JPH08109874A - 斜板式コンプレッサ - Google Patents

斜板式コンプレッサ

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Publication number
JPH08109874A
JPH08109874A JP6245547A JP24554794A JPH08109874A JP H08109874 A JPH08109874 A JP H08109874A JP 6245547 A JP6245547 A JP 6245547A JP 24554794 A JP24554794 A JP 24554794A JP H08109874 A JPH08109874 A JP H08109874A
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JP
Japan
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piston
swash plate
casing
radius
convex
Prior art date
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Pending
Application number
JP6245547A
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English (en)
Inventor
Yukio Umemura
幸生 梅村
Hiroshi Okawa
博 大河
Toshikatsu Miyaji
俊勝 宮地
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Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
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Publication date
Application filed by Calsonic Corp filed Critical Calsonic Corp
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Publication of JPH08109874A publication Critical patent/JPH08109874A/ja
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  • Control Of Positive-Displacement Pumps (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡易な構造により、確実にしかも滑らかにピ
ストンの回転を防止できる「斜板式コンプレッサ」を提
供する。 【構成】 ピストン23の後端側の嵌合部23b の外面
に、ピストン半径R1 よりも大きい半径R2 の円弧凸面
82a を有する凸状部82を、円弧凸面82a の中心軸
がピストン軸に対して凸状部82と反対側に所定距離だ
け偏心するように形成し、凸状部82に対向するケーシ
ングの内周面に、少なくとも円弧凸面82a の半径R2
以上の内半径R3 の円弧凹面83a を有する凹状部83
を、ピストン23の凸状部82から所定距離L1 だけ離
間させて形成した容量可変斜板式コンプレッサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜板式コンプレッサの
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気調和装置に使用されるコン
プレッサとしては、駆動軸に対する傾斜角度が固定され
た斜板を有する容量固定斜板式コンプレッサや、吐出冷
媒量を調整すべく駆動軸に対する傾斜角度が可変とされ
た斜板を有する容量可変斜板式コンプレッサなどが知ら
れている。
【0003】この容量可変斜板式コンプレッサは、ベル
ト、プーリなどを介して伝達されるエンジンにより回転
駆動される駆動軸と、この駆動軸に傾斜角度可変の状態
で取り付けられる円板状の斜板とを有しており、駆動軸
を回転させると、傾斜した状態の斜板は、いわゆるみそ
すり運動をなしつつ、駆動軸と共に回転する。また、こ
の容量可変斜板式コンプレッサは、複数のシリンダ室と
このシリンダ室に沿って摺動移動する各ピストンとを有
しているが、前述した回転する斜板とピストンとを、ピ
ストンロッドを介することなく直接摺動自在に連結した
ものがある。
【0004】このような斜板とピストンとが直結式のコ
ンプレッサにおいては、各ピストンの後端側に断面略U
字状の嵌合部が形成されており、この嵌合部の両側内面
の対向する位置に形成された2つの球面凹部に略半球状
のシューが嵌装され、これら両シューにより斜板の表裏
両平坦面が挟持されている。ここで、斜板の外縁部の表
裏両面に形成される摺動面は、それぞれ対応するシュー
の平面部に摺動接触しており、またピストンは、その後
端部に形成された球面凹部において、対応するシューの
球面部に摺動接触する。このようにして、ピストンは、
その後端部において斜板に摺動自在に連結されている。
【0005】したがって、駆動軸を回転させて傾斜した
斜板を回転させると、斜板に摺動自在に連結されるピス
トンは、回転する斜板の最もシリンダ室側に近い外縁部
と摺接するときは上死点位置に移動され、また回転する
斜板の最もシリンダ室側から遠い外縁部と摺接するとき
は下死点位置に移動される。すなわち、駆動軸に対して
傾斜した斜板と、シリンダ室により摺動方向が規制され
ているピストンとを摺動接触させることにより、斜板の
みそすり回転運動は、ピストンの往復運動に変換される
ことになる。
【0006】このようにしてピストンを往復運動させる
と、コンプレッサ内の吸入ポートから吸入した冷媒が圧
縮された後吐出ポートへ吐出されることとなり、冷媒が
循環してコンプレッサとして機能する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、傾斜した斜
板を回転させることによりピストンを往復運動させる場
合にあっては、図4に示すように、斜板からピストン1
23に両シュー71,72を介して軸方向の力が作用
し、ピストン123は、シリンダ室に沿って上死点側あ
るいは下死点側に、図4の紙面と垂直方向に摺動移動す
る。なお、図4は、ピストン123を軸方向後方から見
た図である。この場合に、斜板の外縁部の平担面は、両
シュー71,72の間を矢印A方向に高速で移動して互
いに摺動するため、これらの両シュー71,72を介し
てピストン123をB方向に回転させる力が働くという
問題があった。
【0008】これに対し、図4に示したように、ピスト
ン123の外周面に直方体形状の凸部124を設けると
共に、ケーシング112の内周面に、凸部124と軸方
向の移動が可能なように係合する摺動溝127を形成す
ることにより、ピストン123の回り止めを行ってい
た。このようにすれば、ピストン123が大きく回転し
てその一部が斜板に局部当たりしたり、そのときに磨耗
粉が生じたりして、ピストン動作に悪影響を及ぼしたり
するような事態を防止できる。
【0009】しかしながら、このような従来のピストン
の回り止め防止機構にあっては、なお以下のような欠点
がある。すなわち、まず、直方体形状の凸部124およ
び摺動溝127の加工は、それぞれの周方向の両端面1
24a ,124b ,127a,127b に加えて、頂部
124c ,底部127c の加工があり、いずれも平面加
工であるために工具の送りが多く、しかもピストンの配
置数、例えば5箇所について同様な加工を要するため、
工数の増大を招いていた。
【0010】また、回り止めは周方向の端面で支持する
構造であるため、所定の当接面積を確保する必要があ
り、いきおい凸部124が大きくなりがちとなりピスト
ンの重量が増え、高速往復運動に対する負担が大きくな
る。
【0011】さらに、ピストンの往復運動に余計な抵抗
を与えないために、凸部124と摺動溝127とはある
程度のクリアランスが必要であるが、このクリアランス
のため、回り止めの作用が働く際には凸部124と摺動
溝127との端面同士が衝撃的に当接され、異音が生じ
るという問題もあった。
【0012】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、簡易な構
造により、確実にしかも滑らかにピストンの回転を防止
できる容量可変斜板式コンプレッサを提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る容量可変斜板式コンプレッサは、駆動軸
を回転可能に支持するケーシングと、駆動軸に対して傾
斜角度が可変な状態で取り付けられている斜板と、ケー
シング内に形成される複数のシリンダ室と、シリンダ室
の内部を軸線方向に往復動される複数のピストンと、各
ピストンの後端側の嵌合部の両側内面に対向して形成さ
れた2つの球面凹部にそれぞれ嵌装されると共に斜板の
表裏両面を挟持し、これらと摺動接触するシューとを有
する容量可変斜板式コンプレッサにおいて、ピストン後
方のケーシングに対向する外面に、ピストン半径よりも
大きい半径の円弧凸面を有する凸状部を、円弧凸面の中
心軸がピストン軸に対して凸状部と反対側に所定距離だ
け偏心するように形成し、凸状部に対向するケーシング
の内周面に、少なくとも円弧凸面の半径以上の内半径の
円弧凹面を有する凹状部を、ピストンの凸状部から所定
距離だけ離間させて形成したことを特徴とする。
【0014】また、各ピストンの凸状部に対向して形成
される凹状部の円弧凹面は、ケーシングの内周面の近傍
に全周にわたって形成される円筒面の全部または一部を
構成するようにしてもよい。
【0015】
【作用】このように構成した本発明にあっては、駆動軸
が回転され傾斜した状態の斜板のみそすり運動により、
ピストンに軸方向の力が付与されて往復動させることに
なるが、このように、傾斜した斜板の回転運動をピスト
ンの往復運動に変換させる場合にあっては、斜板からピ
ストンに対して、シューを介して軸方向の力が作用し、
ピストンがシリンダ室に沿って往復動する。
【0016】この場合に、斜板は、両シューの間を周方
向に高速で摺動移動するため、これらの両シューを介し
てピストンをピストン軸の回りに回転させる力が働く。
そして、ピストンが回転させられると、ピストンの後端
側の嵌合部の外周面に形成された凸状部は、ピストン軸
を中心として回動される。ここで、凸状部の円弧凸面
は、その中心軸がピストン軸に対して凸状部と反対側に
所定距離だけ偏心するように形成されているので、円弧
凸面を円周上の一部とする円がピストン軸の回りであた
かも公転するようにして回動される。
【0017】そして結果的に、凸状部の円弧凸面は、ケ
ーシングの内周面に形成された凹状部の円弧凹面に接近
し、ほぼ面接触するように当接される。このため、ピス
トンの回転は、確実かつ滑らかに防止される。しかも衝
撃的な衝突によって回転を止めるようなことがないので
異音の発生も防止される。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る容量可変斜板式
コンプレッサの概略断面図、図2(A)は、図1に示さ
れるピストンの正面図、図2(B)は、同じく左側面
図、図3は、ピストンの回り止め機構を説明する図であ
る。
【0019】図1に示す本実施例の容量可変斜板式コン
プレッサは、各端部にリアヘッド10とフロントヘッド
11が両端に取り付けられた円筒状のケーシング12を
有し、このケーシング12内には、シリンダ室13や、
クランク室14が設けられている。前記リアヘッド10
は、ケーシング12の右端部にバルブシート16を介し
て取り付けられ、左端部に設けられたフロントヘッド1
1とともに図示しないボルトにより3者一体的に連結さ
れている。バルブシート16の両面には、弁形成プレー
ト(図示省略)がそれぞれ設けられ、吐出弁側には、リ
テーナ18が取り付けられている。
【0020】ケーシング12内を挿通して設けられた駆
動軸19のフロントヘッド側は、フロントヘッド11を
貫通して突出され、端部にプーリ20が連結されてい
る。駆動軸19とプーリ20との間には電磁クラッチ2
7が設けられ、要冷房時には電磁クラッチをオンして、
ベルトを介してエンジンの回転が伝達されるようになっ
ている。冷房不要時には電磁クラッチをオフすれば、エ
ンジンとコンプレッサとの接続が遮断され、駆動軸19
は回転せずにプーリのみが空転する。
【0021】ケーシング12内には、シリンダ室13が
円周方向等間隔に複数個開設され、これら各シリンダ室
13にはそれぞれピストン23が設置されている。これ
ら各ピストン23は、その前端側にピストンヘッド23
a 、後端側に断面が略U字状を呈する嵌合部23b が形
成される。この嵌合部23b の両側内面に対向して形成
された球面凹部23c ,23d にシュー71,72の球
面部が嵌装され、これら両シュー71,72の平面部に
より斜板25の表裏両面が挟持され摺動自在に接触す
る。
【0022】本実施例では特に、図2(A)(B)に示
したように、ピストン23の後端側の嵌合部23b の外
面に、凸状部82が形成され、この凸状部82は円弧凸
面82a を有している。一方、図2(B)に示したよう
に、前記ピストン23の凸状部82に対向するケーシン
グ12の内周面には、凸状部82から所定距離L1 だけ
離間させて円弧凹面83a を有する凹状部83が形成さ
れる。
【0023】また、図3に示したように、凸状部82の
円弧凸面82a の半径R2 は、ピストン23の半径R1
よりも大きい値に設定され、凸状部82は、その円弧凸
面82a の中心軸O2 がピストン軸O1 に対して凸状部
82と反対側に所定距離L2だけ偏心するように形成さ
れている。これに対し、凹状部83の円弧凹面83a
は、少なくとも凸状部82の円弧凸面82a の半径R2
以上の内半径R3 に設定される。
【0024】このように設定すれば、傾斜した斜板25
を回転させることによりピストン23を往復運動させる
場合に、斜板25の外縁部の平担面が両シュー71,7
2の間を摺動移動し、これらの両シュー71,72を介
してピストン23を例えば図3に示すC方向に回転させ
る力が働いたとしても、凸状部82の円弧凸面82aが
凹状部83の円弧凹面83a に面で当接してピストン2
3の回転を防止することができる。
【0025】なお、ケーシング12の内周面に形成され
る凹状部83の軸方向長さは、少なくともピストン23
の往復運動によってピストン23の凸状部82が移動し
たときに干渉しない長さ以上に設定される。また、前述
した半径R1 〜R3 や距離L1 ,L2 は、設計基準に基
づいて適宜設定することができるが、ピストンの往復運
動に支障なく、しかも確実に回り止めの機能を果たすた
めに、距離L1 は、0.5mm以下に設定することが好
ましい。
【0026】駆動軸19の図中左側部位は、フロントヘ
ッド11に軸受26を介して支持され、軸受26の内方
には駆動軸19により回転される回転部材28が設けら
れている。この回転部材28の内端側には軸線方向摺動
可能に嵌挿されたスリーブ29が設けられ、このスリー
ブ29の外周面は、円弧状とされ、この円弧状外面には
揺動可能に斜板25の凹状内面が当接している。斜板2
5と回転部材28には、それぞれリンク30b ,30a
が突設され、これら両リンク30b ,30a は、長孔3
1とピン部材32により連結され、回転部材28の回転
によって斜板25が回転されるようになっている。
【0027】したがって、この斜板25は、スリーブ2
9の軸方向移動に伴ってピン部材32を支点として傾斜
し、機械的に傾斜角(駆動軸19の軸線に直交する面に
対する傾斜角をいう)を調節することができるようにな
っている。斜板25の傾斜角は、斜板25のバランサ2
5a が回転部材28に当接する位置で最大の傾斜角が与
えられる(図1の状態)。
【0028】この容量可変斜板式コンプレッサは、リア
ヘッド10内にコントロールバルブCv が設けられ、帰
還する冷媒の吸込圧に応じてクランク室14内の圧力を
調整して斜板25の角度を変化させて、コンプレッサか
ら吐出される冷媒量を調節し、コンプレッサの吸入圧が
一定になるようにコントロールしている。
【0029】吸入ポート33及び吐出ポート34が前記
リアヘッド10に設けられ、この吸入ポート33には、
エバポレータからの帰環冷媒が流入し、この冷媒はバル
ブシート16の図中左側表面にある弁形成プレート(図
示省略)に円周方向複数形成された吸入弁の弾性的閉鎖
力に抗して吸入口33a より吸入工程にあるシリンダ室
13に順次流入するようになっており、吐出ポート34
には、ピストンにより圧縮された冷媒がバルブシート1
6の図中右側表面にある弁形成プレート(図示省略)に
円周方向複数形成された吐出弁の弾性的閉鎖力に抗して
吐出されるようになっている。
【0030】次に、本実施例の作用を説明する。電磁ク
ラッチ27がオンされ、駆動軸19がベルト及びプーリ
を介してエンジンにより回転されると、それに伴って回
転部材28が回転し、両リンク30a ,30b 及びピン
部材32を介して斜板25も回転する。斜板25が駆動
軸19に対して傾斜状態にあれば、みそすり運動的に回
動し、これに伴なってピストン23が往復動し、冷媒の
吸入、圧縮、吐出が行なわれる。
【0031】ここで、冷房サイクルにおける熱負荷が大
きい場合には、帰還冷媒の圧力は比較的高圧で帰還す
る。この場合には、コントロールバルブCv の作用によ
り、クランク室14に比較的高圧の吸入圧が導入される
ため、その内部圧が吸入圧にほぼ等しくなる。このた
め、吸入工程にあるピストン23でも前後の圧力差がほ
とんどなくなり、ピストン23はシリンダ15のシリン
ダ室13内でスムーズに後退し得る状態となり、ピスト
ン23のストロークは増大する。この状態で圧縮が行な
われると、吐出冷媒量は増大し、冷房サイクル内を循環
する冷媒流量が増大し、再度熱負荷に応じた適正な冷媒
流量が吐出され、コンプレッサの吸入圧が次第に下降
し、最終的には一定の吸入圧に保たれることになる。
【0032】一方、冷房サイクルにおける熱負荷が小さ
い場合には、帰還冷媒の圧力は十分スーパーヒート量が
得られず、低圧で帰還する。この場合には、コントロー
ルバルブCv の作用により、ピストン23によって圧縮
され吐出ポート34に導かれた高圧冷媒が、クランク室
14に導入され、クランク室14の内部圧力が高められ
る。この結果、ピン32を中心とする複数の各ピストン
23に加わる力のモーメントに差が生じ、各ピストン2
3の前後の圧力バランスが変化し、この斜板25の傾斜
角度が減少することになる。
【0033】ところで、冷媒の吸入、圧縮、吐出は、上
述したように、傾斜した状態の斜板25のみそすり運動
的な回転によってピストン23に軸方向の力が付与され
て往復動せられることによりなされるが、この場合に、
斜板25の外縁部の平担面は、両シュー71,72の間
を周方向に高速で摺動移動し、これらの両シュー71,
72を介してピストン23をピストン軸O1 の回りに回
転させる力が働く。
【0034】このような回転力は、シューの平面部を押
圧しながら摺動する際の局部的な摺動状態の差や、回転
中心からの距離の相違に基づく摺動速度の差などのため
に起こるものと考えられる。例えば、ピストン23が図
3に示すC方向に回転させられると、ピストン23の後
端側の嵌合部23b の外面に形成された凸状部82は、
ピストン軸O1 を中心として回動される。ここで、凸状
部82の円弧凸面82a は、その中心軸O2 がピストン
軸O1 に対して凸状部82と反対側に所定距離L2 だけ
偏心するように形成されているので、円弧凸面82a を
円周上の一部とする円(図3において2点鎖線で示す)
があたかもピストン軸O1 の回りで公転するようにし
て、矢印D方向に回動されることになる。
【0035】このようにして結果的に、凸状部82の円
弧凸面82a は、ケーシング12の内周面に形成された
凹状部83の円弧凹面83aに接近し、ほぼ面接触する
ように当接されるため、ピストン23の回転を確実かつ
滑らかに防止することができる。しかも衝撃的な衝突に
よって回転を止めるようなことがないので異音の発生も
防止することができる。
【0036】また、ピストン23に形成される凸状部8
2およびケーシング12に形成される凹状部83は、い
ずれも円弧面を主体とする形状のものであるため加工し
やすく工数の低減、ひいては製品コストの低減を図るこ
とができる。
【0037】さらに、前記凸状部82は、図3では誇張
して大きく示されているが、ピストン23の後端側の嵌
合部23b の外面から僅かに突出した程度のもので十分
ピストン23の回り止めの機能を果たすことが可能であ
り、このためピストンの重量を従来より軽量化すること
ができる。したがって、ピストンの高速往復運動に対す
る負担を減らすことができる。
【0038】また、前記凸状部82は、図2に示したよ
うに、ピストン23の後方の端部に設けたので、角部の
剛性が向上する。
【0039】なお、以上説明した実施例は、本発明の理
解を容易にするために記載されたものであって、本発明
を限定するために記載されたものではない。したがっ
て、上記実施例に開示された各要素は、本発明の技術的
範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨であ
る。
【0040】例えば、上述した実施例においては、図2
および図3に示すように、ケーシング12の内周面に形
成された凹状部83の円弧凹面83a は、各ピストン軸
O1に比較的近いそれぞれの中心軸O3 を中心として形
成されている。つまり、各ピストン23の凸状部82ご
とに対向して、異なる中心軸O3 を中心としたそれぞれ
の円弧凹面83a が形成されるものである。しかしなが
ら、本発明は、このような構成に限定されるものではな
く、各ピストン23の凸状部82に対向して形成される
凹状部83の円弧凹面83a が、ケーシング12の内周
面の近傍に全周にわたって形成される円筒面の全部また
は一部を構成するようなものとすることも可能である。
すなわちこの場合には、円弧凹面83a の中心軸O3
は、円周上等間隔に配置された複数のピストン23の対
称中心の位置と一致することになる。このような凹状部
83の円弧凹面83a とすれば、一回で全ピストン(例
えば円周方向均等に配置された5つのピストン)に対す
る円弧凹面83a の加工を行うこともでき、より一層の
加工工数の低減を図ることができる。さらに、最も、簡
易な構成としては、ケーシング12の内周面をそのまま
利用して前記円弧凹面83a とすることも可能である。
【0041】また、容量可変斜板式コンプレッサを例に
挙げてこれまで説明したが、本願内容は、容量可変式の
コンプレッサのみならず、固定容量の斜板式のコンプレ
ッサにも使えることはもちろんである。
【0042】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、斜板
が両シューの間を周方向に高速で摺動移動することによ
りこれらの両シューを介してピストンが回転させられた
場合に、ピストン後方のケーシングに対向する外面に形
成された凸状部がピストン軸を中心として回動され、結
果的に、凸状部の円弧凸面は、ケーシングの内周面に形
成された凹状部の円弧凹面に接近し、ほぼ面接触するよ
うに当接してピストンの回転を確実かつ滑らかに防止す
ることができる。しかも衝撃的な衝突によって回転を止
めるようなことがないので異音の発生も防止することが
できる。
【0043】また、ピストンに形成される凸状部および
ケーシングに形成される凹状部は、いずれも円弧面を主
体とする形状のものであるため加工しやすく加工工数の
低減、ひいては製品コストの低減を図ることができる。
【0044】さらに、前記凸状部は、ピストンの後端側
の嵌合部の外周面から僅かに突出した程度のもので十分
ピストンの回り止めの機能を果たすことが可能であり、
このためピストンの重量を従来より軽量化することがで
きる。したがって、ピストンの高速往復運動に対する負
担を減らすことができる。
【0045】また、円弧凹面がケーシングの内周面の近
傍に全周にわたって形成される円筒面の全部または一部
を構成するようにすれば、一回で全ピストンに対する円
弧凹面の加工を行うことも可能となり、より一層の加工
工数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る容量可変斜板式コン
プレッサの概略断面図である。
【図2】 (A)は、図1に示されるピストンの正面
図、(B)は、同じく左側面図である。
【図3】 ピストンの回り止め機構を説明する図であ
る。
【図4】 従来の容量可変斜板式コンプレッサのピスト
ンをその軸方向後方から見た図である。
【符号の説明】
12…ケーシング、 13…シリンダ室、14
…クランク室、 19…駆動軸、23…ピスト
ン、23a …ピストンヘッド、 23b …嵌合部、2
3c ,23d …球面凹部、25…斜板、
71,72…シュー、82…凸状部、
82a …円弧凸面、83…凹状部、 83
a …円弧凹面、L1 ,L2 …距離、 R1 〜R
3 …半径、O1 …ピストン軸、 O2 …中心
軸。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング(12)に回転可能に軸架された
    駆動軸(19)と、ケーシング(12)のクランク室(14)に設け
    られた前記駆動軸(19)に連結された斜板(25)と、ケーシ
    ング(12)内に形成される複数のシリンダ室(13)と、シリ
    ンダ室(13)の内部を斜板(25)の回転により軸線方向に往
    復動される複数のピストン(23)と、各ピストン(23)の後
    端側の嵌合部(23b) の両側内面に対向して形成された2
    つの球面凹部(23c,23d) にそれぞれ嵌装されると共に斜
    板(25)の表裏両面を挟持し、これらと摺動接触するシュ
    ー(71,72) とを有する斜板式コンプレッサにおいて、 ピストン(23)後方のケーシング(12)に対向する外面に、
    ピストン半径(R1)よりも大きい半径(R2)の円弧凸面(82
    a) を有する凸状部(82)を、円弧凸面(82a) の中心軸(O
    2)がピストン軸(O1)に対して凸状部(82)と反対側に所定
    距離(L2)だけ偏心するように形成し、 凸状部(82)に対向するケーシング(12)の内周面に、少な
    くとも円弧凸面(82a)の半径(R2)以上の内半径(R3)の円
    弧凹面(83a) を有する凹状部(83)を、ピストン(23)の凸
    状部(82)から所定距離(L1)だけ離間させて形成したこと
    を特徴とする斜板式コンプレッサ。
  2. 【請求項2】 各ピストン(23)の凸状部(82)に対向して
    形成される凹状部(83)の円弧凹面(83a) は、ケーシング
    (12)の内周面の近傍に全周にわたって形成される円筒面
    の全部または一部を構成してなる請求項1に記載の斜板
    式コンプレッサ。
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