水溶液 (0.3
64 ml) を加えて室温で2時間撹拌後、 減圧下
 0.5 ml にまで濃縮した。 ミリポアフィルタ
ーを用いて不溶物を濾去し、 濾液に酢酸 (0.2 
ml) を加えて生成した白色結晶を濾取し、氷水でよ
く洗浄した。得られた結晶を減圧下65℃で乾燥するこ
とにより表題化合物 34.1 mg が白色結晶とし
て得られた。IR (KBr) : 3360, 32
40, 2950, 1710, 1660, 164
0, 1568, 1548cm−11H−NMR (
Me2SO−d6) δ: 1.20−1.74 (4
H,m), 1.87−2.12 (2H,m), 2
.37 (2H,t,J=7Hz), 2.50−2.
65 (2H,m), 3.27−3.36 (1H,
m), 4.28−4.43 (1H,m), 4.5
7 (1H,dd,J=7Hz,6Hz), 5.53
 (1H,brs), 5.58 (1H,brs),
 5.67 (1H,brs), 5.83 (1H,
brs), 5.85 (1H,brs), 7.20
 (2H,d,J=8Hz), 7.75 (2H,d
,J=8Hz), 8.46 (1H,d,J=8Hz
)【0061】 【発明の効果】本発明によれば、抗腫瘍剤として有用な
新規ピリドピリミジン誘導体が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式: 【化1】 (式中、A環は水素化されていてもよいピリジン環であ
    って、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有して
    いてもよい2価の環状基または炭素数2〜5の低級アル
    キレン基を、Xはアミノ基またはヒドロキシル基を、Y
    はアミノ基、水素原子または低級アルキル基を、Rは水
    素原子または低級炭化水素基を、−COOR1および−
    COOR2は同一または異なってエステル化されていて
    もよいカルボキシル基を、nは2〜5の整数をそれぞれ
    示し、Rはn個の繰り返しにおいて異なっていてもよい
    )で表されるピリドピリミジン誘導体またはその塩。
  2. 【請求項2】  一般式: 【化2】 (式中、A環は水素化されていてもよいピリジン環であ
    って、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有して
    いてもよい2価の環状基または炭素数2〜5の低級アル
    キレン基を、Xはアミノ基またはヒドロキシル基を、Y
    はアミノ基、水素原子または低級アルキル基を、Rは水
    素原子または低級炭化水素基を、−COOR1および−
    COOR2は同一または異なってエステル化されていて
    もよいカルボキシル基を、nは2〜5の整数をそれぞれ
    示し、Rはn個の繰り返しにおいて異なっていてもよい
    )で表される化合物またはそのカルボキシル基における
    反応性誘導体と、一般式: 【化3】 (式中、−COOR1および−COOR2は同一または
    異なってエステル化されていてもよいカルボキシル基を
    示す)で表される化合物とを反応させることを特徴とす
    る請求項1記載の化合物の製造法。
  3. 【請求項3】  一般式: 【化4】 (式中、A環は水素化されていてもよいピリジン環であ
    って、置換基を有していてもよく、Bは置換基を有して
    いてもよい2価の環状基または炭素数2〜5の低級アル
    キレン基を、Xはアミノ基またはヒドロキシル基を、Y
    はアミノ基、水素原子または低級アルキル基を、Rは水
    素原子または低級炭化水素基を、−COOR3はエステ
    ル化されていてもよいカルボキシル基を、nは2〜5の
    整数をそれぞれ示し、Rはn個の繰り返しにおいて異な
    っていてもよい)で表されるピリドピリミジン誘導体。
  4. 【請求項4】  請求項1記載の化合物またはその塩を
    含有する抗腫瘍組成物。
JP3019467A 1991-01-18 1991-01-18 ピリドピリミジン誘導体、その製造法および用途 Withdrawn JPH04235986A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010149786A1 (en) * 2009-06-26 2010-12-29 Deutsches Krebsforschungszentrum Pyrido [2, 3-d] pyrimidines as wnt antagonists for treatment of cancer and arthritis

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010149786A1 (en) * 2009-06-26 2010-12-29 Deutsches Krebsforschungszentrum Pyrido [2, 3-d] pyrimidines as wnt antagonists for treatment of cancer and arthritis
EP2266984A1 (en) * 2009-06-26 2010-12-29 Deutsches Krebsforschungszentrum Stiftung des öffentlichen Rechts Pyrido[2,3-d]pyrimidines as Wnt antagonists for treatment of cancer and arthritis

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