JPH04179873A - 揺動斜板式可変容量圧縮機及び揺動斜板とピストンを係留するシューの加工方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は揺動斜板式可変容量圧縮機及び揺動斜板とピ
ストンを係留するシューの加工方法に関するものである
。

〔従来の技術〕

従来の揺動斜板式可変容量圧縮機として、特公昭６４−
１６６８号公報に示すようなものが提案されている。こ
の圧縮機では、回転軸に嵌合固定された回転支持体に対
し長孔を有する支持アームを一体に形成し、前記長孔に
摺動案内された連結ピンにより揺動斜板を前後方向の傾
動可能に装着し、揺動斜板の中心部は前記回転軸上に球
面ブツシュを介して前後方向の移動可能に支持させ、複
数のシリンダボア内に互いに平行に、かつ所定間隔をお
いて収容された複数のピストンをそれぞれクランク室側
へ突出させて、その突出部に前記揺動斜板の前後側斜面
を半球状をなす一対のシューを介して係留させ、回転支
持体及び揺動斜板の回転揺動動作を前記シューにより各
ピストンの往復直線運動に変換するようになっている。

〔発明が解決しようとする課題〕 上記可変容量圧縮機においては、両シューの平面は揺動
斜板の斜面に摺接され、両シューの半球状部はピストン
に形成した半球状の凹面に摺動可能に嵌合されているの
で、圧縮動作時にピストンを揺動斜板が押動する際、シ
ューの半球状部によりピストンをその軸線方向へ押動す
る力以外の半径方向への分力を発生させ、従ってピスト
ンを円滑に作動させることができないばかりでなく、ピ
ストンを収容するシリンダボアの傷損や焼きつきが生じ
、高負荷、高速回転に耐えるだけの信頼性に欠けるとい
う問題があった。

上記従来の圧縮機において、半径方向への分力に抗して
動作を円滑に行うためには、シリンダボアとピストンと
のクリアランスを極力小さくするとか、ピストンとシリ
ンダボアとのシール長さを相当長くするとかの配慮が必
要となる。

この発明の目的は上記従来の問題点を解消して、揺動斜
板にピストンを係留するシュー構造を改良することによ
り、圧縮動作時にピストンにその半径方向への分力が作
用するのを抑制して、ピストンの動作を円滑に行い、ピ
ストンを収容するシリンダボアの傷損や焼きつきを防止
して、信頼性を向上することができる揺動斜板式可変容
量圧縮機を提供することにある。

又、この発明の別の目的は、揺動斜板の円形リング部に
接触する側のシューの接触面の加工を容易に行うことが
できるシューの加工方法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

請求項１記載の発明は上記目的を達成するため、クラン
ク室内の圧力と吸入圧力との差圧により揺動斜板の傾斜
角を制御して圧縮容量を変化するようにした揺動斜板式
可変容量圧縮機において、前記揺動斜板の外周縁に横断
面が円形状をなす円形リング部を設け、前記ピストンの
クランク室側端部には前記円形リング部が通過し得る嵌
合凹所を設け、該嵌合凹所の前後両側面には横断面が円
弧状の案内溝を所定間隔をおいて互いに平行に対向して
形成し、さらに両案内溝と前記円形リング部との間には
前記案内溝に沿って往復動作され、かつ該案内溝の周方
向へ往復移動するとともに、円形リング部に係留して揺
動斜板の回転揺動動作及び傾動動作を許容するためのシ
ューをそれぞれ介在するという手段をとっている。

又、請求項２記載の発明は前記両シューを加工するに際
し、両シューを固定把持具により固定するとともに、両
シューの間に揺動斜板の円形リング部と同形状に形成し
た加工具を介在し、加工具を回転及び傾動動作させて両
シューの円形リング部との接触面を加工するという方法
をとっている。

〔作　用〕

請求項１記載の発明は、回転支持体とともに揺動斜板が
回転軸の回りで回転揺動されると、この揺動動作かシュ
ーを介してピストンに前後方向の往復直線運動として伝
達され、ガスの圧縮動作が行われる。このとき揺動斜板
の円形リング部の運動によりシューがピストンの案内溝
をその長手方向へ摺動可能であるため、円形リング部は
シューを介してピストンをその中心軸線と平行な方向へ
のみ押動するため、ピストンにはその半径方向への分力
が作用せず、圧縮動作が円滑に行われる。

又、請求項２記載の発明は、固定把持具により固定した
両シューの間に揺動斜板の円形リング部と同形状に形成
した加工具を介在し、加工具を回転及び傾動動作させて
両シューの円形リング部との接触面を加工するので、該
接触面を容易に加工でき、加工精度を向上することがで
きる。

〔実施例〕

以下、この発明を具体化した一実施例を第１図から第４
図に基づいて説明する。

圧縮機全体のハウジングの一部となるシリンダブロック
１の前後にはフロントハウジング２及びリヤハウジング
３が接合固定されており、シリンダブロック１及びフロ
ントハウジング２に回転可能に支持された回転軸４には
回転支持体５が嵌合固定されている。回転支持体５の後
面には長孔６ａを形成した支持アーム６が一体に形成さ
れ、前記長孔６ａには連結ピン７がスライド可能に挿通
支持されており、該連結ピン７は回転駆動体８に形成し
た支持アーム９の取付孔９ａに貫通支持され、該回転駆
動体８は連結ピン７を中心に前後方向へ傾動可能となっ
ている。

この実施例では前記支持アーム６．９及び連結ピン７に
よりヒンジ機構Ｋを構成している。

前記回転軸４には前記回転支持体５の後側に位置するよ
うに円筒状のスリーブ１０がスライド可能に支持され、
該スリーブｌＯの左右両側に突設された軸ピン１１が前
記回転駆動体８の内周面に形成した係合孔に係合されて
いる。これにより回転駆動体８が軸ピン１１を中心に前
後方向へ傾動可能であり、この傾動動作時に前記連結ピ
ン７か長孔６ａにより案内される。前記回転駆動体８の
外周部には揺動斜板１２が嵌合され、回転駆動体８の外
周ネジ部に螺合された締付リング１３により締め付は固
定されている。前記揺動斜板１２の外周部には横断面が
円形状をなす円形リング部１２ａが形成されている。

クランク室２ａ、リヤハウジング３内の吸入室３ａ及び
及び吐出室３ｂを互いに接続するようにシリンダブロッ
ク１に互いに平行に貫通された複数のシリンダボア１ａ
内のピストン１４は後に詳述する前後一対のシュー１５
．１６を介して揺動斜板１２の円形リング部１２ａの前
後両側面に係留されている。そして、回転軸４の回転運
動が回転支持体５、ヒンジ機構Ｋ及び回転駆動体８牽介
して揺動斜板１２の回転揺動運動に変換され、シュー１
５．１６を介して各ピストン１４がシリンダボア１ａ内
を前後方向に往復動作する。これにより吸入室３ａから
シリンダボア１ａ内へ吸入された冷媒ガスが圧縮されつ
つ吐出室３ｂへ吐出される。

この圧縮動作時にはシリンダボア１ａ内の各ピストン１
４の作動面に作用する圧力は、各ピストン１４のそれぞ
れの行程に応じて吸入圧力と吐出圧力との間で変化を繰
り返すが、各ピストン１４の背面に作用するクランク室
２ａの圧力と前記圧力とのそれぞれの差圧が各シュー１
５．１６を介して揺動斜板１２に圧縮反力として作用す
る。そして、各圧縮反力の合力により揺動斜板１２及び
回転駆動体８が連結ピン７を中心に前方又は後方への回
転モーメントを受けて圧縮容量を左右する揺動斜板１２
の傾斜角が変化し、ピストン１４のストロークが変化す
る。

前記クランク室２ａ内の圧力はリヤハウジング３の後端
突出部内の電磁制御弁機構１７により制御され、圧縮容
量を制御可能である。

第１図及び第４図に示すように、この発明の実施例では
、ピストン１４のクランク室側基端部に前記揺動斜板１
２の円形リング部１２ａを嵌合する嵌合凹所１４ａが形
成され、その前後両側面には回転軸４の半径方向（ピス
トン１４の半径方向でもある）へ指向する円弧状案内溝
１４ｂ、１４ｃが互いに平行に所定間隔をおいて対向形
成されている。そして、この案内溝１４ｂ、１４ｃと前
記揺動斜板１２の円形リング部１２ａとの間に介在され
たシュー１５．１６は、前記案内溝１４ｂ。

１４ｃと摺動する側の形状を凸条円弧面１５ａ。

１６ａとして、案内溝１４ｂ、１４ｃに沿って回転軸４
の半径方向へ往復摺動可能に、かつ案内溝１４ｂ、１４
ｃの周方向へ往復回動可能に接触されている。

一方、シュー１５．１６の円形リング部１２ａと接触す
る側の形状は、第３図に示すように該円形リング部１２
ａの外周面の形状と同様に、すなわち全体が円形リング
部１２ａの曲率の円弧状案内溝１５ｂ、１６ｂとしてい
る。そして、揺動斜板１２の回転揺動運動及びヒンジ機
構Ｋを中心とした前後方向への傾動動作を許容するよう
にしている。

この実施例では揺動斜板１２の回転揺動動作時にシュー
１５．１６の凸状円弧面１５ａ、１６ａがビントン側の
案内溝１４ｂ、１４ｃに沿って回転軸４の半径方向へ往
復移動でき、かつ案内溝１４ｂ、１４ｃの周方向へも自
由に往復回動できるので、揺動斜板１２の円形リング部
１２ａがシュー１６を介してピストン１４を押圧する際
、ピストン１４にはその軸線方向への押圧力のみが作用
し、ピストン１４の半径方向への分力は作用せず、従っ
て、ピストン１４のこじれを防止して圧縮動作を円滑に
行うことができる。

次に、前記両シュー１５．１６に形成した円弧状案内溝
１５ｂ、１６ｂの加工方法を第５図に基づいて説明する
。

両シュー１５．１６を固定把持具としてのチャック２１
により把持固定するとともに、両シュー１５．１６の間
に揺動斜板１２と同形状に形成した例えば砥石等の加工
具２２を介在し、加工具２２を回転させるとともに、第
５図に鎖線で示すようにその傾斜角度を変化させること
により、両シュー１５．１６の円形リング部１２ａとの
円弧状案内溝１５ｂ、１６ｂを研磨又は切削加工する。

この加工方法を採用することにより、円弧状案内溝１５
ｂ、１６ｂの加工を容易に行い、加工精度を向上するこ
とができる。

なお、この発明は前記実施例に限定されるものではなく
、次のように変更して具体化することもてきる。

（１）第６図及び第７図に示すように、シュー１５．１
６に対し円柱状部１５ｃ、１６ｃと、該円柱状部１５ｃ
、１６ｃの中間外周面に位置するように、揺動斜板１２
の円形リング部１２ａを案内する横断面が円弧状の円環
状案内溝１５ｄ。

１６ｄを形成すること。

この実施例の場合も両シュー１５．１６の円柱状部１５
ｃ、１６ｃがピストン１４の案内溝１４ｂ。

１４ｃに沿って自由に往復摺動及び回転するので、圧縮
動作時にピストン１４にはその半径方向への分力が作用
することはない。

前記シュー１５．１６を第８図に示すように、一つのピ
ストン１４の案内溝１４ｂ、１４ｃ内にそれぞれ二つ収
容してもよい。

（２）前記実施例では連結ピン７を支持アーム６の長孔
６ａに案内移動可能に連結したか、これを他のヒンジ機
構に変更すること。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、請求項１記載の発明は前記揺動斜
板の外周縁に横断面が円形状をなす円形リング部を形成
し、前記ピストンに形成した嵌合凹所の前後両側面には
円弧状案内溝を所定間隔をおいて互いに平行に形成し、
さらに両案内溝と前記円形リング部との間には揺動斜板
の回転揺動時に前記案内溝に沿って往復動作され、かつ
前記回転揺動運動を許容するためのシューをそれぞれ介
在したので、圧縮動作時にピストンにその半径方向への
分力が作用するのを抑制して、ピストンの往復直線運動
を円滑に行い、ピストンを収容するシリンダボアの傷損
や焼きつきを防止して、信頼性を向上することができる
効果がある。

又、請求項２記載の発明は、両シューを固定把持具によ
り固定するとともに、両シューの間に揺動斜板と同形状
に形成した加工具を介在し、加工具を揺動斜板と同様に
回転させるとともに、その傾斜角度を変化させて両シュ
ーの円形リング部との接触面を加工するようにしたので
、その接触面の加工を容易に行うことかできるとともに
、加工精度を向上することかできる効果かある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明の揺動斜板式可変容量圧縮機
を具体化した一実施例を示し、第１図は要部の断面図、
第２図は揺動斜板の一部省略斜視図、第３図はシューの
みの斜視図、第４図は可変容量圧縮機全体を示す断面図
、第５図はシューの加工方法を説明する断面図、第６図
はこの発明の別の実施例を示す要部の断面図、第７図は
シューのみの斜視図、第８図はこの発明のさらに側倒を
示す要部の部分断面図である。 回転支持体５、回転駆動体８、揺動斜板１２、円形リン
グ部１２ａ、ピストン１４、嵌合凹所１４ａ、円弧状案
内溝１４ｂ、１４ｃ、シュ１５゜１６、凸状円弧面１５
ａ、１６ａ、円弧状案内溝１５ｂ、１６ｂ、円柱状部１
５ｃ、１６ｃ、円環状案内溝１５ｄ、１６ｄ、固定把持
具としてのチャック２１、加工具２２、μンジ機構に０
特許出願人　株式会社　豊田自動織機製作所代理人　　
　　弁理士　恩１）博宣（ほか１名）第１図 第２図 （７６ｂ） ２ａ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. １．ハウジングにクランク室、吸入室、吐出室及びこれ
   らを接続する複数のシリンダボアを区画形成するととも
   に、前記各シリンダボアにそれぞれピストンを往復直線
   運動可能に収容し、前記ハウジングに支持した回転軸に
   は前記クランク室内に位置するように回転支持体を同期
   回転可能に支持し、該回転支持体にはヒンジ機構を介し
   て揺動斜板を回転揺動可能に、かつ前後方向の傾動可能
   に装着し、該揺動斜板と前記ピストンとの間には、揺動
   斜板の揺動運動を各ピストンの往復直線運動に変換する
   ためのシューを介装し、クランク室内の圧力と吸入圧力
   との差圧により揺動斜板の傾斜角を制御して圧縮容量を
   変化するようにした揺動斜板式可変容量圧縮機において
   、 前記揺動斜板の外周縁に横断面が円形状をなす円形リン
   グ部を設け、前記ピストンのクランク室側端部には前記
   円形リング部が通過し得る嵌合凹所を設け、該嵌合凹所
   の前後両側面には横断面が円弧状の案内溝を所定間隔を
   おいて互いに平行に対向して形成し、さらに両案内溝と
   前記円形リング部との間には前記案内溝に沿って往復動
   作され、かつ該案内溝の周方向へ往復移動するとともに
   、円形リング部に係留して揺動斜板の回転揺動動作及び
   傾動動作を許容するためのシューをそれぞれ介在した揺
   動斜板式可変容量圧縮機。
2. ２．前記両シューを加工するに際し、両シューを固定把
   持具により固定するとともに、両シューの間に揺動斜板
   の円形リング部と同形状に形成した加工具を介在し、加
   工具を回転及び傾動動作させて両シューの円形リング部
   との接触面を加工する揺動斜板式可変容量圧縮機におけ
   る揺動斜板とピストンを係留するシューの加工方法。