JPH0418911Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は自動車のフロアカーペツト固定装置に
係り、特にフロアカーペツトの前端部をヒータ装
置下部の係止爪に係合させるようにした固定装置
に関する。

ｂ 従来の技術 自動車のフロアパネル１には第６図に示す如く
吸音マツト２が敷設され、さらにこの吸音マツト
２の上にフロアカーペツト３が敷設されている。
このフロアカーペツト３の前端部３ａは、ヒータ
装置８が取付けられたダツシユパネル４の垂直面
下部まで延びており、この前端部３ａはずり下が
らないようにダツシユパネル４に固定する必要が
ある。

そこで、従来は例えば第７図に示す如くダツシ
ユパネル４にＬ字状の係止爪５を溶接等にて取付
けておき、フロアカーペツト３の前端部３ａに形
成した被係止孔６を上記係止爪５に係合させてフ
ロアカーペツト３前端部３ａを固定していた。ま
た、他の固定方法としては第８図に示す如くフロ
アカーペツト３の前端部３ａをマジツクテープ７
（商標名）にて吸音マツト２に固定する方法も提
案されている。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 フロアカーペツト３の前端部３ａの固定は従来
上述の如く行なわれていたが、係止爪５による固
定方法では、あらかじめ係止爪５をダツシユパネ
ル４に溶接等により取付けるために手間がかか
り、作業能率がよくない。またマジツクテープ７
による固定方法では固定力が弱く、フロアカーペ
ツト３の前端部３ａが不測にはがれてずり下がる
おそれがある。

本考案は上述の問題点を有効に解決しようとす
るものであつて、その目的は、フロアカーペツト
の前端部を能率よくかつ確実に固定することので
きる固定装置を提供することにある。

かかる目的を達成するところの本考案の要旨
は、ダツシユパネルに取付けられるヒータ装置に
おいて、該ヒータ装置の下部に配置された取付用
のブラケツトに、該ブラケツトに対して下方に折
れ曲げた係止爪を一体に形成し、一方、フロアカ
ーペツトの前端部に前記係止爪の先端部の幅より
小さい被係止孔を形成するとともに、該被係止孔
の下方部分にスリツトを形成し、該被係止孔に前
記係止爪を係合することにより、前記フロアカー
ペツトを吊り下げるようにして固定することを特
徴とする自動車のフロアカーペツト固定装置にあ
る。

ｄ 問題点を解決するための手段 以下に本考案の一実施例を第１図〜第５図に基
づいて説明する。第１図および第２図はヒータ装
置８の正面および側面の輪郭を示したものであつ
て、このヒータ装置８の特徴部分は、その下部に
左右一対の係止爪９が一体成形されていることで
ある。この係止爪９は、詳しくは第３図に示す如
くヒータ装置８をダツシユパネル４に取付けるた
めの左右一対のブラケツト１０に一体成形された
ものであつて、その形状はほぼ逆Ｔ字状をなして
いる。

一方、フロアカーペツト３の前端部３ａのほぼ
中央部には、左右一対（第３図では片側だけを示
す）の円形の被係止孔１１が形成されている。こ
の被係止孔１１は、第４図および第５図に示す如
く係止爪９に挿入して係合可能に構成されてお
り、これによつてフロアカーペツト３前端部３ａ
を固定できるようになつている。

なお第３図〜第５図において１３はボルト、１
４はブラケツト１０に設けたボルト挿通孔、１５
はダツシユパネル４に設けた取付用のねじ孔であ
る。

ｅ 作用 フロアカーペツト３の固定装置は上述の如く構
成されており、フロアカーペツト３の前端部３ａ
の被係止孔１１に第４図および第５図に示す如く
係止爪９を挿入して係合させるだけで前端部３ａ
を確実に固定することができる。なお、係止爪９
の挿入を容易にするために、被係止孔１１にスリ
ツト１２を設けてあるが、被係止孔１１は、これ
を縦長の長孔に構成してもよい。また係止爪９の
形状は逆Ｔ字状の他、コ字状やＶ字状等種々変形
可能である。

ｆ 考案の効果 本考案は上述の如く、ヒータ装置の下部に、フ
ロアカーペツト前端部を係合固定するための係合
爪をヒータ装置を取付けるブラケツトと一体成形
しているので、従来のようにダツシユパネルに係
止爪を取付ける手間が省け、作業能率を向上させ
ることができる。また係止爪の先端部の幅より狭
い係止孔に係止爪の先端部をくぐらせて係止する
ので、フロアカーペツトの係止孔付近の裏表を係
止爪の表裏で挟むようにして保持する状態とな
り、従つてカーペツトが外れるおそれが全くな
く、また、ブラケツトがフロアカーペツトの前端
部のストツパーとなり車体幅方向にフロアカーペ
ツトを直線的にセツトできる。即ちマジツクテー
プによる固定方法に比べて固定が確実であり、フ
ロアカーペツト前端部が不測にはがれるようなお
それはまつたくない。さらに本考案のブラケツト
によれば、車体のフロア等を加工して設けるもの
ではなく、従つて、格別に強度上の問題を発生す
ることもない。またコスト的にも有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の一実施例を示したも
のであつて、第１図はヒータ装置の輪郭の正面
図、第２図は同側面図、第３図は固定装置の分解
斜視図、第４図は同組立斜視図、第５図は第４図
の断面図である。また第６図〜第８図は従来例を
示したものであつて、第６図はダツシユパネルの
縦断面図、第７図は固定装置の縦断面図、第８図
は他の固定装置の縦断面図である。 ３……フロアカーペツト、３ａ……フロアカー
ペツトの前端部、４……ダツシユパネル、８……
ヒータ装置、９……係止爪、１０……ブラケツ
ト、１１……被係止孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ダツシユパネルに取付けられるヒータ装置８に
   おいて、該ヒータ装置８の下部に配置された取付
   用のブラケツト１０に、該ブラケツト１０に対し
   て下方に折れ曲げた係止爪９を一体に形成し、一
   方、フロアカーペツト３の前端部３ａに前記係止
   爪９の先端部の幅より小さい被係止孔１１を形成
   するとともに、該被係止孔１１の下方部分にスリ
   ツト１２を形成し、該被係止孔１１に前記係止爪
   ９を係合することにより、前記フロアカーペツト
   ３を吊り下げるようにして固定することを特徴と
   する自動車のフロアカーペツト固定装置。