JPH04218650A - 溶融金属めっき方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属めっき浴中の
ドロス除去方法を改善した溶融金属めっき方法に関する
。

【０００２】

【従来の技術】例えば、鋼帯（以下、ストリップという
）の亜鉛めっきの場合に、亜鉛めっき浴中ではストリッ
プや浴中機器から溶出したＦｅが固溶限界以上になると
浴中に析出し、浴中に含まれるＡｌ等と反応して固体介
在物（一般にドロスと称する）を生成する。

【０００３】この介在物は浴中のＡｌ濃度等により、Ｆ
ｅＺｎ７　として浴の底部に堆積したり、Ｆｅ２Ａｌ５
として浴面に浮上するが、Ｆｅ２Ａｌ５はその過程にお
いて浴中に浮遊しているものが多くあり、これがストリ
ップに付着してその表面品質を低下させている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この介在物の除去方法
としてセラミックフィルターを利用して濾過する方法（
特開昭６２−２０２０７０号）があるが、これは溶融亜
鉛を連続的に処理する方法なので亜鉛ポンプ等の設備が
必要であり、このポンプが連続使用に耐えられずに故障
しやすいという問題があった。

【０００５】また、この方法ではＦｅ２Ａｌ５は濾過で
きても底部に堆積したＦｅＺｎ７　に対しては効果がな
く、ある程度堆積すると人力により汲み出すことが必要
であった。

【０００６】本発明は、溶融金属の循環装置を用いるこ
となくめっき浴に浮遊する固体介在物の除去が可能であ
るとともに、同時に浴底部に堆積する固体介在物も除去
できる溶融金属めっき方法を提供することを目的として
いる。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明によれば、鋼帯を溶融金属めっき浴槽中の溶融
金属浴でめっきする溶融金属めっき方法において、前記
浴槽の底部に多孔性フィルターを設け、この多孔性フィ
ルターを前記浴槽の底部から前記溶融金属浴上に所定の
時間間隔で引きあげることにより溶融金属浴中の固体介
在物を除去することを特徴とする溶融金属めっき方法が
提供される。

【０００８】以下に本発明をさらに詳細に説明する。な
お、以下の説明では亜鉛めっきを代表例として説明する
が、これに限るものではない。

【０００９】図１は、本発明方法を実施する装置の一例
を示す構成図で、ストリップ１はシンクロール４により
亜鉛浴槽２の中の亜鉛浴３を通過して、亜鉛めっきされ
る。

【００１０】この亜鉛浴の中には通常ドロスと呼ばれる
介在物（ＦｅＺｎ７、Ｆｅ２Ａｌ５）が介在しており、
ＦｅＺｎ７　は浴槽底部に堆積し、Ｆｅ２Ａｌ５は浴中
に浮遊している。

【００１１】このＦｅ２Ａｌ５はストリップ表面に付着
して製品の表面品質を劣化させる。また、ＦｅＺｎ７　
もその堆積量が多量になってくると、シンクロールの回
転による撹拌のために浴中に浮遊しストリップに付着し
易い状態になる。

【００１２】したがって、亜鉛浴中に存在する介在物を
除去して亜鉛浴を清浄にすることが重要で、本発明では
浴槽底部に沈めた多孔性フィルター６を所定の時間間隔
、すなわち定期的または不定期的に浴面上まで引きあげ
ることによりめっき液中から介在物を除去するものであ
る。

【００１３】多孔性フィルターとしては、めっき金属よ
りも融点の高い金属、非金属製のもので、例えばセラミ
ックフィルターを用いることができる。この場合に多孔
性フィルターと浴槽２の壁との間のすき間が大きいと介
在物の除去効果が小さくなるのでできるだけすき間を小
さくすることが必要である。浴槽２の横断面の形状と同
一にするのが望ましい。

【００１４】また、多孔性フィルターの引き上げ速度も
速すぎるとめっき液が浴槽２からあふれてしまう危険性
がある。

【００１５】気孔率６０％、気孔径０．８ｍｍ、厚さ３
０ｍｍの板状セラミックフィルターを用い、図１の装置
により後述する実施例での条件でセラミックフィルター
と浴槽の面積比、フィルターの引き上げ速度の最適値の
検討を行った結果を表１、表２に示す。上記条件下では
、セラミックフィルター面積率（セラミックフィルター
面積÷浴槽の底面積×１００で示す）は９６％以上で介
在物除去効果があり、セラミックフィルター引き上げ速
度は５０ｍｍ／ｍｉｎ以下においてめっき液が浴槽から
あふれないことがわかる。

【００１６】フィルターを引き上げる方法としては、適
宜の手段を採用できる。例えば、操業停止時に、シンク
ロール４や付着量調整装置５を取外し、スナウト７の着
脱可としてある先端部（図示せず）を外し、予めフィル
ターに付設してあるワイヤー（図示せず）をクレーン類
で上昇、退避させ、フィルター再生中に新しいフィルタ
ーを浴槽に収容するようにすればよい。

【００１７】

【００１８】

【００１９】

【作用】溶融金属めっき浴、例えば亜鉛めっき浴中に存
在している介在物は、Ｆｅ２Ａｌ５やＦｅＺｎ７　のよ
うな金属間化合物として存在し、その大きさは数μｍ〜
数１００μｍとさまざまである。

【００２０】本発明は、めっき浴中にセラミックフィル
ターを沈めておき、所定の時間間隔でそれを浴上まで引
きあげることにより、上記の介在物を同時に濾過してし
まうものである。

【００２１】本発明により、溶融亜鉛の循環装置を用い
ることなく、ストリップに付着してその表面品質を劣化
させる介在物を容易に除去できるとともに、従来は人力
で汲み出していたＦｅＺｎ７　系の介在物の底部への堆
積を防止できる。

【００２２】

【実施例】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。

【００２３】（実施例−１）図１の装置においてセラミ
ックフィルター６（気孔率６０％、気孔径０．８ｍｍ、
厚さ３０ｍｍ、板状）を浴槽２の横断面の形状にあわせ
て（２９３０ｍｍ×３９３０ｍｍ）を亜鉛浴槽２内に沈
めた。

【００２４】ストリップ（０．８ｍｍ×１２５０ｍｍ）
を下記条件で通板し溶融亜鉛めっきを行った。 浴槽サイズ：横断面３０００ｍｍ×４０００ｍｍストリ
ップサイズ：０．８ｍｍ×１２５０ｍｍライン速度：１
００ｍｐｍ 亜鉛付着量：６０ｇ／ｍ２　（片面につき）セラミック
フィルター面積率：９６％ セラミックフィルター引き上げ速度：５０ｍｍ／ｍｉｎ
引き上げ頻度：１回／４日

【００２５】比較例として、本発明による介在物除去を
行なわなかった他は上記実施例１と同様にしてめっきを
行った。

【００２６】結果を図２に示す。図中実施例１は、セラ
ミックフィルターの引き上げ間におけるストリップ１０
０ｃｍ２　当りの介在物の粒径別個数の平均データであ
る。引上げたフィルターは介在物の除去が必要であり、
次に沈められるフィルターは処理後のものとなる。また
、図２の比較例は実施例と同じ時間間隔でストリップ１
００ｃｍ２　当りの介在物を測定したものである。

【００２７】図２に示すように、実施例１ではストリッ
プ表面への介在物付着をほぼ皆無にすることができた。

【００２８】また、本発明の実施により、人力によるＦ
ｅＺｎ７　系介在物の汲み出し作業も不要となった。

【００２９】

【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、本発明によれば溶融金属めっき浴から浮遊介
在物を除去できるとともに、これまで人力に頼ってきた
浴底部に堆積する介在物の汲み出し作業が不要となった
。

【００３０】これにより表面品質に優れた溶融亜鉛めっ
き鋼板等の溶融金属鋼板が製造できるとともに製造時の
歩留りを向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法を実施する装置の一例を示す側面断
面図である。

【図２】めっき後のストリップ１００ｃｍ２　当りの介
在物の粒径別個数を示すグラフである。

【符号の説明】

１　　ストリップ ２　　亜鉛浴槽 ３　　亜鉛浴 ４　　シンクロール ５　　付着量調整装置 ６　　多孔性フィルター（セラミックフィルター）７　
　スナウト

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　鋼帯を溶融金属めっき浴槽中の溶融金
   属浴でめっきする溶融金属めっき方法において、前記浴
   槽の底部に多孔性フィルターを設け、この多孔性フィル
   ターを前記浴槽の底部から前記溶融金属浴上に所定の時
   間間隔で引きあげることにより溶融金属浴中の固体介在
   物を除去することを特徴とする溶融金属めっき方法。