JPH04171030A - 高濃度懸濁液用濾過装置 - Google Patents

高濃度懸濁液用濾過装置

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JPH04171030A
JPH04171030A JP29915690A JP29915690A JPH04171030A JP H04171030 A JPH04171030 A JP H04171030A JP 29915690 A JP29915690 A JP 29915690A JP 29915690 A JP29915690 A JP 29915690A JP H04171030 A JPH04171030 A JP H04171030A
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filtration
hollow fiber
membrane
bundle
membranes
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JP29915690A
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Inventor
Hiroaki Oe
大江 宏明
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、上水、下水等を始めとした各種の微粒子、懸
濁物質を多く含む溶液中より、当該微粒子、懸濁物質を
精密に濾過除去することを目的とした濾過装置に関する
[従来の技術] 従来、上水や下水等の浄化処理において、処理原液中に
含まれる各種微粒子、懸濁物質の除去には数段の沈降分
離、砂濾過が用いられている。
沈降分離は清澄な液を得ることと、濃厚な粒子、懸濁物
質(スラッジ)を得ることを主目的としている。沈降に
よって得られた清澄な液(上澄み液)をさらに精製する
目的で砂濾過等が行われる。
一方スラッジはさらに濾布等を用いた各種の濾過方法に
よって濃縮が行われ、さらに加熱や焼却によって乾燥、
処理が行われている。
また上水や下水等の場合に限らず、一般に各種の微粒子
や、懸濁物質を多く含む溶液の濾過には、濾布、濾紙、
けい藻土等の濾材が用いられている。
[発明が解決しようとする問題点] 上水や下水等の処理に於いて、より精製された処理液を
得ることは環境保全の点から近年しだいに重要視されつ
つある。また沈降等により分離したスラッジ中に含まれ
る水分をさらに除去することにより、より濃厚なスラッ
ジを得て後段の処理の負担を軽減して効率化を図ること
が検討されているが、この場合も除去された水分がより
精製されたものであることが要望されている。
また一般に各種の微粒子や、懸濁物質を多く含む液の濾
過、例えば微生物の培養液等に於いてもより精密な濾過
分離が要求されるようになった。
ところが前述した、砂濾過や他の濾材による濾過は荒濾
過といえるものであり、大量の比較的大きな粒子、懸濁
物質を除去することが可能であるが濾過精度が悪く、粒
子、懸濁物質の漏出が避けられないという問題があった
。また濾布、濾紙等の濾材では濾材中に粒子が入り込み
やすく、洗浄等で濾材を再生しても入り込んだ粒子を除
去することが困難であり、次第に目詰まりが生じて濾過
性能が低下してしまうという問題がある。
コントロールされた孔径1μm以下の微細孔を有する濾
過膜を用いた精密濾過法では、上記問題を解決した精度
の良い濾過除去を行うことができ゛る。しかしながら、
精密濾過法は、原液中の粒子、懸濁物質が比較的低濃度
の場合に主として用いられる方法である。これは、膜の
微細孔が先の濾布等のそれに比して極めて微細であり、
粒子、懸濁物質を大量に含む原液を処理した場合に層表
面にただちにそれらが蓄積して堆積層を形成し、濾過速
度が急速に低下してしまうからである。濾過膜表面に生
じた堆積層を除去すれば、再度濾過を行う事も可能と考
えられるが、精密濾過膜を用いた濾過装置でこの点が十
分に考慮されたものは殆ど見られなかった。
又上記のような原液を濾過するために濾過操作法の面か
らの検討が行われ、クロスフロー濾過を用いた精密濾過
法が比較的粒子濃度の高い原液の濾過に適応しうろこと
がわかり、一部用いられるようになってきた。しかしな
がらクロスフロー濾過では濾過を行うために常時原液の
流れを形成する必要があり、このための回路、動力、コ
ントロールシステムが必要であり、全体が複雑になって
しまうという問題点がある。又必要な流れの形成が行え
ないような粒子濃度、粘度の原液には全く適用できない
精密濾過膜のうちで中空糸状の濾過膜(中空糸濾過膜)
を用いることにより、大きな濾過速度を得たり、濾過速
度の低下をより少なくしたり、堆積層の除去のしやすさ
を向上させた濾過装置を構成することができる。これは
、中空糸濾過膜はその形状から濾過面積を他の構造のも
の、例えば平板状の濾過膜を用いた場合に比べて極めて
大きくすることかできるからであり、かつ糸状の形状で
膜自体が支持構造体としての機能を一部有しているので
、複雑な膜支持体が不要であり、構造が比較的簡単で、
何らかの流体の流れを濾過膜そのものにあてる等の操作
により、比較的容易に付着した堆積層を除去することが
できるからである。
しかしながら中空糸濾過膜を用いた、従来から使用され
てきた一般的な構造の濾過素子ではこの特性を十分に生
かすことができず、上記目的の濾過に使用する装置を構
成することは困難であった。
そこで本発明は中空糸濾過膜を用いた濾過素子の特徴を
より生かし、多量の微粒子、懸濁物質等を含む液の濾過
を、簡便なシステムで、より効率的に実施することが可
能となる濾過装置を提供することを目的としている。
[問題を解決するための手段] 中空糸状の濾過膜(中空糸濾過膜)よりなる束(中空糸
束)を用いて濾過素子を構成する。前記中空糸束の中空
糸濾過膜の本数を1000本以下とし、前記中空糸束の
一方の端部は中空糸濾過膜の開口部を有するように支持
固定し、もう一方の端部は中空糸濾過膜の開口部がない
ように構成し、移動しうる構造とする。この濾過素子を
容器に複数個設置して濾過装置を構成する。前記濾過素
子は濾過により付着した堆積層が容易に接触しない様な
間隔で配置する。
前記中空糸濾過膜の開口部を有する支持固定部分にはキ
ャップ体を設置し、さらに前記中空糸束に濾過によって
付着した堆積層と容易に接触しない位Wに、連通部を有
する筐体を設置する。
又前記中空糸束の横断面において、前記中空糸状の濾過
膜がほぼ均一な密度で充填されている部分の充填密度を
20%以上とする。
以上のようにすることによって多量の微粒子、懸濁物質
を含む溶液をより効率良く濾過することが可能な濾過装
置を提供することができる。
[作用] 第1図は中空糸濾過膜を用いたこれまで広く使用されて
いる一般的な濾過素子の構造を示したもので、中空糸濾
過膜1はその両端部分を固定樹脂2で接着固定され、筐
体7により保持されている。
固定樹脂2による接着固定部分の一方には中空糸濾過膜
1の開口部3が形成されている。濾過を行う場合、流体
4は筐体7に設けられた連通部8より被濾過側(原液側
)5に導入され、中空糸濾過膜の外側より中空糸濾過膜
壁に形成されている微細孔を通過して中空糸濾過膜の中
空部分に流出し、中空糸濾過膜の開口部3より濾過側6
に出てくる。
流体4中の懸濁物質等は、中空糸濾過膜の外表面に主と
して捕捉される。第2図aは第1図に示した一般的な濾
過素子を用いて多量の微粒子、懸濁物質を含む原液を濾
過した場合の中空糸束部分の状態を示したもので、第2
図すはそのx−x’断面を示したものである。多量の微
粒子、懸濁物質を含む溶液の濾過を行うと濾過開始直後
は中空糸濾過膜壁てが有効に働き、中空糸濾過膜を用い
た濾過素子−力特徴である大きな濾過面積を生かした高
い濾過速度を得ることができる。しかしながら直ちに中
空糸束の外周10に懸濁物質の堆積層11が生じこれが
濾過の抵抗となって濾過性能の急速な低下が生じてしま
う。
原液12はこの堆積層11を通過して中空糸束に達し直
ちに濾過が行われるが、堆積層を通過してくる量よりも
中空糸濾過膜で濾過可能な量が大きいので、この濾過は
中空糸束のうち堆積層に近い部分13の中空糸濾過膜に
より行われ、中空糸束の中央付近の中空糸濾過膜は有効
に働かない無駄な部分14となってしまうのである。
一般にこれまでの中空糸濾過膜を用いた実用的な濾過装
置においては数千〜数百本の中空糸を束にした濾過素子
が用いられており、そのため上記のような無駄な部分が
多くなり効率が悪い。又中空糸本数が大きな束では、束
の中に堆積物が侵入し、これを除去することが極めて困
難である。
又第1図に示したように、中空糸束とその外側に形成さ
れた筐体が近接しており、この間に保持された堆積物を
除去するのが困難であるという問題点がある。
本発明者は、種々の本数構成の中空糸束を用いて各種構
造の濾過素子を作製し検討を実施した結果、一つの束を
構成する中空糸本数を1000本以下特に好ましくは5
0〜500本の範囲とすることによって無駄となる部分
が少なく効率的な濾過が可能であること、この束を用い
て筐体及び束の保持方法を工夫した構成の濾過素子とし
、これを容器中に複数個設置することにより、濾過によ
り付着した堆積物を容易に除去でき、効率的な濾過が実
施可能となる装置を構成することが可能であることを見
出だし本発明に至ったものである。
第3図は本発明の装置に用いられる濾過素子の一例を示
したものである。1000本以下の本数よりなる中空糸
束20を4束設置し、濾過素子として構成したものであ
る。多束の一方は中空糸膜の開口部分3があるように固
定樹脂2で接着固定保持されており、もう一端は多束の
各々で中空糸の開口部がないように充填樹脂21で接着
されている。充填樹脂21で接着されている多束の端部
は各々は固定されておらず移動可能なようになっている
。固定樹脂2にはさらにキャップ体22が液密に接合さ
れている。濾過時はこのキャップ体を介してさらに濾液
を採取するラインに液密に脱着可能なように接続するこ
とができるので、必要な処理量に応じて素子数を増減し
たり、交換したりする事が容易に実施できる。濾過原液
12は各中空糸の外より導入され、中空糸壁を通過して
、固定樹脂2に形成された中空糸濾過膜1の開口部分3
より流出し、キャップ体22より濾液23として得られ
る。濾過が進むに連れて多束の回りには第2図に示した
ように堆積層が生じていくが、1000本以下の本数の
細い束であるので無駄となる中空糸濾過膜部分が少なく
効率が良い。
さて、濾過が進むにつれて懸濁物質等が各中空糸束表面
に蓄積して堆積層が形成されてくるが、それぞれの堆積
層が接触してしまうと素子としての濾過効率が低下して
しまう。これは堆積層が接触してしまうと堆積層の外表
面から中空糸束までの距離が増加し、またこの堆積層が
実質的なプレ濾過層として作用し、このプレ濾過層とし
ての表面積が減少してしまうことになるからである。
それで各々の束はある程度はなれて設置するのが良く、
各束間の距離は5mm以上、望ましくは10mm以上が
良い、これ以下であると短時間の濾過ですぐに堆積層が
接触してしまうので、濾過素子としての効率が低下し、
又堆積層の除去が困難となる。堆積層が接触しないよう
にするには、短時間で濾過を終了しなければならず実用
的でない。
各中空糸束での中空糸濾過膜の充填密度は20%以上で
あることが好ましい、充填密度が20%以下になると、
中空糸本数を1000本以下とした本発明においても中
空糸濾過膜間に入り込む懸濁物質の堆積物が多くなり、
これを除去することがしだいに困難になるからである。
尚ここで言う充填密度とは中空糸束の横断面を見たとき
、この束の断面積(第2図の中空糸束の外周10の内側
の面積)に対する、各中空糸濾過膜の断面が実際に占め
ている部分の面積の割合を意味する。
中空糸束の一端は固定樹脂等により中空糸濾過膜の開口
部を有するように接着固定し、他端は中空糸濾過膜の開
口部がない構造とし、この開口部のない端部側を移動さ
せることができるように構成している。こうすることに
より、濾過により中空糸束に付着した堆積層を、中空糸
束に流体を吹きつけたり、素子を左右に振動させるとい
った操作により、中空糸束を揺り動がして付着した堆積
物を容易に除去することができるからである。
尚移動させることが可能な中空糸濾過膜端部は先に示し
たように充填樹脂により接着され、中空糸束の形状を実
質的に維持した状態で移動できるようにするのが好まし
いが、中空糸濾過膜が個々にバラバラに移動するように
構成しても同様な除去効果を発揮することが可能である
。しがし中空糸濾過膜が絡み合ったり折れ曲がったりす
る可能性があるので、使用時取り扱いに注意する必要が
ある。
中空糸濾過膜の素材としては再生セルロース、酢酸セル
ロース、ニトロセルロース等のセルロース誘導体、ポリ
ビニルアルコール系、ポリアクリロニトリル系、ポリメ
チルメタクリレート系、ボリアミド系、さらにはポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリテ
トラフルオロエチレン等のフッソ樹脂系ポリマー等種々
のものが利用できる。
中空糸濾過膜の平均細孔径は1μm以下が望ましく、特
に微生物等の除去には0,2μm以下が必要である。1
μm以上になると濾布、けい藻土等による荒濾過に近く
なり、精密濾過膜を用いる利点が少なくなってしまう。
尚本発明の濾過装置は特に数千ppm以上の濃度の、多
量の微粒子、懸濁物質等を含む液体の全量濾過に最も好
適に用いることができるが、無論それ以外の種々の液体
の濾過にも効果的に用い得ることは明らかであろう。
以下実施例により本発明をより詳細に説明するが、実施
例は本発明を限定するものではない。
[実施例コ 第4図は本発明の濾過装置の実施例を示したもので、第
3図に示した構造を基本とした濾過素子を蓋体36函体
39より構成される容器40中に4台設置している。
各濾過素子はそれぞれ4本の中空糸束を用いており、中
空糸束の片端は固定樹脂2により中空糸濾過膜1の開口
部3を有するように接着固定されている。また固定樹脂
2にはキャップ体30が液密に固定されており、さらに
素子の作製時や取り扱時等に中空糸束を保護するための
筐体31が固定されている。筐体31には連通部8が形
成されている。中空糸束の固定樹脂2と反対側の端部は
、充填樹脂21により中空糸濾過膜1の開口部が閉塞さ
れている。又この充填樹脂21は、中空糸束の形状を維
持するように各中空糸濾過膜を接着固定している。この
部分では各々の中空糸束自体は分離しており、又筐体3
1とは固定されていないのでそれぞれ移動することかで
きる。充填樹脂21を用いる代わりに例えばポリオレフ
ィン系といった熱可塑性素材による中空糸濾過膜等では
、熱溶着により各中空糸濾過膜開口部の閉塞、端部の固
定を行ってもよい。
筐体31は濾過により生じる堆積層が容易に接触しない
程度に中空糸束より離れていることが望ましく、中空糸
束までの最短距離で10mm以上、好ましくは15mm
以上が良い。これは蓄積した堆積層がこの筐体に接触し
て−しまうと、筐体が堆積層を保持する作用を示してし
まうので堆積層の除去を妨げることになってしまうから
である。
このようにして構成した濾過素子は、さらにキャップ体
30に設置した0リング32により液密に固定板33に
設置され、固定ねじ34で固定保持されている。
固定板33はさらに0リング35により液密に蓋体36
に設置されており、蓋体36はガスケット37を介して
ストッパー38により液密に函体39と固定され、容器
40を構成している。
函体39には原液入り口41、堆積した懸濁物質等の除
去用のドレイン42が設置されている。
又蓋体36には、濾液出口43が設置されている。
多量の微粒子、懸濁物質等を含む原液12は原液入り口
41より濾過装置40内に導入され、濾過素子の筐体3
1の連通部8等より中空糸濾過膜1に達し、その表面で
濾過され、濾液23は中空糸濾過膜の開口部3よりキャ
ップ体30の内側に流出し、さらに蓋体36の内側を経
由し、濾液出口43より流出する。
さて濾過終了後中空糸束に生じた堆積層を除去すること
によって、繰り返し効率の良い濾過を実施することが可
能となる。本発明では中空糸束の一端が移動できるよう
になっているので、素子全体を上下、左右に振動させる
ことにより、付着した堆積層を振るい落とすことができ
る。本実施例においては、容器40のストッパー38を
はずして蓋体36と函体39を分離して、蓋体を函体上
に持ち上げることにより、固定板33に設置された各濾
過素子も蓋体36と共に函体39より持ち上げられる。
蓋体36を上下、左右に振動させることにより各素子の
中空糸束を揺り動がして、付着した堆積物を振るい落と
すことができる。
又このときに濾液出口側から逆方向に濾液23や他の流
体を送り込むことにより逆洗浄を行ってより高い除去効
果を上げることもできる。又図には示していないが、函
体39部分に流水等の噴出ノズルを設置し、そこより各
濾過素子に水を吹き付けたり、あるいは函体39底部に
空気等の気体の噴出ノズルを設置し、気体を吹き込んで
攪拌することが可能なようにすることも好ましい。この
ように各濾過素子の筐体の外部より、水や空気等の流体
を吹き付けたり攪拌したりすることによって堆積層を除
去しようとする場合も同様に中空糸束自体が揺動するの
で、高い除去効果を得ることができるのである。
尚濾過装置には、濾過素子を一つだけ設置することも可
能であるが、中空糸本数の少ない中空糸束を用いている
ので、得られる濾過量が少なくなり実用的でなく、装置
には複数の素子を設置することが望ましい。
以下に本発明の効果を確認するために行った実験例を示
す。
実験例1 細孔径0.1μm、外径440μmのポリプロピレン製
の中空糸濾過膜を用い、種々の本数の、長さ25cmの
束を一束用いた濾過素子を作成した。
基本的な構造は第3図に示したものに準じ、その他の部
分(キャップ体、筐体等)は第4図に示した構造のもの
を用いた。中空糸束の充填密度は約50%とした。
ポリプロピレンは疎水性であるので、界面活性剤(Tr
iton X100)を用いて親水化処理したものを用
いた。本濾過素子を第5図に示した実験回路にセットし
、濾過圧2Kg/cm”での加圧濾過実験を行った。原
液には上水処理において沈殿池で生じた凝集処理液(S
S濃度2.5%)を用いた。原液タンク45中の原液4
6は加圧空気47により濾過素子48を設置した容器4
9に圧送され、所定の濾過圧で濾過が行われる。生じた
濾液50は濾液タンク51に集められる。
実験結果 第6図に濾過開始後10分間目の時点での濾過素子当た
りの濾過速度と濾過素子の中空糸本数の関連を示した。
中空糸本数を増加させると濾過面積がそれに対応して増
加し、それに応じて濾過速度が増加していくが、中空糸
本数が多くなると濾過速度が大きくなるにもかかわらず
次第に増加量が減少していき、1000本を越えると本
数を増加させることによる濾過速度の増大があまり望め
なくなり、効率が悪くなることが判る。
このように本発明の目的の濾過を実施する為の中空糸濾
過膜を用いた濾過装置においては、これまでの中空糸膜
濾過素子のように多量の本数を用いたものよりも、10
00本以下の少ない本数の中空糸束を多数設置する方が
効率が良い。
尚束の中空糸本数は少ない方が濾過膜単位面積当たりの
濾過効率が高いが、束の本数が余り少ないと、素子の製
作上及び取扱い等が繁雑となり、濾過装置の構造が複雑
になってしまう欠点がある。
又素子を設置した濾過装置全体でみた場合の設置面積当
たりの設置可能束数は中空糸本数が少ない方が多くなる
ものの、素子当なりもしくは装置当たりの濾過速度は逆
に少なくなるので、束の中空糸本数は50〜500本前
後の範囲であることが望ましい。
実験例2 細孔径0.1μm、外径440μmのポリプロピレン製
の中空糸濾過膜を用い、中空糸本数250本、長さ25
c+aの束とし、この束を4つ用いて有効濾過面積28
00 am”の第3図に示したものと同様の構成の濾過
素子を3種作製した。
一つは各中空糸束間の距離が15mm以上離以上上うに
構成し〈実施例2)、もう一つは同様に距離が10mm
となるように(実施例3)、他の一つは4mmとなるよ
うに(実施例4)構成した。
尚中空糸濾過膜の充填密度は約50%とした。
これらの濾過素子を第5図に示した実験回路に設置し、
実験例1と同様な条件で30分濾過を実施した。その後
容器49より濾過素子48を取り出し、水を入れた洗浄
容器に入れて左右に振る操作を実施し、付着した堆積層
を除去する実験を行った。
実験結果 第7図は各濾過素子での積算濾過量の経時変化を示した
もので、濾過開始直後は急速に濾過が行われて濾液が得
られている。しかし数分後には急速に濾過速度が低下し
、得られる濾液の増加量が減少していくのがわかる。こ
の傾向は何れの実施例においても見られ、懸濁物質の堆
積による濾過速度の低下が生じている事が判る。
ここで各実施例を見てみると、各中空糸束に付着した堆
積層どうしが充分に離れた距離で形成されていた実施例
2、堆積層どうしはほぼ離れていたが一部接触していた
実施例3では同様な値となっている。一方各中空糸束に
付着した堆積層が多束の最短距離部分でかなりの部分が
接触していた実施例4ではこれらよりも得られる濾過量
が少なくなっており、堆積層の接触による濾過効率の低
下が生じていることがわかる。
又、付着した堆積層の除去に関して見ると、実施例2で
は、水中で5〜6回左右に振ることにより各中空糸束よ
り付着した堆積層が容易に剥がれ、奇麗に除去すること
ができた。実施例3は実施例2に比較してやや除去しに
くかったものの、水中で13〜15回程振ることにより
同様に奇麗に除去することができた。実施例4では先の
2例に比較して除去しに<<、水中で25〜35回はど
振ることによりほぼ除去することができたが、多束を接
着固定している画定樹脂近辺に一部また残存している部
分があった。この結果より、各中空糸束は少なくとも5
mm以上、好ましくは10mm以上あることが良いこと
がわかる。
実験例3 細孔径0.1μm、外径440μmのポリプロピレン製
の中空糸濾過膜を用い、中空糸本数250本、長さ25
cmの束を一つ用いた、有効濾過面積700cm”の第
4図に示したものと同様の構成の濾過素子を2種作製し
た。
一方は、その内部と中空糸束までとの最短距離か15m
mである径の大きな筐体を用い(実施例5)、他方は同
様な距離が5mmの径の小さな筐体を用いた(実施例6
)、尚中空糸濾過膜の充填密度は約50%とした。
これらの濾過素子を第5図に示した実験回路に設置し、
実験例1と同様な条件で30分濾過を実施した。その後
容器より濾過素子を取り出し、水を入れた洗浄容器に入
れて左右に振る操作を実施し、付着した堆積層を除去す
る実験を行った。
比較例として同様な中空糸濾過膜を用いて、同じ濾過面
積の第1図に示した一般的な構造の中空糸濾過素子を作
成して同様に実験を行った。
実験結果 実施例5では水中で5〜6回左右に振ることにより付着
した堆積層が中空糸束より容易に剥がれ、奇麗に除去す
ることができた。実施例6は筐体に堆積層が接触した状
態となり、やや実施例2に比べて除去−シにくかったが
、25〜35回程振ることにより除去することができた
。一方比較例では同様な操作では部分的に除去すること
はできたが、中空糸束と筐体の間や固定樹脂との間に付
着した堆積層は容易に除去できず、40回以上振っても
残存した。
これらの結果から中空糸束の一端が移動できるように構
成している本発明の素子が極めて効率よく蓄積した堆積
層を除去できることがわかる。さらに、中空糸束の保護
等の為に具備された筐体が堆積層と接触しない位置にな
るように中空糸束よりはなれて設置することにより、堆
積層の除去が更に効果的に実施できるようになることが
わかる。
実験例4 細孔径O11μm、外径440μmのポリプロピレン製
の中空糸濾過膜を250本用い、長さ25cmの束を一
つ用いた有効濾過面積700c♂の、濾過素子を作製し
た。
基本的な構造は第3図に示したものに準じた。
ここで実施例7は中空糸濾過膜の充填密度が約35%、
実施例8は約20%、実施例9は約15%となるように
設定した。
これらの濾過素子を第5図に示した実験回路に設置し、
実験例1と同機な条件で30分濾過を実施した。その後
容器49より濾過素子48を取り出し、水を入れた洗浄
容器に入れて左右に振る操作を実施し、付着した堆積層
を除去する実験を行った。
実験結果 実施例7では水中で5〜6回左右に振ることにより付着
した堆積層が中空糸束より容易に剥がれ、又中空糸束中
にも殆ど堆積物が残存せず、奇麗に除去することができ
た。実施例8でも同様に束外面に付着した堆積層は容易
に除去できたが、やや実施例4に比べて中空糸束中に堆
積物が残存し、これを除去するのに20〜30回程度振
る必要があった。一方実施例6では10回前後振ること
により束に付着した堆積層を剥がすことができたが、中
空糸束の内側にかなりの堆積物が残存しており30回以
上振っても奇麗に除去することができなかった。以上の
結果から中空糸束の中空糸濾過膜の充填密度があまり低
いと堆積物の除去が行い難くなることがわかる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明による濾過装置は以下に示す
利点を有している。
■中空糸濾過膜を束として用い、前記束を構成する中空
糸濾過膜の本数を1000本以下とした濾過素子を複数
用いているので、中空糸濾過膜が有効に働くようになり
、微粒子、懸濁物質等を多量に含む液の濾過が効率良〈
実施できるようになる。
■中空糸束の一端は中空糸濾過膜の開口部がなく、実質
的な束の形状を保持した状態で移動できるように構成し
ているので、蓄積した堆積層の除去が効果的に実施でき
る。
■中空糸束の横断面における中空糸濾過膜の実質的な充
填密度を20%以上としているので中空糸束中に堆積層
が形成されずらく、又除去が容易に実施可能となる。
■濾過素子に生じた堆積層どうしが容易に接触しないよ
うに濾過素子を離して設置しているので、濾過効率が高
く、また堆積層の除去が行い易い。
■筐体を堆積層と接触しない位置になるように中空糸束
よりはなして設置しているのて、堆積層の除去が効果的
に実施できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこれまで一般的に用いられている中空糸濾過素
子の部分断面図を示したものであり、第2図aはそれを
用いて懸濁物質等を多量に含む原液を濾過した場合の中
空糸束部分の部分断面図を、bはそのx−x’断面図を
示したものである。第3図は本発明の濾過装置に用いら
れる濾過素子の一例を示した部分断面図である。第4図
は本発明の濾過装置の実施例を示した部分断面図である
。 第5図は実験回路を示したものであり、第6図は実験例
1の結果を、第7図は実験例2の結果の一部を示したも
のである。 1・・・中空糸濾過膜   2・・・固定樹脂3・・・
開口部      4・・・流体5・・・被濾過側  
   6・・・濾過側7・・・筐体       8・
・・連通部10・・・中空糸束の外周  11・・・堆
積層12・・・原液       13・・・近い部分
14・・・無駄な部分 20・・・中空糸束     21・・・充填樹脂22
・・・キャップ体    23・・・濾液30・・・キ
ャップ体    31・・・筐体32・・・Oリング 
    33・・・固定板34・・・固定ねじ    
 35・・・○リング36・・・蓋体       3
7・・・ガスケット38・・・ストッパー    39
・・・函体40・・・容器       41・・・原
液入り口42・・・ドレイン     43・・・濾液
出口45・・・原液タンク    46・・・原液47
・・・加圧空気     48・・・濾過素子49・・
・容器       50・・・濾液51・・・濾液タ
ンク 特許出願人 株式会社新素材総合研究所第1図 膏 6:被濾過側 6:濾j!11gS 7:筐体 8:連通部 第2図 1:中空糸濾過膜 2:1ijil定樹脂 lO:中2糸束の外周 1】:堆積層 12:原液 13:近い部分 14=無駄な部分 第3図 第5図 51:11准ツノク 第6図 中空糸本数 (本)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)少なくとも容器と、濾過素子より構成される濾過
    装置であって、前記濾過素子は1000本以下の本数の
    中空糸状の濾過膜の束を用いており、前記濾過素子を複
    数個用いている事を特徴とする濾過装置。 (2)前記濾過素子間の距離が、濾過によって前記濾過
    素子に生じた堆積層どうしが容易に接触しない程度に離
    れているように構成されていることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項に記載の濾過装置。 (3)前記濾過素子の一方の端部が中空糸状の濾過膜の
    開口部分を有するように接着固定されており、他方の端
    部が中空糸状の濾過膜の開口部分がなく且つ移動可能で
    あるように構成されていることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項または第2項に記載の濾過装置。(4)前記
    濾過素子の前記中空糸状の濾過膜の開口部分がないよう
    に構成されている端部が接着されており、前記中空糸状
    の濾過膜の束の形状が実質的に維持された状態で移動可
    能に構成されている事を特徴とする特許請求の範囲第1
    項ないし第3項何れかに記載の濾過装置。 (5)前記濾過素子の横断面における前記中空糸状の濾
    過膜が充填されている部分の実質的な充填密度が20%
    以上である特許請求の範囲第1項ないし第4項何れかに
    記載の濾過装置。 (6)前記濾過素子の中空糸状の濾過膜の開口部分を有
    するように接着固定されている部分に液密にキャップ体
    が固定されている特許請求の範囲第1項ないし第5項何
    れかに記載の濾過装置。 (7)前記濾過素子の中空糸状の濾過膜の開口部分を有
    するように接着固定されている部分に、連通部を有する
    筐体が固定されており、前記筐体は濾過によって前記中
    空糸状の濾過膜の束に生じた堆積層に容易に接触しない
    位置にあるように構成されていることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項ないし第6項いずれかに記載の濾過装
    置。 (8)前記中空糸状の濾過膜の微細孔の平均孔径が1μ
    m以下である特許請求の範囲第1項ないし第7項何れか
    に記載の濾過装置。
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