JPH04212008A - 変換器 - Google Patents

変換器

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JPH04212008A
JPH04212008A JP6565391A JP6565391A JPH04212008A JP H04212008 A JPH04212008 A JP H04212008A JP 6565391 A JP6565391 A JP 6565391A JP 6565391 A JP6565391 A JP 6565391A JP H04212008 A JPH04212008 A JP H04212008A
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rotor
poles
equation
phase
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Uein Reibii Robaato
ロバート・ウエイン・レイビイ
Jiei Beikaa Aran
アラン・ジエイ・ベイカー
Ii Kuraisu Roderitsuku
ロデリツク・イー・クライス
Ii Rindobaagu Aaru
アール・イー・リンドバーグ
Sutoruto Deiriru
デイリル・ストルト
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  • Measuring Phase Differences (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は特別に高精度の部品を使
用しなくとも高精度の位相測定を行なうことができる位
相測定装置に用いられる変換器に関する。なお、本明細
書で言う位相とは当然、角度の概念も含む。
【0002】
【従来技術及びその問題点】先行技術による位相測定装
置、およびこの応用である角度変換装置の多くはAC信
号を発生しその位相差は入力の位相や角度に対応してい
る。たとえば、アメリカ合衆国特許2,930,033
号および3,278,928号を参照のこと。これらの
装置の精度は一部には信号発生要素がその信号を作るた
めに相互作用を行う機械的精度に関係するとともに、得
られた位相を測定するために使用する手段の精度にも関
係する。この種の幾つかの周知の構成では、対応する固
定および可動のセンサに光学的、容量的、あるいは誘導
的のいずれかで結合された1つまたは複数の回転極を備
えている。他の構成でも極とセンサとの機械的役割が入
れ代わっている他は同じである。このような装置の精度
を高めるためには、先ず発生される2つの信号(つまり
、固定側と可動側からの)全サイクルについて、入力角
が2つの信号の対応するサイクルでの位相差に忠実に翻
訳されたものになっている様にしなければならないと、
一般に考えられている。測定した位相の信頼性を高める
ために平均化が行なわれることが屡々ある。平均化は単
に非常に多くのサイクルに亘って位相を測定したり、セ
ンサの数を増やしてその出力を電気的に加算したりする
。しかし平均化しても極配置の誤差を必ずしも正確に解
消しないばかりでなく、位相測定アルゴリズムに特別な
準備をしないかぎり、極の角度的配置誤差から生ずる信
号周期の変動が測定結果に誤差を生ずる可能性がある。 特に、複数のセンサ出力を加算する方法は、センサの信
号の振幅が変動する場合には、それ自体、誤差を生ずる
ことがある。たとえば、センサが偏心して取付けられた
場合、センサと極との距離が変化することがあり、これ
がセンサ信号に対応する振幅の変化を起す。
【0003】或る種の偏心誤差を減らすために共通に使
用されている技法では、実際には、これら先行技術の角
度変換器がその性能を発揮するためには極の機械的配置
の正確さに一層大きく依拠することがある。たとえば、
直径の反対側に置かれた一対または複数対のセンサから
生ずる信号をアナログ的に加算するという技法がある。 ほとんど0になるまで加算しつづけることによって反対
の位相誤差は互いに実質的に打消される。本質的に、こ
の技法は2つ以上の信号を1つに組合わせてこれを位相
測定における2成分の1つとして使用する。極の配置の
誤差が大きかったり、センサが真に正反対になかったり
した場合、対向するセンサの正反対配置から生ずること
になる希望する効果は相殺されあるいは無効になる。す
なわち、センサ信号をそのまま加算することにより平均
化されることになっている誤差成分が実質に一致し且つ
周期が等しくないかぎり、希望する誤差の相殺は起らな
い。このことから、極を規則正しく配置する必要性が強
まると共に、極の形状が同じでなければならないという
条件が加わってくる。
【0004】偏移信号位相角度変換装置の精度が極配置
の精度に基本的には少しも依存せず、位相測定手段の精
度にのみ依存することが望ましい。偏心誤差を減らす技
法が極配置の精度あるいはその形状の対称性に依存しな
いことも望ましいことである。
【0005】偏心誤差補正について簡単に説明を加える
と、打消されるべき誤差成分は位相誤差である。原理的
には、前述のような即時相殺は、直径の正反対位置に配
置された両センサからの信号の振幅が等しければ、ほと
んど正確に行なわれる。残念ながら、偏心誤差の性質上
、2つの信号の振幅差も生ずる。従って、位相誤差を振
幅差に関係なしに打消すことができることが望ましい。 これらの注意は或る種の他の誤差にも同様にあてはまる
【0006】回転要素の角速度が変化すれば位相測定手
段の精度に重大な影響をおよぼすことがある。このよう
な変動があれば位相差を求めようとしている信号の周期
が変化する。位相測定手段が角速度の定常状態の変化(
つまり、平均値等の変化)と回転部材の各回転中に起き
る周期的変化とに本質的に鈍感であることが非常に望ま
しい。周期的変化に鈍感であれば、これらの変動をなら
すために角運動量を生ずる(「フライホィール効果」)
質量の必要性が減り、したがって本装置の重量を軽くす
ることができる。
【0007】固定および可動のセンサの信号間のクロス
トークは位相歪を生ずることがあり、これがあれば本位
相の精度が非常に低下する。このようなクロストークは
遮蔽を施すことによって減少させあるいは除くことがで
きることが多いが、これにより原価と機械的複雑さとが
増え、重量が増し、またおそらくは大きさも増大するこ
とになる。AC信号を発生するために使用する技法が、
クロストークがあってもその情報を正確に伝えることが
できるような性質を有するAC信号を発生するようなも
のであること、および位相測定技法がクロストークに本
質的に鈍感で、真の位相情報を正確に得ることができる
ようになっていることが非常に望ましい。
【0008】可変位相差の信号を発生するあらゆる種類
の変換器を用いる先行技術の位相測定技法によれば「精
」の測定として最もよく特徴づけられる結果を生ずるこ
とがよくある。この精密な結果は剰余(modulo)
値であり、「粗」の測定の結果と組合わせなければなら
ない。これがどのように行なわれるかによって一般に装
置が増分式(incremental)か絶対式(ab
solute)かが決る。これらの注意が適用される装
置の例にはある種の角度変換装置や距離測定装置がある
。「粗−精」測定に関しては固有の悪いところはないが
、高精度かつ高分解能の統一的な結果を直接に得ること
により、粗と精の成分を別々平均し次いでそれらを組合
わせる際に起る周知の落し穴を避ける必要のない位相測
定の技法を使用すれば好都合であるのは確かである。こ
の問題の幾つかは測定のモジュロ的性格から生じ、非常
に小さいあるいは非常に大きい値(すなわち、剰余をと
った測定結果が剰余をとるための法の値に近いところか
らゼロに転換する転換点に極めて近い値)を取り扱う方
法に関係している。これらの問題はすべて今までは工合
よく取り扱われてきたが、その解決法は費用に無関係で
はなかった。したがってこのような「粗−精」方式の精
度と分解能とをすべて維持したままこれらの心配を無く
すことができることが望ましい。このような位相測定技
法は信号周期の変動(極の配置の誤差、モータの速度変
動)やクロストークに対する鈍感性をも保っていなけれ
ばならない。
【0009】位相測定技法の重要な考慮事項はいわゆる
「位相一致問題」からの開放である。これは位相測定の
「始動−停止」方法と呼んでもよい方法において一般に
経験されるものである。この方法は同じ周波数で既知周
期の2つの信号間の位相を測定するものである。ここに
おいては、一方の信号のゼロ交叉点またはエッジでタイ
マーを始動させ、他方の信号の対応するゼロ交叉点また
はエッジでこのタイマーを停止させることにより位相が
測定される。つまりタイマで測定された時間は1周期の
うちの一部分であり、したがって位相を表わす。この方
法について一般的な平均化の技法は単にn個の測定間隔
を記憶しておき、その結果をn個の周期で割ることであ
る。
【0010】しかしこの方法は、特にこのような平均化
と共に使用するとき、始動と停止の条件が互いに非常に
接近してくると重大な困難を伴う。ノイズによってそれ
らが取違られて観測されることがあり、このため非常に
大きな角度および非常に小さな角度を見分け平均するこ
とが非常に困難になる。この問題に対する普通の対策は
、測定値が0の両側の選定した領域内に通常入ったとき
は180度のオフセットを導入し後で取り除くことであ
る。平均をとることの長所を保ちながらこのような余分
な手間を省くことが望ましい。
【0011】回転部材を備えた装置では絶対式測定の粗
情報あるいは他の情報は各回転の完了をしめす信号から
得られる場合が非常に多い。これらの1回転に1回の信
号を発生するために余分な極またはセンサを設ける必要
がないことが望ましい。
【0012】そして最後に、いままでの利点がすべてデ
ィジタル方式で達成でき、精密な、ドリフトの少ないア
ナログ回路の必要性をできるかぎり少なくできれば好都
合である。特に、マイクロプロセッサの計算能力及び判
断能力を利用して、測定のハードウェアに好適な構造的
特徴を利用することと相俟って、全体としての変換器の
大量の論理的複雑さを処理アルゴリズムに移すことが望
ましい。
【0013】
【発明の目的】本発明は上記した従来技術の問題点を解
消し、望ましいことであると述べられた事項を達成する
ことを目的とする。
【0014】
【発明の概要】これらのおよび他の利点は以下に要約す
る教示を利用することにより実現できる。その結果、必
要な機械部品は少ないが秒(1/60度)のレンジの測
定に優れた能力を発揮する比較的低コストの精密な角度
変換器が得られる。
【0015】実施例で説明する角度変換器は、原理的に
極の配置誤差には鈍感な位相測定技法を用いることによ
って回転極の配置に高い精度を必要としなくなっている
。この技法はまたセンサと極との間隙の不均一さまたは
変動に本質的に鈍感である。実施例の角度変換器では、
回転極は標準の市販の歯車を2枚共通の軸に軸受けしモ
ータで駆動するようになっている。直径の反対側に独立
に(すなわち、別々に、且つ出力がアナログ的に加算さ
れない)配置された固定および可動の磁気センサ対から
、歯車が回転するにつれて4つのAC信号が発生される
【0016】偏心誤差のほか、同様な誤差も、直径の反
対側に独立に配置したセンサで極めて正確に補正される
。しかもこの様な補正をするからと言って、歯車の歯の
間隔を規則的あるいは正確にする必要はないし、またセ
ンサの対の配置を正確に直径の反対側にする必要もない
。いろいろな独立のセンサは各々それ自身の個別の信号
を発生し、そこに含まれている回転で起きる遷移情報の
少なくとも1回転分が周期的サンプリングで捕えられ記
憶装置に記憶される。測定を行うときは、各センサに関
する遷移情報が総計され他のセンサの同様な総計と組合
わされる。このようにしてすべての自己相殺位相情報が
提示され、総計が組合わされるとき打消しが行われる。 しかしながら、偏心による位相誤差は、アナログセンサ
信号が実時間で集計されるときのように、元々同時対比
で感知される必要はないものである。誤差の打消しを最
大にするために極の配置を理想的にしなければならない
のは直径両端のセンサの対称性による反対誤差のこの同
時性のためである。正確に1回転または整数回の回転の
信号を記憶した位相情報を処理することによって直径両
端のセンサにおける誤差の対称性という本質的な性質が
保されるが、同時性の必要は無くなる。このように、極
の幅は回転軸に対して等角にする必要がなくなる、すな
わち軸の周りに規則正しい角度で配置する必要はなくな
る。
【0017】また、いろいろなセンサに関する測定は同
じ回転中に行われるので、自己相殺が可能ではあるが回
転ごとに同じではないいろいろな他の誤差が最大限まで
任意に減ることになる。この例はいくつかのボールベア
リングのうち1つだけ寸法が大きなものが混じっている
玉軸受である。
【0018】前述の総計量は2つの独立なセンサの信号
の間の位相を測定する過程で形成される。多数の異なる
位相測定が、センサの1つの組合せごとに1つ行われる
。つまり、位相は固定センサと可動センサの組合わせご
とに測定される。この位相測定は関係する信号の振幅に
影響されない。一旦いろいろな位相のすべてが手に入る
とこれらを平均して偏心によりもたらされる位相誤差を
打消すことができる。要するに、分離できない実体とし
て位相と振幅とを平均して(したがって振幅差が位相差
に影響する)から位相を測定するかわりに、最初に位相
を測定してから位相だけを平均するのである。したがっ
て偏心による位相誤差はほとんど正確に打消され、同様
に偏心または極−センサ間距離の不均一性によって入り
込む付随的振幅変動も関係しない。
【0019】位相が測定される両信号は夫々周波数がこ
となるため、クロストークは以下で説明する角度変換器
には影響を与えない。すなわち、可動センサからの信号
で運ばれる位相情報は固定センサからの信号で運ばれる
位相情報とは直交(orthogonal)している。 周波数を適正に選択すると各周波数の他に及ぼすクロス
トークを積分した結果は、原理的に0になる。実際には
、ディジタル方式では離散サンプリングが行なわれると
いう性質から、誤差の打消しは近似的に達成されるだけ
であるが、この近似は、原理的には、正確な値にいくら
でも近づけることができる。どの周波数も他の整数倍に
なることのないようにして上述の異なる周波数が選定さ
れる。本発明による位相測定装置では歯数が互いに異な
る歯車を使うという簡単な手段によって、このような周
波数の信号を作り出している。
【0020】本発明にかかる位相測定技法では、相異な
るしかもおそらくは一定でない周波数の信号でも、ただ
以下の条件を満足するだけで使用可能である。まず、一
方の周波数のP個のサイクルに対して必ず他方の信号で
は正確にQ個のサイクルが存在しなければならない。第
2に、一方または両方の信号についての絶対的な基準位
置を繰返し識別しあるいは追跡するための何らかの手段
が用いられねばならない。両信号に絶対位置マークがあ
れば絶対的な(すなわち、増分的でない)統合された(
すなわち、粗と精が別々に求まるのではない)結果が得
られる。結果を粗と精とに分けることも可能である。 絶対基準マークが1つだけある場合には精の方の測定結
果が得られ、粗の方の情報は別個の絶対測定により、あ
るいは増分の積上げにより得られる。後に検討する詳細
な事項によれは、絶対基準マークはハード的に(つまり
、実際の信号として)得られるか、あるいはソフト的に
(つまり、マイクロプロセッサがマークとなるべきある
サイクルを抽出する。この抽出のため、マイクロプロセ
ッサはマークとして抽出されるべき各サイクルの間隔を
用いてマークを見失なわない様にする)に得られる。 前者の場合には位相測定技法に有用なある定数を見い出
してマイクロプロセッサが使用するためにコード化され
恒久的に貯えておくか、あるいは装置に電源を投入する
毎にマイクロプロセッサがその値を自動的に見つけて貯
えるかのどちらかにより使用できる様になる。後者の場
合には、基準マークとしてどのサイクルが選ばれたかに
より上述の定数値が変化し得るので、定数を恒久的に記
憶しておくことは不可能である。後者の場合に自動的に
定数を見つけるには、オペレータが1つまたは2つの既
知の静的条件を装置に入力して定数の値を発見できるよ
うにしなければならない。いずれの場合でも、定数の値
を見つけなくてもよいようにする方法も存在する。
【0021】本発明にかかる角度変換装置では、各歯車
から任意に選択された歯を取り除くという簡単な手段に
より、絶対基準マークを容易に発生することができる。 すなわち、この場合、マイクロプロセッサは各センサ信
号の中から取り除かれた歯に対応する周期的な乱れを検
知する。この検知により絶対基準マークの相対的位置が
求まる。一旦この位置が決まるとマイクロプロセッサは
それらの除去された歯がそこにあった場合に各センサに
より発生された信号(あるいはこれから得られる位置・
時間情報)を正確に近似できる。これにより、この処置
をとらなかった場合に欠けた歯が位相測定自身におよぼ
した影響(このような影響は現在知られていない)およ
び関連する誤差減少機構におよぼす影響(これらの或る
ものが知られており、二次的な効果を起しやすい)が最
小になる。
【0022】位相測定自身は、2つの信号のP個あるい
はQ個のサイクルの間の任意の時刻から始めることがで
きる。マイクロ処理装置は各信号毎に、全体サイクルの
単位で、開始時刻とそのそれぞれの絶対基準マークが最
近に起った時刻との差を指示する。信号の1つが次にゼ
ロを交叉した時点を局所的基準時刻として測定を始め、
局所的基準時刻とそれぞれの信号のP個およびQ個の連
続したサイクルのゼロ交叉時刻とを測定して、表に記憶
する。以下で説明される本発明の実施例では、正方向の
(positive  going)ゼロ交叉のみを考
慮したが、代りに負の方向の(negative  g
oing)ゼロ交叉を使用することもできる。システム
は各ゼロ交叉をどちらでも容易に使用することができる
。表の中のデータを使用して一方の信号のP回の遷移時
刻と他方の信号のQ個の遷移時刻のそれぞれについて和
がとられる。これらの和は、PあるいはQサイクルに必
要な時間、開始時刻と絶対基準との差の測定値、および
PとQの値と算術的に組合わされることにより、位相が
算出される。
【0023】この技法は先に述べた「位相一致問題」を
免がれている。というのは、ここで必要なのは夫々単一
の基準時刻からの連続したP個およびQ個の時刻を独立
に測定することだけだからである。ノイズによってもた
らされるのは、その値を正確には知り得ないことによる
避けることかできない不確実性のみである。しかしなが
ら、この不確実性は本技法に固有の平均化によって軽減
される。しかしこのようなノイズは、P個の時刻とQ個
の時刻との間には特別な対応はないから、法(modu
lus)の値分の誤りを有する測定値を導入する機会は
ない。このことは極の配置が任意にできるという利点と
矛盾しない。問題となるのは「等価単極」と以下で呼ぶ
ものの生起の両平均時刻の差の変化である。しかしこの
平均時刻は夫々互いに別個に求められるので、位相一致
の問題は全く起らない。
【0024】前述の測定・計算はゼロ交叉検出器を独立
のセンサの出力に結合して行われる。遅延機構は各ゼロ
交叉検出器出力を遅延させた信号を生ずる。遷移検出回
路は各信号毎に遅延と非遅延の両者を比較していずれか
の信号が遷移したことを検出する。遷移を検出すると、
どのような遷移がなされたかがディジタルクロック回路
中の時刻とともに直ちに捕捉される。順々に起きる遷移
と時刻のデータが、読出し/書込みが互いに独立になさ
れる様にした循環バッファに一時記憶される。これによ
って非同期的なデータが短期間にバースト的に生起して
も、これらデータの捕捉は、マイクロプロセッサ側で割
込制御を用いて自己のペースで記憶装置に取り込んでい
くのとは独立にその間に行なうことができるようになる
。アップダウンカウンタ回路は循環バッファに新しい情
報が入っていると、マイクロプロセッサに割込みをかけ
る。割込処理ルーチンの制御のもとでマイクロプロセッ
サは読取/書込記憶装置内の表に記憶されている遷移−
時間対情報を更新する。この表には回転で起るデータが
少なくとも1回転分入っている。角度測定を行なうよう
にとの要求がなされると、マイクロプロセッサは表を使
用してセンサ間の各種の位相測定を行ない、その結果を
適当な答にまとめる。
【0025】
【発明の実施例】図1は本発明にしたがって構成された
角度変換装置の機構部分を組上げたものの斜視図である
。静止側の基盤である基準ステータ2は回転可能なハウ
ジングである入力ステータ3を支持し、また電子回路と
モータとを包蔵している。機械部分1内の回路から発生
する電気信号はへその緒状(umbinical)ケー
ブルによりマイクロプロセッサを含む付加回路(図示せ
ず)に与えられる。マイクロプロセッサは4つの信号の
遷移のタイミングに含まれている位相情報に関して演算
を行ない、使用システムに角度で秒の精度まで出せる絶
対角度のデータを提供する。
【0026】ステータ2は、角度測定が行なわれる器具
または装置にしっかりと取付けられる。たとえば、軸受
台(pedestal)に取付けることもできるし、三
脚載置装置たとえばセオドライト(theodolit
e)の基準部材に取付けることができる。角度を測定す
べき可動部材は回転可能な入力ステータ3に機械的に結
合される。この様にして、入力角度は可動部材により結
合されている入力ステータ3と基準ステータ2との間の
角変位として示される。
【0027】機械部分1の中の電子回路は4つの方形波
信号を発生する。角度情報は4つの方形波信号のうちの
選ばれた組の各信号の間のある法(modulus)の
いろいろな位相差の中に他の組の残りの各信号との関連
で含まれている。これら4つの信号を、たとえばA,B
,XおよびYと名付けると、信号Aと信号Bとは同じ周
波数になり、たとえば入力ステータに対応する。また信
号Xと信号Yは同じ周波数だが、この周波数は信号A,
Bとは同じでない方が望ましい。信号A,Bは基準ステ
ータに対応する。この節の2番目の文に記述した複数通
りの比較は信号Aの位相を信号Bの位相と比較すること
について述べるのではないし、また信号Xの位相と信号
Yの位相との比較のことを言っているのでもない。 そこで述べられているのは「信号Bと組合わされた信号
A」と「信号Yと組合わされた信号X」との間の位相差
を見つけ出すということなのである。これを行なうには
、実際に行なわれる位相測定はA:X,A:Y,B:X
、およびB:Yである。今後、これらを簡単にAX,A
Yなどと云うことにする。これらの位相測定を行なう理
由は以下の適切な箇所で詳細に説明することにする。 2つ前の節で言及した付加回路はこれらの位相差を示す
タイミングデータを得、マイクロプロセッサはこのデー
タを高精度の絶対角度測定値に変える。
【0028】図1に示すように、機械部分1は比較的簡
素な構成にすることができる。1つの実際の実施例にお
いては機械部分1は直径が約114.3mm(約4.5
インチ)、高さが約57.15mm(約2.25インチ
)である。
【0029】次に図2を参照すると、角度変換装置の機
械部分1が一部分分解して示されている。回転可能ハウ
ジングである入力ステータ3は取外されており且つ上下
がひっくり返されている。ロータ軸4は見えない軸受で
静止ベースである基準ステータ2の底に確実に軸受けさ
れている。ロータ軸4はその軸の周りに回転自由である
が、軸の延長方向への力に対しては固定されている。一
対の軸受(このうち上部軸受12だけが見える)により
ロータ軸4に軸受けされているのは、モータ駆動され透
磁性歯付の2つの環状部材である基準ロータ6である。 この2つの環状部材は好ましくは透磁率の低いスペーサ
19によってしっかりと取付けられ且つ分離されている
。基準ロータ5,入力ロータ6は各々スペーサー19に
ねじ止めされ互いに相対的に動けない。これらは一体と
してロータ軸4の周りに回転できるだけである。基準ロ
ータ5,入力ロータ6の歯の位相精度は角度変換装置の
精度にほとんど影響しないことが以下で説明される様に
実証されているので、標準在庫品の鋼製歯車を用いて差
支えない。
【0030】基準ロータ5と入力ロータ6とは印刷回路
板7の下にある静止ベースである基準ステータ2の凹所
の中に配置されている本図では見えないモータで駆動さ
れる。ここに示した構成に好ましいモータは直流のホー
ル効果整流3相モータでその回転速度は毎秒3回転に電
気的に調製されている。(少なくとも毎秒2から10回
転までの速さが実用的と思われる。回転速度の低下につ
れて磁気センサからの信号振幅も低下するということで
上述の下限が定まる。一方上限の方は低価格のマイクロ
プロセッサの処理能力および可搬モータの消費電力の点
から今のところ毎秒10回転に抑えられている。原理的
には、ロータの回転速度はもし希望するならば、かなり
大きくすることができるはずである。)モータの界磁巻
線は前述の凹部の内部に固定されているが、電機子は基
準ロータ5の下側に固定された磁気リングに取付けされ
ている永久磁石から構成されている。
【0031】一対の独立した自己バイアス式磁気センサ
である基準センサ8,9は基準ロータ5の周りに直径の
反対側に対向して配置されている。基準ロータ5が回転
するにつれて、互いに独立した基準センサ8,9は夫々
のセンサとそのすぐ傍の歯車の歯とで形成される関連す
る磁気回路のリラクタンスの時間的変化を検知する。基
準センサ8,9の各々が発生する信号は夫々成形されて
前述の4つの方形波のうちの2つ(先に記したXとY)
になる。
【0032】他の組の独立の自己バイアス式磁気センサ
である入力センサ10,11は回転可能なハウジングで
ある入力ステータ3の下側に配置されている。入力セン
サ10,11も入力ロータ6の回転によるリラクタンス
の時間的変化に応答して別々の信号を発生する。この別
々の信号はそれぞれ方形波に成形されるが、これが残り
の2つの方形波信号(前述のAとB)である。
【0033】印刷回路板7は、モータ速度制御回路のほ
かに、増幅器と、4つの磁気センサ8〜11からの一般
に正弦波状の出力をその関連する方形波信号A,B,X
およびYに変換するゼロ交叉検出器とを備えている。
【0034】組立てたとき、回転可能な入力ステータ3
はロータ軸4に錠止され、ロータ軸4は前述のように静
止ベースである基準ステータ2の底部にあるロータの下
の(見えない)軸受で回転を確実に支えられている。ロ
ータ軸4は回転する入力ステータ3の回転の安定な軸と
なり、これを介して入力角度が加えられる。入力ステー
タ3は更にリテーナ16で所定位置に保持されている一
連の玉軸受15によって基準ステータ2に支持されてい
る。焼入研磨した軸受表面13,14は夫々介在する玉
軸受15が運行するレース(race)を形成する。こ
れにより、ロータ軸4の安定軸の周りになめらかな且つ
低摩擦の回転をするように入力ステータ3を基準ステー
タ2上にしっかりと支持する。本軸受構成はセオドライ
トの望遠鏡を角度変換装置の直上に取付けることができ
るようにするためのものである。
【0035】他の機械的構成も可能である。たとえば、
ロータ軸4を基準ステータにしっかりと取付け、他方、
入力ステータをロータ軸に軸受で支持してもよい。
【0036】入力ステータ3はどんな入力角度を変換す
ることになっても自由に回転できなければならない。こ
の目的のため、回転可能ハウジングである入力ステータ
3の下側にある4個の円形スリップリング17が4組の
弾性接点18と対応して配置されている。弾性接点18
は入力センサ10,11からの信号を印刷回路板7に伝
える。したがってこの入力ステータ3においては入力角
度の方向と大きさとに関する制限はない。
【0037】角度が入力されることにより、入力ロータ
6についての入力センサ10,11からの信号と基準ロ
ータ5についての基準センサ8,9からの信号との間に
、入力角度に対応する位相差が発生される。何故こうな
のかを見るため、入力ステータ3は入力センサ10,1
1が夫々基準センサ8,9の直上に配置されるような位
置になっていると仮定する。また、入力及び基準ロータ
5と6には同じ歯車を用い、かつロータ軸方向から見れ
ば両歯車の歯がぴったり重なっている様に取付けられて
いると仮定する。この寧ろ制限的である条件のもとでは
、対応する信号の組が同時に発生するため、基準センサ
信号と入力センサ信号との間には位相差がないことにな
る。ロータにn個の歯があると仮定すれば、たとえば3
60/n度の機械的角度が入力されたときにおいても、
前述の空間的配置によって両方で同時に信号が発生する
ため、入力,基準センサ信号の間に電気的位相ずれは発
生しないことになる。すなわち、n個の歯は360/n
機械度の機械的な法(modulus)を有する信号(
つまり、この法についての剰余信号)を発生する。 この機械的な法の範囲内で(すなわちロータがi×36
0/n度から(i+1)×360/n度まで回転する間
に)センサ出力は360電気度の完全なサイクルを示す
(つまりセンサの出力信号の位相は360度回る)。も
し機械的入力が360/n度の1/4であれば、センサ
の出力信号には360度の1/4すなわち90度の位相
ずれが得られることになる。
【0038】機械的な1回転毎にセンサ出力信号の方で
は位相が丁度n回回るから、電気的位相差は便宜的に「
精」の測定値とも言える。入力角度には「精」のサイク
ルがいくつ含まれているかを示す「粗」の値と「精」の
値とを結合すれば入力角が測定できる。粗の値は普通は
精の測定において位相が丁度1回分回ったことが判った
ことに応答して今記憶されている粗の値をインクリメン
トすることにより得るか(いわゆる増分法)、直接に測
定するか(いわゆる絶対法)のいずれかでなければなら
ない。以下に詳しく検討する好ましい位相測定技法はこ
の粗/精の概念と両立し、また増分および絶対の測定法
の概観と両立するものである。しかしながら、本発明の
利点を最大限に利用すると、測定の結果がそのまま最終
的「答」となるため、本測定結果は明確に粗と精の成分
に分離することはできない。従って粗と精という概念は
不必要となる。ある意味で、これらの概念はなお存在す
る。たとえば歯車の歯が規則正しく配置されている場合
には、「粗」と「精」とはその本来の意味と幾分似通っ
たものを持っている。(本発明においては、粗と精の概
念がその旧来の意味を持つためには、各ロータの極の数
が等しくなければならないと思われる)。しかし先に述
べたとおり、これらはロータが満足しなくてもよい不必
要な条件である。両ロータに用いられる歯車の歯数が互
いに等しくなかったり、あるいは歯が不規則に配置され
ている場合には、「粗」と「精」とにはむしろ特殊な意
味がでてくる。このことについては位相測定技法を説明
する部分の終りで更に詳しく論ずることにする。
【0039】本発明にかかる位相測定技法の好ましい使
用法では各ロータの1回転毎につき1回出現するハード
的なマークを発生する手段を備えている必要がある。こ
れは各ロータ上のある極を「絶対基準極」として識別す
ることに等しい。しかしながら、また、ここに説明する
技法が柔軟であることの例として、位相測定自身が、「
完全な」答をなお必要としながら「精密な」答だけを発
生するならば、増分測定法を使用する(入力ロータの「
1回転につき1回」のマークを省略できる)か2つの「
1回転につき1回」のマークを別個の粗測定を行なうた
めに使用するかすることになる。この後の2つのいずれ
かの場合にはロータ回転子5に(P=Qでないかぎり)
置かれた1回転1回のマークが本測定にあたって基準ロ
ータ5のための基準極情報を提供する。ソフト的な1回
転1回のマークついては他の箇所で説明する。マークの
必要性はいずれにせよ同じである。異なっているのは主
としてそのマークの発生の仕方である。(ここに書かれ
ているように、これらの注意は以後のいろいろな章に現
れるそれらの支持項目とは切り離されており、完全には
それと認識されないかもしれない。これらは単に事柄を
述べるためと本発明の位相測定技法の柔軟さとを説明す
るために記述してあるのである。)
【0040】別々の
1回転につき1回のマークを用いれば、精測定と関連さ
せることのできる粗測定を行なって絶対の(すなわち増
分式ではない)角度測定値を発生する手段が得られる。 このような粗測定は位相比較でも行なわれる。しかしな
がら、その位相を測定すべき夫々の信号には機械的回転
あたり1電気サイクルだけしかないから、電気的位相の
360度は入力ロータ3が丁度360度だけ機械回転し
たことに対応する。更に、2つの1回転1回マーク間の
粗位相測定値を求める際に、ロータ回転あたりn個の精
サイクルをクロックとして使用することができる。これ
によって粗測定のモータ速度変化の影響がかなり軽減さ
れる。ハード的に1回転1回の信号を発生するため入力
、基準ロータに夫々個別にセンサを備えるかわりに、入
力、基準ロータから夫々歯を1つ取除くだけでこの信号
を容易に得ることができる。図2で、歯20と21が夫
々基準ロータ5、入力ロータ6から取除かれている。マ
イクロプロセッサは1回転1回のマークほども長い周期
を認識できるとともに、無くなったサイクルからそれが
実際にそこにあった場合どうなっていたかについての高
精度の推定をすることができる。
【0041】1回転1回のマークの他に考えられる使用
法は丁度1回転分のデータを集めるための時間間隔を指
示することである。丁度1回転分のデータは本発明の位
相測定技法において重要である。しかしながら、このよ
うな方法では、このような時間間隔の開始時点が制限さ
れ(つまり、1回転1回マークの検出時点しか開始時点
になれない)、測定の進行をかなり遅くする。プロセッ
サが利用でき、且つロータ極数が変らないのであるから
、丁度1回転分のデータを集める好ましい方法はサイク
ルを数えることである。このようにして位相測定は任意
の極がいずれのセンサを通過した時点で開始することが
できる。
【0042】センサの偏心(および、モータの傾きなど
のような他の条件)から生ずる誤差は、先行技術による
装置のように、複数の入力センサ出力のアナログ和およ
び複数の基準センサ出力のアナログ和をその位相比較前
に作らないことによって益々減少できる。その代り、信
号は分離されたままになっており、各独立のセンサから
の位相情報はそれら信号のタイミングに厳密に関係する
測定によって探される。これによって位相だけに基づく
偏心補正ができる。前にも述べたとおり、従来の技術に
おいては、複数の信号の代数的加算を行なう際、必然的
に大振幅信号の位相が小振幅の信号の位相情報を抑圧し
てしまっていた。本発明においてはこの欠点はない。こ
のことが重要である理由は、偏心が存在すれば同時に信
号振幅のかなりな(しかも非線形の)変動をも引き起す
からである。
【0043】最初に位相を測定し次にその結果を平均す
る技法は、他の方法よりは、一般に「1周1回」誤差、
「1周2回」誤差などとして知られている種類の他の種
類の誤差を減らす上にも有利である。1周1回誤差は入
力角度の周期関数である測定角度中の誤差であり360
入力度の周期を有している。1周2回誤差は180入力
度の周期を有している(入力の1回転中に誤差関数が2
度繰返す)。1周1回誤差を減小するには平均化と共に
直径の反対側にセンサを配置するのが良い。1周2回誤
差を減小するには平均化と共に直径の反対側に配置した
センサを90度ずらして2対配置するのが良い。これら
のおよび関連する技法の有効性は最初に位相を測定中し
その後で平均することでかなり向上させることができる
【0044】最後に入力、基準センサ間のクロストーク
は変換装置の精度にかなり影響することがある。この影
響はロータが丁度整数回だけ回転する期間にわたり測定
すると共に、入力ロータ5の歯車を基準ロータ6の歯数
と等しくないように適当に選定することによりほとんど
全く除くことができる。
【0045】前記の特徴は従来の位相比較回路で実行す
ることは困難であるかまたは不可能であることが明らか
である。しかしながら、以下に詳細に説明する様な、マ
イクロプロセッサベースの装置を用いれば、効果的に且
つ能率よく実行される。ここにおいて、マイクロプロセ
ッサは記憶装置の中にセンサからの4つの方形波信号の
遷移方向およびその生起時刻の表を作る。この表は4つ
の信号のいずれかが遷移することにより起動される割込
処理ルーチンにより作られる。割込状態でないときには
、マイクロプロセッサは、測定要求があれば直ちに、既
に表の中にあるデータの処理を開始することができる。 表を循環式にすることができるから、充分古いデータは
自動的に新しいデータで書き変えられる。
【0046】角度変換装置のブロック図図3Aないし図
3Cは前記の特徴を備えた角度変換装置の簡略ブロック
図である。図3Aないし図3C中の構成要素のうちで図
1及び図2中に対応するものがある場合は、物理的外見
は多少異なっていても、図1及び図2中の対応する参照
符号をそのまま用いる。
【0047】まず図3Aを参照すると、基準ロータ5と
入力ロータ6は、軸22が図2のロータ軸4に対応する
軸に関して回転するように取付けされている。説明を簡
単かつ容易にするため、図2でもっと複雑になっている
ロータ取付部と駆動機構は、ここに示すものと置き換え
てある。軸が22である回転軸を駆動するモータおよび
その回転軸を支える軸受は共に図示しない。しかしなが
ら、ここで描いた構造は確実に動作するものであり、も
し使用する場合にはロータ軸は非磁性材料、たとえば黄
銅で作られる。
【0048】入力ロータ6の極数は或る整数Qであり、
基準ロータ5の極数は、他の整数Pである。実際の実施
例ではQは120であり、Pは144である。しかし、
見やすくするため本図では回転子5と6と極数はずっと
少なく描いてある。このため、これによって欠除極20
,21を明瞭に示すことができる。ここに説明する好ま
しい実施例の場合のように、1回転1回の標示マークと
して欠除極(たとえば、歯を除去した歯車)を用いると
きは、物理的な歯数は夫々(P−1)個,(Q−1)個
しかないが、それでもなおP個の極およびQ個の極と言
う表現を用いる。勿論、その意味は(P−1)個及び(
Q−1)個の「実際の極」と2個の「名目上の極」とが
あることであり、後者はその不存在によって独立に検知
することができる。換言すれば、欠除極を極として数え
るということである。もちろん必ずしもこのように考え
る必要はなく、たとえば、本実施例における極数Q=1
19およびP=143であるとして構造を特徴づけ、欠
除極を極としては解釈しないこともまた容易に可能であ
る。つまり、この別の解釈においては、欠除極を2つの
極の間に丁度入る全く別の1回転1回の標示マークと考
えることになる。以後の説明に照らしてこれら2つの方
法は、最終解析において、同じ事柄を同等に見ている2
つの方法であることが明らかになる。
【0049】基準センサ8,9は基準ロータ5に関して
直径の反対側に位置している。各基準センサは磁石23
,24、透磁性極片25,26及び検知巻線27,28
を有している。基準センサ8,9は基準ステータ2の一
部であり、固定された位置に置かれている。入力センサ
10,11は同じ構造であり、入力ロータ6に対して直
径の反対側に配置されている。これら入力センサ10,
11は入力ステータ3の一部であり、入力角度の方向と
大きさとに応じて一体となって動く。
【0050】独立した基準センサ8、9及び入力センサ
10、11の各々は、その出力が他のセンサの出力に代
数的に加算されることはなく、別々に対応するデータを
与える。この様にするため、独立した基準センサ8、9
及び入力センサ10、11は増幅器29ないし32に夫
々1つずつ結合している。増幅器29ないし32の出力
は夫々ゼロ交叉検出器33ないし36に夫々1つずつ結
合している。
【0051】後の説明の便宜のため、入力ステータ3上
のセンサ10,11に関連する信号及びデータに夫々A
,Bという名を付け、基準ステータ2上の基準センサ8
,9に関連する信号及びデータには夫々X,Yという名
を付ける。A,B,X,及びYは一般に関連する信号経
路の情報内容を言うものであって、その経路上の特別な
点での信号の特別な電気的形式を指すものではない。
【0052】図3Bを参照するに、データA,B,X,
及びYは夫々遅延回路37ないし40の対応する1つに
送られる。遅延回路37ないし40を実現する方法自体
は重要ではない。これらはある仕様を満たしさえすれば
いろいろな方法で実現することができる。この仕様とし
ては第1次段の回路において遅延信号と非遅延信号とを
比較することにより信号遷移を検知することができるの
に充分な遅延を与えなければならないということである
。第2に、各遷移が確実に検出できる様にするため、遅
延は遅らされる信号の周期の1/2未満でなければなら
ないということである。そして第3に、遷移のタイミン
グがあるクロックによって量子化されるならば、遅延量
はそのクロック周期の1/2以下でなければならないと
いうことである。第3の仕様は2つの連続する遷移が量
子化されたとき、これらが異なる状態として分離される
様にすることにより、これらが単一の検出結果に埋れる
ことがないようにするものである。図3Bについてこの
ことを具体的に示せば、これは2つの連続する遷移があ
っても、その各々についてEVENTと呼ばれる信号が
1つずつ別個に出されるということを意味する。このよ
うな遅延を実現するにはいろいろな手法があり、それら
を提案することもできるが、図3Bに示す回路は簡単か
つ好都合に上の仕様を満足している。以下では4個の同
一な遅延回路37ないし40のうちの1つを代表として
とり上げて説明する。
【0053】遅延回路37には2個のD型ラッチ41と
42とがある。D型ラッチ41のD入力はゼロ交叉検出
器36の出力に接続されている。クロック信号回路45
から発生される互いに逆極性のクロック信号CLK43
,/CLK44(/によってオーバーラインを表わす)
の前縁でD入力に現在ある信号Aの値がラッチされD型
ラッチ41のQ信号に現れる。Q出力はD型ラッチ42
のD入力へ与えられ、今度はクロック信号/CLK44
によって計時される。クロック信号/CLK44の前縁
でクロック信号CLK43の半周期遅れで、D型ラッチ
41にラッチされた値がD型ラッチ42にラッチされ、
そのQ出力に現れる。クロック信号CLK43のなお半
周期後に、他の(そして、前回と異なっているかもしれ
ない)信号Aの量子化サンプルがD型ラッチ41にラッ
チされる。信号Aの遷移は、クロック信号CLK43の
半周期分だけ離れた2つのQ出力の値が異なるという事
態として現れる。
【0054】遅延回路37ないし40に対して夫々XO
Rゲート46ないし49が1つずつ対応している。たと
えば、信号Aについては、XORゲート46は遅延回路
37の2つのQ出力に接続される。信号Aの遷移がたび
毎にXORゲート46は最後に量子化された値Anが前
に量子化されたAn−1に等しくない半周期を検出する
。このような差を検出すると対応する信号ΔAが発生さ
れる。他の信号ΔB,ΔX,ΔY,及びΔYは夫々XO
Rゲート47ないし49で発生される。
【0055】ORゲート50には信号ΔAないしΔYが
入力され、信号A,B,X,およびYのいずれかが正ま
たは負の方向の遷移をしたことを表わす信号であるEV
ENT51を発生する。EVENT51のパルス幅はC
LK43の周期の1/2である。上に述べた遷移方向お
よびその時刻の表用のデータは次に述べる回路で集めら
れる。先に述べたクロック信号45の周波数500KH
zである。500KHzの信号CLK43はまた時間の
進行を示す情報を提供する12ビットのカウンタ52に
与えられる。500KHz及び12ビットという値は或
る程度任意に選べる。便利さ、費用、および性能等から
これらの値がほぼ定まってくる。他の周波数および他の
ビット数も確かに可能である。
【0056】信号EVENT51が発生する毎に、その
前縁における時刻および状態のデータが数個の一時ラッ
チのうちの1つに記憶される。新データカウンタ53は
どの一時ラッチに記憶されるかを指示する。信号EVE
NTの後縁で新データカウンタ53が進歩される。新デ
ータカウンタ53は、今の例では0、1、2、3、0、
・・・・と数える。新データカウンタ53はその計数値
Nをデコーダ/マルチプレクサ54に与え、時刻及び状
態データの一時的なラッチ先として、4個の一時ラッチ
の次の(Nの計数に続く)ものを選択する。状態データ
は遅延回路37ないし40からのXn−1からAn−1
までの信号である。この4ビットの情報は最近の遷移の
直前における信号A,B,X,およびYの各々の値を表
しており、EVENTの前縁でラッチされる。これらを
その以前捕捉され貯えられている以前の信号と比較する
ことにより、最近のものの1回前の遷移の性質がわかる
。今の信号のEVENTの生起の原因となった最近の遷
移の性質は信号EVENTの次の発生時に明らかになる
。以下同様である。
【0057】信号EVENTが発生し一時ラッチ55な
いし58のうちの次に記憶が行なわれるものが選択され
るごとに、Xn−1からAn−1についての状態データ
が、カウンタ52の現在の計算値と共に、その選択され
た一時ラッチに貯えられる。
【0058】新データカウンタ53の歩進計数値Nは今
や、やはり0、1、2、3、0....と計算する割込
キャッチアップカウンタ59の計数値Iとは等しくない
。これにより比較回路60がカウンタ53、59のN,
I出力に結合された比較回路60は両者の計数値が不一
致であることを意味する信号N≠Iを発生する。信号N
≠Iはマイクロプロセッサ61の割込要求入力に加えら
れる。これはマイクロプロセッサ61に表に加えるべき
追加データがあることを知らせる。するとマイクロプロ
セッサ61は割込サービスルーチン(ISR)を実行し
て一時ラッチから新しいデータを検索してそれを表に入
れる。詳細は使用する夫々のマイクロプロセッサにより
異なるが、行われる事柄の一般的説明はこのとおりであ
る。ISRは割込キャッチアップカウンタ59を歩進さ
せる。歩進した計数値Iはデコーダ/マルチプレクサ6
2に加えられる。デコーダ/マルタプレクサ62は次に
、状態および時間のデータをマイクロプロセッサに送る
ラッチとしての一時ラッチ55ないし58の次の計数値
を(Iの計数値の順に)選択する。
【0059】このようにして、新しいデータが貯えられ
たとき割込要求が発生する。状態および時間の情報は、
マイクロプロセッサが決して5遷移以上遅れない限り、
マイクロプロセッサがデータを記憶装置に貯えることが
できるようになるまで一時ラッチにより記憶される。こ
の機構によりA,B,X,およびYの任意のまたはすべ
ての信号が各遷移で変化することができ、連続する量子
化遷移を捕らえることができる。
【0060】図3Cはマイクロプロセッサ61が状態及
び時間のデータを記憶するために何を行なうかを簡略化
された表とともに示している。第1に、割込制御下で、
マイクロプロセッサはランダムアクセス記憶装置63の
中に状態遷移とその関連時刻との表を作り上げる。実際
の構成は図3Cに簡単に示すことができるよりははるか
に複雑であり、或る特徴については具体的な構成ごとに
異なることがあるけれども、本図は一般的考え方を適切
に示している。状態データは遷移の性質をつきとめるた
めに検討され、それの記号的標示の幾つかが準備され記
憶される。関連する時刻も記憶される。ここに述べる好
ましい実施例ではマイクロプロセッサは12ビットの5
00KHzの時間情報(1カウントにつき2μsecで
4096カウント、すなわちカウンタを一杯にするのに
8,192μsec)を、ある時刻Toで始まる絶対時
間軸上の点に変換する。時刻Toがいつ始まるかは特別
に重要であるというわけではないが、測定の開始点と一
致されるのが便利である。(これは測定要求を受け取る
と単に記憶装置内に既に記憶してあるデータを使うかわ
りに、回転で起きる他のデータを待っていることを意味
する。両方法とも同様にうまく動作する。)この目的の
ため、カウンタ52は必要に応じて簡単に動作し最大値
からゼロに戻ることができる。ファームウェアはカウン
ト値がゼロに戻ったことで値が急に低下したことを検出
し必要な4096カウンタを加え戻して正しい計数値を
発生する。修正された計数値は次に、でき上っている絶
対時間スケール上に得られた前の値に加えられる。これ
が今度は新しい値となり、処理が続行される。これがう
まくいくのは、毎秒3回転且つ1回転あたり120枚の
歯とした場合、(ロータの回転方向の入力ステータの回
転と歯車の歯形の非対称との他に、他の歯車の存在も無
視すると、相続く正の遷移の間は精々2.778μse
cだからである。絶対時間スケールの開始と再開始は実
現にあたり便利な事柄である。
【0061】マイクロプロセッサは新しい正の遷移のデ
ータを表に付加しつづける。負の遷移に関するデータは
単に無視される。表は性格上循環的に構成されているの
だから、1回転以上古いデータが入っている古い部分は
新しいデータを貯えるために使用される。マイクロプロ
セッサは欠けた歯を注視し、何からの手段により後に位
置決めし易いようにそれらにフラグを立てておくか、あ
るいは好ましくは、欠けた歯が来たときそのロータに関
連するファームウェアの極カウンタを再スタートさせる
。以下の説明では、これらのカウンタの計数値をP#(
基準ロータについて)およびQ#(入力ロータについて
)と呼ぶ。P#及びQ#と表記することはロータ毎に極
カウンタが唯1つあることを意味している。実現形態に
よっては、このようにしてもよいし、あるいは好ましく
はセンサごとに極カウンタを置くのが良い。この点につ
いては後に論ずる。
【0062】欠けた歯の検出はその周期が異常に長いこ
とから(すなわち、歯の検出間隔が大きくあくことから
)検出される。欠除した遷移を示す簡単で満足な方法は
、それがあるべき場所にそれを置くことである。たとえ
ば、その正の遷移を隣接する正の遷移の中点に置く。 平均化のような、一層精巧な方法も可能である。
【0063】使用システムが角度測定を必要とするとき
は、測定要求信号を発生する。これもマイクロプロセッ
サに割込を起す。これによりマイクロプロセッサが表の
中のデータの処理を、最も早く入っているものから始め
る。これはロータの以前の完全な1回転分のデータにつ
いて続けられる。必要な完全回転(full  rev
olution)は表中に貯えられている遷移を数えて
検出される。一旦測定値に関する計算が完了すると答が
記憶装置に置かれ測定完了信号が使用システムに送られ
る。代りに、測定要求信号の生起に続く新しい回転に関
連するデータを集め、そのデータを処理して角度を求め
ることもまた望ましい。丁度今終った回転のデータを使
用するかあるいは測定完了信号の直後のデータを使用す
るかの選択は実際の装置の設計上の問題である。
【0064】前の半回転分のデータを測定要求信号を受
け取ると直ちに保持し続く半回転で起きるデータと組合
わせて答を出すようにすることも望ましいことである。 この様にすれば、入力角度が或る最大値より少ない一定
の割込で変化している場合でもこの変化の影響が相殺さ
れることもわかる。従って答は測定要求信号が発せられ
た頃の入力角度の値を表わす本質的に正確な答になる。
【0065】表の中に状態および時間のデータを構成す
るいろいろ変ったしかし同等な方法はそのデータがどの
ように使用されるかの説明が進むにつれて明らかになる
であろう。
【0066】位相測定技法 図4ないし図9Cは入力ロータ及び基準ロータを関連す
る各々1つの入力センサ及び基準センサと共に理想化し
て表わした概要図である。これらの図は単一位相測定A
X,AY,BX,BYがどのように行なわれるかを説明
する上に有用である。
【0067】図4ないし図9Cの構造は磁気センサの前
の回転して通り過ぎる高透磁率の極に限られない。本発
明の位相測定技法は、同じ周期を持つ2つの「標示」間
の位相測定に使用することができる。ここでこの2つの
標示に必要な条件としては、各標示内で既知の回数の事
象が生起し、各事象の標示内の生起位置は周期毎に変動
しないことだけである。この技法はまた標示内の事象の
間の間隔が一様でないことにも影響されない。
【0068】すなわち、ロータは光センサと協動する溝
付円板または他の光学的エンコーダでよいし、あるいは
変位の関数として、または現在の例では磁気センサ付の
歯車として、その値が周期的に変るコンデンサでもよい
が、そのように発生した信号の位相は本技法によって容
易に測定することができる。1回転あたり(あるいは単
位時間あたり)発生する信号の変化の数はロータ間で同
じである必要はなく、またロータからの信号の個々のサ
イクルの周期が一定である必要もない。特に、角度変換
器の歯車に関して考察している例題について、本発明の
位相測定技法は、原理上および実用上、歯車の歯の配列
誤差に鈍感である。
【0069】次に図4を参照すると、基準ロータ5と入
力ロータ6とが概略的に描かれている。各ロータに1つ
ずつのセンサ(すなわち基準センサ8と入力センサ10
)が設けられている。直径の反対側にある第2のセンサ
は本発明のこの特徴を説明する上で簡略にするため省い
てある。第2のセンサの発生する信号の位相は図示した
個々の1つのセンサについて説明したと同じ一般的仕方
で同時に測定される。これらは同じ回転中に測定される
が、それ自身の値P#とQ#とを持っている。4つのセ
ンサについて位相がとのように測定され次いで偏心の影
響を除くため組合わされるかについては以後の章で論ず
る。今のところは、図4の理想化した概略構造には偏心
はないと仮定する。
【0070】P,Qを夫々基準ロータおよび入力ロータ
上の極(歯車の個々の歯)の数であるとし、またRを回
転子が1回転を完了するに要する時間の長さとすれば、
入力ロータが経験する角度は(ラジアンで)下の式(1
)で与えられる。
【0071】
【数1】
【0072】式(1)の導出法、解釈等については以下
で詳細に述べるが、ここでもこの式の中で用いられてい
る記号等について多少説明する。式(1)でΣTQ[i
]とΣTP[i]は関係するセンサからの信号の連続す
る前縁の生起の時刻を、いくつかの便宜上の開始時刻の
うちの1つから測り始め丁度1回転を完了するまで加算
したものである。(なお、Q[i],P[i]等は夫々
Qi,Piを表わす。電子出願の文書の仕様上、2段階
あるいはそれ以上の部分行下げはできないので、2段階
目以降の添字は全て[]に入れて表現する。)ΣTQ[
i]は入力センサについてのQ個の連続遷移の合計であ
り、ΣTP[i]は基準センサについてのP個の連続遷
移の合計である。時間Rは式(1)を使用する毎に同じ
である必要はない。その都度の時間Rの値は夫々の位相
測定を行なうときに測定することができる。この時間R
の測定は、たとえば、基準センサ出力中のPサイクル離
れている2つの事象の各生起時刻を比較したり、または
入力センサ出力中のQサイクル離れている2つの事象の
各生起時刻を比較して容易に行なうことができる。P#
,Q#は各ロータについてどこで加算が始まったかを、
各々の固定の基準点から数えたものである。P#の範囲
は0からP−1までであり、Q#は0からQ−1までで
ある。各ロータの基準点は便宜的にその欠けた極として
よい。項Ψは夫々のロータの形、その極配列に関する特
定の不正確さなどにより決る或る定数であって、夫々の
個々の変換器に関する信号対につき1回だけ求められな
ければならないものである。項Ψはθの関数ではない。 もし式(1)の位相測定技法を使用して、逐次的に得ら
れた結果からはじめの結果を差引いて個々の測定結果を
得る等の手法を用いて初期設定から逐次的な角度変移を
求める場合には、Ψの値を知る必要さえない。すなわち
、それぞれのΨはすべて相殺されて、結果としてθのい
ろいろな値の差だけが残る。
【0073】合計を作りP#およびQ#の値を求める規
則がある。入力角度を測定する要求はロータの回転に関
係する任意の時刻で起り得る。加算は基準ロータから得
られた任意の前縁、たとえば測定要求に続く最初の前縁
で開始することができる。(すべての測定は代りに後縁
を用いて行なうことができる。)欠除の推定位置で開始
するか否かは実際の装置を作る上での設計上の問題であ
る。設計者は夫々のシステムで最良のものを選択して差
し支えない。基準ロータ5のいずれかの極を現在の開始
極(P個の極のi番目の極)として、或るTo=0を時
刻の基準として測定を始めて、P個の連続する時刻の合
計を互いに加え合わせる。簡単に図4を参照するに、P
1が開始極であり、且つP1がセンサを通過した時刻が
0であるとすれば(一時的な便宜上の仮定)、TP[i
]の所定の合計は下の式(2)に示す時間間隔の合計と
同じになる。
【0074】
【数2】
【0075】議論を進める前に、Σ記号の使用に関して
注意するのが順序である。たとえば式(2)について、
上下限1,yがTP[i]に現れる添字の数値ではない
ということは多少不便である。勿論、意味するところは
1からyまでの間隔を定義するのに必要な特定の値から
始めて、i mod Pの対応するP個の値を取るとい
うことである。これらの式および以後の式は、勿論、完
全に従来の記法を用いて表現することができる。しかし
、そうすることはそれに対応して情報内容が増えないで
記号の量だけが増加することになると思われる。正しく
理解すれば、Σ記号についてここに取った記法により、
明確でしかも比較的簡単且つそれ自身本来の役割を良好
に果す記述的記号ができ上がる。Δθ及びΔφJ,Kの
記号を導入する場合は特にそうである。これらの構成に
は任意の大きさの間隔が含まれており、またこれらは和
の中に含まれてはいるが、これらが常にi mod P
の値で満足に表わされているわけではない。
【0076】(2)式を各時間間隔1,m,n,...
.y毎にまとめると、以下の様に表現される。
【0077】
【数3】
【0078】また、TQ[i]の加算も同様にして以下
の様に表現される。
【0079】
【数4】
【0080】ここで、「加算は時刻ゼロから始まる」と
いう仮定をしても上述の式は一般性を失うことがない。 またこの仮定により以下の説明における式を簡単にする
便宜がある。式(1)についてだけ見れば、0でない時
刻から加算を始めたとしてもその効果は自分自身で相殺
されるので、このような「0に等しい初期時刻」という
仮定は必要としない。これがどのように起こるかについ
ては、説明が進むうちに指摘される。
【0081】図4および式(2)と(3)とにおいて記
号1,m,n,....y,zは基準ロータの極の間の
増分時間(時間間隔)を表わす。回転速度が一定である
と仮定すると、ロータ上の極が等角度で配置されている
場合に限って時間1,m,....zは等しくなる。基
準ロータも入力ロータも高精度位相測定を可能にするた
め特別に高い精度で極を配置する必要はないことをここ
で強調しておく。原理的には、基準ロータについての時
間間隔1,m,n,....zは入力ロータの対応する
時間間隔a,b,c,....kとともに、ロータ上の
極の間隔の異なる任意の配置を表わすことができる。実
際上は、時間間隔1,m,n,....zは時間間隔a
,b,c....kと同様等しくなる傾向がある。この
ようにしたい充分な理由がある。このような規則性があ
れば欠除極を確実に検出し、センサでの不適当な過渡現
象(undue  transient)を防止し、ク
ロストークを抑制するに役立つ。しかし他には、このよ
うな均一性がないからと言って原理上位相測定の精度が
低下しない。以下の吟味を通じて、時間間隔1,m,n
,....zおよびa,b,c,....kは個別の数
として取扱い、またけっして等間隔に配置された極を表
わすものとは仮定しない。
【0082】入力ロータ6の時刻の加算は基準ロータ5
の場合と丁度同じ時刻に始まる。一般には、この開始時
刻は入力ロータ6から得られる遷移に一致して始まるも
のではないが、極配置と入力角度との関数であり、また
一致して始まることがある。いずれにしても、同じ一般
規則が適用される。開始時刻から始めて、入力ロータ6
の次のQ個の極の時刻が加算される。再び図4を参照す
るに、基準ロータ5と同様、入力ロータ6の極の間の増
分時間、つまり時間間隔がa,b,c,....kと表
示されている。代表的には、和の第1項はa,b,c,
....kのうちの1つの時間間隔の一部分である。そ
の割合がどれ程であるかは部分的には、入力ステータ3
の回転角、すなわち入力角度によって決まり、以後の説
明ではその一部分をその使い方によってΔθまたはΔφ
と呼ぶことにする。
【0083】たとえば、図5において、入力ステータ3
の入力センサが、加算の開始時点において極QからΔθ
だけ手前にあったとすれば、入力ロータ6についての合
計は以下のようになる。
【0084】
【数5】
【0085】夫々の合計において、時間間隔a,b,c
,....y,zのうちの1つ及び時間間隔1,m,n
,....j,kの1つは現れないことがわかる。すな
わち、たとえば
【0086】
【数6】
【0087】一見して、これは丁度一回り分について合
計することによって加算を完結し切っておらず、有用な
情報が捨てられているかの如く見える。しかしながら、
各極に関係する時刻は皆使用されている。基準ロータで
はある1つの極についての時刻は(一時的に)そのロー
タ上の残りの極に対する基準としての他に、入力ロータ
上のすべての極についての基準として採られている。欠
除極についての「欠けた」時刻を算入するには2つの極
の「二重使用」を伴う。更に、ここに与えた規則には式
(5)から見ることができる望ましい性質がある。すな
わち、Δθ項の計数は、Q+1あるいはQ−1ではなく
丁度Qである。何故これが有用であるかは説明が進むに
つれて明らかにされる。
【0088】最後に(式(1)の)P#,Q#の項は各
ロータの絶対基準極が通過してから加算が始まった時刻
までに、各ロータ上の極が幾つ通過したかに注目するこ
とにより決る。絶対基準極は便宜的に普通の極または欠
除極でよい。たとえば、P1,Q1が夫々基準ロータお
よび入力ロータについての絶対基準極であるとすれば、
P#はP1が開始極のとき0であり、P2が開始極のと
き1であり、P3が開始極のとき2であり、以下同様と
なる。同様にして、P#はQ1がP側、つまり基準側の
開始からの最初のQ極であるとき0であり、Q2が最初
の極のとき1であり、Q3が最初のとき2であり、以下
同様となる。任意の特定の測定に対するP#とQ#との
値は記憶装置に記憶された遷移と時刻とのデータを検査
することによりマイクロプロセッサ61で容易に決定さ
れる。
【0089】次に図4に戻ると、図4に示すものから始
まる一連の可能な場合を解析することにより、式(1)
が所要の結果を生ずることがわかる。
【0090】図4はP個の極を有する基準ロータ5とQ
個の極を有する入力ロータ6を概要図で示している。2
つのロータは回転のため共通の軸に取付けられている。 基準ロータ5のP個の極はP1,P2,P3,....
PPであり、時間Rに1回転の速度の一定の角速度で基
準センサを通過して回転するとき、時間間隔1,m,n
,....zを生ずる角変位で区分されている。入力ロ
ータ6のQ個の極はQ1,Q2,Q3,....QQで
ある。これについての時間間隔はa,b,c,....
kである。
【0091】図4は幾分簡略化されてはいるもの、入力
角が0度の場合を表わすものとしてよい。これは入力ス
テータ3上の入力センサ10の位置について見れば入力
ステータ3が0度のとき基準ステータ2の丁度上にあり
、またこのような条件下でP1とQ1とが夫々関連する
センサを同時に通過する(すなわち、TP[1]=TQ
[1]))ということである。この様に仮定してもよい
ということは以下の説明が進むうちにわかることなのだ
が、簡単に言えば、次の様になる。すなわちこれらの仮
定が成立しないとしても、結局は個々の答に或る一定の
オフセットがかかってくるだけなのである。しかし、わ
かるとおり、とにかく、答には或る一定のオフセットが
ある。オフセットが具体的に何であるかは問題ではなく
、オフセットを2つの部分に分けなくてもよいことで説
明が簡単になる。実際には、センサが0度で互いに他の
直上にあるか否かということ、あるいは「0度」でTP
[1]がTQ[1]に等しいか否かということに注意を
払う必要はない。
【0092】しかしながら、これらの仮定をして、TP
1のわずか先に起った測定の要求に続いて得られる式(
6b)および式(7)に示す差異を考える。
【0093】これらの式に戻る前に、式(6b)の導出
法を説明しておくのが順序である。まず始めに、式(6
b)が正しい等式であることは明らかであるが、先行す
る何物からこの式が導かれたかについては言及しない。 (式(6b)が等式であることを示すには左辺に式(3
)及び式(3’)を適用すれば良い)。式(6b)が等
式であることは証明できるが、それでもなお式(6b)
の左辺の各項が何処から来たかを尋ねるのが公正である
。その答はそれが考察に便利で都合がよいということで
あり、それ以外の何物でもない。それは経験により得ら
れたものであり、本発明の位相測定技法に質問を投げか
ける便利な場所として役立つ。或る意味で、単に次のよ
うな質問をしていることになる。:「この差〔すなわち
、式(6b)の左辺の各項〕を作ったと仮定せよ。 それでどうなるか」と。答としては、1つには得られた
式は再構成することによりθに関する式を作ることがで
きるということであり、最後にこの差は式(1)中に現
れる量に計数Qを乗算したものである。すなわち、
【0
094】
【数7】
【0095】式(6a)の右辺の括弧内の量は入力ロー
タ6の極の生起の平均時刻から基準ロータ5の極の生起
の平均時刻を減じたとき得られる時刻の差と考えてよい
。後程、このような生起とその差との平均時刻について
大いに言及しなければならなくなるだろう。しかし、暫
くは、式(6b)を調べると何が得られるかについて再
度議論しなければならない。
【0096】
【数8】
【0097】よく考えてみると、極が等間隔であるとい
う束縛がないから、ψは(回転時間Rが一定と仮定して
)ロータによって決る或る定数になっていることがわか
るであろう。ψの値は大きく見積って一方の端が−QR
、他が+QRの間の範囲にあるが、具体的な値を予見す
ることはできない。一般に、信号対AX.AY,BXお
よびBYの位相測定をすれば各々にそれ自身別個のψの
値がある。それにも拘わらず、ψは有用であり、これに
ついて再び言及する機会があるだろう。なお、図4に示
した例ではP#,Q#はともにゼロであることに注意さ
れたい。
【0098】今度は図5を参照すると、図4に比較して
変更されているのは、入力ステータ3を正の小さな角度
θだけ回転させたという点である。図4について説明し
たように、加算をTP[1]から始める。角度θは充分
小さいと仮定するので、TQ[1]は入力ステータ3に
ついてのTO後に検出される最初の遷移である。すなわ
ち最初の遷移はTQ[Q]ではなくまたTQ[Q]に先
立って起る遷移のいずれでもない。測定した和の間で式
(6b)と同じ差を作るものとしよう。すなわち、
【0099】
【数9】
【0100】項2πψ/QRはψに関する他の定数であ
ることに注意のこと。したがって次のように書く。 (13)  Ψ=2πψ/QR この記法を用いて(12)式を書き直せば、
【0101
【数10】
【0102】図5の例に関してはP#とQ#とは夫々や
はり0に等しいことに注意されたい。
【0103】さて続いて図6に示した状態を考える。こ
こでP#は1に等しくQ#は0のままである。ここでの
問題は「この条下でθに関する公式は如何?」というこ
とである。
【0104】ロータをこのような状態にするためには極
P2、QQおよびQQ−1を配置し直すと共に、明瞭に
細分できるようにθを大きくしなければならない。この
ように変更しても証明の妥当性あるいは厳密さには一切
影響しない。というのも、P#を0から1にするために
は何かを変えなければならないからである。このような
自由な変形は実際の変換器のばあいに問題を生じない。 というのはその極が固定されていて動き回らないからで
ある。そして最後に、(そして図4ないし図9Cのすべ
てに関して)ロータをセンサの前を横切って実際に回転
させるのではなく、対応する分だけセンサを静止してい
るロータのまわりに位相をずらして示してある。これは
一般に描きやすいばかりでなく、「前後の」重ね合わせ
を楽にすると共に、一般に図をたどるのが簡単且つ容易
になる。
【0105】さて、本題に帰って、図6に示されている
特定の場合について測定した和についての前と同様の差
について考える。
【0106】
【数11】
【0107】図6に示すΔφ=Δθ−lを代入すると、
【0108】
【数12】
【0109】ところが、l+m+n+・・・・+zは1
回の回転時間Rに等しいから、
【0110】
【数13】
【0111】式(15)の左辺と式(20)から下式が
得られる。
【0112】
【数14】
【0113】式(22)と式(14)とを比較すると同
じでないことがわかる。式(22)は括弧内に1/Pを
含んでいるがこれは式(14)にはないものである。こ
の2組の状況の差は(14)ではP#が0に等しく式(
22)では1に等しいことである。下に追加検討する2
つの特定な場合から得られる式についてP#,Q#およ
び差の関係が強く暗示される。最後の一般化した例題か
らこの関係が確認され、式(1)が得られる。
【0114】次に図7に示す状況を考える。P#は0の
ままでQ#が1に等しい状態を作り出すためθを非常に
大きな正の値(またはわずかに負)とした。以前の説明
と同じ差から式の導出を始める。
【0115】
【数15】
【0116】ところが、図7において
【0117】
【数16】
【0118】が成立することからR−Δθ+Δφ=aす
なわちΔφ=Δθ+a−Rが得られる。これを式(23
)に代入することにより下式を得る。
【0119】
【数17】
【0120】ところが式(19)の上に示したようにa
+b+c+・・・・+kはロータが丁度1回転する時間
Rであることを用いて上式を変形すれば、
【0121】
【数18】
【0122】式(23)の左辺と式(28)をΔθにつ
いて解けば、
【0123】
【数19】
【0124】式(30)の括弧内の右側の項は+1−1
/Qになる。+1は、括弧の外の2πを乗ずると、答を
2πラジアン、すなわち丁度1回転だけ増す効果がある
。θとθ+2πとは等価な答であるから、−(1−Q)
/Qを単に−1/Qで置き換えてよい。よって下式を得
る。
【0125】
【数20】
【0126】前と同様、式(31)は式(14)または
式(22)と同じではない。
【0127】今度はP#とQ#とが共に0でない場合を
考える。これらが夫々1に等しいときどうなるかを考え
よう。このような状況を図8に示してある。前のように
進める。式(33)は図8に示すΔφを代入する。
【0128】
【数21】
【0129】今度は式(14),(22),(31)お
よび(36)を比較する。式(14)の括弧内に(+0
−0)/Rが入っていると考えると、次の各項目及び各
々に関連するP#およびQ#の値を挙げることができる
。 (14)から  +0−0          P#=
0  Q#=0(22)から  +1/P−0    
  P#=1  Q#=0(31)から  +0−1/
Q      P#=0  Q#=1(36)から  
+1/P−1/Q  P#=1  Q#=1
【0130
】これらの結果を調べるとP#/P−Q#/Qを括弧内
の右側の各項の代りに一般的に使用できることが暗示さ
れる。更に厳密に証明を行えば全くそのとおりであるこ
とが示される。
【0131】P#およびQ#の値が、夫々PおよびQよ
り小さい任意の0でない値としよう。この状態を小さな
正の入力角φに関して図9Aに示してある。入力ステー
タ上のセンサはロータの回転方向に基準ステータ上のセ
ンサから角φだけ進ませて示されているから角φだけは
正である。正(1)は等価単極(single  eq
uivalent  pole)の生起の平均時刻の概
念に照らして理解することができる。入力ステータをロ
ータの回転方向に動かすと入力ロータの等価単極に時間
遅れが生じ、基準ロータの等価単極の時刻を減ずると、
ロータの回転時間Rの間で、正で且つ入力角に比例して
時間差が増大する。便宜のため、φ=0のときTP1と
TQ1とは一致しているとも仮定する。すなわち、P1
とQ1とは回転子上に垂直に配列されている。こうする
と説明をたどり易くなるが、証明の終りに、式(1)に
はこのような仮定が必要ないことがわかるであろう。
【0132】いろいろな項目をその添字に基づいて演算
ができるように記述する必要があるが、図9Aないし図
9Cに使用した記号は図4ないし図8に使用したものと
はいくらか違っている。Q個の極を有する入力ロータ6
についての時間間隔a,b,c,・・・・kはここにお
いてはy1ないしyQの名が付いている。同様に、P個
の極を有する基準ロータについての時間間隔l,m,n
,・・・・・zはx1ないしxpの名がついている。
【0133】P#の値をJ,Q#の値をKとしよう。J
とKは夫々xiおよびyiについの1つの添字の中の該
当する値として使用される。また、J,KはΔφに関す
る二重添字としても使用される。項ΔφJ,Kは与えら
れたJおよびKの値に関して得られるΔφを示す。或る
入力φに対する個々の和の一般化した形を式(37)と
(38)に示す。式(39)において前と同じ差ができ
る。
【0134】
【数22】
【0135】(その起原に関する式(6b)の前に述べ
た注意は式(39)にも適用される。式(6b)と式(
39)は記号の違いを除けば同じものである。)
【01
36】さて式(39)に行なうことができるΔφJ,K
の置換を考える。間もなく明らかになる理由により、Δ
φJ,KをΔφ0,0の項に置換することに関心がある
【0137】図9Aを調べることにより、且つ図6が示
すわずかな重ね合せの助けを借りて、次の置換を得るこ
とができる。 (40)  ΔφJ−1,K=ΔφJ,K+xJ
【01
38】このような置換を物理的に解釈すれば、TQiの
合計については、入力ロータ6上の同じ一連の極Qが使
用されるが、加算の開始のため基準ロータ5からの局所
基準(rocal  reference)はこの置換
によりそのロータ上で1極分だけ時間的に手前へずらさ
れたということである。これは基準ステータ上のセンサ
の再位置決めに対応させてもよいが、実際の変換器で期
待できるものではない。一層有用な解釈はロータとセン
サとの物理的関係は変えずにおいて、一方、時刻および
状態遷移の表の中のデータを加算する仕方を調節するこ
とである。すなわち、ΣTP[i]とΣTQ[i]とは
時間的により少ししか重ならないということである。
【0139】いずれにしても式(40)の特定の置換は
、Kが既に0でJが1でないかぎり、充分なものである
とは言えない。式(41a)〜(41b)は基準ロード
5上で極をもつとスキップした場合にこの置換がどうな
るかを示している。 (41a)  ΔφJ−2,K=ΔφJ−1,K+xJ
−1この右辺に式(40)を代入して、 (41b)  ΔφJ−2,K=ΔφJ,K+xJ+x
J−1
【0140】かくて、J,を0にまで減らした場
合の一般的置換は明らかに次のようになる。 (42a)  ΔφO,K=ΔφJ−1,K=ΔφJ,
K+xJ+xJ−1+・・・・・+x1すなわち、 (42b)  ΔφJ,K=ΔφO,K−xJ−xJ−
1−・・・・−x1
【0141】次にKを0に減らすにはどんな置換が利用
できるを考える。図9Bを参照するに、Jに対して与え
られた値によりTQ[i]の加算を開始すべき回転にお
ける時刻を決定するが、どの極QiをTP[J]の生起
に続く「最初」の極と認めるべきかはKの値による。普
通「最初」は「時間的に次」を意味し、Jは周囲条件に
依存するKの値を強制的に定める。置換を進めるため、
その規則を保留し、Kの値を0に固定し、同じJに対し
てことなるΔφを与えることによってプロセスを逆にす
る。
【0142】式(42b)と同様に、ΔφJ,KとΔφ
J,Oとの関係を探す。或るTP[J]後の次のTQ[
i]でΣTQ[i]を開始すると言う規則を述べたが、
この下では量ΔφJ,Oは多少抽象的になる様に思われ
る。この規則によれば、任意の入力角度に対してJが実
効的にKを決定できるようになり、Kは与えられたJに
対してときどき0になることがあるが、普通の場合はそ
うはならない。ここでの直接の質問は「任意のJについ
てKを0にさせることは何を意味するか?」である。こ
の質問は答えやすく、少なくとも所要の置換を進める目
的については、加算につて述べられた規則が過度に限定
的であることを理解すれば、ΔφJ,0の抽象性がかな
り除かれる。(これはこの規則が実際問題として厳しす
ぎるということではない。この規則の効果は、ΣTQi
とΣTPiとをロータのできる限り同一の回転から発生
させることである。このことはモータの速度変化により
発生する悪影響を最小するから望ましいことである。)
【0143】ΔφJ,0への第一歩として、もっと自由
な加算規則の例として、更に実際、有用であるというこ
とからも、先ずΔφJ,0の概念の検討から始める。こ
のことはおそらくわかりやすく、またΔφJ,0を理解
する上で有用であろう。ΔφJ,KがJP[J+1]と
JQ[K+1](J,Kはスキップされた極の数である
、ということを思い出されたい)との間の普通の時間間
隔であるとすれば、TQ[K]はTP[J+1]に先行
するがTQ[K+1]はTP[J+1]には先行しない
場合、ΔφJ,0は (43)  ΔφJ,O=ΔφJ,K+yK+1+・・
・・+yQとなる。
【0144】この物理的解釈は簡単であって、TQ[K
+1]からTQ[Q]までを「次」としては見ないで、
その代りTQ[1]をじっと待つということである。K
をQの値まで上げることはさておき、この唯一の効果は
ΣTP[i]とΣTQ[i]両開始時点の間隔を増加す
ることである。しかし、量ΔφJ,QはなおTP[J+
1]で始まり、TQ[Q]はなおTP[J+1]のあと
で起る。これはΔφJ,0の場合とは異なる。 この極のスキップにより、Q#を値Qにまで上げること
を目指しているのである。これは、極がQ個しかないの
で、普通は決してひとりでには起らないことである。つ
まり、Q#は普通は高々Q−1までの値しかとらない。 それにもかかわらず、Q#がQになれば(これはΔφJ
,Qを発生することになる)、何が起るかを熟慮するこ
とができるし、このようなΔφJ,QとΔφJ,0の探
索との関係を検討することができる。
【0145】ΔφJ,0を図示する上で困難が起りそう
である。というのは、古い規則のもとでは、ΔφJ,0
なる量は「開始する前に終っている」測定を考えること
を要求しているように思われるからである。しかしここ
で考察中のΔφJ,K型の量は単に始まりと終りを有す
る時間間隔を表わすだけである。古い規則のもとでは、
添字Jははじまりを定義し、常に時間的に後になる添字
Jが常に間隔の終りを定義する様になっている。ΔφJ
,0の概念はなお始まりと終りとを有する時間間隔であ
るが、今だけはK側の添字(すなわち2番目の添字)が
始まりを定義し、J側のが終りを定義する。時間間隔の
大きさの絶対値を問題にする限りでは、こうしても2つ
のうちの早い方を「開始」,後の方を「停止」としても
何らかの差異も生じない。ロータはやはり同じ方向に回
転しており、時間間隔の正の増分がやはり測定されるこ
とになる(しかしながら、将来の符号変化に関して、「
基準のゼロ点」を心に留めておかなければならない)。 同様に、測定の過程で幾つかの極をスキップしたとして
も何らの害もない。
【0146】次の仮設的状況がΔφJ,0を理解する上
で役に立つ。図3Aないし図3Cに関連して記した様に
、入力ロータ6と入力ステータ3のセンサとの関係の最
近の履歴を保存しておく或る手段があるとする。TP[
J+1]が起ると、何時極Q1が入力ステータセンサを
通過したかを見つけるために履歴をチェックし、これを
時間間隔の開始時刻として使用する。TP[J+1]が
起った時刻は時間間隔を終らせるが、また加算のために
仮定したゼロ点でもあるとともに、実際の角度情報を運
ぶΔφ型の時間間隔のための仮想ゼロ点でもある。した
がってΔφJ,Kを正と考えるとすれば、ΔφJ,0は
負の値である。これらは互いにTP[J+1]の反対側
にある。簡単な減算から間隔ΔφJ,0の値が見つかる
。実際にこれを行なわないが、このようなΔφJ,0を
負にしたものにΔφJ,Kを加えて組合わせるとこのよ
うな最近の履歴に頼らずにすぐれて測定可能な他の何物
かに等しくなる。すなわち、(44a)  −ΔφJ,
0+ΔφJ,K=y1+y2+・・+yK
【0147】ΔφJ,0を理解する上で他の助けがある
。 考察中のもののような回転系は本質的に法(modul
o)の性質を有する。或る意味では、Qの値と0の値を
有するKの間には意味のある差異はほとんどない。それ
はすなわち以下の様に説明される:Q番目の極がセンサ
に達すると、それをQと数えるか0と数えるかを決定し
なければならない。もしQを選ぶとすれば、TQ[Q]
が間隔に対する「停止」信号となり、先のTP[J]が
「開始」信号となる。もし0の方を選べば、それは「開
始」信号となり次のTP[J+1](すなわち、TP[
J+1]の2番目の生起)が「開始」となる。しかしい
ずれの場合でも円周上の同じ2つの点AとBとを考えて
いるのである。ただ一方の場合にはAからBへ測定して
おり、他の場合にはBからAへ測定しているか、あるい
は同じことであるが、AからBではあるが逆回り方向に
測定している。丁度、同じ方向のこれら2つの測定値の
和は丁度1周分になるから、 (44b)  −(ΔφJ,0)+ΔφJ,Q=R
【0
148】式(43)および(44b)を出発点にとれば
、式(44a)は式(43)から式(44b)を差引く
ことによって得られることに注意されたい。
【0149】式(44a)について移項を行なうことに
より、ΔφJ,KをΔφJ,0で表現した所望の結果を
得ることができる。すなわち、 (45)  ΔφJ,K=yK+yK−1+・・・・y
1+ΔφJ,0
【0150】式(44a)から生ずる−ΔφJ,0を物
理的に解釈すれば、y1からyKまでの和を作るために
は、実際に測定した時間間隔ΔφJ,Kにその値−Δφ
J,0を加えなければならないということである。TQ
[i]についての新しい和が、基準センサがxJ,xJ
−1、などだけ後ろ向きにJが0になるまでスリップす
ることにより測定されるという様な同じ意味での直接の
測定を行なうことはできないが、たしかにΔφJ,0を
熟慮することができる。そこでΔφ0,KとΔφJ,0
との両者につて考える(もっともどちらも実際には測定
しないが)。
【0151】この点で、式(42b)を式(39)に代
入し、図6に関する式(16)ないし式(22)につい
てのやり方にしたがって、この代入の結果を変形してい
くことができる。これからΔφJ,KとΔφ0,Kとに
関する方程式が作られ、これに式(45)を代入するこ
とができる。更に式の変形を続けるとΔφJ,KとΔφ
0,0とに関する方程式が作られる。これが実際、直接
の目的である。同様な仕方で代入の順序を逆にすること
ができる。 すなわち、まず最初にKを0にし、次にJを0にする。 これは単に上に示した手順を実際に行なうことによって
証明できる。更には簡潔さとおそらくは一層エレガント
な証明を望むために、2つの代入を組合わせてもよい。 こうすれば計数の量がほとんど半分になる。これが今か
ら進めようとしている方法なのである。
【0152】さて、ここで図9Cを参照すると、Δφ0
,0と名付けられた時間間隔は単に先行して起るTP[
1]とその後のTQ[1]との間の時間差に等しい。一
旦結合軸上の各ロータの向きが与えられると、Δφ0,
0は厳密に入力角度の関数であることに注意されたい。 またΔφ0,0はP#とQ#とが共に0のとき丁度入力
角度から期待されるものである。視察により次のように
書ける。 (46a)  Δφ0,0−ΔφJ,O+ΔφJ,K=
Δφ0,K
【0153】今度は式(46a)に式(46
b)と(46c)とを代入する。 (46b)  Δφ0,K=ΔφJ,K+xJ+xJ−
1+・・・・+x1 (式(42a)から) (46b)  −ΔφJ,O=y1+y2+・・・・+
yK−ΔφJ,K (式(44a)から)
【0154】ΔφJ,Kについて解いて簡単にすると結
果は (47)  ΔφJ,K=y1+y2+・・・+yK−
x1−x2−・・・・・−xJ+Δφ0,0
【0155】式(47)はまた、下記の状況を表わす図
9Cと同様な図(図示せず)を視察することによっても
得られる。すなわち、基準センサと入力センサとの間の
角度変位は基準センサが加算が始まったときの極P1と
丁度反対になるまで基準センサと入力センサとをロータ
の回転軸の周りに一体として回転させた場合でも一定に
保たれる。TP[1]が起ってからTQ[1]が起るま
で極Q1が回転する角度はφ0,0である。
【0156】式(47)はすべてを1つに複合した「殺
し屋」的置換である。この式はP#,Q#のあらゆる値
についてのΔφJ,KをΔφ0,0に関係付ける。今式
(39)の中のΔφJ,Kに式(47)を代入しよう。
【0157】
【数23】
【0158】図6ないし図8に関連する式について行な
ったと同様y項とx項とから「Rを減算」しよう。Rは
x1からxPまでの(x1およびxPを含む)すべての
時間間隔の合計に等しく、またy1からyQまでの(y
1およびyQを含む)すべての時間間隔の合計にも等し
いことを想起しよう。式(48b)中のy項を考える。 すべてのyiが存在し且つ最小の計数がKであることに
注意する。明らかに、K個のRをy項から引き去ること
により、見慣れた形の和を残すことができる。同様に、
x項は最小計数としてJを有するすべてのx1を含んで
いる。よって、J個のRをこれらの項から引き去ること
によって、もう1つの見慣れた形の合計を残すことがで
きる。下の表1と表2とは夫々KRとJRとの減算を表
の形で示したものである。
【0159】
【表1】
【表2】
【0160】それ故明らかに
【0161】
【数24】
【0162】J=P#およびK=Q#であることを想起
し、φ0,0について解くと、
【0163】
【数25】
【0164】式(48e)の右辺の左側の括弧の中の項
は、記号の種類の相違だけを無視すれば、丁度式(1)
の括弧の中の項である。2πと式(48e)の右側の括
弧の中の項との積は式(1)の定数Ψを定義する。
【0165】上記の式(48e)の右辺の右側の積が実
際に式(1)のΨの値になるということをここで示す。 式(13)に式(7)を代入すると、
【0166】
【数26】
【0167】それ故、式(49a)の記号に式(49b
)ないし式(49c)の記号を代入して良い。これを行
なって整理すれば下式を得る。
【0168】
【数27】
【0169】式(49d)は式(48e)の右辺の右側
部分が実際に正しく式(1)と同等であることを示して
いる。
【0170】以上で示した様に、我々は式(1)を導き
、また式(1)で得られる角θの性質をその過程で明ら
かにした。更にΨを正確に定義した。角θはφ0,0で
あることを示したが、これは簡単に言えば、関連するP
#とQ#とが0でない限り加算を決して始めない場合に
得られる角度である。勿論、その場合にはP#およびQ
#(JおよびK)に任意の値を与えることができること
に比べればもっと厳しい規則が必要であろう。式(1)
と式(48e)の利点はこのような厳しい規則が必要な
いということである。Ψの定義は本質的には0に等しい
φ0,0が入力角度であるとき得られる残留オフセット
である。Ψを求める際に必要な和はP#=0の場合のΣ
TP[i]および正確にQ#=0(すなわち、Δθが残
らない)の場合のΣTP[i]である。0度入力でΔθ
が0に等しいと言うことは言い換えればTP[1]がT
Q[1]と一致しているということである。しかし、式
(1)も式(48e)も「0度」入力に際してTP[1
]がTQ[1]に一致することを要求していない。とい
うのはΨは使用者が「0度」であることを望んでいる入
力値でTP[1]とTQ[1]との間にどんな任意の状
態が得られても正確に基準を提供することができるから
である。これには入力ステータの「0」位置を任意に定
義することばかりでなく軸上で接続されたロータ間の相
互の位置関係を任意に設定することも含まれている。こ
のようなTP[1]とTQ[1]との一致は証明の初め
に行なった簡略化のための仮定の1つであったことを想
起されたい。今やこの特別な仮定は不必要であることを
示すことができる。何故これがそうなるかを見るため、
ステータの「0」位置またはP1のQ1に対する向きに
は無関係に、TP[1]とTQ[1]とが一致する機械
的入力値が1つ存在することを観察する。それが便利な
らこの様な入力条件を0度とみなすか、あるいはそれを
0度とすべきではない場合には或る任意の値αとみなす
。後者を選択したとしてもその唯一の影響は測定した結
果にαのオフセットが入って来ることだけである。オフ
セットαの量は、機械的入力が変化するときTP[1]
とTQ[1]が同時に生起する点を監視することによっ
て確かに見つけ出すこを可能であるが、厳密にわかる必
要はない。このようなTP[1]とTQ[1]の同時性
を生ずる機械的入力角と角度がゼロであるとしたい機械
的入力角との差がαである。αを直接見つけ出すことを
避けるため機械的入力を「0」、「10」等といった任
意の基準値θrefに設定することが時々ある。それで
測定によりθrefの基本値を見つけるために−Ψの項
を含まない修正した式(1)を使用する。しかしその値
は以下の様に表わされる。 (50)  θref=α−Ψideal
【0171】
勿論、αとΨidealの実際の値は未知であり、その
差θrefだけが(測定と修正された式(1)とにより
)既知である。
【0172】次にθrefのその元の値から値の量γだ
け機械的入力角を増してθnewにした結果を考える。 ここで行ないたいことはγを見出すことである。ただし
θnewはその値を得ることができる測定可能な量であ
る。 (51)  θnew=α+γ−Ψidealγについ
て解けば、 (52)  γ=θnew−(α−Ψideal)
【0
173】式(50)を上式の右辺に適用して下式を得る
。 (53)  γ=θnew−θref
【0174】すなわち、γはθrefを基準として測っ
た入力値であって、θrefの値は任意である。α及び
Ψidealの実際の値は決して厳密にわかる必要はな
いということに気付かれたい。また上述の議論から、下
記の如く式(1)を式(1’)および(1”)に書き直
すことができる。
【0175】
【数28】
【0176】式(1’)のθは式(48e)に関連して
説明したように必ずしもφ0,0に等しい必要はなく、
φ0,0とは或る定数だけ異なっても良い。この両者が
等しいか否かは「0度」を表わすために選んだ条件の依
って決る。その条件が「0度」においてTQ[1]とT
P[1]が一致するということであればθは実際にφ0
,0に等しくなる。これは式(49)のΨの定義からお
よび式(1)または(1”)の「0度」条件の効果から
起る。式(1)の場合、括弧内の項はそのときΨの値を
有し、Ψ−Ψは0である。式(1”)の場合、「0度」
でθn’として得られる値はこれまたΨであり、それで
式(1’)はΨが既知である式(1)と全く同じ働きを
する。しかし、「θが0度に等しい」ということがTP
[1]がTQ[1]に一致する条件でなければ、θはφ
0,0に両「ゼロ条件」の差の値である、定数オフセッ
トを加算あるいは減算したものになる。しかし、いずれ
にしても、θの変化分はφ0,0の変化分に等しい。
【0177】当該分野に精通している者であれば、上に
説明した性質を利用する幾つかの方法が可能であること
がわかるだろう。その方法は、一旦実際にαとΨide
alとを見出す(所与の固定された構成についてただ1
度だけ見出す、あるいは電源投入時のような、要求のあ
ったときにそれらを見出すことから電源投入時に初めに
θrefだけを見出して各角度を新しいθrefからの
異なるθnewへの変位として測定することまでに亘っ
ている。これらは与えられた用途にとって最も意味のあ
るものを選ぶという基準によって決定すべき設計上の問
題である。
【0178】Ψが見つかり使用されるか否か、0度とみ
なされる条件、極がロータ上にどの様に配置されている
かなどによって、式(1)あるいは式(1”)でさえも
が時により負の答を出す可能性がある。このような負の
答が得られても、その負の値に単に正の1周分の角を加
えることにより容易に正の値を得ることができるから、
何ら問題にはならない。
【0179】今度は式(1)に戻り、先の証明のはじめ
に行なったもう1つの簡略化のための仮定を再び検討す
ることにしよう。図4ないし図8を参照して、式(2)
と(3)とにおいては、「時刻が0に等しい」時点から
開始すると仮定したことを想起されたい。このことは、
図9Aないし図9Cにあてはめて考えれば、TP[1]
が0に等しいと仮定することと同じである。今度は、T
P[1]は0でないとして、どの様な結果が得られるか
を検討することにしよう。TP[1]を或る0でない値
βとし、これが式(48e)に及ぼす影響を考える。そ
の結論は式(1)にも適用できる。なんとなれば、これ
らの式は等価だからである。
【0180】これまでの説明はすべて時間間隔(a,b
,c,・・・・・およびl,m,n,・・・・あるいは
y1,y2,y3,・・・・およびx1,x2,x3・
・・・)を使って表現してきた。式(2)と(3)とは
、これらの時間間隔の終結時刻を合計すること(式(1
)でのように)と時間間隔を合計すること(こちらの方
が説明上好都合である)との関係を示している。βは時
間間隔のいずれかに対する増分ではなく(つまり、これ
らの時間間隔の値は不変のままである)、TQ[i]の
合計についてであろうとTP[i]の合計についてであ
ろうと、各時間間隔の終結時刻の測定値の共通の増分で
あるというとを記憶しておくことは重要である。式(1
)で行ったように、TQ[i]についてQ個のこのよう
な項の合計がとられ、TP[i]については、P個の項
の合計がとられる。Q個のTQ[i]は夫々βだけ増加
するから、その合計はQβだけ増加する。同様に、TP
[i]の合計はPβだけ増加する。いろいろなTP[i
]がどんな順序になっているかは問題ではないし、また
いろいろなTQ[i]がどんな順序で加算されるかも問
題ではない。すなわち、合計が或るΔφのために式(4
8e)の右辺の左側の括弧内にあろうと、Ψとして右側
の括弧内にあろうと、ΣTQ[i]はおのおのQβだけ
増加し、ΣTP[i]は各々Pβだけ増加する。各組の
括弧内では
【0181】
【数29】
【0182】であるから、β≠0は自己相殺の条件であ
ることは明らかである。
【0183】最後に、式(2)と(3)とを考慮して且
つ簡略化のための仮定に関する先の注意に照らして、式
(1)の意味を強調したい。式(1)が導入されたとき
、そしてそれがここで繰返されるとき、式(1)はP個
の連続する遷移時刻とQ個の遷移時刻との和を必要とす
るということを指摘した。何段にもわたって、時間間隔
を中心に据えての説明を行なって来たので、不用意な読
者はことによったら答を出すためには一連の多数回の減
算を行なって各時間間隔を実際に見つけ出す必要がある
という誤った印象を受けるかもしれない。しかし、実際
はそうではない。説明や証明に時間間隔を用いるのは便
利である。というのも時間間隔はロータ上の極の配置に
対応するからである。しかし、先に指摘した通り、式(
2)および(3)は時間間隔を式(1)に必要な合計に
関係付ける。これらの合計は単に連続するQ個のTQ[
i]を加算し、更に単に連続するP個のTP[i]を加
算することによって正確に得られる。これらの合計を作
るのに減算は必要がない。加えられるTP[i]の第1
番目は0である必要がなく、またTP[i]とTQ[i
]が一致しなければならないこともない。測定が行なわ
れる際には、かくして作り上げられた合計に対して、少
数回の減算および乗算のような他の演算を行なうだけで
よいのである。
【0184】ここにおいて式(1)および式(48e)
の「意味」を検討することは有用と思われる。これらを
上でまさに導いたことはまちがいないし、また事実これ
らの式によりうまく測定できることは明らかであっても
、「何故それが本当にうまくいくか」について何かごま
かされた様な気がするかもしれない。「何故それが本当
にうまくいくか」ということの基礎はある基本原理が存
在する。その原理を取出して手短かに説明することは役
に立つと思う。これをわかった上で、次に角度θを見出
す或る方程式の解釈を提供しよう。
【0185】図10に示す回転している4極のロータを
考える。時間Rでロータが丁度1回転する間にT1から
T4までの各時刻にセンサは信号を発生する。最初の例
のように、極間の時間間隔をa,d,cおよびdとする
。aないしdについての唯一の制限は、これらの合計は
Rになるということである。特に、これらが等しいとは
仮定しない。従って以下の式もしくは条件(イ)ないし
(ホ)が成立する。 (イ)  T1=T1 (このT1はゼロであるかあるいは先行するある時刻T
0=0を起点として測られる) (ロ)  T2=T1+a (ハ)  T3=T1+a+b (ニ)  T4=T1+a+b+c (ホ)  R=a+b+c+d
【0186】ここにおいて下に示す式(ヘ)は「極の平
均時刻」を見出すため、4つの連続する遷移時刻を平均
した結果、すなわち「等価単極」の生起時刻を示してい
る。
【0187】
【数30】
【0188】この平均化または等価時刻は極番号1で加
算開始したことに関するものであるということを理解す
ることは重要である。今「極番号2」で始まる(平均を
開始する上で「a」の遅れ)4つの連続する時刻を平均
した場合、平均時刻あるいは新しい等価単極にどんな変
化があるであろうか?」ということを考えてみる。ここ
までの説明を読んだ上で、新しい等価単極の生起時刻は
時間間隔「a」だけ遅れるであろうと予期するのは誠に
もっともである。しかしながら、これは正に丁度極間の
平均時間間隔となるからである。以下の式(ト)ないし
式(ヌ)に新しい値を示す。
【0189】
【数31】
【0190】式(ル)に示す様に、これら2つの値(す
なわち式(ヘ)と式(ル)の違いは1回転時間の丁度1
/4、すなわちR/4である。2つの極がスキップされ
たとすればその差は1回転の2/4になることがわかる
であろう。更に、4つではなく5つの極があるとすれば
、今度の場合の対応する差は夫々1回転の1/5および
2/5になる。ここで得られることはP#/PおよびQ
#/Qと呼んだものについての法則の概要であることは
明白である。この法則の大事の点は、Q個の極のあいだ
のQ個の任意の時間間隔a,b,c,・・・・kについ
て、これらの合計がRであることを除き個々には知られ
ていなくても、極生起の平均時刻を決定する加算を始め
るまでに極を1つスキップする毎に、平均時刻は正確に
R/Qだけ増加するということである。これは興味のあ
るしかもおそらくは予期しない結果であり、それは任意
の且つ未知の大きさ(スキップされた量)をその大きさ
が予めはっきりしおり且つ既知のもの(補正の大きさ)
と関係付ける。
【0191】この補正の原理は、連続した生起時刻を1
回転を超す時間に亘り平均する場合にも等しく適用され
る。今度はこの可能性に関して若千説明しよう。n回の
回転について平均をとるものとし、かつスキップされた
極の数はロータ上の極の数より少ないものと考えよう。 この場合、式(ト)及び式(ヌ)は次のように表わせる
【0192】
【数32】
【0193】すなわち、回転数はスキップされた極の数
に関する補正の大きさには影響しない。これは4極の回
転子に関する特定の例であるが、一般化された原理はロ
ータ上に任意の複数個の極がある場合に成立することは
明白である。ロータ上の極数よりも少ない個数の極をス
キップするという上記の必要条件は好ましい実施例に関
連してP#およびQ#を求めるために与えられた規則と
矛盾しない。というのも複数回転の測定を行なわなけれ
ばならない場合には、P#により、Q#が強制的に定ま
り、この2つの値は最初の回転中に得られるからである
。したがってその差は多くとも1回転に満たない。
【0194】本来、式(1)の他の事項はn回の回転の
測定に対しては変化する。合計ΣTQ[i]はnQで割
られ、合計ΣTP[i]はnPで割られることになるが
、この2つの商の差はやはりRで割られることになる。 また補正項(P#/P)−(Q#/Q)は同じままにな
る。
【0195】複数回転の他の可能性は手短かに考察する
価値がある。普通のP個およびQ個の極について夫々の
合計に対してロータをn回転しなければならないと考え
よう。更にこの合計は同じ回転内で始まる保障はないと
しよう(モータ速度の変動は考えない)。ここでは一方
のロータについてn回の回転は、他方のロータのn回の
回転とほとんど共通部分(時間的オーバーラップ)がな
いこともありうる。つまりこの場合は合計をとる時間帯
はほぼ2n回にまでなり得る。)もしこれに固執するの
であれば、これを行なう方法は、1つの「超回転」に関
し、各ロータを夫々nPおよびnQの極を有する「超ロ
ータ」として取り扱うことになる。この取扱いのもとで
は、P#、Q#はPおよびQより大きくなることができ
、ただ、Pの代りにnPを、Qの代りにnQを、そして
Rの代わりにnRを用いることを除いては、測定は既に
述べたいずれかの式を用いて容易に行われる。わずかば
かりの余分な手間としては、実際の1回転1回のマーク
のn番目ごとのマークを「超1回転1回マーク」と認め
ることである。
【0196】上記複数回転方式のいずれによっても、2
つ以上全体測定を平均したい場合にある種の効用がある
。夫々1回転の測定をn回行なう代りに、n回転の測定
を1回で行なうことができることになる。こちらの方が
大量のメモリを必要とすることになるが、おそらくは測
定が早くなり、0°または360°に非常に近接してい
る答を組合せる際の困難さがかなり少なくなる。
【0197】説明を簡単にするため、図10の原理のも
っと公式的な説明はここでは提示しない。しかし、この
証明はさして困難ではなく、図6、図9A、または図9
Bおよびこれらに関係する本文は証明の基礎と解釈する
ことができることに注意しなければならない。疑いもな
く何度にも亘ってこの原理のいろいろな変形を証明して
きた。本説明の目標は位相角の公式、すなわち式(1)
がどうして「本当にうまくいくか」の解釈をすることで
あるということを想起すれば、図10およびこれを関連
する原理を例示した目的は単に、明確に見てとれるある
種の有用な原理を作ることである。こうしてから今やそ
の解釈に進むことにする。
【0198】おそらく解釈を始めるもっとも容易な地点
は式(48d)であろう。この式で、時間Δφ0,0は
4つの他の時刻および2つの補正項(JR/PおよびK
R/Q、すなわちP#/PとQ#/Q)についての差に
等しいとされた。この式から出発するのが好ましい理由
は先ず、単位の大部分は元々の測定の単位である時刻だ
からであり、更にはすべての項は、算術的手間を減らす
が量の間の構造的関係を不明瞭にしあるいは吸収する「
簡略化のための」再構成をされることなく厳密に提示さ
れているからでもある。式(48d)は下に示す式(5
5)の様に書きなおすことができる。
【0199】
【数33】
【0200】式(55)において、先ず(A)項は、入
力角を反映したQ極の第2の平均時刻であり、J個およ
びK個の極をスキップした後から平均をとり始めたもの
である。(B)項はK個の極をスキップしたことにより
平均時刻にもたらされた変化を補正するものである。 (C)項はP極の第2の平均時刻であり、角度はゼロで
、J個の極をスキップした後から平均をとり始めたもの
である。(D)項はJ個の極をスキップしたことにより
平均時刻にもたらされた変化を補正するものである。 (E)項は角度がゼロの場合のQ極の第1の平均時刻で
あり、この平均はP極の先頭が検出されたときに始めら
れる。(F)項は角度がゼロの場合のP極の第1の平均
時刻であり、この平均はP個の先頭が検出されたときに
始められる。
【0201】■項は入力角を反映したP極の等価単極の
第2の平均時刻をQ極の先頭からのものに補正した結果
でる。なお、J個の極をスキップすることは、本来的に
は、K個の極をスキップさせることになるということ以
外には上記量に影響を与えない。そして、ここで、行な
われた補正の目的はこの影響を除去することである。■
項は角度ゼロの場合のP極の等価単極の第2の平均時刻
をP極の先頭からのものに補正した結果である。■項は
P極の等価単極とQ極の等価単極との間の差である固定
的な基準値であり、真の角度ゼロの条件を表わしている
。ただし、他の箇所で述べている様に、差をとることに
よりこの項が打ち消される場合には、この項の実際の値
を求める必要はない。普通はこの項の値は求められない
【0202】(イ)項はP極の平時刻と入力角を反映し
たQ極の新しい平均時刻との間の変更された差である。 この差は入力角のもう一方の境界を表わす初期基準差と
比べられる。すなわちトランスデューサの現在位置から
入力角を引いたものである。初期基準差は固定的な基準
値でもよいし、または単に以前の測定の結果(たとえば
、この差の測定の様な)でもよい。
【0203】すなわち、(A)〜(D)項の測定は同一
の回転期間中に行なわれるが、Ψ,すなわち■項の測定
とは多くの場合異った回転期間中に行なわれる。また、
■項はΨを表わしているが、もしこの測定が実際に行な
われるとしたならば、本項中の(E)項および(F)項
の測定は同一の回転期間中に行なわれる。
【0204】上の説明から引出し得る結論は、左側の2
つの括弧間の差は新しい角度に関して測定された差であ
るということである。この差の値から差引かなければな
らない量は、その角を測るときの基準点となる基準状態
について、はじめに測定しておいた差の値である。基準
状態はΨでもよいし、あるいは再定義可能なゼロ角度状
態に対応するある選ばれた状態において測定された差の
値であってもよい。Ψおよび式(1)についてのはじめ
に与えた説明との他に、Ψideal、α、および式(
50)から式(53)まで、および特に式(1’)と(
1”)に関連する説明を参照されたい。
【0205】上記の測定された差は、P極の平均時刻に
ついてのQ極の生起の平均時刻である。この2つの平均
は本質的に同じ1回転についてとられる。両平均時刻は
その夫々のロータ上にある開始極についてとられている
。この点から見て、基準ロータとそのセンサは、入力ロ
ータの回転中の平均時刻のため時間間隔を測定する安定
な基準点となる。夫々のロータの形状および入力ロータ
の位置に従って、Jに与えれた値がKの値を本質的に定
めてしまうことに注目されたい。一旦ΔφJ,KとΔφ
M,NがQ#=0とした値に調節されてしまえば、Δφ
J,KとΔφM,Nとはある意味で比例している。つま
り時間ΔφJ,OとΔφM,Nは2つのP極JとMの間
の時間間隔だけ異なっている。(測定ごとにRが変動す
るならばどの回転かということを問題にすることは正し
い。このことは以下に式(56)により説明する)。換
言すれば、基準ロータは2つの測定に対して異なる基準
点を提供する。 この差の正確な量はJとMをゼロにすることにより見つ
かる。この過程ではJとM(この事に関してはKおよび
Nも共に)はことなる速度であってもよい異なる回転の
部分を自由に表わせる。
【0206】もし式(55)の右側の括弧内の項(これ
らはΨに対応する)を無視するなら、式(1’)と式(
1”)はΨが減算により抹消される場合を取り扱ってい
るということを想起すれば、式(1”)を式(55)に
照らして解釈することは困難ではない。唯一の差異は式
をRで除し、次いで多少の変形を加えることにより、Δ
θを見出すことからθを見出すことに変換することであ
る。Rで除すことは特に望ましい。というのはこれによ
りいろいろに変化し得る回転速度を正規化(norma
lize)して、特定の時間とは異なり、1回転中のあ
る割合を表わすP#/PとQ#/Qとが得られるからで
ある。また、これにより、式(1)におけるように2π
を乗ずると結果はラジアンで表わした角度となり、もは
や1回転についての割合ではなくなる。式(1”)は夫
々任意の開始極に関係する2個の等価単極間の1回転に
ついての割合を示すと言ってもよい。こさは次に前述の
原理にしたがってある固定開始極に関係するように調節
される。減数としてのTP[i]の合計は大きすぎてま
だはじめの開始点までは調節し戻されていないので、P
#/Pが加え戻される。またQ#/Qが差引かれる、と
いうのも減らされたTQ[i]の和はその量だけ大き過
ぎて開始したので、まだはじめの開始点までは調節し戻
されていないからである。
【0207】基準ロータとその合計とが「0基準」とし
てどのように働くかに関しての一層の洞察が式(56)
を検討することから得られる。
【0208】
【数34】
【0209】式(56)において、まず(G)項は入力
角を反映したQ極の第2の平均時刻であり、J個及びK
個の極をスキップした後から平均をとりはじめたもので
あってかつある第2のT0を基準とした値である。 (H)項はK個の極をスキップしたことにより平均時刻
にもたらされた変化を補正するものである。(J)項は
Q極の第1の平均時刻であり、角度はゼロの場合である
。この平均はQ極の先頭からはじめられかつある第1の
T0を基準とした値である。(K)項は角度ゼロの場合
のP極の第2の平均時刻である。この平均はJ個の極を
スキップした後からはじめられかつある第2のT0を基
準とした値である。(L)項はJ個の極をスキップした
ことにより平均時にもたらされた変化を補正するもので
ある。(M)項は角度ゼロの場合のP極の第1の平均時
刻であり、P極の先頭からはじめられ、ある第1のT0
を基準とした値である。
【0210】■項は入力角を反映したQ極の第2の平均
時刻をP極の先頭を基準とした値に補正したものである
。これはこの差についてJ個のP極をスキップしたこと
による効果(ここでJ個にスキップの影響はK個のスキ
ップをおこさせることだけである)と打ち消す。この平
均時刻は第2のT0を基準にしたものである。■項は角
度ゼロについてのP極の第2の平均時刻である。この値
はP極の先頭を基準に補正されているが、第2のT0を
基準としている。なお(M)項と■項は一般に異なった
値を持つ。それは、合計毎に異なったT0を与えるため
に行うタイマのリセットによるものであり、またモータ
スピードの変動のためでもある。
【0211】(ロ)項は入力角によるQ極の平均時刻の
変化を示すが、また2つのT0間のオフセットも含んで
いる。(ハ)項は第1,第2のT0間のオフセットであ
る。入力角に基づく変化はない。というのは基準ステー
タは動かないからである。
【0212】かくして式(56)は厳密に入力角のみに
よるQ極に平均時刻の変化を表わしている。注釈の多く
は同じであるが、式(48d)の項の組分けは異なって
いる。すなわちTP[i]に関するすべての項はまとめ
られて差を作っている。前述の原理によれば、式(56
)の右側の括弧内の量は各々の合計が同じT0を基準と
している場合には0になる。すなわち、「新しいが調節
された」TP[i]の合計は「古い」TPiの合計に等
しい。明らかに、この式ではTQ[i]だけが「角度情
報」を作り出しており、この情報は、基準センサが動か
ないとすれば、我々が期待しているものである。
【0213】それでは何故TP[i]について細々とし
た検討を行なうのか?その答は、少なくとも部分的には
、理想的な変換器においてさえも右側の括弧の中の項の
値は、少なくとも2つの理由で、一般には0にはならな
いということである。第1の理由は2つの合計が同じT
0=0を基準として得られたとしてもこれらはなお異な
る時間に行なわれ、したがって生起の平均時刻に0でな
い差を生じる(勿論、同じことは左側の括弧内について
も当てはまる)。しかし、右側の括弧内の項の差が「た
またま」ゼロになることはある、というのはどんなクロ
ックでも任意に与えられた時刻T0=0からの単調に増
加する時間をいつまでも計時していることはできないか
らである。クロックはある時点で(クロックのレジスタ
が保持し得る最高値までカウントしたこと等により)リ
セットされなければならないから、右側の括弧内の2つ
の合計はクロックの同一のT0=0を基準として得られ
たものではおそらくなくなる。このように条件が変化す
ることにより同じでないはずの合計同志が等しくなる場
合が現れる。(同じことは左側の括弧内の合計について
も言える)。この様な事態はしかしながら問題とはなら
ない。それは、2組の括弧が夫々任意の別々のT0の間
の同じ差を含んでいるからであり、またその結果、(5
6)式を見ればわかる様に、その「同じ差」同志の差を
とることになるからである。この差同志の差をつくるこ
とこそが、2つのΣTP[i]を見つけ出す主な理由で
ある。これにより2つのΣTQ[i]の間の差のオフセ
ットを見出しこれを取除くことができる。第2の理由は
第1の理由の場合と同様な誤差キャンセルを行なうため
だが、別の誤差原因について考えている。合計が異なっ
てくるのは、モータ速度やクロックレートがわずかに異
なることから生ずる。これらの合計が異なるため、左側
の括弧に除去しなければならない測定可能なオフセット
が生ずるが、このオフセットは右側の括弧内にも共通に
生ずることになる。
【0214】これらのでき事(異なる時刻での測定、ク
ロックのリセット、モータ速度やクロックレートの変化
)のどれ1つとして心配する必要がないことがわかる。 これは式(56)を考察すれば容易にわかる。つまり本
計算の差動的性質から、これらの影響による定常状態偏
倚に起因するオフセットがキャンセルされるのである。 勿論、位相測定が行なわれている時間中の回転の途中で
クロックをリセットしないよう注意しても良い。
【0215】以下に、式(1)の2つの解釈を示す。こ
こにおいては、図3Aないし図3Cの構造および測定の
規則、上記の原理、および等価単極の概念を仮定してい
る。
【0216】
【数35】
【0217】上の形で表現した式(1)において、まず
(M)項は入力角とQ#個の極をスキップしたことによ
る、Q極が1つ現れる平均時刻である(Q#個の極のス
キップ自体は、現在の入力角においてP#個の極をスキ
ップすることに起因する)。この時刻はQ極の等価単極
が現れる時刻である。(N)項はP#個のP極をスキッ
プしたことによるP極が1つ現れる平均時刻である。こ
の時刻はP極の等価単極が現れる時刻である。(O)項
は1回転に要する時間である。(P)項はTP[1]を
基準とした値であって、P#個のP極をスキップしたこ
とによる等価極間隔の減少の、1回転に対する割合であ
る。 なんとなればこのスキップはTP[i]の合計平均を増
加させたが、TQ[i]の合計には対応した変化をもた
らさなかったからである。(Q)項はTP[1]を基準
とした値であって、Q#個の極をスキップしたことによ
る等価極間隔の増加の、1回転に対する割合である。な
んとなれば、このスキップはTQ[1]の合計平均を増
加させたが、TP[1]の合計には対応した変化をもた
らさなかったからである。(R)項は等価極間の当初の
基準角における残余(residual)間隔である。 この値は実際に求めても求めなくても良い。普通は求め
ることはせず、θの2つの異なる測定の共通モード成分
として打消される。
【0218】■項は入力角を与える以前から存在した(
つまりTP[1]≠TQ[1])時間間隔に起因し、ま
た入力角自体(これはQ極の等価単極が現れるのを遅ら
せる)に起因し、また極をスキップすること(つまり、
TP[1]とTQ[1]を待たずに合計を開始すること
)にも起因する。
【0219】(ニ)項はロータの回転に対する割合とし
て表わされた時間間隔である。
【0220】
【数36】
【0221】上の形で表現された式(1)において、(
S)項は最初の時間間隔、入力角およひQ#個のQ極を
スキップしたことを反映させ、更にP#個のP極をスキ
ップしたことについての補正を行なって得られた、1回
転に対する割合である。
【0222】■項は最初の時間間隔と入力角のみによる
、1回転に対する割合である。つまり、仮に最初の極が
現れたとき、TP[1]およびTQ[1]において夫々
の合計を開始していたら測定されていたであろう値が得
られる様に補正したのである。
【0223】(ホ)項はTP[1]とTQ[1]におい
て夫々の合計を開始させることを基準として、入力角の
みの1回転に対する割合である。ここでΨは式(1)の
様に、値を求めて減算しても良いし、あるいは式(1’
)や式(1”)の様に、入力角の2つの異なる値につい
ての測定値の減算により打消しても良い。
【0224】式(1)全体としては、TP[1]とTQ
[1]間の最初の差を基準とし、入力角を反映した2つ
の等価単極間のロータの回転をラジアンで表現したもの
になっている。
【0225】今や式(1),式(1’)、および式(1
”)は実際に正しいことがわかった。また、各ロータの
極数が互いに等しい必要もないし、また極がロータに一
様等間隔に配置されている必要も全くないことがわかる
。上の証明により、明らかに極は任意に配置できること
が明白にわかる。実際問題として、ロータ上の極がかな
り一様に位置されることはありそうなことであり、これ
はセンサの応答を最適化して過度状態を抑制しクロスト
ークが存在する場合これを抑制するのに役立てるために
望ましいことである。このような一様性によって、ロー
タ上の絶対位置を標示するのに役立ち、またP#および
Q#を常に把握しておくための基礎として役立つ欠除極
の確実な検出ができるようにもなる。しかしながら、ロ
ータの絶対位置の検出は他の手段(たとえば、各歯車に
永久的に取付け、特定の極と関連付けられたインジケー
タと、これを検出する別個の1回転1回センサを設ける
)によっても達成することができる。このような手段に
よれば、原理上、ロータ上の位置決めは(クロストーク
のないシステムでは)全く任意でよいことになる。要す
るに、他にそうする良い理由がないかぎり、極を故意に
でたらめに配置することは特には奨めないが、本発明に
よる位相測定技法によれば精度が極配置の精度で制限さ
れない位相測定が可能である。他の因子によってはなお
、とにかく、本質的に規則正しい極配置をしなければな
らないかもしれない。
【0226】装置依存の定数Ψを取扱うということだけ
を条件とすれば、式(1)、(1’)および(1”)は
「粗」でもなく「精」でもないが、おそらく時間測定の
精度と安定性と同程度の高精度を有する統合された高分
解能の解である絶対的な答を与える。これを実現するに
は、タイムベースとゼロ交叉検出器が用いられるだろう
。測定の差動的性質のため、タイムベースはただ短期安
定性が良好であればよい。異なる時間に行なわれた測定
値間の差で長期安定性の欠如による成分は「コモンモー
ド」効果によって相殺される。全体として角度変換装置
の精度に影響することのある機械的因子が存在するが、
これらの幾つかについては以降の別の章で説明すること
にする。しかしこれらの因子は概ね式(1)または式(
1”)の原理に妨害を与えることによって、精度に悪い
影響を与えることはない。
【0227】式(1)および式(1”)によって与えら
れる統合した答は、各ロータに付けられた多数の極の「
平均化」、すなわちこの多数の極により与えられる寄与
のため高分解能の答となる。この意味で、あたかも2つ
の単極ロータがあって、各センサからの信号の遷移を非
常な自信を以てつきとめることにより決定することがで
きるように見える。
【0228】この目的のため、極範囲とモータ速度とを
わずかに変動させれば、これらの変動が少なくとも擬似
ランダム性のものであるかぎり、分解能の増大に実際に
役立つであろう。周知のとおり、このような「摂動」は
一定数の極に集められる算術データの精度を増すことが
できる。
【0229】式(1)と式(1”)における統合された
答には、極が本質的に規則的に配置されているときでさ
えも、容易に認め得る「粗」と「精」との成分は入って
いない。合計の項は答の精部を表すように見え、一方項
P#/P〜Q#/Qは粗部を表わすように一見考えられ
る。このわなに落ちる容易な道は、規則性は和に関する
商の差にモジュロ的性質を与えるように見れるから、規
則正しく配置した極ではどの極から合計を始めるかは問
題ではないと誤って結論することである。
【0230】しかしこのような解釈では原因の類似性は
効果の類似性に先行すると誤って結論することになる。 ロータが規則正しく配置された極を備えていればP#お
よびQ#を決定する同じ事柄が或る異なる位相測定技法
で測定した結果の粗部分をも決定するということは正し
い。しかしこれは「Q#付きP#」と「粗」とは同じ事
柄であることを意味しない。このことが起こるのは、単
に、それらを異なるものとして示す条件が手に入らない
かあるいは正しく認められないということにすぎない。 このような解釈を正しいとするにはPをQに等しくさせ
なければならず極の間隔が規則正しくなければならない
ことがわかる。
【0231】極端な場合を簡単に考察すれば、合計の項
が原理上、単に答の精部分ではなく、一方P#/P,Q
#/Qも、原理上、単に粗部分にすぎないのではないと
いうことがよくわかるにちがいない。極端な例として、
各ロータ上の極のすべてが回転子の円周の小さな部分に
集められたと想像しよう。このような状態下で入力角度
を等しく増大させたときP#/PとQ#/Qは等しく変
化しない。「入力円」のわずかな部分についてP#/P
やQ#/Qにかなりな変化があるが、残りの大きな部分
に関しては変化しない。しかるに「粗の部分」は規則正
しく変化する入力にしたがって規則正しく変化しなけれ
ばならない。同様な不一致は加算の挙動と「精の部分」
との間にも存在する。
【0232】更に、原理に照らして且つ何故割合の補正
(fractionaladjustment)をはじ
めから行なうかをよく考えてみれば、平均値は平均をと
る処理が始まった場所に対して修正されていることがわ
かる。しかしロータ上の何処で加算が始まるかは回転中
何時測定が行なわれるかの関数でもあり、ただ単に入力
角度により入力ステータが何処にあるかだけではない。 しかし「粗」と「精」とは確かに入力固定子が何処にあ
るかだけの関数である。「何時」ということがどうして
角度を変えることができようか?式(1),(1’)お
よび(1”)に関するかぎり、粗および精という概念は
、統合された結果という考えのためには、以上説明した
様に捨て去ってしまうのが最も良いように思われる。
【0233】しかし、式(1)は答の「精」の部分だけ
を生ずる下記の他の式(57)の基礎である。式(57
)で得られる答は別の粗測定で補足することができるか
、あるいは答の精の部分が完全な1回転分になったとき
粗の部分を蓄積するという、完全に増分的なシステムの
中で使用することができる。式(57)は式(57’)
と(57”)の基礎であり、これは式(1’),(1”
)の式(1)に対する関係と相似な関係となっている。
【0234】
【数37】
【0235】式(57)は次のようにして式(1)から
得られる。まず、式(1)にQを乗じてロータの1回転
あたりQ回分「回る」答を作る。次に答の中に2πの倍
数は単に整数回の回転の計算(ラジアンで表される)を
答の粗の部分に付加するだけであることがわかる。これ
により、得られたθfineが今やモジュロ量であるこ
とを理解して、乗算された式(1)の右辺中の要素から
或る項を除くことができるようになる。
【0236】その結果得られる式には次の項が入ってい
る。
【0237】
【数38】
【0238】しかし(58a)は次のように簡略化され
る。
【0239】
【数39】
【0240】上の導出過程において、式(58d)中の
差P#−Q#は整数回転の計数と言う粗の答(夫々2π
ラジアンの量で表わされる)だけに寄与することに注目
して式(58e)を得る。
【0241】式(57)は2つの方法で使用することが
できる。第1に、増分的システム(increment
al  system)を構成する簡易な方法となる。 このようなシステムでは粗測定は行なわれず、実際の最
終値は精の計数が「1回転する」につれて「精」用の法
の値(2π)だけ答を上下して調節することによって維
持される。このようなシステムでは入力ロータすなわち
Qロータには絶対基準極を備える必要はない。式(57
)にはQ#が現れていないことに注意されたい。また粗
測定を行なわないから、この目的のためにはそれは必要
がない。したがって入力ロータ上の欠除極は無くてもよ
いことになる。
【0242】第2に、式(57)は「粗」の答を得るた
めの別個の測定を行なうシステムで、「精」の答を作る
部分に使用することができる。このようなシステムでは
やはりQ#は必要ないが、入力ロータ上に或る種の1回
転1回のマークは必要と思われる。このマークは欠除極
の形態でも、または別個のマークとそれに関連したセン
サとの組合わせの形態をとってもよい。いずれにしても
、入力ロータ上の極が入力ステータのセンサを通過する
のを位相粗測定のクロック信号として使用することは有
益である。その理由は、ロータの角速度の変化に対する
測定の不感性を高めることである。大体において、この
ようなシステムは式(1),(1’)および(1”)に
基づくものと実質的に同等であるが、余分なオーバーヘ
ッドを有している。この種のシステムは、しかし、実際
に作られて極めて良く動作している。
【0243】最後に、式(1)と(57)とのRは、測
定の都度のRの実際に生ずる値を当該測定に使用するか
ぎり、Rの値が測定が変っても一定である必要はない。 これは合計をとる際使用される夫々の丁度1回転に要す
る時間を測定することによって容易に保障される。つま
り、i値を1つ任意に定め、1つのTp[i]からその
次のTp[i]までの時間(TQ[i]間の時間でもよ
い)を測定すればそれがRとなる。モータの速度変動が
かなりある場合には2つを平均してRの値を求めること
が望ましい。
【0244】角度測定次に図3Aないし図3Cに示す角
度変換装置に戻って、入力角度を示す値を作る図3Aの
ロータとセンサとによって作り出される信号A,B,X
,およびYに位相測定技法がどのように適用されるかを
考える。
【0245】はじめに、基本位相測定技法の説明の場合
の2つのセンサおよび2つの信号とは違って、4個のセ
ンサと4個の信号とがある。にもかかわらず所望の最終
結果は同じである。一方でBと「結合した」Aと他方で
Yと「結合した」Xとの位相の差が探そうとするもので
ある。AとBおよびXとYの「結合」によって平均化が
なされ、偏心誤差だけでなく或る種の他の誤差をも減ら
すことができる。しかしながら、「平均化」という言葉
はここでは平均位相を求めることを言い、これは信号の
瞬時値がアナログ加算で平均されるときに得られるもの
とは必ずしも同じではない。
【0246】ここで考察している偏心の種類は、入力ス
テータの回転の中心がロータの回転軸22上にない場合
のものである。なかんずく、このような偏心によって入
力センサの各々と入力ロータとの結合度が変動する。こ
の場合この変動は入力角度の関数である。その結果、セ
ンサ自身から生ずる信号振幅に差が現れる。この信号振
幅の差があるため、直接アナログ平均化を行なった平均
位相を有する信号を作り出すことが妨げられる。これを
要約して言えば以下のようになる。すなわち、信号を平
均化して次の位相を測るのではなく、最初に位相を測定
し、次に平均するという方法が必要になる。
【0247】入力センサAが1個だけあると想像しよう
。先に記した位相測定技法が位相AXおよびAYを測定
するのに使える。AX位相に対する角度はAY位相に対
する角度はAY位相に対す角度とは理想的には正確に半
円周(πラジアンすなわち180度)異なっている。 この差を考慮に入れる(たとえば、180度分のオフセ
ットにしたがって補正する)と、これら2つの角度を平
均することができる。位相BXとBYとに対応する結果
はBが唯1つの入力センサである場合に得られる。しか
し夫々の場合得られる平均化した答は同じ入力角度に対
応し、したがってこれらはセンサXとセンサYとの間の
半円周の差を考慮すれば平均することができる。この差
はAXおよびBXについての基準XからAYおよびBY
についての基準Yへのオフセットになる。すなわち、A
XからBYまでのいろいろな位相についての角度がはじ
めにその半円周分の差について補正されるとすれば下式
を得る。
【0248】
【数40】
【0249】すなわち、平均値を平均するか、または4
個のすべての測定値を直接平均することができる。
【0250】同様に、更に多くのセンサがある場合には
以下のようになる。
【0251】
【数41】
【0252】上の形の平均化は式(1)または(1”)
からの結合した答に対して、あるいは式(57)または
(57”)からの精の角度に対して行なうことができる
。精の角度を使用する場合には粗角度と組合わせる前に
平均しなければならない。これはそれ自身同様の平均と
なる。図3Aないし図3Cの構成についての好ましい実
施例では平均化は式(59a)の右辺に示す様にして行
なわれる。
【0253】さて直径の反対側に配置された独立のセン
サが正確に直径の反対側にないことが起り得る。これが
所望の偏心補正に及ぼす影響の程度は特にきびしくはな
い。顕著な誤差を生ずるには1°から2°のこのような
配置誤差がなければならない。しかしながら、センサ間
のオフセットがわかっていれば、正確に直径の反対側に
配置されていてもいなくても、式(59a)〜(59c
)に関連して説明した平均化に関して複数の独立センサ
を使用することができる。
【0254】式(1)の厳密な解釈に基づく平均した統
合解を与えるシステムでは、すなわち、Ψが明確に求め
られる場合には、直径の反対側に配置されていないセン
サから得られる結果は正確に半円周だけ離れてはいない
。図3Aを参照するに、位相AXの結果を求め次に位相
BXを求める場合、これは入力ステータを第2の測定の
前に動かすこことにより、Aセンサを丁度Bセンサがあ
ったところまでもってくることと同じである。偏心の影
響を別にすればこれら2つの測定方法は全く同等である
。別の考え方をすれば、AXとBXとが共に基準ロータ
とXセンサとで決る同じ基準状態から測るということで
ある。同じ注意がAYとBYとについても適用される。 AXとBXとのセンサ配置によるオフセットが、たとえ
ば、BXから取除かれ、またAYとBYとの間のセンサ
配置のオフセットが、たとえば、BYから取除され、更
にまたAXとAYとの間のセンサ配置のオフセットがA
Yおよび既に一旦調節したBYから取除かれると、4つ
のすべての位相は先に説明したように平均することがで
きる。今述べた補正は結局、他の夫々の位相の基準とし
てAXを使用することになる。センサ配置のオフセット
は夫々の新しいBX,AY,およびBYの各々について
正確に除くことができるし、あるいはそれらの測定値に
対してΨの値に組み入れることができる。。4つの位相
測定値の各々にはそれ自身の定数Ψがあり、またセンサ
配置のオフセットも一定である。従って、これらは結合
することができる。
【0255】統合された答についてのもっと便利な方法
は、式(1’)および式(1”)に基づいた測定を基礎
とすることである。このアプローチを用いれば、センサ
配置のオフセットが偏心補正を満足させるに充分なほど
180度に近いかぎり、オフセットがどれ位であるかを
正確に知る必要はない。問題とされる特定の位相値Ai
Xは或る基準値AoXからの変化として実際に測定され
、一方BiXはBoXに関して測定される。そして以下
同様に測定される。AoXとBoXとの間の元のオフセ
ットは残存するが、AiX−AoXは、測定の差動的性
質によって、原理上はBiX−BoXと直接平均するこ
とができる。(原理上は平均できるが実際にはできない
。次節を参照。)同様にAiY−AoYとBiY−Bo
Yも平均できる。更に、これらは夫々入力角度の同じ変
化を表わしているものであるから、この2つの平均値は
平均できる。本質的に、Ψの個々の具体的な値を知る必
要がないと同種の理由によってセンサ配置のオフセット
の具体的な値を知る必要もない。これらは減算によって
キャンセルされる。
【0256】しかし、状況はこれまで述べてきたよりも
いささか複雑である。結合された答も精の角度も共にモ
ジュロ数であり、また周知のとおり法の値の近くにある
数を平均するときは特別な注意を払わなければならない
。ここにおいて、法の値は電気角360度に対応する値
である。先行技術の或るシステムでは、平均すべき角値
に電気角180度に対応する或る値を加えまたは減じ、
平均化し、次いで加えた値を除去することによりこの問
題を解決した。本実施例における方法に関する問題は、
法の値の近くの一対の値を180度だけ変えればその一
対を面倒な領域の外に追い出せるが他の組が面倒な面倒
な領域に入ってくるということである。180度を加え
るという方法に固執するとすれば、選択したいくつかの
値に180度を加え、その結果から180度の適切な分
数を除去することができる。たとえば、4つの値のうち
の1つだけが変る場合、180度の1/4、すなわち4
5度を平均から減ずる。この方法はかなりな労力を伴う
ものであり、平均を行なうたびにかなりな程度の判定と
フラグの設定とが必要になる。
【0257】他の、より簡単な方法も少なくとも同様に
うまくいく。この方法はいろいろな位相AX,AY,B
XおよびBYの間のオフセットを観察することである。 これは位相の1つ、たとえばAXを、基本として取り上
げ、次の「平均可能性オフセット(averagabi
lity  offset)」を作ることにより行なわ
れる。 (60a)  O1=AX−AX (60b)  O2=AY−AX (60c)  O3=BX−AX (60d)  O4=BY−AX
【0258】これらの平均可能オフセットは、センサ配
置に関連して上に述べたものと同様変換器を任意の位置
に回した状態で測定してよい。これらは相対測定値だか
らである。また、これらは定数であるから、1回だけ測
定すればよい。
【0259】平均可能オフセットを使用することにより
、測定された位相を次のように修正することができる。 (61a)  AX’=(AX−O1)mod  36
0゜(61b)  AY’=(AY−O2)mod  
360゜(61c)  BX’=(BX−O3)mod
  360゜(61d)  BY’=(BY−O4)m
od  360゜これら修正された位相は通常の仕方で
(つまり、通常の方法で180度の加算を先に行なって
よいということ)、すべての項を調節するかあるいは全
く調節を行なわないで、平均することができる。
【0260】上に使用した「偏心」という語は関連する
他の種類の誤差の原因を示唆している。すなわち偏心し
て取付けられたロータに関する誤差のことである。この
誤差は、信号振幅の変動がロータの極とセンサ間の間隔
の変化で生ずるにもかかわらず、センサから見ると極の
配置が不完全なロータの様に見える。振幅の変化それ自
体は、測定の性質が位相だけに限られているため、誤差
を起しはしない。また位相測定技法は、原理上、極配置
誤差に免疫性があるから、偏心して取付けられたロータ
の場合測定に誤差は入ってこない。
【0261】クロストークの減少 今度はクロストークの問題を説明しよう。この影響を除
くことは、何故入力ロータと基準ロータとが異なる数の
極を備えなければならないかの第1の理由である。また
、個々のクロストークの起源は各種実施例でことなるこ
とはあるが、正味の結果は一般に同じであるから、図3
Aないし図3Cに関連して示す特定の実施例についてク
ロストークの性質を調べることは有用である。
【0262】クロストークの最終結果は図3Aなしい図
3Cに示したと同様の構成だが歯車は夫々同数の歯を備
えている。装置で見られたそこでの答には、角度で12
0秒もの周期誤差が存在していた。誤差の大きさは入力
ステータの位置の関数である。誤差の値は入力と基準の
ステータのセンサが整列した(aligned)とき最
大であった。これら極端な値の間では誤差に入力ステー
タの位置の関数として、振幅の変化する多くのサイクル
を有する波形となった。続いて行なった実験では、この
誤差の原因は全く磁気的クロストークであることがわか
った。というのは基準磁気回路と入力磁気回路との間に
高透磁率金属のシールドを入ると変換器内のほとんどす
べての観察できる誤差が除かれたからである。
【0263】シールドはしばしば言うに易く行なうに難
い。考える手間がかかり、重量が増えるだけでなく、シ
ールドは芯合せと修理の期間に有難くない複雑さを示す
ことがある。ここではほぼ等間隔に配置した異なる数の
極を備えるロータを用いたとき先に述べた位相測定技法
は、あらゆる実用目的に対して、クロストークによりも
たらされた誤差を免がれることを示そう。本発明の好ま
しい実施例ではロータ間またはステータ間のシールドを
省いても悪い影響は認められず、しかもなお角度で秒の
精度と分解能を達成した。クロストークに対する同様な
不感性が得られるためには、クロストークの影響がセン
サからの信号の或る位相歪に相似しており且つこのよう
な位相歪が下に述べる一定の判定基準に合致しているだ
けでよい。すなわち、磁気を使った装置においても、静
電的および光学的装置中のクロストークに対すると同等
の不感性が得られることを妨げている様な磁気固有の事
情等はない。クロストーク機構が実際のロータ間または
ステータ間の干渉に限定される必要もない。クロストー
クの物理的位置としては敏感な部品または導体が相互に
充分近接している場所ならどこでもよい。
【0264】なお、考察中の磁気を使った装置のクロス
トークの機構を更に手短かに検討することは有用である
。図3Aの磁気センサである基準センサ8を考える。 磁石23に対する主磁気回路は磁極片25を通って歯車
5に、次いで空気中を戻って磁石23の他端に達してい
る。他の戻り通路はロータ5から空気を通ってロータ6
に、そこから入力センサ10を通って、ケースに、次い
で基準センサ8に戻る。同様な戻り通路は入力センサ1
1を通るものが、基準センサ9を通るものとともに存在
する。明らかにこれらの他の戻り通路は遠いロータの極
が関連する遠いセンサに近ずくことによって影響を受け
る。すなわち、夫々の他の戻り通路の個々の影響はロー
タの極が基準センサ8にどれだけ近いかには一般に無関
係な何物かに依存している。入力センサ10,11の場
合には「何物」とは(基準センサとロータに関するかぎ
り)入力ロータ上に任意の配置された極と結合した入力
ステータの位置である。基準センサ9の場合でさえ、セ
ンサ8に対する他の戻り通路の影響は、基準センサ8側
でどんな状態になっているかは必ずしも強く関係しない
。基準ロータ5の極が理想的に配置されており且つ歯車
が完全に丸い、等々の場合にはその影響は常に同じであ
り、無視することができる。ロータの円周の周囲の極の
配置間隔に任意の差があれば、対応する任意の影響が基
準センサ9により基準センサ8に与えられる。しかし、
この場合でさえ、1回転にわたるこのようなクロストー
クの効果は一定であって決して変らない。その効果は単
に幾らかの一定のオフセットである。したがって、各セ
ンサが他のセンサの夫々から本質的に任意に影響されて
も、同じロータ上のセンサ間でのクロストークよりは、
主としてロータ間クロストークの効果に注目することに
なろう。他の戻り通路の影響を簡単に互いに相殺するた
めにこれら各種の個々の影響に頼ることはできない。す
なわち、これらは、少なくとも瞬間的には、「合計して
ゼロに」はならず、クロストークが存在する。与えられ
た信号AからXまでに関する観察のレベルでは、夫々異
なった数の極を有するロータを用いた場合に起ることは
、クロストークの影響の位相相歪により、いろいろなゼ
ロ交叉のうちあるものはそれらが起るはずのときより早
く起り、他のものはそれらが起るずのときよりおくれて
起るということである。しかしこの位相歪によってもゼ
ロ交叉の数は変らない。それはクロストークの大きさは
かなり小さく、たとえば−40dB程度だからである。 このようなロータ間のクロストークの影響により、動的
に変化する極の配置誤差が入ってきたかのように見える
。すなわち、ロータ上の見掛けの極位置が入力角度の関
数であるかのように見える。もしロータ間クロストーク
が1回転に関して、「対称的」であるか、あるいはほと
んどそうであるならば、一定の極位置の見掛けの変化は
他の見掛けの極位置の対応する逆の変化により相殺され
、クロストークの正味の効果は非常に小さくなるであろ
う。すべての実用目的に対して、このようなクロストー
クの効果の相殺は、説明された実施例の場合におこって
いる。
【0265】上記のような断言だけでは皮相的に過ぎる
かもしれないので以下で更に詳しい説明を与える。第1
には、式(1)ないし式(57)のいろいろなψ、Ψは
手元にある特定のロータ上の特定の極配置に関係する(
任意の)定数であると説明した。θの最初の測定に対し
てΨの1つの値をもとめることはできず、第2の測定に
対して顕著に異なる値を得ることができず、2つのθの
差は正確に2つの測定の間に経験した角度であると期待
することはできない。またΨが実質的に定数でなければ
常に常数Ψを差引いて個々のθを単独に求めることもで
きない。
【0266】式(1)ないし式(57)の中のいろいろ
なφとΨとは、ロータ間クロストークが見掛け上はロー
タ上の極のダイナミックな誤配置として現れるとしても
、仮定したとおり本質的に定数である。限界内ではそれ
らは実際に真に定数である。この限界の状況の性質は、
提示した実施例におけるゼロ交差の有限サンプリングと
は反対に連続である。しかし、後者は前者の適切な近似
を構成する。
【0267】何故これがそうであるかを見るには、再び
式(2)で作った合計の性質を考える。式(2)の括弧
内の項の各々はクロストークがない場合について正しく
示されていると考えよう。クロストークがある場合には
、次のように書くことができる。
【0268】
【数42】
【0269】これらの式でδiからδpまではクロスト
ークから生じた位相歪で発生したゼロ交叉時刻の変化で
ある。量l’,m’,...y’は(増分時間で表現さ
れた)ロータ上の極の間の新しい角度変位である。
【0270】したがって、次のように書ける。
【0271】
【数43】
【0272】しかし上式の右側の項は単に
【0273】
【数44】
【0274】と表現できるので下式を得る。
【0275】
【数45】
【0276】すなわち、今問題にしている2つの合計(
すなわちTp[i]についての合計とT’p[i]につ
いての合計)はいろいろなδiの合計が0ならば相等し
い。同様な議論がT’Q[i]について成立する。いろ
いろなδiの1回転に亘っての合計が小さくなければな
らないという条件は、位相測定技法がクロストークに鈍
感でなければならない場合、クロストークが満足しなけ
ればならない必須の基準である。この基準が満たされれ
ばこのような不感性は保証される。というのはTp[i
]およびTQ[i]に関する合計はクロストークが入っ
たときそのクロストーク前の値から著しくは変らないか
らである。かくして、Ψの値は同じままになり、正しい
答が得られる。さて、2つのロータの有する極の数が互
いに異なるときいろいろなδiの合計が何故ほぼゼロに
なるのかを考える。以下の説明では入力ロータ/ステー
タからのクロストークが基準ロータ/ステータに及ぼす
影響を考える。この目的のため、干渉信号は、クロスト
ーク経路を通って減衰してから、基準センサで大きさ1
の振幅を有し、一方基準センサで生じた本来測定される
べき信号の振幅は1よりA倍大きいと考えるのが便利で
ある。これと対応して、入力センサにおける基準ロータ
/ステータのクロストークについて考察するという説明
も存在する。しかし、どちらについても同じ様な説明に
なるため、話を簡潔にしたい都合上、2番目の説明は省
略する。
【0277】入力ロータ/ステータからの干渉信号を以
下であるとしよう。
【0278】
【数46】
【0279】同様に、基準ロータ/ステータからの主信
号は(67)y=Asin(2πωPt)(「P信号」
【0280】P信号はQ信号が或る平均周期nのサイク
ルをQ回経験するとき、同じ長さの時間R中に或る平均
周期mのサイクルをP回経験する。したがって、(68
)Pm=Qn=R
【0281】PとQとの比を既約な分数の形で考えるの
が便利である。 (69)P/Q=P’/Q’
【0282】P’/Q’を既約な分数とし、かつ整数P
’およびQ’のいずれも1に等しくないとする。
【0283】さて、いろいろなδiが実際に0になる或
る状況が存在する。P信号とQ信号とが少なくとも1つ
の共通のゼロ交叉を有すると想像する。ゼロ交叉の一致
は、両方とも正に向かうときか、両方とも負に向かうと
きか、あるいはその混合で起る。このような場合に得ら
れる信号間の和(または差)、すなわち合成信号はその
周期Rの中点に関して次のような形態で対称であること
を(たとえば、重ねた波形の視察により)示すことがで
きる。すなわち、中点の一方のゼロ交叉の位置のどんな
変化でも、中点の他の側の関連するゼロ交叉との比較に
おいて、反対方向に等しい大きさの対応する変化を有し
ている。(なおここではロータ上の極はほぼ等間隔に配
置されていると仮定している)。両信号を合成したとき
、上述の各々の反対方向の変化はたがいに打消し合う。 等しいが反対の対称が共通のゼロ交叉を経験する2つの
対称波形の代数和の対称的性質から直ちに出てくる。こ
のような共通ゼロ交叉の周期はmおよびnの小さい方の
1/2である。ここにおける変換器磁気クロストークの
場合、この周期性は入力ステータが位置を変えるとき経
験され、クロストーク誤差の振動的性質の原因となる。
【0284】しかし、一般には主信号とクロストーク信
号とは共通のゼロ交叉を有していない。このような共通
のゼロ交差がないと2つの信号の和はその周期の中点に
関して、対称でなくなり、ゼロ交差に対する擾乱は、大
きさは等しいが反対方向の対と組合わせることができな
くなる。これらの場合には、δiの和は実際に0でない
。そこでこの様な状況についての説明を以下で与える。
【0285】説明を進めるために、式(65)を次のよ
うに書き換えるのが便利である。 (70)y=sin(2πωQt+φ)ここでφはP信
号と共通ゼロ交差がない点のQ信号の位相を表わす。
【0286】このようなφの一例を図11に示す。図に
示すとおり、φはP信号が時刻tiで正に向かうゼロ交
叉をするときQ信号が最大になるような値である(この
ような1/4周分のQ信号の差は或る意味で手近な最悪
の場合と思われる。この状況は、両者のゼロ交叉が一致
する場合から「最も遠い」。しかし、他の意味ではそれ
はφの或る異なる値がδiと、δiの近似値とする以下
で明らかになる他の量εiとの差の絶対値を最大にする
場合かもしれない。)Q信号はtiの正のピーク値1に
なるからtiの前の或る時刻でti−δiの合理的な近
似値とする。下の式(71)に示す関係は、両信号の合
成の結果得られるゼロ交叉の近傍でP信号の傾斜が実質
的に一定ならば妥当である。この妥当性の条件はすなわ
ちQ信号の最大傾斜がP信号の最大傾斜と比べて小さけ
れば、ということであるが、これはP信号の振幅がQ信
号よりはるかに大きいという条件から出てくるものであ
る。Q信号のピーク値が実際のti−δiの前に起るか
後に起るかによって、εiは時に関連するδiより大き
くなり、時には小さくなる。
【0287】εiは以下の様にして定められる。図11
に示す通り、ti近傍のP信号をほぼ直線と見なし、そ
の傾斜を2通りの方法によって求める。第1の方法は、
P信号のtiにおける微係数として傾斜を得る。第2の
方法は、P,Q両信号を加えてゼロになる点からP信号
単独でゼロになる点まで(時間軸ではti−δiからt
iまで)を直線と見なしてその傾の傾斜としてP信号の
傾を求める。なお、ここでδiは充分小さいので、ti
−δiの近傍ではQ信号をほぼ定数と見なせる(なんと
なればQ信号はtiで最大値をとるから)ことを用いて
、ti−δiにおけるQ信号の値をtiにおける値で近
似する。 かくして得られた2つの傾斜の値を等しいとおいてこれ
をδiで解けば、δiの近似式、εiが以下のごとく得
られる。
【0288】すなわち、第1の方法による傾斜はsin
(2πωQti+φ)/(−εi)第2の方法による傾
斜は
【0289】
【数47】
【0290】(なんとなれば、Asin(2πωPt)
はt=2πPtiで傾き正がゼロ交叉するから)
【02
91】故に、(71)  εi=sin(2πωQti
+φ)/(A2πωP)=δi
【0292】εiの合計でδiの合計を近似することに
する。
【0293】
【数48】
【0294】これはすべて見かけほど悪くない。式(7
1)の中央の式の分母は或る定数である。分子の正弦関
数のアーギュメントは、式(72)の合計に使用される
場合は、異なった値はP’通りしかない。これらのP’
個の値は、得られる合計のQ’/Qの部分を構成する連
続するところのQ信号のQ’サイクル期間中に時間的に
等間隔に配置されている。すなわち、P信号のゼロ交叉
であるいろいろなP’個のtiはQ信号のQ’個の連続
サイクルの間でサンプルされるP’個の標本なのである
。各標本は対応するδを近似するεを生ずる。しかし各
εはP信号のゼロ交差点でQ信号の値に分割される或る
定数である。このことから単位正弦波のQ’個の連続サ
イクルの間で、等間隔に配置されたP’個の時間間隔毎
にサンプルされた振幅を加算することから得られるもの
は何かという考えが出てくる。
【0295】当該状況を図12に描いてある。便宜上、
P=144およびQ=120の場合を表わすように描い
てある。これからP’=6およびQ’=5が得られる。 すなわち、入力センサ信号の5サイクルごとに基準セン
サ信号の6サイクルがある。更にロータが1回転する毎
にこのような対応の事象が24回出現する。各事象は同
じなので(回転子上に極が規則正しく配列されていると
仮定して)、このような事象1つだけの間に何が起るか
を検討する必要がある。
【0296】図12はQ信号の振幅のP’個の連続し且
つ等間隔のサンプルをどの様にしてQ信号の単一サイク
ル中にマッピングできるかを示している。これをより詳
細に説明すれば、先ず時間間隔0〜P’・m=Q’・n
におけるサンプリング時刻の集合Sは明らかにS={0
,m,2m,,...,(P’−1)・m}これは上記
時間間隔をP’等分する点であるからSは以下の様に表
現できる。 S={α/P’×Q’・n|αは0からP’−1までの
整数 これらのサンプリング時点をQ信号上で考えた場合、Q
信号は周期がnであるから、各サンプリング時点(α×
P’)×Q’×nをnの適当な整数倍の時間だけ平行移
動させることにより時間間隔0〜nでのサンプリングの
結果は同じになる。この意味でSに等価なサンプリング
時点の集合S’は以下の様に表現できる。
【0297】
【数49】
【0298】ところがP’とQ’とは互いに素であるか
ら、よく知られている様にNp’は0からP’−1まで
の整数の集合となる。故に下式を得る。 S’={0,n/P’,2n/P’,...,(P’−
1)n/P’}
【0299】この単一サイクル中へのマッピングにより
圧縮された標本間の時間間隔は上記S’からわかる様に
やはり一様である。したがって、P’×1/P’の間隔
でサンプリングされた正弦関数が得られる。このような
標本の和は常に0であることが知られている。よって直
ちに下式が得られる。
【0300】
【数50】
【0301】今までの証明は「クロストークの効果を除
くにはクロストークの振幅を減らせ」という同語反復以
上のことを示唆している。εiの合計とδiの合計との
差は主信号と干渉信号との振幅比に関係するが、これら
の合計に両合計間の差の割合はサンプル数が増加するに
つれて小さくなる。すなわち、クロストークで生じた位
相歪を連続の場合で考えると、位相の乱れは、必ずしも
対称的ではないが、周期的(回転毎に1回繰り返す)で
あり、平均されて周期ごとに0になる。次にこの考え方
のもっと厳密な検討の概要を述べる。
【0302】式(67)と(70)とを結びつけるには
、各々の正弦関数のアーギュメントが異なるパラメータ
で表されているかぎり難しい。しかし式(70)は次の
ように書き直せる。 (74)  y=sin〔2πωPt+((Q−P)2
πωt+φ)〕
【0303】正弦関数のアーギュメント中の2つの項を
夫々以下の様におく。 (75)  X=2πωPt (76)  Z=(Q−P)2πωPt+φ
【0304
】Xはtに或る周波数を掛けたものZは時間により変る
位相と考えることができる。
【0305】これらを(67)と(70)とに代入し2
つの式を加え合わせると、
【0306】
【数51】
【0307】式(77)の右辺はクロストークに起因す
る位相の歪んだ信号である。ここでσの値の連続的な変
化は本装置の動きによる歪である。式(79)はこの変
化を示している。式(79)にZを代入すると、次式が
得られる。
【0308】
【数52】
【0309】式(80)は半波対称の周期奇関数を示し
ておりその周期は1/(Q−P)ωである。したがって
、式(80)を1周期に亘って積分すれば結果は0にな
る。
【0310】さて、式(80)の周期が1/(Q−P)
ωであるということはP個の極とQ個の極が夫々に関連
するセンサの前を通過する同じ時間間隔の間に、(Q−
P)個の極に対応する信号の1周期が存在するというこ
とである。しかし、この時間間隔は丁度1回転分の時間
かあるいは1回転分の時間の整数分の1である。したが
って1回転中には式(80)の周期が整数回入っている
から、式(80)の1回転に亘る積分も0になる。
【0311】式(80)のσの値は、しかしながら、有
限回数だけサンプリングされる。また、更に、そのサン
プリングは、サンプリングが位相の歪んだ信号のゼロ交
叉点で行なわれるので、原理上、正確に等間隔でない。 しかし、サンプル数が増加するにつれて、「サンプリン
グの密度」が全時間間隔を通じて実質的に一定な場合の
み、サンプリングが等間隔に行なわれるか否かには関係
なく、サンプリングは連続の場合の積分をもっとよく近
似するということが明らかである。
【0312】ここに述べたクロストーク低減技法は2つ
の理由で低レベルのクロストークに対してよりよく働く
。第1に低レベルクロストーク下ではサンプリング間隔
が等しくなる傾向にあり(ゼロ交叉の位置での位相歪が
少ない)、σを表わす関数(式(80)の形が正弦関数
に近付く。たとえば、高クロストークレベル(A=2)
時のσの時間変化を表わす図13(A)と低クロストー
クレベル(A=10)時のσの時間変化を表わす図13
(C)は波形を比較する。図13(A)は波形半波対称
を示しているけれども、半サイクルそれ自身はその中点
に関して対称ではないから、等間隔の標本でさえも合計
して0になることを期待することはできない。このこと
は等間隔にサンプリングされた値からいろいろと任意の
ペアを取出してみれば最も容易にわかる。これとは対照
的に、図13(c)の波形は、振幅がかなり小さいにも
かかわらず、ほとんど正弦状である。よってほぼ等間隔
のサンプリングを行なえば、合計はほとんど0になる。 図13(A)と図13(C)との差異は、式(67)の
Aとして選んだ値が異なることを反映している。 これがσを表わす関数(式(80))の形にどのように
影響するかに注意されたい。
【0313】要約すれば、クロストークの大きさが低い
か中程度ならばサンブリングによる近似は非常に効果が
ある。サンブリングによる近似の精度はプリングのポイ
ント数を増すことによって更に高められる。これを容易
に行なうことのできる方法が少なくとも2つある。第1
の方法は、サンプリングを行なう点をP信号の正に向う
ゼロ交叉の点だけではなく、全ゼロ交叉点において行な
うことである。第2の方法としては、P’−Q’を同じ
に保ちながらP’,Q’の夫々を増加させることである
。そしてよく考えてみると、クロストークの基本レベル
が異常に高い場合でさえも充分サンプリング密度を高く
すれば(たとえばP’とQ’とを充分に大きくすれば)
低レベルから中程度のレベルのクロストークで得られた
利点を失わないようにできる。たとえば、A=2,P’
=6,Q’=5の場合のクロストークが混入した信号の
位相歪α、振幅Bsin(2πω×Pt+α)をそれぞ
れ示す図13(A)と図13(B)とを参照されたい。 ここでは主信号と干渉信号との比は2対1に過ぎず、σ
関数の形は丸味のある鋸歯状である。しかし図13(A
)の丸味のある鋸歯状波の1回転に亘る積分はやはり0
であり、有限のサンプリングもサンプリングポイント数
を充分に多くすればこの積分をいくらでも近似すること
ができる。
【0314】P#およびQ#についての1回転1回の検
知 絶対基準マークをセンサからの波形に対して設けること
ができる方法は多数ある。たとえば歯車あるいはロータ
の間隔に検知が可能な非一様性を持たせることができる
。こうすれば1回転する毎にそれに対応する1回の周期
的変動がセンサからの信号に生ずる。このような非一様
性は多様な手段によって可能であって、たとえば極の間
隔を単調に増加させること、正常の極よりも幅広の極を
設けること、2つの極の間隔を正常の間隔よりわずかに
狭くあるいは広くすること、および既に説明した様に、
欠除極を設けることなどにより実現できる。位相測定技
法に関するかぎり、およびクロストークの影響を無視す
るかぎり、これらの非一様性はその実現に際し、特別に
正確である必要はない。位相測定技法それ自身は、結局
、極配置誤差には鈍感である。
【0315】極とそれに関連する検知機構の性質によっ
ては、1回転1回マークのために設けられた非一様性を
他から識別するために使用する技法に影響が及ぶことが
ある。たとえばロータ上に交互に設けられた透明・不透
明の両領域を光学的に検知することを考えよう。おそら
くそうであるように、光束が極めてよく平行になってい
るかあるいはセンサの視野が充分に狭い場合には、セン
サからの出力波形はロータ上の領域分布と同形のパター
ン像となるはずである。たとえば、欠除極の検知にあた
っては、もし極が存在すれば出ていたであろう正常な波
形部分が削除されて現れるだけであろう。検知における
このような「忠実さ」は、それに到達するには一層の手
間が必要ではあるが、磁気的および容量的検知機構の場
合には可能である。たとえば、磁極が磁石のN極および
S極から延在している磁気センサはその空隙を歯車の歯
の山に沿う縁の線の先端の上および下に取ることができ
、最も近い歯が通過したために起る磁束の変化を最大に
できると共に隣接する歯と交番磁束通路とがセンサの出
力信号に影響する程度を最小にすることができる。それ
がどのように行なわれようと、要点は、次節で述べる状
況とは対照的に、検知にこのような忠実さがあれば非一
様性を認識し、(必要なら)欠除極位置を推定するかあ
るいはデータ処理上の便宜のため非一様性を「ならす」
という作業でのある種の複雑さが回避できるということ
である。たとえば、極が欠けている場合、ゼロ交叉検出
器からのサイクルは、副次的な乱れを起さずに単に消失
するだけである。同じ方向の連続するゼロ交叉間の周期
が長くなることに気づくと共に、その中途に「置き換え
用のもの」を挿入することになるであろう。
【0316】既述の特定の磁気応用の実施例においては
磁気センサは「狭い視野」を備えていない。再び図3A
を参照すると、たとえば、磁力線が歯車5に最も近い端
にある磁極25をはなれるとすぐ、この磁力線は歯車に
向ってあらゆる方向に拡がる。磁束通路リラクタンスに
かなりな程度に影響を与えるものとしては、歯車上で磁
極25に最も真正面に対向している歯の両側にある他の
歯もあげられる。すなわち、歯が欠けていればセンサを
その前後に通過する歯の検知に影響が出る。この効果は
欠除歯があるべき場所に関して対称であり、磁気検知の
dφ/dtの性質に関連してセンサが、普通は2サイク
ル存在していたはずの時間に長周期の1サイクルを発生
する。このようにして、サイクルが欠けるだけでなく、
他のあるサイクルはその遷移が本来あるべき位置からず
れる様になる。
【0317】更に状況をまとめれば、すべてのセンサが
、極の前進端と出会ったとき常に同極性の遷移を起すよ
うに製作され取付けられていると考えるのは不都合であ
るかもしれない。従って、あるセンサにとっては正の遷
移であるものが他方のセンサにとってはまさは対応して
もよい。しかしセンサ間で極性が異なっていても、シス
テムとしては一方向のゼロ交叉だけについて動作するこ
とが望ましい。このようにセンサの極性が入り混じって
いれば、異なる極性のセンサの間の欠除歯に近い位置に
見掛けのずれが生じ、これに伴い欠けた歯を「埋める」
手順が変化する。見掛けのずれは無視することかできる
。第1に、関連したロータの残りの部分に対するこの様
なセンサによる表現は同じ量だけずれる。第2にP#ま
たはQ#の値はその同じロータについての他のP#また
はQ#の値と比較されるということは決してない。 この値は別のロータについてのQ#またはP#と関連し
て使用されるだけである。このずれがどれ程の量になる
かは「何時その情報が利用できるようになるか」の相違
であって、その情報が「何であるか」の相違ではない。 たとえこのようなセンサを粗の位相測定(すなわち、2
つのロータの絶対基準マーク間の時間が1回転の何パー
セントであるかを測定すること)を行なうのに使用して
も、見掛けのずれは得られる答に一定のオフセットを生
ずるだけである。このようなオフセットはその不変の値
が一旦知れれば容易に除かれる。
【0318】長周期と極性の相違とにより、欠除極のこ
とに関しての2つの異なる状況を生ずる。これらの状況
は図14Aおよび図14Bに示すように取扱うことがで
きる。マイクロプロセッサを用いれば、信号AないしX
の夫々の中の長い周期を認識し、そして与えられた非一
様性に基いてケースIかまたはケースIIの極性かを確
かめることは困難でない。この情報はロータが動くにつ
れて繰返し確かめられるか、あるいは夫々のセンサにつ
いて1回だけ求めて永久に符号化される。一旦これらの
極性が知れると、図14Aおよび図14Bに示す一定の
関係にしたがって誤差を含んだ遷移点の位置を補正し、
また欠けた遷移を近似することは簡単なことである。
【0319】勿論、すべてのセンサがある選択をされた
同一の極性を有する様にし、常に図14Aおよび図14
Bに示した2種の状況のどちらか1つを使用してもよい
。しかしながら、同一の選択された極性を有する様にし
ておくというような条件は、組立てまたは修理によって
成立しなくなることがある様な条件であると信じている
人もいる。この見解は、極性がどちらであろうとはじめ
から問題にしない場合はうまくいかなくなり様がないと
いうこと、および特定方向の極性に頼らないのがよいで
あろうということを考えての上で主張されているのであ
る。
【0320】第2の一般的方法はロータ上の非一様性に
よって波形に生ずる認識可能な周期的乱れを全く不要に
することである。代りに、マイクロプロセッサは基準ロ
ータからの信号のQ個のサイクルを繰返す間に入力回転
子からの信号がP個のサイクルを繰り返すことを期待し
ている。マイクロプロセッサはいろいろなP#およびQ
#の基準となる擬似絶対基準マークとなる各波形のサイ
クルを任意に選択する。選択されたサイクルはPを法と
するサイクルおよびQを法とするサイクルを数えること
によって繰返し認識される。かくして、P#とQ#は測
定要求を受け取ったときモジュロの計数がいくらである
かに注目して求められる。
【0321】一般化された位相測定 擬似絶対基準マークを使用することにより、式(1),
式(57)およびこれらから誘導された諸式の適用範囲
を、一方の信号のP個のサイクルが他の信号のQ個のサ
イクルと同じ時間内に起る状況まで一般化できる。これ
にはP=Qの場合、すなわち、信号が位相遅れを生ずる
或る現象にさらされてからそれ自身と比較される場合が
確実に含まれている。このような方式は伝播遅れによっ
て対応する位相ずれを生ずる物理的性質(たとえば距離
)を変換するために屡々使用される。
【0322】このような用途における以上説明した位相
測定技法の利点は、位相測定の精度が位相がずれて測定
される信号の精度あるいは安定性によらないことである
。位相測定に関して必要なことは、ゼロ交叉により区切
られるいろいろの時間間隔およびP個のまたはQ個のサ
イクルの時間とを正確に測定する安定性だけである。 これら後者の2つの時間が等しいことを信頼してよけれ
ばこれらは同時に起る必要はなく、全く別々に、一方が
他方の直後か或る遅れの後起ってよいということもわか
るであろう。同様に、これらは一部互いに重なり合って
もよい。
【0323】角度測定技法 共通の回転軸に取付けられた多極入力ロータと多極基準
ロータとは極が関連する入力センサおよび基準センサを
通過するとき夫々入力信号および基準信号を発生する。 入力センサは共通回転軸のまわりに軌道回転するように
軸受けされていて、入力ロータの周辺に沿って軌道運動
ができる。基準センサは基準ロータの周辺に隣接する位
置に固定されている。各ロータ上の1回転1回のマーク
が各ロータにある1つの極を基準極すなわち指標極とし
て識別する様に構成してよい。各極がその関連するセン
サを通過すると関連する入力信号および基準信号にサイ
クルを生ずる。ロータにはその極を特別な高精度で配置
する必要はない。クロストークが問題となる場合には一
方のロータ上の極の数を他方のロータ上の極の数と異な
るようにしてよい。
【0324】入力および基準の信号に含まれている情報
は、少なくとも1回転分の遷移時間データが捕えられ記
憶装置に記憶された後で検索される様に構成してよい。 指標極の識別を行なうため、その極を物理的に除去し、
この欠除極により合図(flag)され推定される遷移
を記憶装置に入れるのも便利である。
【0325】各ロータが少なくとも1回転する間に、極
の発生する相続く時刻の平均を計算し、関連する等価単
極が生起する平均時刻を求める。これらの等価単極の生
起の平均時刻は、次にこれらが実際に1つだけしか極が
ないロータから生じたかのように比較される。入力ステ
ータセンサがロータの回転方向に進むと、等価単極の時
間間隔はその時間間隔が1回転分に到達するまでは増大
する。入力ステータセンサが更に前進すると等価単極間
の一致点を過ぎ、この点で時間間隔が突然0に落ち再び
増大しはじめる。測定された時間間隔は入力および基準
センサの間の角度に比例しており、これは入力角度に等
しいか、あるいは入力角度とは定数分の相異があるだけ
である。測定された時間間隔は任意の希望する単位で入
力角度を表わすように目盛られる。既述の例では、測定
された時間間隔はまずその測定された時間間隔をロータ
の回転時間の測定値で割って1回転に対する比率として
正規化される。この正規化の結果は次に適切な定数のオ
フセットだけ増したり減らしたりすることができる。
【0326】等価単極生起平均時刻の測定は各ロータに
ついて、少なくともロータの1回転分(あるいは整数回
転分)の間隔で発生する連続した極の生起時刻の合計を
極の数で除した値に注目して行なわれる。つまり1回転
の端数の分については上述の合計は行なわれない。また
両合計は共通の時刻基準点に関して行なわれる。どちら
の合計も常に夫々対応する指標極の検出つまり生起によ
り開始される(すなわちそれまで待つ)ものとすれば、
生起の平均時刻の差は実際上記の時間間隔の測定値にな
る。これは確かに実現可能であるが、夫々の合計が関連
する回転ができるだけ多くオーバーラップした方が良い
という要請に反することになる。つまり夫々異なる回転
について合計がとられた場合、1つの回転と次の回転と
の回転速度のばらつきで、回転時間の両平均値で共通で
なくなり、これらが別々に正規化されないかぎり、比較
できなくなるからである。このような複雑さを避けるに
は、好ましくは、両合計についての回転のオーバーラッ
プが最大であればよい。この目的のため、指標極のかわ
りに、任意の極が通過すると直ぐに合計を開始させる。 しかし、基準の時刻の共通点は保存される。この共通点
はたとえば便宜的に基準信号の連続する遷移の最初とす
ることができる。
【0327】合計を開始する時点についてのこの柔軟性
の見返えりに、合計が指標極から見てどこから開始され
たかを見失わない様にしなければならない。これは関連
する指標極が最後に現れてから各ロータ上でスキップさ
れた極の数を数えることによって行なうことができる。 有用な原理によれば、等価単極の生起した時刻の平均測
定値を、スキップされた極1つにつき、極間の平均時間
間隔で補正することができる。この極間の平均時間間隔
は単に1回転分の時間を極の数で割ったものである。基
準ロータ側でスキップされた極の1つ毎に、基準ロータ
上の極間平均時間間隔を両等価単極の生起の平均値の測
定値間の差の値に加えなければならない。同様にして、
入力ロータ側の極のスキップ毎に入力ロータ極間の平均
時間間隔を上述の差から差し引かなければならない。こ
のようにして、入力,基準ロータにおいてスキップされ
た極数を数え、それに基づいて両等価単極の生起時刻間
の差の測定値を平均極間時間間隔とスキップ極数により
補正することにより、合計の開始は実際には任意の極か
らであるのだが、指標極から合計を開始した場合の生起
時刻間の差の値を得る。
【0328】結果には平均化によって与えられた特別な
信頼性がすべて入っており、その精度は、合計を作るた
めに使用した時刻測定の精度と同等である。ロータ上の
極配置の精度は、おそらくクロストークのような間接的
な影響による以外は、結果の精度には全く入ってこない
。しかし、極がほぼ規則的に配置されている場合に限り
、両ロータの極数が異なる様に選べば事実上クロストー
クが打ち消される。この場合でも極を高い精度で配置す
る必要はない。
【0329】得られる結果は統合されたモジュロ解であ
りその1サイクルは入力角度の丁度1回転分、すなわち
360度を直接表わしており、粗あるいは精の成分はな
い。したがって粗および精の成分を正しく結びつけるア
ルゴリズムを付加する必要はなく、測定値が方の値すな
わち「転換点」に近いときノイズにより誤差が入るので
はないかと疑う必要はない。
【0330】等価単極間の時間間隔の測定値または補正
された測定値は入力角度の直接標示(勿論、適切なスケ
ーリング)とすることができるし、あるいは或る任意の
入力条件に関係する残り(residual)の時間間
隔と比較してもよい。この任意の入力条件としては「0
度」または或る未知の値として差支えない。いずれにし
ても、等価単極の生起の平均時刻の差の測定値または測
定後に補正された値は、この残りの時間間隔を差し引か
れたとき、現在の入力条件と任意の入力条件との間の掃
引角度を表わしている。この残りの時間間隔は指標極の
一致が起ったときの等価単極についての両平均時刻がは
じめから持っている差、あるいは単に純粋に任意の入力
条件についての別の測定値または測定後に補正された値
を表わすことができる。
【0331】上述の測定技法はまた、周波数の比が有理
数である(すなわち一方の信号の信号の整数回のサイク
ルが他方の信号の別の整数回のサイクルに等しい長さの
時間内で起る)2つの信号間の位相を測定する方法であ
ると考えてもよい。上述の方法を、たとえば、一方のP
個のサイクルが他方のQ個のサイクルに等しい長さの時
間内にあるような2つの信号間の位相を測定するのに使
用する場合、指標サイクルとして、夫々の波形の任意の
サイクルを用い、その後夫々のP番目とQ番目とのサイ
クルを指標サイクルとして用いるのが便利である。P番
目とQ番目のサイクルは夫々modPおよびmodQに
より関係している信号のサイクルを数えることにより簡
単に見分けられる。
【0332】上述の位相測定技法は直径の反対側に配置
された1対のセンサを用いてもよい。好ましい実施例で
は、入力ステータと基準ステータは共に夫々互いに直径
の反対側に配列した1対のセンサを備えている。4つ位
相が測定される。つまり、一方のステータ上のセンサの
各々は他方のステータ上の2つのセンサと個別の関係に
取られることにより、4通りの組合わせになるのである
。かくして得られた4つの位相測定値は、4つの中の1
つを基準として固有のオフセットについて補正される。 基準の位相と残り3つの補正された位相とはその後平均
化される。
【0333】クロストーク抑制技法 センサ間のクロストークはロータ上の極の数を特定の仕
方で等しくないように選択して上記の位相測定技法を実
行することによって抑制される。一方のロータの極をP
個、他方のロータについてはQ個と選定する。分数P/
Qの既約型を分数P’/Q’とする。ただしP’とQ’
とはいずれも1に等しくないとする。勿論、PとQとは
PとQとがいずれも1でない状態でP/Qが既に既約に
なっているように選定してよい。
【0334】この効果は1回転に亘る積分が0になる位
相測定誤差関数を作り出すことである。したがって、整
数回の回転に亘ってクロストーク付信号を充分高密度で
サンプリングすればクロストークの影響を任意に望む程
度まで自己相殺させることができる。
【0335】上記の位相測定技法はこの点について好ま
しい。なぜなら本技法では整数回に亘って平均を測定す
ると共にPとQを任意の値にとることができるからであ
る。
【0336】周期誤差を補正する方法 入力角度の関数である誤差(偏心誤差等)、およびその
周期が360入力角度(1周1回誤差)または180入
力角度(1周2回誤差)などである誤差関数を有する誤
差の自己相殺作用は、これらの位相を平均する前に関連
する直径反対側センサ間の位相を測定することによって
強められる。好ましい方法では各センサはその位相が基
準に対して測定される別々の信号を発生する。ゼロ交叉
検出と時間測定とは振幅変動に対する感度を下げるので
好ましい。測定された位相は次に直径反対側センサ同志
で算術平均することができ、次にその結果は、もしこの
ようなものがあれば、他の組の直径反対側センサからの
同様な結果と平均することができる。一般に、「1周1
回」誤差には1組の直径反対側センサが必要であり、「
1周2回」誤差には90°隔てた2対が必要である、等
々。このような平均化前に別々のセンサによって位相測
定を行なうと、2つの信号が位相測定前にアナログ的に
平均されるとき振幅の小さい信号中の位相情報が振幅の
大きな信号によってゆがめられることが無くなる。この
ような振幅変動は誤差の機構によって導入されることが
多く、アナログ平均位相に現れるゆがみは平均化にもか
かわらず誤差として残る。最初に位相を測定し、次に平
均化を行なえばこのような付随的な振幅変動によって起
る悪影響が除かれ、誤差を一層完全に近い所まで自己相
殺できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の機械部分の斜視図。
【図2】図1の機械部分の分解図。
【図3A】本発明の一実施例のブロック図。
【図3B】本発明の一実施例のブロック図。
【図3C】本発明の一実施例のブロック図。
【図4】本発明の基本原理の説明図。
【図5】本発明の基本原理の説明図。
【図6】本発明の基本原理の説明図。
【図7】本発明の基本原理の説明図。
【図8】本発明の基本原理の説明図。
【図9A】本発明の基本原理の説明図。
【図9B】本発明の基本原理の説明図。
【図9C】本発明の基本原理の説明図。
【図10】本発明の基本原理の説明図。
【図11】クロストーク誤差補正の説明図。
【図12】クロストーク誤差補正の説明図。
【図13】クロストーク誤差補正の説明図。
【図14A】検出器の極性の相異により欠除歯位置検出
に与えられる影響を説明する図。
【図14B】検出器の極性の相異により欠除歯位置検出
に与えられる影響を説明する図。
【符号の説明】
1:機械部分 2:基準ステータ 3:入力ステータ 4:ロータ軸 5:基準ロータ 6:入力ロータ、 7:印刷回路基板 8,9:基準センサ 10,11:入力センサ 22:軸、 23,24:磁石 29,30,31,32:増幅器 33,34,35,36:ゼロ交叉検出器37,38,
39,40:遅延回路 45:クロック信号 52:カウンタ 53:新データカウンタ 54,62:デコーダ/マルチプレクサ59:割込キャ
ッチアップカウンタ 60:比較回路 61:マイクロプロセッサ 63:ランダムアクセス記憶装置

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の(a)ないし(k)を設けてなる変
    換器; (a)それぞれP個及びPとは異なるQ個の極を第1及
    び第2周縁部に持ち、軸のまわりに同時にかつ同一の回
    転をなすように軸支された第1及び第2ロータ:前記第
    1及び第2ロータはそれぞれ1回転当り1個の第1及び
    第2指標マーク を持つ;(b)前記第1及び第2ロータに結合され、こ
    れらを軸の回りに回転させる手段; (c)前記第1周縁部の近傍に設けられ、前記第1周縁
    部の極の通過に応答して1回転毎にPサイクルの第1セ
    ンサ信号を発生する第1センサ手段; (d)前記第2周縁部の近傍に設けられるとともに前記
    軸のまわりであって前記第2周縁部のまわりに軌道状の
    回転をするように軸支され、前記第2周縁部の極の通過
    に応答して1回転毎にQサイクルの第2センサ信号を発
    生する第2センサ手段; (e)それぞれ前記第1及び第2センサ信号に結合され
    、第1及び第2ディジタル信号を発生する第1及び第2
    ゼロ交叉手段; (f)前記第1及び第2ディジタル信号に結合され、両
    信号の内の少なくとも一方が遷移したことを検出する遷
    移検出手段; (g)ディジタル時間情報を提供するクロック手段;(
    h)前記第1ディジタル信号に結合され、1回転当り1
    回の第1指標マークを識別する第1指標マーク識別手段
    ; (i)前記第2ディジタル信号に結合され、1回転当り
    1回の第2指標マークを識別する第2指標マーク識別手
    段; (j)前記第1及び第2ディジタル信号と前記遷移検出
    手段と前記クロック手段と前記第1及び第2指標識別手
    段とに結合され、前記ロータの1回転の時間Rとゼロ点
    から前記第1ディジタル信号のP個の連続したサイクル
    中のそれぞれ選択された遷移までのP個の時刻の合計Σ
    TPと前記ゼロ点から前記第1ディジタル信号のQ個の
    連続したサイクル中のそれぞれ選択された遷移までのQ
    個の時刻の合計ΣTQと前記第1ディジタル信号中にお
    いて前記第1指標マークから前記P個の連続したサイク
    ルの内の最初のサイクルまでの間に介在するサイクルの
    個数のPについてのモジュロを取った数P#と前記第2
    ディジタル信号中において前記第2指標マークから前記
    Q個の連続したサイクルの内の最初のサイクルまでの間
    に介在するサイクルのQについてのモジュロを取った数
    個数Q#とを判定する第1ディジタル処理手段と、(k
    )前記Rと前記ΣTPと前記ΣTQとP#とQ#とに結
    合され、前記センサ信号と前記第2センサ信号との間の
    位相θを求める第2ディジタル処理手段。
  2. 【請求項2】前記位相θは下記の項を含む式を評価する
    ことによって得られることを特徴とする請求項1記載の
    変換器: (ΣTQ/Q−ΣTP/P)/R+P#/P−Q#/Q
  3. 【請求項3】前記位相θは下記の項を含む式を評価する
    ことによって得られることを特徴とする請求項1記載の
    変換器: (ΣTQ/Q−ΣTP/P)/R+P#/P−Q#/Q
    −ψ ただし、ψは定数である。
  4. 【請求項4】前記PとQは互いに一方が他方の倍数であ
    るという関係にはなく、前記第1周縁部の前記P個の極
    は(P−1)個の等間隔に配置された実際の極と実際の
    極の欠如によって識別可能な1つの仮想の極からなり、
    前記第2周縁部の前記Q個の極は(Q−1)個の等間隔
    に配置された実際の極と実際の極の欠如によって識別可
    能な1つの仮想の極からなることを特徴とする請求項1
    記載の変換器。
  5. 【請求項5】前記1回転当り1回の第1指標マークは前
    記第1周縁部の前記仮想の極であり、前記第1指標マー
    クを識別する手段は前記第1周縁部での前記実際の極の
    欠如に応答し、前記1回転当り1回の第2指標マークは
    前記第2周縁部の前記仮想の極であり、前記第2指標マ
    ークを識別する手段は前記第2周縁部での前記実際の極
    の欠如に応答することを特徴とする請求項4記載の変換
    器。
  6. 【請求項6】下記の(a)ないし(k)を設けてなる変
    換器: (a)それぞれP個及びPとは異なるQ個の極を第1及
    び第2周縁部に持ち、軸のまわりに同時にかつ同一の回
    転をなすように軸支された第1及び第2ロータ:前記第
    1及び第2ロータはそれぞれ1回転当り1個の第1及び
    第2指標マークを持つ; (b)前記第1及び第2ロータに結合され、これらを軸
    の回りに回転させる手段; (c)前記第1周縁部の近傍に設けられ、前記第1周縁
    部の極の通過に応答して1回転毎にPサイクルの第1セ
    ンサ信号を発生する第1センサ手段;(d)前記第2周
    縁部の近傍に設けられるとともに前記軸のまわりであっ
    て前記第2周縁部のまわりに軌道状の回転をするように
    軸支され、前記第2周縁部の極の通過に応答して1回転
    毎にQサイクルの第2センサ信号を発生する第2センサ
    手段; (e)それぞれ前記第1及び第2センサ信号に結合され
    、第1及び第2ディジタル信号を発生する第1及び第2
    ゼロ交叉手段; (f)前記第1及び第2ディジタル信号に結合され、両
    信号の内の少なくとも一方が遷移したことを検出する遷
    移検出手段; (g)ディジタル時間情報を提供するクロック手段;(
    h)前記第1ディジタル信号に結合され、1回転当り1
    回の第1指標マークを識別する第1指標マーク識別手段
    ; (i)前記第2ディジタル信号に結合され、1回転当り
    1回の第2指標マークを識別する第2指標マーク識別手
    段; (j)前記第1及び第2ディジタル信号と前記遷移検出
    手段と前記クロック手段と前記第1及び第2指標識別手
    段とに結合され、前記ロータの1回転の時間Rとゼロ点
    から前記第1ディジタル信号のP個の連続したサイクル
    中のそれぞれ選択された遷移までのP個の時刻の合計Σ
    TPと前記ゼロ点から前記第1ディジタル信号のQ個の
    連続したサイクル中のそれぞれ選択された遷移までのQ
    個の時刻の合計ΣTQとを判定し、更に前記第1ディジ
    タル信号中において前記第1指標マークから前記P個の
    連続したサイクルの内の最初のサイクルまでの間に介在
    するサイクルの個数のPについてのモジュロを取った数
    P#を判定する第1ディジタル処理手段と、(k)前記
    第1ディジタル処理手段に結合され、前記第1センサ信
    号と前記第2センサ信号との間の位相θの高精度部分を
    求める第2処理手段:前記位相θの高精度部分のQ個の
    サイクルは前記第2センサ手段の前記軸のまわりでの軌
    道状の1回転に相当する。
  7. 【請求項7】前記位相θの高精度部分は下記の項を含む
    式を評価することによって得られることを特徴とする請
    求項6記載の変換器: (ΣTQ−(Q/P)ΣTP)/R−P#(Q−P)/
  8. 【請求項8】前記位相θの高精度部分は下記の項を含
    む式を評価することによって得られることを特徴とする
    請求項6記載の変換器: (ΣTQ−(Q/P)ΣTP)/R−P#(Q−P)/
    P−ψ だたしψは定数である。
  9. 【請求項9】1回転当り1回の前記第1及び第2指標マ
    ークを識別する手段に結合され前記Rに応答して粗の位
    相θを発生する第3ディジタル処理手段と、前記第2デ
    ィジタル処理手段と前記第3ディジタル処理手段とに結
    合されて前記粗の位相θと前記位相θの高精度部分とを
    まとめることを特徴とする請求項6記載の変換器。
  10. 【請求項10】前記PとQは互いに一方が他方の倍数で
    あるという関係にはなく、前記第1周縁部の前記P個の
    極は(P−1)個の等間隔に配置された実際の極と実際
    の極の欠如によって識別可能な1つの仮想の極からなり
    、前記第2周縁部の前記Q個の極は(Q−1)個の等間
    隔に配置された実際の極と実際の極の欠如によって識別
    可能な1つの仮想の極からなることを特徴とする請求項
    6記載の変換器。
  11. 【請求項11】前記1回転当り1回の第1指標マークは
    前記第1周縁部の前記仮想の極であり、前記第1指標マ
    ークを識別する手段は前記第1周縁部での前記実際の極
    の欠如に応答し、前記1回転当り1回の第2指標マーク
    は前記第2周縁部の前記仮想の極であり、前記第2指標
    マークを識別する手段は前記第2周縁部での前記実際の
    極の欠如に応答することを特徴とする請求項10記載の
    変換器。
JP6565391A 1983-03-25 1991-03-06 変換器 Granted JPH04212008A (ja)

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