JPH04180942A - 農業用合成樹脂被覆材および防曇防霧剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は農業用合成樹脂被覆材用防曇防霧剤に関するも
のである。さらに詳しくは、単独で防曇性及び防霧性を
付与する化合物に関するものである。

［従来の技術］ 近年、農園芸作物の促成栽培や、季節外栽培を目的とし
て、ハウスやトンネル内での作物育成が広く行われてい
る。これらの施設に用いられる被覆材料としてはポリエ
チレン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルムなどのプ
ラスチックフィルムがあり、特に後者は光線透過率、保
温性、耐候性などに優れている点から主として使用され
ている。

しかし、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムは、その表面が
疎水性であるため、展張した際に水蒸気がフィルム上で
結露し、表面を覆い曇りを生ずる。このため、太陽光線
の透過率を低減させるのみならず、水滴の落下による作
物の損傷といったトラブル発生の原因ともなる。従来こ
のようなトラブルの解決方法として、塩化ビニル系樹脂
に防曇剤（例えばソルビタン脂肪酸エステル、グリセリ
ン脂肪酸エステル）を添加し、親水性を付与する方法が
とられている。これにより結露した水滴はフィルム表面
に拡散され、フィルムを一様に濡らして流下することに
なるため、表面を透明な状態に保持することができる。

しかしながらこのような防曇剤を含む被覆材の被覆下で
は、被覆材内外での温度差が大きくなるため、被覆材内
表面付近において霧が発生するするという現象がしばし
ば観察される。晩秋から冬季にかけて多くみられるこの
霧発生現象の原因は明らかにはなっていないが、ハウス
またはトンネル内の気温、湿度、ハウスまたはトンネル
内土壌の温度、含水量、ハウスまたはトンネルへの日射
量、被覆材内面の親水性の程度などが微妙に影響し合っ
て、ハウスまたはトンネル内の湿気が温度変化によって
被覆材表面に順調に付着し、流化するという現象が行わ
れず、一部の湿気が被覆材内表面付近で露状になること
によると推定される。

このような霧発生現象を抑制するため、特開昭５５−９
１６６３号公報記載の有機シロキサン系界面活性剤や特
開昭５７−１４６４８号公報記載のフッ素系界面活性剤
をフィルム中に添加する方法などの提案があるが、いず
れも霧の発生を抑制するには不十分であったり、また防
霧効果はあっても他の防曇剤との併用でなければ防曇効
果が発揮されないという欠点がある。

［発明が解決しようとする課題］ そこで本発明は単独の化合物を添加することにより、農
業用ハウス内の霧の発生を防止しく防霧性）、ビニルフ
ィルムの曇りを防止（防曇性）する効果をもつ合成樹脂
用防曇防霧剤に関するものである。

［課題を解決するための手段］ 本発明者らは、前述のように単独の化合物を添加するこ
とで防曇性、防霧性の両方の性質を兼ね備える農業用合
成樹脂被覆材を提供することを目的として検討を行って
きた結果、従来提案されてきたものとはまったく構造が
異なる特殊な含フツ素化合物がきわめて有効であること
を見いだし、本発明の完成に至った。

すなわち本発明は、下記の一般式［Ｉ］に示すポリフル
オロアルキル基とポリオキシアルキレン基及びリン酸エ
ステル結合を有する含フツ素リン酸エステル化合物を少
なくとも一種類添加することにより、従来の防曇剤を併
用せずに農業用合成樹脂被覆材に防曇性、防霧性を付与
することが可能になった。

・・・・・　［１］ 但し上記一般式において、Ａは２価以上の多価アルコー
ル残基、Ｂは２価以上の有機基であり、Ｒ１、Ｒ２は水
素原子またはメチル基（但しＲ１、Ｒ２の両者ともメチ
ル基の場合はない）、Ｒ８は水素原子またはアルキル基
あるいは ＠Ｒ，（Ｒ，は水素原子またはアルキル基）である。

また１１およびｎ％ａ及びす、ｐ及びｑは１以上の整数
であり、ａ＋ｂは多価アルコールの価数、ｐ＋ｑ＝３で
ある。Ｒｆは炭素数１〜２ｏのポリフルオロアルキル基
を示す。

本発明の一般式［Ｉ］　　に示される具体的な含フツ素
リン酸エステル化合物としては、以下のものが例示でき
る。

ＣａＦ　＋　ｙｃＪ４０Ｐ　［０（ＣＪ−０）　ｘ　＋
Ｃ＋　２Ｈｚａｌ　ｔＣ，、Ｆａ、、−＋ＣＪ４０Ｐ［
０（Ｃ２Ｈ４０）ｉ。（Ｃ−ＨｓＯ４）Ｃ＋　５Ｈ−ｓ
ｌ　ｘＣ，、Ｆ２．、や、Ｃ２Ｈ４０払［０（Ｃ山Ｑ）
　、、　＠　ＣａＨｌ−］　２一般式［Ｉ］で示される
化合物の合成方法は何ら限定されるものではないが、以
下のように製造可能である。すなわち、ポリフルオロア
ルキル基を含むアルコール（例として、 ＣａＦ、、Ｃ，Ｈ，ＯＨ，Ｃ，Ｆ、、ＣＨ，ＯＨなど）
と、オキシ塩化リンとノ反応物にエチレンオキサイド含
有化合物（例えばグリセリンやエチレングリコールなど
の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイドの単独または混合物を付加したもの）を反応
させることにより、目的とする含フツ素リン酸エステル
化合物を得ることができる。上記で得た含フツ素リン酸
エステル化合物は１種類であるいは２種類以上併用して
も目的とする防曇性能、防霧性能を発現することができ
る。

本発明の農業用合成樹脂被覆材を構成する合−成樹脂材
料としては、一般にフィルム形成性の熱可塑性合成樹脂
があげられる。具体的には、塩化ビニル、エチレン、プ
ロピレン、アクリル酸エステル、メタクリル駿エステル
などの単量体の単独重合体またはこれら相互の共重合体
、あるいはこれら単量体の少なくとも１種と他の共重合
可能な単量体（例えば酢酸ビニル、塩化ビニリデンなど
）との共重合体、含フツ素樹脂、ポリエステル、ポリア
ミドなどもしくはこれら重合体のブレンド物があげられ
る。これらの中では、耐候性、光透過性、経済性、強度
の観点から、塩化ビニル系樹脂及びエチレン系樹脂が好
適であり、最も有利にはポリ塩化ビニルである。

本発明における含フツ素リン酸エステル化合物の合成樹
脂被覆材への配合量は、配合する含フツ素リン酸エステ
ル化合物の種類、基体合成樹脂の種類などに応じて広範
囲に変えることができる。−船釣には、基体合成樹脂１
００重量部（ただし可塑剤、防曇剤、安定剤等の配合剤
は含めない。以下同じ）当り、少なくとも０．０１重量
部とすることできまた、配合量の上限は厳密に制約され
るものではないが、あまり多量に配合すると、ブリード
アウトや白濁を生ずるおそれがあるので、通常は２．０
重量部以下で十分である。配合量の好適範囲は、基体合
成樹脂１００重量部当り０．０２〜１．０重量部である
。

本発明にかかる農業用被覆材を構成する合成樹脂基材は
また、必要に応じて、通常の各種添加物、例えば可塑剤
、滑剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料などを、通常の量で含むことができる。

例えば、本発明において好適な軟質塩化ビニル系樹脂に
ついて言えば、重合度が１０００〜２０００のポリ塩化
ビニル１００重量部に対して、可塑剤を３０〜７０重量
部で配合することができる。

用いうる好適な可塑剤としては、ジ−ｎ−オクチルフタ
レート、ジー２−エチルへキシルフタレート、ジベンジ
ルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジドデシルフ
タレート、ジイソデシルフタレートなどのフタル酸誘導
体、ジ−ｎ−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート
などのアジピン酸誘導体、ジ−ｎ−ブチルマレートなど
のマレイン酸誘導体、トリーｎ−ブチルシトレートなど
のクエン酸誘導体、モノブチルイタコネートなどのイタ
コン酸誘導体、ブチルオレートなどのオレイン酸誘導体
、その他トリクレジルホスフェート、エポキシ化大豆油
、エポキシ樹脂系可塑剤などがあげられる。

また合成樹脂基材に含ませつる滑剤、熱安定剤としては
、例えばポリエチレンワックス、ビスアマイド、ステア
リン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ス
テアリン酸カルシウム、リシノール酸バリウムなどがあ
げられる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリア
ゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シアノ
アクリレート系、フェニルサリシレート系などの紫外線
吸収剤があげられる。また、顔料及び染料としては、例
えば酸化チタン、シリカ、群青、フタロシアニンブルー
などがあげられる。

これら樹脂添加物は、通常の含有量、例えば前記合成樹
脂基材１００重量部当り５重量部以下の少量で含ませつ
る。

基材となる合成樹脂に、含フツ素ウレタン化合物各種樹
脂添加物を含ませるには、通常の配合技術、混合技術、
例えばリボンブレンダー、バンバリーミキサ−、スーパ
ーミキサー、その他の配合機、混合機によって混合した
後、フィルム化することにより可能である。

合成樹脂をフィルム化するには、それ自体公知の方法、
例えば溶融押出法、溶液流延法、カレンダー法などを採
用すればよい。

本発明にかかる農業用合成樹脂被覆材の厚さは、あまり
薄いと強度が不充分で好ましくなく、逆にあまり厚すぎ
るとフィルム化作業、その後の取り扱い（フィルムを切
ってハウス型に接合する作業、ハウスに展張りする作業
等を含む）などの不便をきたすので、０．Ｏ１〜０．５
ｍｍの範囲とするのが良い。

［実施例］ 以下に本発明のポリフルオロアルキル基とポリオキシア
ルキレン基及びリン酸エステル結合を有する含フツ素ウ
レタン化合物の製造例及び実施例を示す。

〈製造例１〉 １００ミリリツトルの四つロフラスコにオキシ塩化リン
３．１　ｇ　（０，０２モル）を入れ、８０℃で乾燥窒
素を流しながら側管付きの滴下ロートから、脱水済のＣ
ｎＦ２１１＋＋ＣＪ４０Ｈ（ｎ＝６．８，１０，１２゜
１４、１６の混合物、平均分子量５１４）の３０％。

１．４−ジオキサン溶液３４．３　ｇを２時間かけて滴
下した。滴下後１時間でＣ１Ｆａ−＋＋ＣＪ４０Ｈの反
応率が１００％となったことをガスクロマトグラフで確
認した。続いて脱水したＨＯ（ＣＪ４０）ｇ。（ｃａｏ
ｇｏ）　４Ｃ−＋５Ｈｓｚ　（日本サーファクタント社
製ＰＢＣ−３４）５４．２ｇ　（０，４モル）加え、８
０℃で２０時間反応し、塩酸ガスの発生がな（なったこ
とを確認することで反応の終点とした。減圧下で反応溶
媒の１．４−ジオキサンを留去し、含フツ素リン酸エス
テル化合物を６６、２　ｇ得た。（収率９８％）〈製造
例２〉 ２００ミリリツトルの四つロフラスコにオキシ塩化リン
３．１　ｇ　（０，０２モル）を入れ、８０℃で乾燥窒
素を流しながら側管付きの滴下ロートから、脱水済のＣ
，Ｆ、、Ｃ，Ｈ４０Ｈの３０％、１．４−ジオキサン溶
液３０．９ｇを２時間かけて滴下した。滴下後１時間で
Ｃ５Ｆ１ｔｃＪ４０Ｈの反応率が１００％となったこと
をガスクロマトグラフで確認した。

続いて脱水したグリセリン１モルにエチレンオキサイド
とプロピレンオキサイド８０：２０（重量比）で付加さ
せ、分子量を３５００としたポリオールを１４０ｇ　（
０，０４モル）加え、８０℃で２０時間反応し、塩酸ガ
スの発生がなくなったことを確認し、反応の終点とした
。減圧下で反応溶媒の１．４−ジオキサンを留去し、含
フツ素リン酸エステル化合物を１４７．８　ｇ得た。（
収率９７％）〈実施例〉 製造例に示した方法により、ポリフルオロアルキル基と
ポリオキシアルキレン基及びリン酸エステル結合を有す
る数種の含フツ素リン酸エステル化合物を製造し、これ
らを添加した合成樹脂フィルムを作製し、評価を行った
。

フィルム配合組成 ポリ塩化ビニル（重合度＝１３００）　　１００重量部
ジオクチルフタレート　　　　　　４５〃トリクレジル
フオスフエート　　　３　〃Ｂａ−Ｚｎ系液状安定剤　
　　　　２　〃Ｂａ−Ｚｎ系粉末状安定剤　　　　１　
ツノ含フツ素ウレタン化合物　　　　　１　〃上記組成
の混合物を１６０〜１７０℃で混練し、約１５０ミクロ
ン厚のフィルムを作製した。

◇防曇性評価 ２５℃の室内で７５℃ノ温水１５０ｍ１を３００　ｍｌ
ビーカーに入れ、前述のフィルムでビカーの開口部を密
閉する。５分経過後のフィルム内面の表面状態を観察す
る。評価基準は次の５段階とした。

１．水はフィルム表面に膜状に付着する。

２、一部分に大きな水滴が存在する。

３、大小の水滴が存在するが、膜状の部分もある。

４、大小の水滴が存在し、膜状の部分はない。

５、−面に小さな水滴が付着し、ビーカーの底が見えな
い。

◇防霧性評価 四方が木製の板、底面が水槽の水面、天井が傾斜して試
験用フィルムが張られた霧観察用の箱を水温４０℃の水
槽上に、室温２５℃で４８時間放置する。水温を４０℃
に保持したまま室温を５℃に下げ、１時間後に水槽側の
フィルム表面付近からの霧発生状況を目視で観察する。

評価基準は次の４段階とした。

Ａ、まった（霧の発生が認められない。

Ｂ、きわめて少量霧の発生が認められる。

Ｃ２霧の発生が認められる。

Ｄ、きわめて多量に霧の発生が認められる。

［発明の効果］ 本発明による防曇防霧剤を配合した農業用合成樹脂被覆
材は次のように顕著な効果を発揮し、その産業上の利用
価　値はきわめて大きい。

本発明は従来の添加剤がなし得なかった性能を有する。

すなわち単独の化合物の添加（汎用の防曇剤の添加無し
に）で優れた防曇性及び防霧性を農業用合成樹脂被覆材
に付与することができる。

手続補正書 平成２年１２月２−１日

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）下記一般式［ I ］で表されるポリフルオロアル
   キル基とポリオキシアルキレン基及びウレタン結合を有
   する含フッ素リン酸エステル化合物を有効成分とするこ
   とを特徴とする農業用合成樹脂被覆材用防曇防霧剤。 ・・・・・［ I ］ 但し上記一般式において、Ａは２価以上 の多価アルコール残基、Ｂは２価以上の有 機基であり、Ｒ＿１、Ｒ＿２は水素原子またはメチル基
   （但しＲ＿１、Ｒ＿２の両者ともメチル基の場合はない
   ）、Ｒ＿３は水素原子またはアルキル基あるいは ▲数式、化学式、表等があります▼（Ｒ＿４は水素原子
   またはアルキル 基）である。 またｍおよびｎ、ａ及びｂ、ｐ及びｑは１以上の整数で
   あり、ａ＋ｂは多価アルコールの価数、ｐ＋ｑ＝３であ
   る。Ｒｆは炭素数１〜２０のポリフルオロアルキル基を
   示す。