JPH04214601A - 機能修正用角形チップ抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は高密度配線回路に用いら
れ、回路に実装後、抵抗値をレーザートリミングにより
修正することにより回路動作を修正する、機能修正用角
形チップ抵抗器およびその製造方法に関するものである
。

【０００２】

【従来の技術】近年、電子機器の軽薄短小化に対する要
求がますます増大していく中、回路基板の配線密度を高
めるため、抵抗素子には非常に小型な抵抗器が多く用い
られるようになってきた。また、近年の高密度化はチッ
プボリュームまでおよび、チップボリュームの置き換え
として機能修正用角形チップ抵抗器が多く用いられるよ
うになってきている。

【０００３】従来の厚膜タイプの機能修正用角形チップ
抵抗器の構造の一例を、図４に示す。

【０００４】従来の機能修正用角形チップ抵抗器は９６
アルミナ基板１０上に形成された一対の厚膜電極による
上面電極層１１と、この上面電極層１１と接続するよう
に形成されたルテニウム系厚膜抵抗による抵抗層１２と
、抵抗層を覆うガラス層１４と、上面電極層の一部と重
なる端面電極層１３とからなっており、露出電極面には
はんだ付け性を確保するためにＮｉめっき層１５とはん
だめっき層１６を電解メッキにより形成している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、この機能修正
用角形チップ抵抗器は回路実装後に抵抗層１２にレーザ
ートリミングを施し機能修正を行うが、このときのトリ
ミング寸法と抵抗値の関係は一般に図５のように表せる
。

【０００６】トリミング寸法が大きくなり抵抗体の残り
幅が少なくなると、抵抗値の上昇が急になり、最後には
断線に至ってしまう。このため、目標とする抵抗値が比
較的高いときには、トリミングの精度が悪くなったり、
あるいは抵抗体が断線すると言った不都合を生じるとい
う課題があった。

【０００７】本発明は、このような課題を一挙に解決す
るもので、トリミング寸法が大きくなっても高精度のト
リミングを可能とし、更にトリミングにより過修正を行
っても、抵抗体の断線を発生させない機能修正用角形チ
ップ抵抗器を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、角板形の絶縁性の焼結基板と、前記焼結
基板の表面上の一対の上面電極層と、前記一対の上面電
極層の一部に重なり回路実装後に機能修正される第１抵
抗層と、前記焼結基板の裏面上の一対の裏面電極層と、
前記一対の裏面電極層の１部に重なる第２抵抗層と、前
記一対の上面電極層と一対の裏面電極層を電気的に接続
する一対の端面電極層とを有するものである。

【０００９】

【作用】本発明によれば、トリミングを行う第１抵抗層
以外に電流のバイパスとして働く第２抵抗層を裏面部に
設けてあるので、第１抵抗層のトリミング寸法が大きく
なってもさほど抵抗値は上がらず、目標とする抵抗値が
比較的高い場合であっても高精度のトリミングが可能と
なり、更にトリミングにより過修正を行っても、抵抗素
子としては断線が発生しないものである。

【００１０】

【実施例】（実施例１）以下、本発明の一実施例の機能
修正用角形チップ抵抗器について、図面を用いて説明す
る。

【００１１】図１は本実施例を示す断面図である。図１
において、本実施例の機能修正用角形チップ抵抗器は、
角板形で絶縁性の焼結された９６アルミナ基板１と、こ
の９６アルミナ基板１の表面上に形成された銀系厚膜の
一対の上面電極層２と、前記９６アルミナ基板の裏面上
の裏面電極層３と、前記上面電極層２の一部に重なるル
テニウム系厚膜の第１抵抗層４と、前記裏面電極層３の
一部に重なるルテニウム系厚膜の第２抵抗層５と、前記
第１抵抗層４を完全に覆う第１ガラス層６と、前記第２
抵抗層５を完全に覆う第２ガラス層７と、前記上面電極
層２と前記裏面電極層３の一部に重なる銀系厚膜の端面
電極層８とから構成される。なお、露出電極面にははん
だ付け性を向上させるために、Ｎｉめっき層９ａとＳｎ
−Ｐｂめっき層９ｂを電解めっきにより施している。

【００１２】次に、図１に示した本実施例の製造方法つ
いて説明する。まず、耐熱性および絶縁性に優れた９６
アルミナ基板１を受け入れる。このアルミナ基板１には
短冊状、および個片状に分割するために、分割のための
溝（グリーンシート時に金型成形）が形成されている。 次に、前記９６アルミナ基板１の表面に厚膜銀ペースト
をスクリーン印刷・乾燥し、更に、前記９６アルミナ基
板１の裏面に厚膜銀ペーストをスクリーン印刷・乾燥し
、ベルト式連続焼成炉によって８５０℃の温度で、ピー
ク時間６分、ＩＮ−ＯＵＴ　　４５分のプロファイルに
よって焼成し、上面電極層２および裏面電極層３を同時
に形成する。次に、上面電極層２の一部に重なるように
、ＲｕＯ２　を主成分とする厚膜抵抗ペーストをスクリ
ーン印刷・乾燥し、更に、裏面電極層３の一部に重なる
ように、ＲｕＯ２　を主成分とする厚膜抵抗ペーストを
スクリーン印刷・乾燥し、ベルト式連続焼成炉により８
５０℃の温度でピーク時間６分、ＩＮ−ＯＵＴ時間４５
分のプロファイルによって焼成し、第１抵抗層４および
第２抵抗層５を同時に形成する。（このとき本実施例で
は第１抵抗層４は第２抵抗層５よりも面積抵抗値を低く
設定した。）次に、前記裏面電極層３間の前記第２抵抗
層５の抵抗値を揃えるために、レーザー光によって、前
記第２抵抗層５の一部を破壊し抵抗値修正（Ｌカット，
１００ｍｍ／秒，１２ＫＨｚ，５Ｗ）を行う。続いて、
前記第２抵抗層４を完全に覆うように、ホウケイ酸鉛系
ガラスペースト（黒色）をスクリーン印刷・乾燥し、更
に前記第１抵抗層５を完全に覆うように、ホウケイ酸鉛
系ガラスペースト（半透明の緑色）をスクリーン印刷し
ベルト式連続焼成炉によって５９０℃の温度で、ピーク
時間６分、ＩＮ−ＯＵＴ　　５０分の焼成プロファイル
によって焼成し、第１ガラス層６および第２ガラス層７
を同時に形成する。次に、端面電極を形成するための準
備工程として、端面電極を露出させるために、アルミナ
基板１を短冊状に分割し、短冊状アルミナ基板を得る。 そして、前記短冊状アルミナ基板の側面に、前記上面電
極層２および前記裏面電極層３の一部に重なるように厚
膜銀ペーストをローラーによって塗布し、ベルト式連続
焼成炉によって６００℃の温度で、ピーク時間６分、Ｉ
Ｎ−ＯＵＴ４５分の焼成プロファイルによって焼成し端
面電極層８を形成する。次に、電極メッキの準備工程と
して、前記端面電極層８を形成済みの短冊上アルミナ基
板を個片状に分割する二次基板分割を行い、個片状アル
ミナ基板を得る。そして最後に、露出している上面電極
層２と裏面電極層３と端面電極層８のはんだ付け時の電
極喰われの防止およびはんだ付けの信頼性の確保のため
、電解めっきによってＮｉめっき層９ａとＳｎ−Ｐｂめ
っき層９ｂを形成する。

【００１３】なお、第１抵抗層４と第２抵抗層５を個別
に焼成を行うと、先に焼成した方の抵抗層の抵抗値が大
きく変化してしまういう不都合が生じる。従って第１抵
抗層４および第２抵抗層５を同時に形成する方法を採る
。

【００１４】以上の工程により、本発明の第１の実施例
の機能修正用角形チップ抵抗器を試作した。

【００１５】（実施例２） 次に、本発明の他の実施例の説明を行う。本実施例は、
第１抵抗層４より第２抵抗層５の面積抵抗値を高く設定
するように構成するもので、その他の構造および製造方
法は第１の実施例と同様である。

【００１６】この本発明の第１の実施例の機能修正用角
形チップ抵抗器を回路実装後、第１抵抗層をトリミング
した時の抵抗値の上昇曲線を図２に，第２の実施例の機
能修正用角形チップ抵抗器を回路実装後、第１抵抗層を
トリミングした時の抵抗値の上昇曲線を図３に示す。 （トリミングはストレートシングルカットを用いた。）
図２より分かるように、第１抵抗層４を第２抵抗層５よ
り低く設定すると、比較的高倍率に機能修正が可能であ
り（従来品よりは抵抗体の残り幅の小さい部分での微調
整可能）、更に第１抵抗層４がオープンになっても第２
抵抗層５（高抵抗）が残っているので、抵抗素子そのも
のがオープンになることはない。

【００１７】また、図３より分かるように、第１抵抗層
４を第２抵抗層５より高く設定すると、比較的低倍率の
機能修正となるが、抵抗値の微調整（第２抵抗層の抵抗
値近辺での）が可能となる特徴をもつ。更に第１抵抗層
４がオープンになっても第２抵抗層５（低抵抗）が残っ
ているので、抵抗素子そのものがオープンになることは
ない。

【００１８】このことより、本発明の実施例によれば、
従来の機能修正用角形チップ抵抗器にはない、機能修正
の高精度化および抵抗値がオープンにならないといった
、優れた効果が得られることが分かる。

【００１９】なお、これらの実施例において第１抵抗層
４に緑色ガラスを、第２抵抗層５に黒色ガラスにて覆っ
たが、これは抵抗素子の信頼性を向上させるものであり
、特に必要とはならないし、また、別の色のガラスを用
いてもよい。

【００２０】また、これらの実施例ではレーザートリミ
ングはストレートシングルカットにて説明したが、これ
は当然ＬカットやＪカットにも適用できる。

【００２１】また、これらの実施例では第２抵抗層５に
トリミングを施したが、これは修正曲線がさほど高精度
である必要が無い場合は行わなくてもよい。すなわち、
第２抵抗層にもトリミングを施すことにより、更に高精
度の修正曲線が得ることかできるものである。

【００２２】また、第１、第２抵抗層４、５の面積抵抗
値の値を同じにすることによって、表裏面どちらの面に
も機能修正が施せる様にもなり、表裏面いずれの面を上
にして実装しても構わないものが得られる。

【００２３】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の機能修正用角形チップ抵抗器によれば、トリミングを
行う第１抵抗層以外に電流のバイパスとして働く第２抵
抗層を裏面部に設けてあるので、第１抵抗層のトリミン
グ寸法が大きくなってもさほど抵抗値は上がらず、目標
とする抵抗値が比較的高い場合であっても高精度のトリ
ミングが可能となり、更にトリミングにより過修正を行
っても、抵抗素子としては断線が発生しないといった優
れた効果を奏することができる。

【００２４】また、第１抵抗層と第２抵抗層の抵抗値の
設定において、設定の仕方により様々な修正曲線が設定
できるという効果も同時に得られる。

【００２５】また、第１抵抗層と第２抵抗層を同時に焼
成を行うことで、先に焼成した方の抵抗層の抵抗値が大
きく変化してしまういう不都合が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１、第２の実施例の機能修正用角形
チップ抵抗器の断面図

【図２】本発明の第１の実施例の機能修正用角形チップ
抵抗器のトリミング寸法と抵抗値の関係を示す特性図

【
図３】本発明の第２の実施例の機能修正用角形チップ抵
抗器のトリミング寸法と抵抗値の関係を示す特性図

【図
４】従来の機能修正用角形チップ抵抗器の断面図

【図５
】従来の機能修正用角形チップ抵抗器のトリミング寸法
と抵抗値の関係を示す特性図

【符号の説明】

１　　９６アルミナ基板 ２　　上面電極層 ３　　裏面電極層 ４　　第１抵抗層 ５　　第２抵抗層 ６　　第１ガラス層 ７　　第２ガラス層 ８　　端面電極層 ９ａ　　Ｎｉめっき層 ９ｂ　　Ｓｎ−Ｐｂめっき層

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】角板形の絶縁性の焼結基板と、前記焼結基
   板の表面上の一対の上面電極層と、前記一対の上面電極
   層の一部に重なり回路実装後に機能修正される第１抵抗
   層と、前記焼結基板の裏面上の一対の裏面電極層と、前
   記一対の裏面電極層の１部に重なる第２抵抗層と、前記
   一対の上面電極層と一対の裏面電極層を電気的に接続す
   る一対の端面電極層とを有することを特徴とする機能修
   正用角形チップ抵抗器。
2. 【請求項２】第１抵抗層と第２抵抗層は同時に焼成する
   ことを特徴とする請求項１記載の機能修正用角形チップ
   抵抗器の製造方法。
3. 【請求項３】第１抵抗層の面積抵抗値が第２抵抗層の面
   積抵抗値より高く設定されていることを特徴とする請求
   項１記載の機能修正用角形チップ抵抗器。
4. 【請求項４】第１抵抗層の面積抵抗値が第２抵抗層の面
   積抵抗値より低く設定されていることを特徴とする請求
   項１記載の機能修正用角形チップ抵抗器。