JPH0419954A - 二次イオン質量分析方法 - Google Patents

二次イオン質量分析方法

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JPH0419954A
JPH0419954A JP2119833A JP11983390A JPH0419954A JP H0419954 A JPH0419954 A JP H0419954A JP 2119833 A JP2119833 A JP 2119833A JP 11983390 A JP11983390 A JP 11983390A JP H0419954 A JPH0419954 A JP H0419954A
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JP
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ion
analysis
sample
mass spectrometry
area
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JP2119833A
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English (en)
Inventor
Kaoru Umemura
馨 梅村
Yoshimi Kawanami
義実 川浪
Toru Ishitani
亨 石谷
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野] 本発明は、集束イオンビームを用いた試料の微小領域の
二次イオン質量分析方法に係り、特に、得られる分析デ
ータに分析領域の周囲の情報が混入するのを避け、分析
データの信頼性を向上させる二次イオン質量分析方法に
関する。 【従来の技術] 昨今の半導体素子の超微細化、高集積化に伴い、半導体
素子製造プロセスにおける僅かな汚染や。 微小異物の混入が素子動作に悪影響を及ぼし1時として
致命傷となることも少なくない。また、半導体製造工程
のクリーン度の著しい向上により、このような元素の汚
染量や混入微小異物の大きさは、より微量化、微細化し
てきており、それら汚染元素や混入微細異物を検出・分
析する装置に、より高感度、空間的高分解能が要求され
るようになってきている。 二次イオン質量分析法(5econdary Ion 
MassS pectroscopy  ;  以下、
S I M S法と略記)は、他の表面分析装置とは比
へものにならない高感度性と、深さ方向分析が可能であ
るという本質的な特性を兼ね備えているため、極微量極
微小部の分析への期待が大きい。 一方、試料のサブミクロン領域に高電流密度のイオンを
照射する手段として、集束イオンビーム(Focuse
d  Ion  Beam :以下、FIBと略記)が
脚光を浴びている。FIBは照射される試料面上でその
ビーム直径が0.1μm程度にまで集束される。また、
FIB形成を実現させるイオン源の一つとして液体金属
イオン源(LiquidMetal Ion 5our
ce ;以下、LMISと略記)がある。LMISは、
イオン材料を溶融状態で、先端の尖鋭な針状電極に付着
させ、その針状電極に高電界を印加することで液状のイ
オン材料は電界蒸発及び電界電離過程によってイオン化
させるイオン源である。 LMISの有効性は、放出イオンを0.1μm程度のビ
ーム径にまで集束できること、その時の電流密度が従来
の表面電離型イオン源で得られるビームに比べて数桁高
いこと、また、放出させうるイオン種が多い点にある。 LMISの二次イオン質量分析装置(以下、SIMS装
置と略記)への適応は既に試みられており、イオン材料
として取扱い易いガリウム(Ga)を用いたガリウムF
IB(以下、GaFIBと略記)による微小領域の分析
が行なわれている。これは例えば、論文集「ウルトラマ
イクロスコピー、第24巻(1989年)、第97頁か
ら第117頁(U ltramicroscopy、 
24 (1989)97−117)Jに報告されている
(従来例1)。 【発明が解決しようとする課題] 高電流密度でサブミクロン径というFIB特有の利点の
ため、これまで出来なかった極微小部のSIMS分析が
可能であることが従来例1などに示されている。しかし
、予稿集「ソサエティーオブ フォト オプティカル 
インルメンテーション エンジニアリング、1986年
(Society ofPhoto  0ptical
  Intrumentation Engineer
ing) Jには、FIBの半径方向の電流密度分布を
詳細に測定測定すると、第2図(a)に示した曲線aよ
うなガウス分布よりも、曲線すのように裾の拡がった分
布となっていることが報告されている(従来例2)9 上記電流密度の分布は、そのピークから1桁下(1/1
0)あたりからガウス分布から逸脱し始め、ピークから
、例えば5桁下(1/105)だとガウス分布で見積も
るより3〜4倍拡がっている。この状況を上面図にする
と第2図(b)のようなイメージとなる。従って、FI
BでSIMS分析する際、表面の極表層部のみの分析や
、1次イオンビーム径に比べて著しく広い領域を分析す
る場合は、このような電流密度の裾拡がりは無視できる
が、冒頭に述べたように昨今求められているような極微
細領域で、かつ、より低農度までの深さ分析に対しては
無視できなくなってきている。 FIBで微小領域のSIMS分析を行なう場合に問題と
される事柄を以下に示す。 ■ 深さ方向の濃度分布分析において、゛−二次オンビ
ームの電流密度分布の裾拡がりのため、所望分析領域の
周辺の情報を取り込んでしまい、低濃度の分布に信頼性
を欠く。 ■ 分析部が高抵抗であったり、分析部の近くに絶縁部
を有する場合、高抵抗部表面や絶縁部の帯電によって一
次ビームや二次イオンの軌道が正規の軌道からずれ、得
られるデータの信頼性を欠く。 ■ 高濃度部に挾まれた微小領域の低濃度部の深さ分布
測定についても、−次イオンビームの電流密度分布の裾
拡がりを有すると、所望分析領域の周辺の情報を取り込
んでしまい、低濃度部の分布に信頼性を欠く。 以下、■、■、■について詳細に説明する。 ■:第2図で説明したように、FIBの半径方向の電流
密度分布を詳細に測定測定すると、ピークから数桁下で
はガウス分布で見積もるより著しく拡がっている。第3
図は、このような裾拡がりを有するイオンビームを照射
してSIMS分析を行なっている様子を模式的に示した
図である。第3図(a)は、分析時のビームの走査の仕
方を示した上面図であり、31は電流密度分布でピーク
の半値幅を持つビーム径、32はピークから数桁下のビ
ームの裾拡がりを示し、ビームの走査範囲、つまり、所
望の分析領域が33である。これに対し、ビームの裾が
試料を叩く範囲はそれより広く。 ピークから数桁下の裾が掃く領域が34である。 試料は基板30に基板元素とは異なる元素(不純物)4
0がイオン注入されたものである。第3図(b)は同図
(a)のYY断面を示したものであり、分析領域33が
分析用のイオンビームによりスパッタリングされて窪み
になっていて、ビームの照射部から二次イオン35.3
5′が放出している。 勿論、裾部32が叩いている試料表面部37からも二次
イオン35′は放出している。 この時、放出される二次イオン35.35’の中の不純
物元素量を、分析部33の深さと単位体積あたりの原子
数の関係で示したのが第3図(c)である。つまり、グ
ラフ(c)の横軸が不純物濃度(atoms/cm’ 
)であり、縦軸が深さ(nm)で、下へ向かうほど深い
ことを示し、第3図(b)と対応している。 この図で曲線又は、シミュレーションによって得られる
濃度分布であり、不純物濃度が試料表面近くで最高濃度
Aに達し、徐々に減少していくことを示している。この
ような不純物濃度分布は、注入元素、注入エネルギー、
注入量、注入を受ける基板の元素などの条件が明らかに
なれば、おおよそ計算し、予想をつけることができるが
、その計算法まだまだ完全でなく、上述の条件が不明な
場合や他の条件が重畳される場合、また、イオン注入工
程自体シミュレーションの如く、す入でか理想通りの条
件になっている保証はなく、不純物濃度分布は実測に拠
らなければならない。 ところが、これまでの説明で明らかなように、二次イオ
ンが純粋に所望の分析部からのみ放出していれば、つま
り、ビームの裾が拡がっていなければ、分析深さBと不
純物濃度B′との関係は信頼できるが、ビームが広い裾
を有していると、裾部32が叩いている表面部37から
も二次イオン35′が放出しているため、深さBでの不
純物測定濃度B T+は実際の濃度B′より高く現われ
る。 このままビームを照射し続けると得られる不純物濃度分
布は図(c)の破線のような曲線yとなる。 従って、このように実測される不純物濃度分布曲線は信
頼性を欠くものとなっていた。 ■、■:第4図に示したように、分析領域41の周辺に
絶縁物42が存在したり、試料自体が高抵抗物質である
場合、イオンビーム46の走査により絶縁領域42に電
荷47が溜って帯電状態になったり、試料表面の電位が
変化する。このため、−次イオンビーム46(44は電
流密度分布でピークの半分の強度を持つビーム径、45
はピークから数桁下のビームの裾部がりを示す)の軌道
が図のように曲げられ、本来、分析領域41に照射され
るべきところが、その周辺部48に照射されたり、二次
イオンビームの軌道がずれてしまうため、得られるデー
タが信頼性のないものとなってしまう。 従って、理想的には所望の分析領域にのみ照射されるビ
ーム形状が望ましいが、実際には、裾部きの全くないビ
ームの形成は困難であるため、これら問題点を克服する
分析方法もしくは分析装置が望まれていた。 本発明は、上述の問題点に鑑みなされたものであり、目
的は、所望の分析領域の深さ方向の元素分布を空間的に
高分解能で、かつ、周辺の情報を取り込まずに低濃度ま
での分布を精度よく求める方法、また、高抵抗部の帯電
による二次イオン軌道のずれを軽減する分析方法を提供
することである。 [課題を解決するための手段] 上記目的を実現させるためには、SIMS分析方法にお
いて、試料の所望の分析領域を残し、この分析領域の周
囲をFIBによってスパッタエツチング加工する工程、
残った柱状領域にイオンビームを照射して二次イオンを
放出させ、試料の分析を行なう工程を含むことを特徴と
するSIMS分析方法により実現される。 また、分析領域の周辺をスパッタエツチング加工する方
法として、例えば第5図(a)に示したように、所望と
する分析領域の周囲を複数の矩形52.53,54.5
5に分割してスパッタリングするなどの方法が取られる
。ここで第5図(b)は同図(a)のXX断面で、51
が分析部、53゜55が加工後の窪みである。 また、FIBにより試料をスパッタエツチングするとF
IBの走査方法によって、スパッタされた試料が再び試
料に付着して矩形に落ちこんだスパッタ穴に加工できな
かったり、本来分析すべき領域にこのスパッタ物が付着
する場合がある。これを防ぐためには、このスパッタリ
ング領域を矩形に分割してスパッタエツチングする工程
において、第6図(a)のように分析領域に一辺に平行
に、かつ、徐々に分析領域の一辺に近づけつつ走査し、
分析領域の一辺に達した時点で集束ビーム照射を終了し
、つぎの矩形領域のスパッタエッチング工程に移り、こ
の工程を繰り返して所望の分析領域60を残すようにす
れば、スパッタエツチングによる基板材料の再付着物で
分析領域60を汚染することはない。また、分析領域6
0の大きさが分析部の空間分解能を示すことになるので
、スパッタエッチング工程で残す分析領域60できる限
り小さくすれば良い9このスパッタエツチング領域の分
割方法は幾つも考えられるが、第6図(b)に示したよ
うな方法でも良い。このようにFIBで分析領域の周辺
をスパッタエツチングすることで分析領域が作れるが、
この残された柱状の分析領域に照射するイオンビームは
、表面電離型イオン源、デュオプラズマ型イオン源、L
MISなどのイオン源から放出されるイオンビームであ
る。 [作用] 上述の課題を解決するための手段について、第1図を用
いて詳述する。 第1図(a)は分析領域1を柱状に残してその周辺部を
スパッタエツチング加工した試料に対して分析用のイオ
ンビーム3が照射されている様子を立体的に示した図で
ある。同図(b)は分析領域に照射されるイオンビーム
の拡がりを示すための図(a)の上面図である。図(b
)において、1が分析領域(F丁B走査領域)、3′は
電流密度がピーク値の半分の値を有するビーム径、3″
は電流密度がピーク値の数桁下でのビームの拡がり(裾
部)、4は裾部3″が試料5を叩く領域(イオン照射領
域)であり、実際にFIBを走査している所望の分析領
域1より広い領域にイオンが照射されている。 二次イオン6(6′、6″)は、イオン照射されている
試料表面から放出される。本来、情報として欲しい二次
イオン6は領域1からのもの(62)で、領域Hからの
二次イオン6″は検出されないことが望ましい。ここで
、試料5の表面付近の不純物元素濃度は図(d)のよう
になる。試料の表面直下でその濃度は最高になり、徐々
に減少していく。一方、分析領域1の周辺は予めイオン
ビームによるスパッタエツチングにより深さhまで削り
取られているため、たとえ領域Hからの情報を取り込ん
でも、領域Hからの二次イオン6″信号は所望領域1か
らの二次イオン6″に比べて極めて微弱なものとなる。 このように、求めるへき分析情報の妨害情報となる周辺
領域の表面近くの高濃度の領域を、予めFIB3などに
よってスパッタエツチングし、ビームの裾3″による妨
害情報の取り込みを軽減することで、得られる分析デー
タに信頼性が増し、上記目的は達成できる。 [実施例1 以下に本発明の実施例を図を用いて説明する。 〈実施例、1〉 まず、用いた装置を第7図で説明する。本実施例に用い
た装置は、2本の集束イオンビーム(FIB)照射系7
1.71’を有し、試料台73はそれぞれのイオン照射
軸に垂直に設定できる機構を有している。分析部は、セ
クター型の電場74と磁場75を有する質量分析計であ
る。勿論、この部分を四重極質量分析計に置き換えても
良い。 イオン源76.76′から放出されたFIB77.77
′は集束レンズ78.78′によって集束され、偏向器
79.79′によってFIB77.77′は試料79面
上で走査される。これらFIB照射系71.71’には
、その他、ブランカ、絞り等や。 時によっては小型の質量分離器等を付けるが、図には省
略した。 FIB照射系71は、試料79の加工に用いる最高エネ
ルギー50keV、かつ、高電流密度(最高5 A /
 cm2)のFIB77が照射できる光学系(第1照射
系71と呼ぶ)であり、ここで用いたイオン種はガリウ
ムである。もう一方の照射系71′はSIMS分析用の
F I B 77’を照射するものであり、最高加速電
圧20kV、イオン電流密度0 、5 A /cm”程
度のFIBが形成できる(第2照射系71′と呼ぶ)。 この分析用のFIBのイオン種はセシウムである。セシ
ウム(Cs)は、C,O,H,As、Pなどイオン化ポ
テンシャルの高い元素の二次イオン化率を高めることが
できるため、SIMS法にはなくてはならない元素であ
る。 次に、分析手順を説明する。試料室80に導入された試
料79は、試料台73と共に、まず、第1照射系71に
面している。試料は、リン(P)が100ke Vで、
5×10” ’ atoms/c+++2だけ一様にイ
オン注入したシリコン基板である。この試料の0゜5μ
m口の領域のリンの深さ方向分布を調べるために、一辺
3μmの領域に対して、その中央部の0.5μM口の領
域が分析領域として残るようにその周辺をガリウムFI
B77 (以下、Ga−FIBと略記する)によってス
パッタエツチング加工した。 この時のGa−FIB77によるスパッタエツチング方
法は、第4図に示した様に複数個の矩形領域に分割し、
そのそれぞれについて分析領域に遠い側からGa−FI
Bを走査し、深さが約1.5μmとなるまで繰返し走査
した。第1領域の加工を完了させた後、第2、第3、第
4領域と次々に同様の加工を施した。このように第1照
射系71で、5Q keVのGa−F I B 77(
ビーム径=0.1μmφ、電流密度:約5A/cm2)
により高さ1.5μm、一辺0.5μmのシリコンの柱
状分析部の加工が完了した。 次に、試料台73を45′回転させ、第2照射系71′
に合わせ、セシウムFIB77°(以下、C5−F I
 B 77’と記す)を上記分析部に照射する。この時
、C5−F I B 77’の焦点合わせなどの作業は
分析領域から遠く離れた地点で行ない、C5−FIB7
7°を分析領域1面に照射すれば、直ちに分析が開始で
きる。一辺0.5μmの分析領域に照射したF I B
 77’は、直径0.1μm<6のC6・FIB(加速
エネルギー: 20keV)であり、試料面上でのイオ
ン電流は20pA、電流密度は約0.25A/am”で
あった。 C5−F より 77’の照射により生じた
二次イオン72を分析部74.75に取り込んで質量分
析を行なった。分析の目的は、シリコン基板中のリンの
深さ方向分布であるので、検出イオンは妨害イオンを考
慮してP”Si”に注目して、深さ方向の濃度変化を記
録した。 第8図に分析結果を示す。同し試料79を用いて従来法
(分析部周辺をスパッタエツチング加工せずにイオンビ
ームを照射する方法)で得られた不純物の深さ方向分布
曲線aと、本発明による方法で得られた分布曲線すを比
較すると、曲線aはピークから約3桁下で減少の仕方が
小さくなり、ある値に漸近するような曲線であるのに対
し、曲線すはピークに対して5桁以上下までの分布が得
られている。つまり、本方法により、分析領域周辺の情
報を分析結果に取り込むことなく分析できたため、従来
法に比へて低濃度までの分布が測定できていることがわ
かる。本方法によって得られた分布曲線すが妥当なもの
か否かを確認するため、理論的に求められる分布と比べ
ると、ピークから約5桁まではほとんど一致しているこ
とが明らかとなり、本発明によるSIMS分析方法が有
効であることが明確となった。 〈実施例、2〉 上述の如く本発明の基本思想が開示された以上、本方法
を種々の分析対象物に適用することは容易に考えられ、
また、これに関わる装置の改変も容易である。次に、実
施例1とは別方式の装置による、別試料の分析実施例を
示す。 本実施例に用いた装置は、第9図に示したような試料の
加工用カラム90と、分析用カラム90’から成り、そ
のそれぞれが真空搬送路100で結合されている。加工
用カラム90は、電子銃91とイオン源92が搭載され
ており、試料観察のために電子ビーム93で、所謂、走
査型電子顕微鏡モードで試料観察でき、その観察領域を
FIB95によって加工することができる電子/イオン
複合装置である。電子ビーム93の使用は、分析前探索
時にイオンビーム95による余分な試料汚染、損傷を避
けるためである。一方、分析用カラム90′も電子/イ
オン複合照射系を用いている。94.94′はイオンビ
ーム偏向器である。さらに、二次イオン97分析用の質
量分析計98がある。 試料96の分析部周辺に対し、上述したようなスパッタ
エツチングを加工用電子/イオン複合装置(分析用カラ
ム90′)で行なう。勿論、分析部の捜査は電子ビーム
93′によって行ない、スパッタエツチング加工はFI
B95’ によって行なう。 試料96は4種類あり、試料96−1は第10図(a)
に示したような、高濃度イオン注入された領域10ユに
挾まれた微小低濃度イオン注入部102を有する試料で
ある。イオン注入量は高濃度部101が5 X I Q
”atoms/c11]2であり、低濃度部102は約
1μmの幅にI X 1014atoms/c112注
入されている。 試料96−1のような、低濃度部102の深さ方向の不
純物分布を測定する場合、従来方法であるとイオンビー
ムの裾のため、両側の高濃度領域101の二次イオン信
号が混入してしまい、信頼あるデータは得られなかった
。 以下に、発明による方法を適用した実施例を示す。まず
、低濃度部102に隣接する高濃度部101を、加工用
カラム90において、FIBIO3によってスパッタエ
ツチング加工する。 第10図(b)にはその加工後の様子を断面図にて示し
たが、加工領域は分析部104を柱状に残るように加工
した。この加工深さは約2μmであり、加工を完了した
後、試料96−1を分析用カラム90′に導入して、同
図(c)の如く分析用FI R103’を分析領域10
4に照射して二次イオン分析した。 試料96−2の実施例を第11図に示す。この試料は、
部分的にイオン注入深さを変えたものであり、具体的に
は、シリコン基板にヒ素イオンを高エネルギー注入(5
00keV) L f:領域111が低エネルギー注入
部(20keV)112を挾み込んだ形状となっている
。低エネルギー注入部112の幅は約1μmであり、レ
ジストを用いての高エネルギーイオン注入の後、レジス
トを取り除いて低エネルギーイオン注入することにより
形成された。注入イオンの平均飛程RPは、計算による
と約2450人(500ke V)、約135人(20
keV)である。分析手順は、まず、低エネルギー注入
部112に隣接する高エネルギー注入部111を、加工
用カラム90で、FIB113によってスパッタエツチ
ング加工する。 第11図(b)にはその加工後の様子を断面図にて示し
たが、加工領域は分析部114を柱状に残すように加工
した。この加工深さは約3μm、加工幅が約0.7μm
、加工溝115の幅は約7μmである。高エネルギー注
入部111から′の情報混入を避けるため溝115は大
きく、また、低エネルギー注入部112の両端も少しス
ノ艷ツタエツチング加工を施した。このように分析領域
の加工を完了した後、試料96−2を分析用カラム90
に導入して、第11図(c)の如く分析用FIB113
″を分析領域114に照射して二次イオン分析した6イ
オン注入元素の深さ方向の濃度分布は明瞭に分析でき、
ピーク濃度から約4桁下まてできた。もし、本発明によ
るSIMS法を使用しなければ、試料96−2のような
高エネルギー注入部に挾まれた低エネルギー注入領域の
注入元素の深さ方向分布の測定は、高エネルギー注入領
域の高濃度部が低エネルギー注入に比へより深い所し部
分布しているために、所望の分析領域の低濃度部で周辺
部の高濃度部の影響を受け、得られるデータに信頼性を
欠くことになる。 次に、所望の分析領域直近121に絶縁層が存在したり
(第12図、試料96−3)、高抵抗である場合(第1
3図、試料96−4)について説明する。 これらの試料の分析は従来、チャージアンプや表面電位
の違いから、−次イオンビームや二次イオンの軌道がず
れて信頼性ある深さ分析が難しかったが、本発明による
分析領域124あるいは133の周辺を事前にスパッタ
エツチング加工する工程を付加することにより、所望の
分析領域124あるいは133から絶縁領域121を遠
ざけたり、高抵抗領域を取り除くことに拠り、上記問題
を解決することができた。 さらに、第9図のような装置構成【二より、分析試料の
作成と、分析が併行して行なえ、しかも、大気に曝すこ
とがないため、大気による汚染を無くし、かつ、試料作
成と分析との時間的ロスが軽減できる。 〈実施例、3〉 本実施例では、本発明を実施するための装置、特に分析
部にセシウムイオンビームを照射するための液体金属イ
オン源について第14図を用いて説明する。 本液体金属イオン源140は、エミッタ141およびキ
ャピラリ142を備えたりザーバ143、イオン引出し
電極144、イオン材料145などから構成されていて
、真空容器148内で動作させる。イオン材料ユ45は
Cs(セシウム)単体を用いた。なお、第14図では、
イオン源のみ記載し、その他年束レンズなどイオン光学
系の記載は省略した。 動作方法は次の通りである。まず、エミッタ141をエ
ミッタ位置調整機構147によりキャピラリ142の先
端より若干突出した状態に保持する。イオン材料145
であるセシウムはりサーバ143内に導入し、エミッタ
141先端に供給させる。この状態でイオン引出し電極
144に高電圧を印加するとエミッタ141先端の溶融
イオン材料145がイオン化されイオン146が放出さ
れる。安定なイオン放出が持続している時は第14図の
如くエミッタ141がキャピラリ142先端から僅かに
突出て、エミッタ141先端まで溶融イオン材料145
で被われた(濡れた)状態で保持されるが、エミッタ1
41の先端の溶融イオン材料145の濡れが悪くなった
時は、放出イオン電流が不安定になり、最悪の場合、イ
オン放出が停止する。安定なイオン放出を長時間維持す
るためには、液体イオン材料(セシウム)145がエミ
ッタ141先端まで良く濡れていることが重要である。  エミッタ141は、直径0.37mmのステンレス製
線材で、その先端をリン酸によって電解研磨し、尖鋭化
した。キャピラリ142は、外径0.8mm、内径Q、
4mm、長さ4In111のステンレス製パイプである
。 エミツタ材は、これまでタングステンを用いていた。タ
ングテン製エミッタは、ガリウム液体金属イオン源など
に従来良く用いられ信頼されているが、イオン材料がセ
シウムであると、必ずしも濡れの再現性がよくない。つ
まり、セシウムがタングテンエミッタに濡れていて安定
してイオン放出が続いていても、エミッタ先端のセシウ
ムの濡れが持続しないために急にイオン放出が途切れる
場合がある。このような時に、無理に引出し電圧を高く
してイオンを引きだそうとすると、溶融セシウムが電界
によって引かれ、液滴となって落下する。この落下した
液滴がレンズ系(図示せず)のアパチャを塞いだり、引
出し電極に付着して異常放電の原因となる。従って、セ
シウムと非常に濡れが良く、その濡れが長時間損なわれ
ることがないエミツタ材を選択することが液体金属イオ
ン源として重要なファクタとなる。 上述のような問題を抱えたタングステン製エミッタに対
して、ステンレス製エミッタ142の場合、セシウム1
41との濡れが非常に良く、エミッタ先端は常にセシウ
ムで覆われた状態を持続する。また、エミッタ先端に安
定してイオン材料であるセシウムが供給され、過度の引
出し電圧を印加することがないので、セシウム液滴が落
下することがなく、長時間安定したセシウムイオン14
6の放出が可能となる。しかし、このようなエミツタ材
の選択は、液体材料の粘性、表面張力等の物性値からは
判断できず、実際にイオン源を組み立て、種々のエミツ
タ材に対するイオン放出状態を観察しなければ見つける
ことはできない。 このように、ステンレス製のキャピラリ142とエミッ
タ141の組み合わせを採用し、イオン材料として0.
8gのセシウム145をリザーバ143に投入してイオ
ン放出させたところ全放出イオン電流の安定性1%/2
4時間以内の高安定性で1000時間以上停止すること
無く放出し続けた。このような祷成による液体金属イオ
ン源にヨリ、セシウムイオンビームによる長時間安定し
た二次イオン質量分析が可能になり、実施例1.2に示
した本発明による二次イオン質量分析方法によって信頼
性の高い分析結果を得ることができた。 【発明の効果】 本発明により、所望の分析領域の深さ方向の元素分布を
空間的に高分解能で、かつ、周辺の情報を取り込まずに
低濃度までの分布を精度よく求めるSIMS分析方法、
また、高抵抗部の帯電による一部イオンビームや二次イ
オン軌道のずれを軽減し、信頼性の高い分析結果を得る
ためのSIMS分析方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例とその原理を示す説明図、第2
図はイオンビームの電流密度分布の拡がりを示す説明図
、第3図は従来例での問題点を示す説明図、第4図は従
来例での問題点を示す説明図、第5図は本発明の一部で
ある分析領域周辺のスパッタエツチング加工方法を実施
するための一方法を示した説明図、第6図は本発明を実
施するための一方法を示した試料加工部の平面図、第7
図は本発明を実施する際に用いた装置の概略構成図、第
8図は本発明を実施して得た効果を説明するためのグラ
フ、第9図は本発明を他の実施例に適用する際に用いた
装置の概略構成図、第10図、第11図、第12図およ
び第13図は本発明方法の有効性を示すための別の実施
例を示した試料加工部の断面図、第14図は本発明の一
実施例である液体金属イオン源を示す縦断面図である。 符号の説明 1.33,41,51.・・・分析領域、2.51,5
2,53.54・・・スパッタエツチング加工領域 3.50,77.77’・・集束イオンビーム3’、3
1.44・電流密度がピークの半分であるビームの拡が
り 3”、32.45・電流密度がピークの数桁下であるビ
ームの拡がり 4.34・・電流密度がピークの数桁下であるビームの
拡がりが試料を叩く領域 5,30.79・・・試料 6.35,43.72・・・二次イオン71.71’・
・・集束イオンビーム照射系系 ω 第 図 茅 図 第 図 (し) 第 ん 図 ζa) し くし) 図 不 図 )γ べ (嚢私) 某 図 χ 因 (a) (し) (り 電 1免 +d) (b) (り 第 ユ 図 (a) (′0) 12ヨ ノ23 茶 13 の (d) (シ) ノ32 (c) 第 7L 1刀

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、イオンビームを試料に照射して、照射部から放出す
    る二次イオンを質量分析する二次イオン質量分析方法に
    おいて、試料の所望の分析領域を残し、該分析領域の周
    囲を集束ビームによってスパッタエッチング加工する工
    程、残った柱状領域にイオンビームを照射して二次イオ
    ンを放出させ、試料の分析を行なう工程を含むことを特
    徴とする二次イオン質量分析方法。 2、上記分析領域の周辺をスパッタエッチング加工する
    集束ビームが特に集束イオンビームであることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項に記載の二次イオン質量分析
    方法。 3、上記分析領域の周辺をスパッタエッチング加工する
    工程が、スパッタリング領域を複数の矩形に分割してス
    パッタエッチングすることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項に記載の二次イオン質量分析方法。 4、矩形に分割してスパッタエッチングする工程が、分
    析領域の一辺に平行に、かつ、徐々に分析領域の一辺に
    近づけつつ走査し、該一辺に達した時点で集束ビーム照
    射を終了し、つぎの矩形領域のスパッタエッチング工程
    に移り、この工程を繰り返して所望の分析領域を残す工
    程であることを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載
    の二次イオン質量分析方法。 5、上記柱状領域に照射するイオンビームが、表面電離
    型イオン源、デュオプラズマ型イオン源、液体金属イオ
    ン源のうちのいずれかから引出したイオンビームである
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の二次イ
    オン質量分析方法。 6、分析試料のスパッタエッチング加工用の集束イオン
    ビーム照射手段と、分析用のイオンビーム照射手段を有
    することを特徴とする二次イオン質量分析装置。 7、上記分析領域に照射するイオンビームが、特に酸素
    イオンビームもしくはセシウムイオンビームであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項から第5項のいずれ
    かに記載の二次イオン質量分析方法。 8、特許請求の範囲第7項に記載の二次イオン質量分析
    方法において、セシウムイオンビームを発生させるイオ
    ン源が液体金属イオン源であることを特徴とする二次イ
    オン質量分析方法。 9、二次イオン質量分析装置におけるセシウムイオン放
    出用液体金属イオン源において、溶融イオン材料のイオ
    ンをその先端から放出するように配置された針状エミッ
    タ電極がステンレスによって形成されていることを特徴
    とするセシウムイオン放出用液体金属イオン源。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008232838A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Fujitsu Ltd 深さ方向の元素濃度分析方法
JP2010054456A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Ulvac Japan Ltd 質量分析法、質量分析用試料の作製方法および作製装置
JP2013195152A (ja) * 2012-03-16 2013-09-30 Fujitsu Ltd 二次イオン質量分析装置及び二次イオン質量分析方法

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