JPH04136627U - 振動付与手段付開閉ハンド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 開閉ハンドの先端把持部に挟持した被搬送物
を被搬送物受入れ部分に挿入するとき、被搬送物を把持
した状態で、この被搬送物に微小振動を付与させながら
円滑に挿入すること。 【構成】 被搬送物を被搬送物受入れ手段の所定の位置
に移動搬送する開閉ハンドにおいて、その先端に配置さ
れ、被搬送物を把持する開閉自在の把持部材と、この把
持部材を被搬送物の把持する方向に開閉する開閉駆動手
段と、前記把持部材に振動を付与する振動付与手段とか
らなり、これら開閉駆動手段、振動付与手段を開閉ハン
ドの基体に設けてなり、被搬送物を被搬送物受入れ手段
へ着脱するとき被搬送物を振動させながら行う振動付与
手段付開閉ハンド。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、被搬送物を搬送し、ワーク固定手段など被搬送物載置台の案内部 に被搬送物の基準部を容易に取付可能な振動付与手段付開閉ハンドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

工作機械の加工システムや自動組立システムなどにおいて、被搬送物を移動す るのにロボットやローダが多く使用されている。このロボットやローダの被搬送 物把持部には二つの把持部材を相対的に開閉し、被搬送物の着脱を行うための対 をなす開閉ハンドがよく使用されている。 一方、ロボットやローダにおける前記開閉ハンドで把持した状態で搬送されて きた被搬送物を受入れるものとして工作機械のチャックなどの治具がある。通常 この治具の把持部材が開状態で被搬送物を受入れ、閉動作で芯出しも兼ねてクラ ンプするものと、固定手段に案内軸または案内穴部を形成し、これらに被搬送物 の基準穴または基準軸部を挿入して固定するものなどがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

把持部材が開状態で被搬送物が挿入された後、閉動作で被搬送物を把持した状 態で芯出しを行うものについては、開閉ハンドで把持された被搬送物の芯ズレ、 軸線の傾斜等が生じていても被搬送物を容易に受け渡すことができるが、案内軸 または案内穴部に被搬送物の基準穴または基準軸部を挿入する方法ではその穴と 軸との寸法差が微小になるほど正確な芯出しが可能となる反面、開閉ハンドで把 持された被搬送物の把持精度の影響に左右されてしまう。すなわち、搬送先の案 内部側の芯と把持された被搬送物の基準部の芯の誤差や案内部軸線と基準部軸線 の傾きなどが少しでもあると、挿入時に相互の接触部分縁に齧りなどが生じて挿 入できないという問題点を生じた。また、この齧りなどを生じた状態で無理に挿 入しようとすると開閉ハンドを有するローダ駆動部のオーバーロードによる停止 やローダ、被搬送物、ワーク固定手段や組立物などの搬送先に損傷を与えるおそ れもあった。それを防止するために、開閉ハンドの各方向に力検出センサーや歪 みセンサーなどを設けておき、センサーの出力により開閉ハンド位置を補正しな がら挿入する方法もあるが、開閉ハンド部の構造が複雑化し、大変高価なものと なるなどの問題点を生じていた。 この考案は簡素な構成の開閉ハンドで、被搬送物の挿入作業を容易に行うこと ができる開閉ハンドを提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

この考案は前記課題を解決したもので、その構成は、被搬送物を把持し、被搬 送物受入れ手段の所定の位置に搬送する搬送装置の開閉ハンドにおいて、この開 閉ハンドの基体と、この開閉ハンドの基体の先端に設けられ、前記被搬送物を把 持するため開閉する把持部材と、前記開閉ハンドの基体に設けられ、前記把持部 材を前記把持方向に開閉させる開閉駆動手段と、前記開閉ハンドの基体に設けら れ前記把持部材に振動を付与する振動付与手段とを有し、前記被搬送物に微小振 動を付与させながら、前記被搬送物受入れ手段に取付けることを特徴とする振動 付与手段付開閉ハンドである。この開閉ハンドは通常ローダ（図示せず）の先端 に設けられ、ワークなどの被加工物を把持してワーク固定手段に搬送するもので ある。

【０００５】

【作用】

この考案の振動付与手段付開閉ハンドは、開閉駆動手段を作動させ、開閉ハン ドの把持部材を開閉して、被搬送物を把持する。次いで、ローダを移動させて， 工作機械側の被搬送物受入れ手段であるワーク固定手段へ被搬送物を搬送する。 そしてワーク固定手段に被搬送物を取付けるに当たり、被搬送物の基準軸部をワ ーク固定手段の案内穴部に対向せしめ、被搬送物を把持した把持部材を振動付与 手段によって振動させながら、被搬送物の基準軸部を案内穴部に挿入することに より挿入作業は途中で停止することなく、円滑に挿入することができる。

【０００６】

【実施例】 図１はこの考案にかかる振動付与手段付開閉ハンドの主要部正面図、図２はこ の考案の振動付与手段付開閉ハンドの断面図である。 １は、開閉ハンドH を図示しないローダ本体に固定するためのハンド支持部材 で、このハンド支持部材１に軸体２を回動自在に支持し、この軸体２に回動部材 ３が取付けられている。この回動部材３には二つの開閉ハンドH が設けられてい るが、同一の構造のため一方の開閉ハンドH で動作を説明する。 回動部材３にはハンド基体１３が固定されている。このハンド基体１３には、 開閉のための駆動体であるシリンダ８が設けられており、図示しない油圧源より の圧油の供給でピストンロッド８ａが進退動作する。 このシリンダ８の上部には開検出部材１６ｂと閉検出部材１６ａが取付けられ 、ピストンロッド８ａの一端に図示された被検知部材１７の移動によって開閉状 態を検出している。ピストンロッド８ａの他端には駆動方向に移動する第１の移 動部材５が固定され、この第１の移動部材５はハンド基体１３に設けられた二本 の駆動方向ガイド７ａ、７ａに案内されて，ピストンロッド８ａの進退動作によ ってピストンロッド８ａの軸線方向にのみ移動可能となっている。また、第１の 移動部材５にはカムフォロア５ａが二個植設されている。ハンド基体１３には駆 動方向ガイド７ａ，７ａと直交する方向に開閉方向ガイド７ｂ，７ｂが設けられ 、この開閉方向ガイド７ｂ，７ｂに案内されて開閉方向に移動する第２の移動部 材６、６が開閉方向にのみ移動可能になっている。この第２の移動部材６，６に はカム溝６ａ，６ａが形成され、前記カムフォロア５ａ，５ａが遊嵌されている 。すなわち、シリンダ８の駆動によりピストンロッド８ａを介して第１の移動部 材５が移動すると、カム溝６ａとカムフォロア５ａとの係合によって第２の移動 部材６が移動する。

【０００７】 この第２の移動部材６, ６には各々把持部材９, ９が固定されており、この把 持部材９, ９の先端に形成されたＶ字状把持部９ａ, ９ａによって被搬送物Ｗの 芯出しおよび把持を行う。１０は振動付与部材であり、振動伝達部材１２の一端 を振動軸に固定してある。この振動付与部材１０内には電磁バイブレータ本体１ １が内蔵されており、交流電圧を負荷することにより、電磁バイブレータ本体１ １に対して振動軸が振動して、振動伝達部材１２の他端は回動部材３に固定され 、振動を開閉ハンドH 側に伝達する。１４は軸体２などを保護するカバーである 。１５は工作機械に設けられた被搬送物受入れ手段であるワーク固定手段で、こ のワーク固定手段１５は案内穴部１５ａを有し、この案内穴部１５ａに被搬送物 Ｗの基準軸Ｗａが挿入され、高精度な芯出しを可能にしている。１５ｂはワーク 固定手段１５に設けられた複数個の固定部材であり、芯出しが行われた被搬送物 Ｗを軸線方向に押圧して固定し、開閉ハンドH より被搬送物Ｗを受け取る。

【０００８】 この考案にかかる振動付与手段付開閉ハンドの作動を説明すると、 ストッカ（図示せず）に保管されている被搬送物Ｗの搬送位置にローダを移動 し、回動部材３を回動してこの把持部材９を被搬送物Ｗに対向せしめ、シリンダ ８の一方の油室に圧油を供給して、シリンダ８を動作せしめピストンロッド８ａ が上昇すると第１の移動部材５のカムフォロア５ａ，５ａは第２の移動部材６， ６のカム溝６ａ，６ａ内において摺動することになり、第２の移動部材６，６お よび把持部材９，９は平行移動して開口する。更に、この把持部材９，９を被搬 送物Ｗの軸線方向に移動せしめ、次いで前記シリンダ８の他方の油室に圧油を供 給してピストンロッド８ａを下降させて、カムフォロア５ａ，５ａをカム溝６ａ ，６ａ内で摺動させると把持部材９，９は閉じ動作をして被搬送物Ｗを把持する 。この後、被搬送物Ｗを所定の位置に搬送し、工作機械のワーク固定手段１５に 対向させて取付ける。この際に振動付与部材１０の電磁バイブレータ本体１１を 作動させて、これによる振動を振動伝達部材１２を介して把持部材９に伝達する ことになり、把持部材９の振動により被搬送物Ｗも振動する。この状態で被搬送 物Ｗの基準軸Ｗａをワーク固定手段１５の案内穴部１５ａに挿入させ芯出しを行 うとともに固定部材１５ｂを作動させて固定する。このとき、基準軸Ｗａと案内 穴部１５ａとの間に微小な隙間しかない状態でも、被搬送物Ｗが微振動しながら 挿入されるため、挿入途中で案内穴部１５ａの周壁に齧りなどを生じることがな く円滑に挿入することができる。また、引き抜くときも同様に振動させながら引 き抜き作業を行うので、スムーズに被搬送物Ｗをワーク固定手段１５から離脱さ せることができる。 上記実施例においては加工システム内で被搬送物を搬送し、被搬送物受入れ手 段に被搬送物を取付ける開閉ハンドで説明を行ったが、これに限定されるもので はなく、自動組立装置において、製品を取付ける開閉ハンドであってもよい。

【０００９】

【考案の効果】

以上詳説したように開閉ハンドに把持した被搬送物を被搬送物受入れ手段に取 付けるに際して、開閉ハンドおよび被搬送物に微小振動を付与しながら取付けを 行うため、円滑な取付け動作が確実にできる。そのため搬送装置が取付け不能で 停止することがなく生産能率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかる振動付与手段付開閉ハンドの
主要部正面図である。

【図２】この考案の振動付与手段付開閉ハンドの断面図
である。

【符号の説明】

１ …ハンド支持部材 ２ …軸体 ３ …回動部材 ５ …第１の移動部材 ５ａ…カムフォロア ６ …第２の移動部材 ６ａ…カム溝 ７ａ…駆動方向ガイド ７ｂ…開閉方向ガイド ８ …シリンダ ８ａ…ピストンロッド ９ …把持部材 ９ａ…Ｖ字把持部 １０ …振動付与部材 １１ …電磁バイブレータ本体 １２ …振動伝達部材 １３ …ハンド基体 １５ …ワーク固定手段 １５ａ…案内穴部 Ｗ …被搬送物 Ｗａ…基準軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】被搬送物を把持し、被搬送物受入れ手段の
   所定の位置に搬送する搬送装置の開閉ハンドにおいて、
   この開閉ハンドの基体と、この開閉ハンドの基体の先端
   に設けられ、前記被搬送物を把持するため開閉する把持
   部材と、前記開閉ハンドの基体に設けられ、前記把持部
   材を前記把持方向に開閉させる開閉駆動手段と、前記開
   閉ハンドの基体に設けられ、前記把持部材に振動を付与
   する振動付与手段とを有し、前記被搬送物に微小振動を
   付与させながら、前記被搬送物受入れ手段に取付けるこ
   とを特徴とする振動付与手段付開閉ハンド。