JPH04117372U - 冷凍庫の自動換気装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】青果物や生花を冷凍庫に入れて輸送するときに
発生するエチレンガスの濃度を、一定値以上に高めない
ための庫内換気を自動的に行なう自動換気装置を得よう
とする。 【構成】冷凍庫にダンパにより開閉される排気ダクト、
吸入ダクト及び庫内のエチレンガス濃度を感知するエチ
レンガスコントローラを設けて、庫内のエチレンガス濃
度が設定値より高く又は低くなるのに応じてエチレンガ
スコントローラがソレノイドを介して排気ダクト、吸入
ダクトのダンパを開閉する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、青果物や生花（以下、生貨物と称する）を輸送する冷凍自動車や 冷凍コンテナ等の冷凍庫内のエチレンガス濃度を一定に保つための換気を行なう 自動換気装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

生貨物の輸送には、冷凍自動車や冷凍コンテナを用いて生貨物を低温に保持し つつ輸送することが行なわれている。

【０００３】 これらの生貨物は、輸送中にエチレンガスを発生するが、このガスが冷凍庫内 に溜ると、生貨物の成長が促進され、早期に腐敗を生じるようになる。そこで輸 送中は時々冷凍庫内を換気してエチレンガスを排出しなければならない。

【０００４】 従来はこの換気操作を、冷凍自動車の場合は運転者が行なっていた。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

鉄道、船に積み込まれる冷凍コンテナの場合は、無人であるため庫内の換気を 行なうことができない。冷凍自動車による輸送の場合は、運転者が近くにいるか ら、運転者による換気操作はできるが、換気のことを常に頭に置いて走行するこ とは極めて煩らわしいだけでなく、安全運転の妨げとなる。又、自動車をフェリ ーに積み込んで運転者が自動車を離れると、換気操作ができなくなる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は、冷凍庫内のエチレンガス濃度を感知して排気ダクト、吸入ダクト を塞ぐダンパを開閉し冷凍庫内の換気を自動的に行なって庫内のエチレンガス濃 度を一定に保つようにして上記の課題を解決したものである。

【０００７】

【作 用】

生貨物を輸送する場合の冷凍庫内の換気は、生貨物の種類によって異なるから 、エチレンガスコントローラの濃度設定を輸送する生貨物に合せて行ない、元ス イッチを入れておけば、輸送中の生貨物に適した換気を自動的に継続して行なう ことができる。

【０００８】

【実施例】

図面は本考案の実施態様を略示するもので、図１は冷凍庫を備えた冷凍自動車 の側面図、図２は冷凍庫に冷凍機、換気ダクトを取付ける状態を示す断面図、図 ３はダクト開閉機構を示す側面図、図４は装置の電気配線図である。

【０００９】 冷凍自動車の冷凍庫１の前面には、図１のように、専用エンジンを持ちこれに より駆動される冷凍機２が取付けてあり、図２のように、冷凍機２の吐出口３か ら冷気を庫内に吹出し、吸入口４から庫内空気を吸入し、再冷却して吹出すよう にしている。

【００１０】 換気する場合は、冷凍庫の壁を貫通して設けた排気ダクト５、吸入ダクト６の 蓋を開いて庫内空気を排出し、外気を冷凍機２に吸入し冷却して庫内に吐出する 。吸入ダクト６は、庫内において冷凍機の吸入口４に通じている。

【００１１】 排気ダクト５、吸入ダクト６の開口端は、図３のように軸７により回動自在に 支えられスプリング８により引張られているダンパ９により通常は塞がれており 、ソレノイド１０に通電してダンパ９をスプリング８に抗して回動させるとダク トが開口して換気が行なわれる。

【００１２】 排気ダクト５を開く排気ソレノイド１０ａ、吸入ダクト６を開く吸入ソレノイ ド１０ｂ及びエチレンガス濃度を感知するエチレンガスコントローラ１２が設け られており、これらは図４のように電気的に接続されている。

【００１３】 エチレンガスコントローラ１２は、冷凍庫内のエチレンガス濃度が設定値より 高くなるとパワリレー１１に通電して、通常は開いている接点１１ａを閉じて両 ソレノイド１０ａ、１０ｂへ通電する。

【００１４】 １３は電源、１４は元スイッチである。自動換気を行なわないときは、元スイ ッチ１４を開いておけば、この装置は動作しない。

【００１５】 この自動換気装置により冷凍庫の自動換気を行なうには、次のように操作する 。

【００１６】 生貨物の性質に合せてエチレンガスコントローラ１２の感知する濃度値を設定 し、元スイッチ１４を閉じる。これにより、エチレンガスコントローラ１２がエ チレンガスの濃度を感知し、ガス濃度が設定値より高い場合は、パワーリレー１ １に電流を流し、濃度が低下するまで接点１１ａが閉じられる。

【００１７】 これにより排気ソレノイド１０ａ、吸入ソレノイド１０ｂに送電され、各ソレ ノイドが働いて排気ダクト５、吸入ダク６を塞いでいる二つのダンパ９を開く。 これにより冷凍庫内の空気が少しずつ排出され、代って外気が庫内空気と共に冷 凍機２に吸入され、これが冷凍機を通り冷却されて冷凍庫内に吐出される。この ようにして庫内の空気は少量ずつ外気と置換される。庫内温度が急激に変化して しまうことはない。

【００１８】 庫内のエチレンガス濃度が低下すると、パワリレー１１が開きソレノイド１０ ａ、１０ｂへの通電が断たれるためダンパ９はスプリング８に引かれてダクト５ 、６の開口を塞ぐ。スプリング８を独立に設ける代りにソレノイドに内装される 復帰用スプリングを使用してもよい。

【００１９】 このようにして次にエチレンガス濃度が高くなるまで換気は行なわれない。

【００２０】 このようにしてエチレンガス濃度が高くなる毎に庫内換気が始まって、冷凍庫 内のエチレンガス濃度を一定に保つことが自動的に行なわれる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のように冷凍庫内の換気をエチレンガス濃度が所定値より高くなる毎に（ 即ち濃度間隔で）自動的に行なうから、無人状態のコンテナ等の冷凍庫であって も発生するエチレンのため生貨物が早期に傷んでしまうことが防止でき、従来の ように冷凍自動車の運転者が庫内換気操作を行なう必要がなくなり、運転者は運 転に専念できるようになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】冷凍庫を備えた冷凍自動車の側面図。

【図２】冷凍庫に冷凍機、換気ダクトを取付けた状態を
示す断面図。

【図３】ダクト開閉機構を示す側面図。

【図４】装置の電気配線図である。

【符号の説明】

１ 冷凍庫 ２ 冷凍機 ３ 吐出口 ４ 吸入口 ５ 排気ダクト ６ 吸入ダクト ７ 軸 ８ スプリング ９ ダンパ １０ ソレノイド １０ａ 排気ソレノイド １０ｂ 吸入ソレノイド １１ パワリレー １１ａ 接点 １２ エチレンガスコントローラ １３ 電源 １４ 元スイッチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷凍機（２）を備えた冷凍庫（１）の壁
   を貫通する排気ダクト（５）と、外気を冷凍機の吸入口
   （４）に通じさせる吸入ダクト（６）とを設け、各ダク
   ト（５）（６）の開口端には排気ソレノイド（１０
   ａ）、吸入ソレノイド（１０ｂ）への通電により開かれ
   るダンパ（９）を設け、冷凍庫内のエチレンガス濃度を
   感知してその濃度が設定値以上の場合にパワリレー（１
   １）に通電するエチレンガスコントローラ（１２）を設
   け、パワリレー（１１）はエチレンガスコントローラ
   （１２）から通電されると接点（１１ａ）を閉じて排気
   ソレノイド（１０ａ）及び吸入ソレノイド（１０ｂ）を
   電源に接続するものとした冷凍庫の自動換気装置。