JPH042027Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、射出圧縮成形による非球面プラスチ
ツクレンズ金型のオプテイカルインサートの構造
に関するものである。

（従来の技術） 近年、射出成形機、成形技術、金型技術の高精
度化に伴ない、プラスチツクで成形された非球面
レンズが、ビデオプロジユクタやカメラ等におけ
る従来のガラスレンズにおきかわるものとして、
レンズメーカーを中心に量産技術が確立され、そ
の商品化が活発に行なわれている。

以下図面に基づいて、射出圧縮成形金型と、従
来例について説明する。

射出圧縮成形は、射出工程と圧縮工程に分割さ
れる。

第３図は射出工程の金型の概略図、第４図は圧
縮工程、第５図は、製品を金型から取り出すため
の突出し工程を示す金型の概略図である。

同図において、１は金型を成形機に取り付ける
ための、固定側取付板である。２はレンズ形状が
加工されている固定側オプテイカルインサート
で、固定側取付板１に固定されている。３は固定
側オプテイカルインサート２と、レンズキヤビテ
イ部イを形成している固定側型板である。４は可
動側のオプテイカルインサートで、同じく可動側
型板５とレンズキヤビテイ部イを形成している。
６は受板で、可動型オプテイカルインサート４を
保持する。７はスペーサーブロツク、８は突出し
プレート（上）、９は突出しプレート（下）で、
オプテイカルインサート４と、突出しピン１０に
より、連結されている。１１は可動側取付板で、
成形機の可動側に取付けられる。

本射出圧縮成形金型では、第３図に示す射出工
程時に、固定側取付板１と固定側型板３との間
に、圧縮代αを設けておき、射出工程が終了後、
圧縮代αを０にするよう金型全体を成形機の型締
力を働かせて、第４図に示すように圧縮する。そ
の状態で圧力と金型温度を制御したのち、可動部
を移動して、第５図に示すように、成形レンズ１
３を突き出し取り出す。

上記工程の中で、固定側オプテイカルインサー
ト２と固定側型板３の摺動部および、可動側オプ
テイカルインサート４の摺動には、摺動クリアラ
ンスが必要であるが、成形品であるため摺動部に
は潤滑剤が塗布できないため、比較的大きなクリ
アランスを設けている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記のようなオプテイカルインサート２，４
（拡大図を第６図に示す）では、鏡筒との嵌合精
度が適当にならないため、成形レンズ１３には縦
バリａ，ｂが全周にわたり生ずることになる。

第７図は、鏡筒１２と、従来の成形レンズ１３
との嵌合状態を示したもので、鏡筒位置決めリブ
１４，１５とは、縦バリａ，ｂをつぶした状態で
直接接触しているため、縦バリａ，ｂが、はがれ
て鏡筒内部におちたり、位置決め精度が低下した
り、不均一となつたりするため、縦バリａ，ｂの
影響を受けない成形レンズの開発が望まれてい
た。

本考案の目的は、従来の欠点を解消し、縦バリ
の影響を受けない金型、特にオプテイカルインサ
ートを提供することである。

（問題点を解決するための手段） 本考案のプラスチツクレンズ成形金型用オプテ
イカルインサートは、射出圧縮成形によるプラス
チツクレンズ成形金型用オプテイカルインサート
と型板間の摺動部内側の、クリアランス部に発生
する縦バリの高さより若干高いはちまき状の段部
をオプテイカルインサートの外周縁に軸方向に突
出して成形したものである。

（作用） 本考案によれば、成形レンズの外周縁近くに段
部を形成することにより、鏡筒と成形レンズの嵌
合に、縦バリが干渉しないようになる。

（実施例） 本考案の一実施例を第１図および第２図に基づ
いて説明する。

第１図および第２図は本考案の金型構造を示す
断面図である。同図において第３図ないし第７図
に示す従来例と同じ部分については同一番号を付
しその説明を省略する。

第１図において、ｃ，ｄははちまき状の段部、
１６は段付固定側オプテイカルインサート、１７
は段付可動側オプテイカルインサート、１８はプ
ラスチツク成形レンズである。

以上のような段付オプテイカルインサート１
６，１７で成形されたレンズ１８と、鏡筒１２の
嵌合状態は第２図に示すようになり、縦バリａ，
ｂと鏡筒位置決めリブ１４，１５とは接触しな
い。

（考案の効果） 本考案によれば、射出圧縮成形によるプラスチ
ツクレンズに生じやすい縦バリをバリ取りをせず
にすみ、あるいはバリと鏡筒との干渉を確実に避
けることのできる成形レンズを提供することがで
き、その実用的効果は大なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例による金型構造を示
す断面図、第２図は同段付形状を有するレンズと
鏡筒との嵌合状態を示す断面図、第３図、第４図
および第５図は射出圧縮成形工法に用いる金型の
状態を示す断面図、第６図は従来例の金型構造を
示す断面図、第７図は従来例により成形したレン
ズと鏡筒との嵌合状態を示す断面図である。 １……固定側取付板、２，４……オプテイカル
インサート、３……固定側型板、５……可動側型
板、６……受板、７……スペースブロツク、８…
…突出しプレート（上）、９……突出しプレート
（下）、１０……突出しピン、１１……可動側取付
板、１２……鏡筒、１３……成形レンズ、１４，
１５……鏡筒位置決めリブ、１６……段付固定側
オプテイカルインサート、１７……段付可動側オ
プテイカルインサート、１８……プラスチツク成
形レンズ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに対向して設置された固定側オプテイカル
   インサートおよび可動側オプテイカルインサート
   と、それぞれのオプテイカルインサートを包囲す
   るように設置された固定側型板および可動側型板
   とを備え、前記オプテイカルインサートと型板の
   間の摺動部内側のクリアランス部に発生する縦バ
   リの高さより若干高い段部を、各オプテイカルイ
   ンサートの外周縁に軸方向に突出して形成したこ
   とを特徴とするプラスチツクレンズ成形金型用オ
   プテイカルインサート。