JPH0420543A - 空洞含有延伸成形物の製造方法 - Google Patents

空洞含有延伸成形物の製造方法

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JPH0420543A
JPH0420543A JP12122990A JP12122990A JPH0420543A JP H0420543 A JPH0420543 A JP H0420543A JP 12122990 A JP12122990 A JP 12122990A JP 12122990 A JP12122990 A JP 12122990A JP H0420543 A JPH0420543 A JP H0420543A
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petroleum resin
softening point
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stretched
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Kazuhiro Yamada
和宏 山田
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は空洞含有延伸成形物の製造方法に関する。詳し
くは結晶性ポリプロピレンを主成分とする不透明性の均
一な薄膜からなる空洞含有延伸成形物の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 空洞含有延伸成形物は例えば−軸又は二軸延伸フィルム
としてその不透明感及び真珠様光沢等の特色を生かした
一般包装材料、装飾材料、合成紙書写印刷紙又は梱包材
料等の用途に広く用いられている。
従来、空洞含有延伸成形物を製造する方法としては、例
えば次の様なものが知られている。
(1)成形時に発泡剤を添加して多数の気泡を形成させ
る方法、 (2)無機充填剤を多量に添加した組成物を延伸し、ボ
イドを形成させる方法(特公昭62−24532号公報
及び特開昭63−117043号公報等)、(3)ナイ
ロン、ポリエステル等の高融点ポリマー類を結晶性ポリ
プロピレンに分散させる方法等(特開昭61−1575
47号公報及び米国特許第4,377゜616号明細書
等) が知られている。
しかし、これらの方法は次のような欠点を有する。すな
わち、 (1)においては成形条件用途による発泡剤の複雑な選
択が必要である。気泡が粗大になり易く、光沢低下を来
す。フィルム等の薄膜では均一微細発泡が難しいという
欠点がある。
(2)においては押出時の流動性低下、押出機のスクリ
ーンバックの目詰まり、無機充填剤に起因する吸湿・粗
大発泡、分散不良等が生じ易い。樹脂の変更に伴う置換
にも長時間を要する等の点で生産性にきわめて劣る。更
に、得られた製品も低光沢度で、ダル化したものしか得
られない外、耐衝撃性及び引張強度等にも劣るという欠
点が伴う。
(3)においてはナイロン、飽和ポリエステル等は結晶
性ポリプロピレンとの相容性に劣り、かつ、溶融温度、
流動挙動(溶解粘度)等も結晶性ポリプロピレンとは極
めて異なることから、両者の均一分散が困難である。そ
の結果、作成された原反が不均一になり易(、延伸時に
破断を生じたり、安定生産性に劣る。得られる延伸物も
不透明にはなるが空洞含有がまだ低く、光沢の低いダル
調のものしか得られないという問題が残る。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者等はこれらの事情に鑑み、不透明性の均一な薄
膜を得るべく種々検討の結果、結晶性ポリプロピレンと
特定の高軟化点石油樹脂とを特定の配合比率で特定量配
合した組成物に、更に、特定の2種以上の非イオン系界
面活性剤を特定の配合比率で規定量添加することによっ
て、不透明性が均一で美観の優れた薄膜空洞含有延伸成
形物が得られることを見出して本発明を完成した。
[課題を解決するための手段] すなわち本発明は次記する製造方法に関するものである
: (1)結晶性ポリプロピレン100重量部に対して、シ
クロペンタジェン系石油樹脂[軟化点(環球法)160
〜b 及び2種以上の非イオン系界面活性剤を合計0.05〜
5重量%配合した組成物を溶融状態で押出し、該石油樹
脂の軟化点以下の温度で少なくとも一方向に2倍以上延
伸することを特徴とする空洞含有延伸成形物の製造方法
(2)シクロペンタジェン系石油樹脂として、シクロペ
ンタジェン系成分を50重量%以上含有する石油樹脂又
は該石油樹脂を水素化して得られる軟化点(環球法)1
70〜220℃でヨウ素価20以下の水素化シクロペン
タジェン系石油樹脂を用いることを特徴とする請求項1
に記載の空洞含有延伸成形物の製造方法。
(3)非イオン系界面活性剤が3〜5価の多価アルコー
ルと炭素数12〜22の高級脂肪酸とからなるエステル
及びその誘導体(A)から選ばれた1種以上と次の一般
式(B−11又は(B−2)で表わされる群から選ばれ
る1種以上との組合わせ系であることを特徴とする請求
項1又は2に記載の空洞含有延伸成形物の製造方法。
(ここで、Rは炭素原子数12〜22のアルキル基、R
1及びR2は水素原子又は炭素原子数12〜22の脂肪
酸形成性のアシル基。n及びmは1〜6の数)。
(4)溶解押出しされた組成物の少なくとも一方の面を
30〜90℃に保たれた鏡面冷却ロールで急冷して未延
伸原反を成形した後、該石油樹脂の軟化点以下の温度で
少なくとも一方向に2倍以上延伸することを特徴とする
請求項1〜3の何れかに記載の空洞含有延伸成形物の製
造方法。
本発明で用いられる結晶性ポリプロピレンとしては、プ
ロピレンの結晶性単独重合体、プロピレンを主成分とす
るエチレンもしくは炭素数4以上の他のα−オレフィン
1種以上との二元以上の共重合体又はそれらの混合物で
ある。具体的には例えば沸騰n−へブタンに不溶性の部
分を70重量%以上、好ましくは80重量%以上含有す
る結晶性ポリプロピレン、プロピレン成分を70重量%
以上含有する結晶性エチレン・プロピレン共重合体、結
晶性プロピレン・1−ブテン共重合体、結晶性プロピレ
ン・1−ヘキセン共重合体等の結晶性エチレン・プロピ
レン・1−ブテン共重合体等の結晶融点を有するプロピ
レン系共重合体が挙げられる。
この結晶性ポリプロピレンはJIS [7210−19
76で測定した溶融指数(以下、rMFRJと称する)
が0.1〜20 g/lomin 、好ましくは0.3
〜10の範囲にあり、かつ、走査型差動熱量計(略称D
SC)法で測定した結晶融点(以下、rTmJと称ペン
タジェン系樹脂又はそれらの混合物である。
該樹脂の軟化点が155℃以下では、本発明の目的とす
る不透明な空洞含有延伸成形物を得るには適しない。そ
の理由は公知の水素化石油樹脂を添加したポリプロピレ
ン系組成物からなるフィルム等の延伸成形物が透明化す
ることにある(特開昭60−90734号公報及び特開
昭60−210647号公報等参照)。また、240℃
を越える軟化点の該石油樹脂の製造コストは著しく高く
なる外に、ポリプロピレン中での分散性にも劣ることか
ら、製品の光沢を激しく低下させるので好ましくない。
なお、本発明で用いられる高軟化点石油樹脂を製造する
為の重合は通常公知の方法で行なうことができる。例え
ば、溶剤の存在下又は不存在下に窒素ガス等の不活性ガ
スの雰囲気下、好ましくは220℃以上の温度で、かつ
、重合系を液相に保持し得る圧力下で数時間以上例えば
、熱重合させることによって得られるが、高軟化点石油
樹脂を製造するには、従来公知の石油樹脂に比して高温
π デe 5 αを開ハ1 ;ヒーμ 1ンミE1慴 
七 ツ   タψ −イ     r几壬する)が11
0℃以上、好ましくは125℃のものである。
本発明で用いられるシクロペンタジェン系石油樹脂とし
ては、石油ナフサ等のスチームクラッキング等から得ら
れるシクロペンタジェン、ジシクロペンタジェン、それ
らのアルキル置換体及びそのオリゴマー並びにそれらの
混合物から選ばれる1種以上(以下、「シクロペンタジ
ェン成分」と称する)を主成分とする留分な重合させて
得られろ石油樹脂(HR)の中で、シクロペンタジェン
系成分を50重量%以上含有し、その軟化点(環球法)
が160〜230℃、好ましくは170〜220℃の範
囲の高分子量・高軟化点石油樹脂(HSHR)又は上記
石油樹脂(HR)を従来公知の方法、すなわち、パラジ
ウム、ニッケルもしくはコバルト等の金属又はその駿化
物等の触媒を用いて、溶剤の存在下に150〜300℃
の温度、10〜150 kgf/cm”の水素圧の条件
下で水素化して得られる軟化点(環球法)160〜23
0℃、好まどL+ 17 n〜つ90℃のstiの索豐
イにぐノ々口合の他に二段階以上の多段重合も望ましい
。また、該石油樹脂の水素化も同様に高温で長時間性な
うことによって、高度に水素化したものがポリプロピレ
ンとの相溶性に優れているので、望ましい。なお、これ
らの重合工程及び水素化工程は連続式又はバッチ式のど
ちらでも実行できる。
こうして得られたシクロペンタジェン系石油樹脂の中で
、軟化点(環球法)170〜220℃、ヨウ素価20以
下の水素化シクロペンタジェン系石油樹脂が最も好まし
い。該樹脂はポリプロピレンとの相溶性に特に優れ、そ
の組成物が安定して加工出来、かつ、成形物が微細均一
な空洞を含有し、不透明感及び表面光沢に優れた延伸成
形物となる。
本発明で用いられる2種以上の非イオン系界面活性剤系
を構成する各成分としては、次の(A)及び(B)を例
示できる。
(A)多価アルコールの高級脂肪酸エステル、高級脂肪
族アルコール等: 中でも、3〜5価の多価アルコールと炭素数12〜22
の高級脂肪酸とのエステル及びそのエチレンオキサイド
付加物が好ましく、例えば、グリセロール(別名「グリ
セリン」)高級脂肪酸エステル、ソルビトール(別名「
ソルビタン」)高級脂肪酸エステル等を挙げることがで
きる。その具体例としては、グリセロールモノステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ソルビ
トールモノステアレート、グリセロールモノベヘネート
、ペンタエリスリトールモノベヘネート、ソルビトール
モノベヘネート、グリセロールジステアレート、グリセ
ロールトリステアレート等を挙げることができる。特に
好ましいものはグリセロールモノステアレートである。
(B)高級脂肪族アミン(B−1)、高級脂肪酸アミド
(B−2)、高級アルキルフェノール等のエチレンオキ
サイド付加物等公知の、!トイオ′系界面活性斉゛j・
(ここで、Rは炭素数12〜22のアルキル基、R’及
びR2は水素原子又は炭素原子数12〜22の脂肪酸形
成性のアシル基。n及びmは1〜6の数) で表わされる脂肪族アミンのN、N−エチレンオキサイ
ド付加物又はその誘導体が好ましい。
(ここで、Rは炭素数12〜22のアルキル基、R1及
びR2は水素原子又は炭素原子数12〜22の脂肪酸形
成性のアシル基。n及びmは1〜6の数) で表わされる脂肪酸アミドのN、N−エチレンオキサイ
ド付加物又はその誘導体が好ましい。
(B−1) N、 N−ジアルカノール脂肪族アミン類
の具体例としては(以下、 rN、N−Jを省略する)
、パルミチルジエタノールアミン、ステアリルジェタノ
ールアミン、オレイルジェタノールアミン、ベヘニルジ
ェタノールアミン、エルシルジェタノールアミン等の高
級アルキルアミン類の1種以上を挙げることができる。
中でも好ましいものはステアリルジェタノールアミン又
はノくルミチルジェタノールアミンを主成分とするもの
である。
(B−2) N、 N−ジアルカノール高級脂肪酸アミ
ドの具体例(以下、r N、N−ジアルカノール」を省
略する)としては、パルミトイルアミド(通称「パルミ
チルアミド」)、ステアロイルアミド(通称「ステアリ
ルアミド」)、オレオイルアミド、ベヘノイルアミド、
エルコイルアミド等の1種以上を挙げることができる。
中でも好ましいものはステアロイルアミド又はパルミト
イルアミドを主成分とするものである。
本発明においては、非イオン界面活性剤(B)と(A)
とが重量比9/1〜2/8、好ましくは8/2〜3/7
で用いられること及びそれらの添加量の合計が結晶性ポ
リプロピレン100重量部に対して、0.05〜5、好
ましくは0.1〜2重量部の範囲に設定されることが重
要である。(A)又は(B)を単独で添加した場合、併
用した場合であっても両者の混合比が範囲外の場合、更
には混合比は範凹円であっても合計添加量が少なすぎる
各場合には、薄膜で均一に不透明化された空洞含有延伸
成形物が得られにく(なる。逆に、合計添加量が上限を
実用限度外まで超えた場合にも、不透明性を損なう結果
となる。
本発明で用いられる組成物は結晶性ポリプロピレンに対
して、軟化点(環球法)160〜230℃、好ましくは
170〜220℃のシクロペンタジェン系石油樹脂5〜
50重量%及び2種の非イオン系界面活性剤を合計で0
.05〜5重量%、好ましくは0,1〜2重量%配合し
た組成物である。
該高軟化点石油樹脂の添加量が3重量%以下では本発明
の目的とする空洞形成による不透明化効果が不足し、5
5重量%以上では成形時の押出しムラ、延伸破断が生じ
易くなる外に、極度の生産性低下を来すので、好ましく
ない。
また、2種以上の非イオン系界面活性剤の合計添加量0
.03重量%以下では表面光沢の改善効果が見られず、
5.5重量%以上では吸湿発泡による肌荒れ、延伸切れ
等が発生するので好ましくない。
本発明で用いられる組成物はその成形品の厚み、延伸倍
率、目標とする不透明度、表面光沢等によって、各成分
の添加範囲を本発明の範囲内で適宜調整して製品化する
ことが8来る。
本発明で用いられる上記の組成物中には、必要に応じて
ポリプロピレンに添加することが公知の添加剤、例えば
公知のフェノール系、リン系又はチオエーテル系等の酸
化防止剤・加工安定剤、ステアリン酸、ステアリン酸カ
ルシウム等の高級脂肪酸およびその金属塩、脂肪酸アミ
ド等の滑剤・スリップ剤、炭酸カルシウム、タンク、シ
リカ等の無機充填剤、有機及び無機顔料、各種ポリマー
類等を本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合しても
良い。
この組成物を製造する方法としては、通常のブレンダー
またはミキサー等で各成分を混合する方法を採用出来る
。各成分を押出機、バンバリーミキサ−等を用いて溶融
混合後にペレット状の組成物として用いるのが望ましい
。特に、該高軟化点石油樹脂の中でも軟化点が高いもの
程、組成物の。
混練・分散を高度に行なうことが重要である。この組成
物を得るには、例えば結晶性ポリプロピレン粉末に該高
軟化点石油樹脂粉末及び非イオン系界面活性剤(及び酸
化防止剤その他の所定の添加剤)を添加して粉末状で充
分に混合した後、該結晶性ポリプロピレンの結晶融点を
越える温度で溶融混練する。望ましくは該高軟化点石油
樹脂の軟化点以上、特に望ましい方法は該石油樹脂の軟
化点よりも20℃以上高い温度で押出機等を用いて溶融
混線後に押出し、冷却及びカットしてベレット状の組成
物とする方法である。
なお、ポリプロピレン又は他のポリマーに対して、該石
油樹脂を多量に添加してマスターバッチ化したものを用
いて、更にポリプロピレン及び/又は非イオン系界面活
性剤等と配合して最終組成物として用いる方式も有用で
ある。
こうして得られた組成物から例えば、押出機及びダイス
の結合からなる装置を用いて溶融押出法にて未延伸原反
を作成した後に、特定の条件で−軸V4±−軸6正イ由
オる7とL7上って大発囮の日的?する空洞含有延伸成
形物が得られる。
この方法において未延伸原反を成形するには、次の様に
行なう: フィルム・シートおよびスリットテープ、バンド等のフ
ラット状物を成形するには、押出機及びTダイ又は円形
ダイを用いて該原料組成物中に配合された石油樹脂の軟
化点よりも10℃以上、好ましくは軟化点よりも20℃
以上高い温度で溶融混練し、ダイスから溶融樹脂を押出
し、冷却及び固化する。この操作で未延伸原反を得る際
の溶融温度が上記の温度下限を相当に下廻ると、目的と
する表面光沢改善の効果が不足する。また、この溶融樹
脂の冷却は鏡面ロール接触又は水中導入による急冷で行
なうのが望ましく、ロール又は冷媒の温度は10〜10
0℃前後である。特に望ましい冷却方法は30〜90℃
に保たれた鏡面ロール又は二本の鏡面ロールを用いて、
フィルムの少なくとも一方の面を冷却するか、対のロー
ルでニップしつつフィルムの両面を冷却する方法である
この方法によれば、きわめて表面平滑性の自好な原反が
得られ、その結果、延伸後にも極めて表面光沢の良好な
空洞含有成形物が得られるから、この方式は本発明の効
果達成に特に有効である。
本発明の延伸はロール延伸、オーブン延伸、熱板延伸等
の公知の一軸延伸法又はチューブラ−延伸、ロール延伸
とテンター延伸との組合わせ等の同時又は逐次二軸延伸
等の公知の延伸方法の何れでも行ない得るが、その延伸
温度が組成物中の該石油樹脂の軟化点以下であることを
要する。
本発明においては、結晶性ポリピロピレンが実質的に延
伸によって配向し得る実温度を延伸温度といい、この温
度は実質的には80〜160℃の範囲にあることが望ま
しい。
本発明の延伸成形物を得る為の延伸倍率は一方向に2倍
以上が必要であり、二軸延伸の場合には面積倍率で4倍
以上が好ましい。実質的に不透明で空洞を多数形成させ
る為には、−軸延伸の場合には4倍以上、二軸延伸の場
合には同時二軸延伸又は逐次二軸延伸のどちらでも良い
が、その延伸倍率は面積倍率で最終的に20〜60倍と
することが望ましい。
なお、本発明で用いられる組成物を成形して得られる未
延伸成形物では空洞は発生せず、透明ないし半透明成形
物であり、その密度もポリプロピレン単独よりは大きい
ものであるから、本発明の目的とする軽量で不透明な空
洞含有成形物は得られない。
また本発明の延伸成形物には、通常の延伸成形物と同様
に、延伸後に必要に応じて緊張下又は数%弛緩しつつ熱
処理したり、空気、酸素、窒素等の雰囲気下でコロナ放
電処理又はプラズマ処理等の表面処理を施すことも出来
る。
本発明の製造方法によれば、従来公知の方法に比して極
めて高い生産性を実現し得ると共に、得られた延伸成形
物はその内部に微細な空隙を多数有し、通常、その全光
線透過率50%以下、密度0.8 g/cm”以下で不
透明、かつ軽量の成形物が得られる。
実施例及び比較例 以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に
説明するが本発明はこれらの実施例により制約されるも
のではない。なお、以下の実施例及び比較例で用いた特
性値の評価は以下の方法で行なった。
■軟化点(℃;環球法)  : JIS K 2207
に準拠■ヨウ素価: JIS KOO70−1966に
準拠試料100g中の不飽和成分に付加されるヨウ素の
g数 0M F R(g/10m1n) : JIS K72
1(1−1976の試験条件14に準拠(230℃、2
.16kgf)結晶性ポリプロピレン系樹脂について測
定■結晶融点(Tm;’C):走査型作動熱量計(略称
、DSC)を用いて、約10mgの試料をセットし、昇
温速度20℃/winで室温より測定し、結晶の融解に
伴う吸熱カーブを測定して、融解に伴うピークの位置す
る温度をTmとした。融解ピークが複数個観察される場
合には最大面積を有するピークの位置する温度をTmと
する。
■見掛は密度(870m2):成形物1m”当たりの重
量を測定して、これを1cm2当たりに換算し、厚さ(
cm)で除した値 ■全光線透過率(%)  : JIS K−6714に
準拠■光沢度(%):ASTM  D523に準拠(測
定角度20度) 実施例1 結晶性ポリプロピレン(Tm163℃、MFRl、5g
/10m1n、沸騰n−へブタン不溶分含量96%)粉
末100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤BH
T0.2重量部、ステアリン駿カルシウムθ、1重量部
、水素化シクロペンタジェン系石油樹脂[軟化点(環球
法)176℃、ヨウ素価12]22重量部及びグリセロ
ールモノステアレート(A) 0.1重量部とステアリ
ルジェタノールアミンのモノステアリルエステル(B)
 0.5重量部とを添加し、ヘンシェルミキサーで混合
した後に、同方向回転型二軸スクリューを有する押出様
に該組成物を通して230℃で溶融混練して押出し、冷
却及びカットしてベレット状の組成物を得た。次に、得
られた組成物をそれぞれ直径40mmの押出機に接続さ
れた30cm幅のT型ダイを用いて270℃の温度で溶
融押出し、40℃に保たれた一対の鏡面冷却ロールで両
面冷却して、厚み0.7mmの未延伸原反シートを得た
。この原反シートは見掛は密度0.92g/cm3で、
平滑で半透明であった。次に、この原反シートを正方形
に切断し、パンタグラフ型二軸延伸試験装置を用いて1
55℃の温度で原反のタテ方向に4倍延伸した後、直ち
にそれに対して直交(ヨコ)方向に8倍延伸し、同温度
で両方向に10秒間緊張下で熱処理し、次に空冷して取
り出すことによって、厚み約25μmの逐次二軸延伸フ
ィルムを得た。製膜したフィルム中央部n =5枚の全
光線透過率のバラツキを第1表に示す。
なお、上記の水素化シクロペンタジェン系石油樹脂はナ
フサのスチームクラッキング及びその後の分解工程によ
り得られたジシクロペンタジェン成分を91重量%含有
する成分を通常公知の方法で重合時間、温度及び圧力を
調節しつつ重合させ、更に、水素化をニッケル系触媒の
存在下に、250℃において80 kgf/am2の水
素圧化で行なって得たものである。
比較例1 実施例1の組成物からグリセロールモノステアレート(
A)及びステアリルジェタノールアミンのモノステアリ
ルエステル(B)を除いた組成物を添加する以外には実
施例1に準拠して逐次二軸延伸フィルムを作成し、同様
に5枚のフィルムにおける全光線透過率のバラツキを観
測した。
比較例2 実施例1で用いられた組成物の成分の中で、水素化シク
ロペンタジェン系樹脂を軟化点145℃でヨウ素価12
の脂肪環族炭化水素系石油樹脂に替えた以外には同例に
準拠して組成物を作成し、以下の工程を実施例1と同様
にして逐次二軸延伸フィルムを作成した。
実施例2 実施例1の組成物において、グリセロールモノステアレ
ート(A)  とステアリルジェタノールアミンのモノ
ステアリルエステル(B)との重量比を(B)/(A)
 = 110.2に変更して添加する以外には実施例1
に準拠して逐次二軸延伸フィルムを作成し、同様に5枚
のフィルムにおける下記の物性値を観測した。
実施例3 実施例1の組成物において、ステアリルジェタノールア
ミンのモノステアリルエステル(B)とグリセロールモ
ノステアレート(A)との重量比を(B)/(A) =
 110.5に変更して添加する以外には実施例1に準
拠して逐次二軸延伸フィルムを作成し、同様に5枚のフ
ィルムにおける下記の物性値を観測した。
実施例4 実施例1で用いられた組成物の成分の中で、水素化シク
ロペンタジェン系樹脂を軟化点165℃でヨウ素価10
のものに替えた以外には同例に準拠して組成物を作成し
、以下の工程を実施例1と同様にして逐次二軸延伸フィ
ルムを作成した。
第1表から判ることは次の通り: の測定値のバラツキ幅(Rレンジ)が小さく、均一な不
透明性を備えている 比較例1の延伸フィルムは全光線透過率の測定値のバラ
ツキ幅(Rレンジ)が大きく、均一性に欠ける 比較例2の延伸フィルムは本発明の一方の課題である不
透明性に欠ける [発明の効果] 本発明方法によれば、従来の方法によっては実行困難で
あった空洞含有延伸成形物を製造する上で、膜厚30μ
m以下の薄物の生産性を安定させることができ、かつ成
形品として高不透明度、軽量、表面の均一性に優れたも
のを提供できる。
また、得られた空洞含有延伸成形物はその不透明度、光
沢感等を活用して一般包装材料、装飾材料、梱包材料、
織糸及び合成紙等の用途に広く使用出来る。
出願人 チ ッ ソ 株 式 会 社 代理人 弁理士 山  下 穣  平 外1名

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)結晶性ポリプロピレン100重量部に対して、シ
    クロペンタジエン系石油樹脂の中で軟化点(環球法)1
    60〜230℃のもの5〜50重量%及び2種類以上の
    非イオン系界面活性剤を合計0.05〜5重量%配合し
    てなる組成物を溶融押出し、該石油樹脂の軟化点以下の
    温度で少なくとも一方向に2倍以上延伸することを特徴
    とする空洞含有延伸成形物の製造方法。
  2. (2)シクロペンタジエン系石油樹脂として、シクロペ
    ンタジエン系成分を50重量%以上含有する石油樹脂を
    水素化して得られる軟化点(環球法)170〜220℃
    でヨウ素価20以下の水素化シクロペンタジエン系石油
    樹脂を用いることを特徴とする請求項1に記載の空洞含
    有延伸成形物の製造方法。
  3. (3)非イオン系界面活性剤が3〜5価の多価アルコー
    ルと炭素数12〜22の高級脂肪酸とからなるエステル
    及びその誘導体(A)から選ばれた1種以上と次の一般
    式(B−1)又は(B−2)で表わされる群から選ばれ
    る1種以上との組合わせ系であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の空洞含有延伸成形物の製造方法。 一般式▲数式、化学式、表等があります▼ 一般式▲数式、化学式、表等があります▼ (ここで、Rは炭素原子数12〜22のアルキル基、R
    ^1及びR^2は水素原子又は炭素原子数12〜22の
    脂肪酸形成性のアシル基。n及びmは1〜6の数)。
  4. (4)溶解押出しされた組成物の少なくとも一方の面を
    30〜90℃に保たれた鏡面冷却ロールで急冷して未延
    伸原反を成形した後、該石油樹脂の軟化点以下の温度で
    少なくとも一方向に2倍以上延伸することを特徴とする
    請求項1〜3項の何れかに記載の空洞含有延伸成形物の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003082176A (ja) * 2001-09-12 2003-03-19 Japan Polychem Corp ポリプロピレン射出成形体
DE102005001556B3 (de) * 2005-01-13 2006-07-13 Akustikzentrum Gmbh Fahrzeugfesselung auf Rollenprüfständen

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