JPH04115508U - スローアウエイチツプ - Google Patents

スローアウエイチツプ

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JPH04115508U
JPH04115508U JP3781191U JP3781191U JPH04115508U JP H04115508 U JPH04115508 U JP H04115508U JP 3781191 U JP3781191 U JP 3781191U JP 3781191 U JP3781191 U JP 3781191U JP H04115508 U JPH04115508 U JP H04115508U
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chip
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陽一 石川
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 すくい面23と逃げ面25との交差稜線部
にノーズ部26を有する切刃27が形成されるととも
に、すくい面23が切刃27から離間するに従って漸次
チップ厚さ方向の内側に向かう傾斜面とされている。こ
のすくい面23にはチップ厚さ方向外側に突出する複数
の突条部31が形成されており、この突条部31の突出
先端を結んだ稜線部32がチップ厚さ方向に垂直になる
ように、また切刃27のノーズ部26から離間した突条
部31程、切刃27から稜線部32とすくい面23との
交点33までのチップ厚さ方向に垂直な方向の距離dが
長くなるように成形されている。 【効果】 幅広い切削条件下で良好な切屑処理を行う
ことができ、特に送り量が大きい場合に生成される肉厚
の厚い切屑がカールされる際に抵抗を受けたり、被削材
の切削面に接触したりすることを未然に防いで切屑が詰
まり気味になることを効果的に防止することが可能とな
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、チップ本体のすくい面に切屑分断のための突条部等の凸部が設けら れたスローアウェイチップに関するものであり、特に送り量が大きい場合におけ る切屑処理性能の向上を目的としたものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなスローアウェイチップ(以下、チップと略する。)としては、例え ば図8に示すようなものが知られている。このチップ1は実開昭61−1518 06号公報に記載されたもので、平面視に多角形(この例では平行四辺形)をな す平板状のチップ本体2の一方の面にすくい面3が形成されており、このすくい 面3と逃げ面4となるチップ本体2の周面とがなす交差稜線部には、上記多角形 の角部にノーズ部5を有する切刃6が形成されている。 図9は当該チップ1の切刃6に垂直な断面であるが、この図に示されるように 上記すくい面3はランド部7を介して切刃6に連なり、この切刃6から離間して チップ本体2の内側に向かうに従って、チップ本体2の上記一方の面側から他方 の面側へ向かう方向、すなわちチップ本体2の厚さ方向(以下、チップ厚さ方向 と略する。)の内側へ向い傾斜する傾斜面とされており、この面の傾斜角α0が 当該チップ1の切刃6のすくい角となる。さらにチップ本体2の上記一方の面に は、このすくい面3に連なってチップ厚さ方向に垂直な平坦面が形成されており 、上記すくい面3がなす傾斜面の延長面に対してチップ厚さ方向の外側に***し たブレーカー面8とされている。なお、これら傾斜面をなすすくい面3と平坦面 をなすブレーカー面8とは曲率半径の大きな曲面9によって滑らかに連結されて いる。
【0003】 そして、これらすくい面3および曲面9には図8および図10に示すように切 刃6から所定区間離れた位置に、該すくい面3および曲面9からチップ厚さ方向 の外側に突出した球面状をなす突起10が形成されており、この例ではこのよう な突起10が切刃6に沿う方向に複数個設けられている。またこの例では、この 突起10よりさらに上記切刃6から離れた位置に、突起10がなす上記球面より 径の大きな球面状の突起11がブレーカー面8からチップ厚さ方向外側に突出し て設けられている。なお、図8において符号12は当該チップ1をバイト等の工 具に装着する際の取付穴である。 これらの突起10,11は、いずれも切削において生成される切屑を適当な小 片に分断することを目的として設けられており、切刃6によって削り取られて上 記すくい面3から曲面9に沿って流出した切屑は、これらの突起10,11に乗 り上げ、強制的にカールされて細かく分断される。
【0004】 ここで上記チップ1では、突起10,11を球面状とすることにより、傾斜面 とされたすくい面3との間に谷となる部分13が形成される。そして切刃6によ って削り取られた切屑は、この谷部13を通って突起10,11に乗り上げるよ うになり、より小さなカール径にカールされるため効果的に切屑が分断されるよ うになる。従って、これら突起10,11のチップ厚さ方向外側への突出量Dが 大きい程、上記谷部13は深くなり、よって生成された切屑は急激にカールされ ることになるため、より一層効果的に切屑を分断することが可能となる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、このようなチップによる切削加工においては、送り量が小さい場合 には生成される切屑はその肉厚が比較的薄いものとなるが、反対に送り量がある 程度大きい場合は肉厚の厚い切屑が生成される。 しかし、このような肉厚の厚い切屑が生成される場合に上述のように突起10 ,11の突出量Dが大きなチップを用いると、連続的に生成される切屑が上記谷 部13を通って急激に小さなカールされる際に抵抗を受けたり、あるいは急激に 小さなカール径にカールされた切屑が被削材の切削面に接触したりしてしまい、 いわゆる切屑が詰まり気味の状態となってしまうおそれがある。このような切屑 が詰まり気味の状態となると、詰まった切屑によって切削精度の低下を招いたり 、チップの切刃に過大な負荷が作用して切刃の欠損等を引き起こしたりして円滑 な切削作業に支障を来すことになる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記課題を解決するためになされたもので、すくい面側からの平面視 に多角形平板状をなすチップ本体のすくい面と逃げ面との交差稜線部に、上記多 角形の角部にノーズ部を有する切刃が形成されるとともに、すくい面が切刃から 離間するに従って漸次チップ厚さ方向の内側に向かう傾斜面とされたチップにお いて、上記すくい面に、該すくい面からチップ厚さ方向外側に向かって突出し、 かつその突出先端を結ぶ稜線部がチップ厚さ方向に垂直になるように成形された 複数の突条部を、上記切刃に沿う方向に並列に、かつそれぞれの突条部の稜線部 がチップ本体外周側から本体内側に向かって延びるように形成するとともに、こ れらの突条部を、上記ノーズ部から離間した突条部ほど、上記切刃から上記稜線 部と上記すくい面との交点までの、上記厚さ方向に垂直な方向の距離が漸次長く なるように成形したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
本考案のチップでは、すくい面からチップ厚さ方向外側に突出し、かつ平面視 にチップ本体の外周側から内側に向かって延びる突条部が形成され、この突条部 の最もチップ厚さ方向外側の部分を結ぶ稜線部、すなわち該突条部の突出先端を 結ぶ稜線部はチップ厚さ方向に垂直になるように成形されている。 従ってこの突条部とすくい面との間には上述したような谷部が形成されること はなく、すくい面を流れ出た切屑は該突条部の上記稜線部に乗り上げて緩やかに カールされて分断されることになる。このため、送り量が大きく肉厚の厚い切屑 が生成される場合でも、すくい面を流れ出た切屑が急激にカールされて抵抗を受 けるような事態を避けることができる。
【0008】 また本考案においては、切刃に沿う方向でノーズ部から離間した突条部では、 切刃に垂直な断面において該切刃から、突条部の稜線部とすくい面との交点まで の、チップ厚さ方向に垂直な方向の距離が、ノーズ部に近い突条部に比べて長く なるように成形されている。従って、このような突条部では切刃からすくい面と 上記稜線部との交点、つまり該稜線部の始点までの、すくい面に沿った距離も長 くなり、よって切刃で生成された切屑はすくい面をある程度流れ出た後に、突条 部の稜線部に乗り上げてカールされることになる。 このような構成とすることにより、カールされる切屑のカール径を大きくする ことができるとともに、切削時の被削材の切削面とチップ上の切屑がカールされ る位置との間に間隙を設けることが可能となる。このため、送り量が大きな場合 でも生成された肉厚の厚い切屑は大きなカール径にカールされて分断される上、 上記間隙によって切屑が被削材の切削面に接触するような事態を防ぐことができ 、切屑が詰まり気味の状態となることを未然に抑えることが可能となる。
【0009】 なお、すべての突条部で上記切刃から稜線部とすくい面との交点までのチップ 厚さ方向に垂直な方向の距離を長くすると、送り量が小さく、肉厚の薄い切屑が 生成される場合に、このような切屑がカールされないまま流れ出てしまって切屑 が伸び気味になるおそれがある。このため本考案では、ノーズ部側の突条部では この距離を短くすることにより、生成された切屑が比較的早い段階でカールされ るようにしてこのような問題が生じることを防ぐことができる。
【0010】 このように本考案のチップによれば、一つのチップで送り量が小さい場合の切 屑の分断性能を維持しつつ、送り量が大きい場合の切屑が詰まり気味になること を防いで円滑な切削作業を行うことを可能とすることができる。
【0011】
【実施例】
図1および図2は本考案の一実施例を示す平面図および側面図である。 本実施例のチップ21は超硬合金等の硬質材料から一体的に成形されたもので あって、これらの図に示されるようにチップ本体22が、当該チップ21のすく い面23となる一方の面が該すくい面23からの平面視に略正方形状に成形され 、また着座面24となる他方の面が該チップ本体22の厚さ方向、つまり上記チ ップ厚さ方向に垂直な平坦面とされ、さらに当該チップ21の逃げ面25となる 周面が上記着座面24に垂直に成形された平板状のネガティブ型のチップとされ ている。 上記すくい面23を形成する正方形の各角部には1/4円弧状に成形されたノ ーズ部26が形成されており、またすくい面23と逃げ面25とがなす交差稜線 部、すなわち上記正方形の四辺には上記ノーズ部26に連なって切刃27が形成 されている。
【0012】 ここで本実施例では、上記正方形の4つの角部に形成されたノーズ部26と、 これらのノーズ部26のそれぞれに連なる切刃27により、合計4回の刃体とし ての使い回しが可能となっている。従って、一つの交差稜線部に形成された切刃 27はこの交差稜線部を挟む二つのノーズ部26の共用となるため、1回の切削 において通常使用される切刃27の範囲、すなわち切刃27の使用範囲は、ノー ズ部26から上記交差稜線部の長さの約1/2、つまり該交差稜線部の略中央部 までということになる。 また本実施例では、この切刃27は図2に示すように逃げ面25からの側面視 において、該切刃27を挟むノーズ部26付近の部分では上記チップ厚さ方向に 垂直な方向に形成されており、この部分より内側は切刃27の中央部に向かうに 従って着座面24側、すなわちチップ厚さ方向内側に向かって凹む湾曲線状に形 成されている。
【0013】 一方、図3ないし図5は、それぞれ図1に示した本実施例の切刃27に垂直な AA断面、BB断面、CC断面を示すものであり、図3から図5はこの順で上記 切刃27の使用範囲内で漸次切刃27から離間する断面を表わしている。 これらの図に示されるように、本実施例ではチップ本体22の上記一方の面に 切刃27に沿って、この一方の面がなす上記正方形の縁部を一定幅で周回するよ うにランド28が設けられている。このランド28は上記チップ厚さ方向に垂直 な平坦面として形成されており、上記すくい面23はこのランド28を介して切 刃27に連なるように成形されている。また、このすくい面23は上記断面視に おいて、切刃27から離間するに従ってチップ厚さ方向内側に向かう傾斜面とさ れており、さらにこのすくい面23の切刃27とは反対側、つまり該すくい面2 3方向からの平面視にチップ本体22の内側には上記ランド28に平行な、すな わちチップ厚さ方向に垂直な平坦面が形成されている。 このチップ本体22内側の平坦面は、すくい面23がなす上記傾斜面の延長面 から見ると、切刃27から離間するに従って該延長面より漸次***する面となり 、すくい面23に沿って流れた切屑がカールされてブレーカー効果を受けるブレ ーカー面29となる。なお上記平面視にチップ本体22の中央には、当該チップ 21をバイト等の工具に装着する際の取付穴30がチップ厚さ方向に沿って貫設 されている。
【0014】 そして本実施例では上記すくい面23に、該すくい面23からチップ厚さ方向 の外側に向けて突出し、かつ上記平面視にチップ本体22の外周側から内側に向 かって延びる突条部31が、一のノーズ部26を挟む二つの切刃27の上記使用 範囲内において、それぞれの切刃27について3つ、つまり一つの交差稜線部に ついて6つ、該切刃27が形成された方向に沿ってそれぞれが略等間隔に並列に なるように形成されている。 これらの突条部31は、そのすくい面23から最もチップ厚さ方向外側に突出 した先端、すなわち該突条部31の突出先端を結ぶ稜線部32が、上記チップ厚 さ方向に垂直になるように、つまり該稜線部32がチップ厚さ方向に垂直な面内 においてすくい面23から真直ぐ延びるように成形されている。またこれととも に、それぞれの突条部31はその稜線部32が上記平面視に切刃27に垂直にな るように、かつ稜線部32同志が互いに平行になるように成形されている。
【0015】 さらに、これら図3ないし図5に示されるように、これらの稜線部32は上記 切刃27の使用範囲内において突条部31がノーズ部26から離間するに従って 切刃27から、稜線部32とすくい面23との交点33、すなわち該稜線部32 の始点までの、チップ厚さ方向に垂直な方向の距離dが漸次長くなるように成形 されている。従って、図3ないし図5において上記距離da,db,dcの間には 、da<db<dcなる関係が成り立っている。 これとともに、上述のようにすくい面23が傾斜面とされていることにより、 ノーズ部26から離れた突条部31程、切刃27から稜線部32までの上記チッ プ厚さ方向の距離hが長くなるようになっており、従って図3ないし図5に示し たha,hb,hcの間にはha<hb<hcなる関係が成り立っている。
【0016】 また、これらの突条部31はそれぞれ、その稜線部32に垂直な断面視に円弧 面をなすように成形されており、さらに図3ないし図5に示されるように該突条 部31のチップ本体22内側の突端部34は、この円弧面に滑らかに連なる球状 面を描きつつ、ブレーカー面29に埋没するように成形されている。
【0017】 一方、図6は図1に示した本実施例の平面図において、上記切刃27の使用範 囲内で上記突条部31を含まない切刃27に垂直なDD断面を示すものである。 そして、この図に示されるように本実施例ではすくい面23が、すくい角αをな す切刃27側の第一のすくい面23Aと、この第一のすくい面23Aに連なり、 上記すくい角αよりも小さいすくい角βをなすブレーカー面29側の第二のすく い面23Bとから構成されている。さらに本実施例では上記突条部31の稜線部 32はすべて第一のすくい面23Aに交わるようになっており、すなわち上記突 条部31の稜線部32とすくい面23との交点33は、すべて第一のすくい面2 3A上に配置されている。 これに加えて本実施例では、それぞれのすくい面23A,23Bは上記切刃2 7の使用範囲内において、ノーズ部26から離間するに従ってすくい角α,βが それぞれに漸次小さくなるように、またすくい面の幅Wおよび第一のすくい面2 3Aの幅W1がそれぞれに漸次大きくなるように成形されている。なお、この第 一のすくい面23Aの幅W1とは、上記切刃27に垂直な断面において切刃27 から第一のすくい面23Aと第二のすくい面23Bとの交差部35までのチップ 厚さ方向に垂直な方向の距離をいい、すくい面23の幅Wとは上記断面において 切刃27から第二のすくい面23Bとブレーカー面29との交差部36までのチ ップ厚さ方向に垂直な方向の距離をいうものとする。
【0018】 ここで、これら切刃27から稜線部32とすくい面23との交点33までのチ ップ厚さ方向に垂直な方向の距離d、切刃27から稜線部32までのチップ厚さ 方向の距離h、すくい角α,β、およびすくい面23の幅W、第一のすくい面の 幅W1は、上述した切刃27の使用範囲内において漸減および漸増するものであ る。 よって突条部31の稜線部32とすくい面23との交点33は、すくい面23 からの平面視に切刃27が形成された上記正方形の一辺の一端に形成された一の ノーズ部26から離間するに従ってチップ本体22の内側に向かい、この一のノ ーズ部26から上記使用範囲の長さ分離れた位置、つまり上記一辺の中央で最も チップ本体22内側になる。そして、さらに上記一のノーズ部26より離間し、 上記一辺の他端に形成された他のノーズ部26に接近するに従い、チップ本体2 2の外周側、つまり切刃27側に向かうことになり、このため上記交点33の配 列は上記平面視にチップ本体22の内側に向かって凹む弓状に配置されることに なる。 また、すくい角α,βは上記一のノーズ部26から離間して上記一辺の中央に 向かうに従って漸減し、この中央を越えて他のノーズ部26に向かうに従い漸増 することになる。また、これとは逆にすくい面23の幅Wおよび第一のすくい面 23Aの幅W1は、上記一のノーズ部26から離間するに従って漸増して上記一 辺の中央で最大となり、さらにこの一のノーズ部26から離間して他のノーズ部 26に接近するに従い漸減することになる。 さらにまた本実施例では、すくい角αの大きさは、ノーズ部26付近の最も大 きくなる部分で30°〜10°、上記一辺の中央部付近の最も小さくなる部分で 20°〜5°の範囲に納まるようになっており、一方すくい角βの大きさは上記 切刃27に垂直な断面におけるすくい角αの大きさの1/4〜3/4になるよう に設定されている。
【0019】 このような構成のチップ21では、すくい面23からの突条部31のチップ厚 さ方向外側への突出先端を結んだ稜線部32が該チップ厚さ方向に垂直になるよ うに成形されており、すなわち該稜線部32がすくい面23から真直ぐチップ厚 さ方向に垂直な方向に延びるように成形されているために、この突条部31とす くい面23との間に上述したような谷部が形成されることがない。 従って送り量が大きく比較的肉厚の厚い切屑が生成される場合でも、切刃27 によって削り取られ、すくい面23に沿って流れ出た切屑は、突条部31の稜線 部32に乗り上げて緩やかにカールされ、分断されることになる。このため、こ のような切屑が従来のように急激に小さなカール径にカールされて抵抗を受ける ような事態を防ぐことができる。
【0020】 また本考案では、すくい面23がチップ厚さ方向内側に向かう傾斜面とされて いるとともに、ノーズ部26から離間した突条部31では、切刃27から稜線部 32とすくい面23との交点33までのチップ厚さ方向に垂直な方向の距離dが 長くなるように成形されており、これによって切刃27から上記交点33までの すくい面23に沿った距離も長くなる。すなわち切刃から切屑がカールされる位 置までに間隙が形成されることになって、生成された切屑はすくい面23をある 程度流れ出た後に突条部31の稜線部32に接触してカールされることになる。 このため、生成される切屑の肉厚が厚い場合でも、このような切屑は大きなカー ル径にカールされて順次分断されることになり、また上記間隙によって切屑が被 削材の切削面に接触するような事態を防ぐことができるため、切屑が詰まり気味 の状態になることを未然に防止することが可能となる。
【0021】 一方、これとは逆に送り量が小さい場合には、被削材から削り取られ、すくい 面23に沿って流れ出た肉厚の薄い切屑は、上記突条部31の稜線部32に乗り 上げたところで一旦緩くカールされる。しかる後切屑は、この稜線部32に案内 されて該稜線部32上を滑走し、チップ本体22の内側に流れるが、この間にも 突条部31の稜線部32と接触することにより、さらに小さなカール径にカール されて分断される。このように本考案によれば送り量が小さく、生成される切屑 の肉厚が比較的薄い場合でも切屑の分断性能を維持することができる。
【0022】 ところで、このように送り量が小さな場合に、切刃27から上記交点33まで のチップ厚さ方向に垂直な方向の距離dを、すくい面23に形成されるすべての 突条部31において長くしてしまうと、生成される肉厚の薄い切屑が稜線部32 に乗り上げる前にすくい面23から離れてしまい、稜線部32に十分に接触せず にカールされなくなる可能性がある。このような事態になると、切屑が確実に分 断されずにつながったまま連続して排出されてしまい、いわゆる切屑が伸び気味 の状態となって伸びた切屑が被削材の切削面に接触したり、工具等に絡まったり して切削作業に支障を来すおそれがある。 これに対して本考案のチップでは、ノーズ部26側の突条部31では上記距離 dが短くなるように成形されており、このような突条部31では生成された切屑 は比較的早い段階で稜線部32に接触してカールされることになる。このため生 成される切屑の肉厚が薄い場合でも、切刃27の使用範囲内のすべての突条部3 1で切屑が稜線部32に十分に接触しないというような状況に陥るのを防ぐこと ができ、これによって切屑が伸び気味になることを避けることができる。
【0023】 このように本考案によれば、肉厚の薄い切屑が生成される場合において切屑の 分断性能を維持して切屑が伸び気味になるのを防ぐことができる一方、肉厚の厚 い切屑が生成される場合においても、切屑がカールされる際の抵抗の低減を図る ことができるとともに、切屑が被削材の切削面に接触するような事態を避けるこ とができ、切屑が詰まり気味になることを防ぐことができる。
【0024】 さらに本実施例では、上述のように切刃27のノーズ部26付近から離間する に従って、すくい面23A,23Bがなすすくい角α,βが漸次小さくなるよう に成形され、このため第二のすくい面23Bが上記ブレーカー面29となす角度 もノーズ部26から離間するに従って小さくなるように成形されている。また、 これとともにすくい面23の幅Wおよび第一のすくい面23Aの幅W1は漸次大 きくなるように成形されている。 これにより、送り量が小さい場合にノーズ部26付近で生成される肉厚の薄い 切屑は、比較的早い段階で稜線部32またはブレーカー面29に接触して小さな カール径にカールされることになり、このため切屑が伸び気味の状態になること をより効果的に防止することができる。また、これとは逆に送り量が大きい場合 に切刃27のノーズ部26から離間した部分で生成される肉厚の大きな切屑は、 すくい面23上をある程度の距離を流れ出た後で稜線部32またはブレーカー面 29に接触して緩やかにカールされることになる。よって、これと上記突条部3 1によるブレーカー効果とが相俟って切屑が受ける抵抗を一層低減させることが 可能となる。 さらに本実施例においてはこれに加え、切刃27のノーズ部26から離間した 部分では、すくい角α,βが小さくなることによって切刃27の刃先部分に一定 の肉厚が確保されるので、切刃強度を維持することが可能となり、切削時に作用 する負荷によって切刃27に欠損等が生じるような事態を未然に防ぐことができ るという利点も有する。
【0025】 さらにまた本実施例では、すくい面23が切刃27に連なる大きなすくい角α の第一のすくい面23Aと、この第一のすくい面23Aに連なる小さなすくい角 βの第二のすくい面23Bとから構成されており、このため第一のすくい面23 Aに沿って流れた切屑が第二のすくい面23Bに接触する際にもブレーカー効果 が生じることになり、切屑の分断性能を向上させることができる。 また、すくい面23を二つのすくい面23A,23Bとすることにより、生成 された切屑が最初にカールされるまでの距離を、従来例のようにすくい面が一つ の場合に比べて短くすることができる。従って、送り量が小さく肉厚の薄い切屑 が生成される場合でも切屑は比較的早い段階でカールされるので、切屑が伸び気 味になることを抑えることが可能となる。 このように本実施例によれば、送り量の相違によって変化する切屑の状態に応 じ、切刃27の使用範囲全体で切屑を確実に処理することが可能であり、上述し た突条部31によるブレーカー効果と相俟って幅広い使用目的に適合する汎用性 の極めて高いチップを提供することが可能となる。
【0026】 また本実施例では図2に示したように切刃27の中央部がチップ厚さ方向内側 、つまり着座面24側に凹む湾曲線状に形成されており、これによって例えば当 該チップ21をバイトなどの旋削工具等に使用した場合には、上記使用範囲内に おける切刃27の傾きを正角側に設定することができ、従って上記旋削工具の軸 方向すくい角や径方向すくい角も正角側にとることができる。このため、切削時 に切刃27にかかる抵抗を低減することができるとともに、切屑の流出方向をコ ントロールすることが可能となるという利点を有する。
【0027】 なお上記実施例では、切刃27からすくい面23と稜線部32との交点33ま での距離dをノーズ部26から離間した突条部31で長くなるようにすることに より、このような突条部31においては切刃27と稜線部32とのチップ厚さ方 向の距離hも長くなるような構成としたが、上述のようにノーズ部26から離間 するにしたがって上記すくい面23A,23Bがなすすくい角α,βが漸減する ことにより、このような構成とならない場合があってもかまわない。つまり、上 記すくい角α,βの減少の度合によっては、上記図3ないし図5においてha, hb,hcがすべて等しくなるような構成であってもよい。 また上記実施例では、すくい面23からの平面視に略正方形の平板状のチップ について説明したが、三角形やその他の多角形平板状のチップであっても、勿論 かまわない。さらに、これらの実施例ではすくい面23を二つのすくい面23A ,23Bより構成したが、これを三つ以上のすくい面より構成してもよい。
【0028】 ここで、図7は図1ないし図6に示した実施例のチップ21によって被削材を 様々な送りおよび切込み量にて切削し、この時の切屑の処理状態を調査して良好 な切屑処理が可能であった範囲を表わしたものである。 ただしこの時の切削条件は、被削材としてSNCM439(HB265)を用 い、さらに使用チップの形式はJIS B 4103に規定するSNMM644で あって、切削速度V=100m/minで切込み量が概ね1.0〜10.0mm、一回 転当りの送り量が概ね0.25〜1.0mm/revの範囲で乾式切削を行った。 この図に示された結果より、本考案のチップによれば比較的広い範囲で良好な 切削加工が可能であることが分かる。特に、送り量が大きい場合には切込み量の 大小に拘らず広範囲で優れた切屑処理性能を示しており、これは肉厚の厚い切屑 が抵抗を受けたり、被削材の切削面に接触したりして切屑が詰まり気味になるこ とが、本考案によって効果的に抑えられていることを表わすものと思われる。
【0029】
【考案の効果】
以上説明したように本考案では、すくい面より突出した突条部の突出先端を結 んだ稜線部がチップ厚さ方向に垂直になるように成形されているとともに、切刃 のノーズ部から離間する程、切刃から突条部の稜線部とすくい面との交点までの チップ厚さ方向に垂直な方向の距離が長くなるように成形されており、幅広い切 削条件下で良好な切屑処理を行うことができる。特に、送り量が大きい場合の肉 厚の厚い切屑がカールされる際に抵抗を受けたり、被削材の切削面に接触したり することを未然に防いで切屑が詰まり気味になることを効果的に防止することが 可能となる。 このように本考案によれば、送り量が小さい時の切屑の分断性能を維持しつつ 、送り量が大きい場合の切屑詰まりを防止することができ、切削精度の劣化や切 刃に過大な負荷が作用するといった事態を未然に防いで、円滑な切削作業を行う ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1に示す実施例の側面図である。
【図3】図1に示す実施例のAA断面図である。
【図4】図1に示す実施例のBB断面図である。
【図5】図1に示す実施例のCC断面図である。
【図6】図1に示す実施例のDD断面図である。
【図7】図1ないし図6に示した実施例のチップ21に
よって被削材を切削した際の切屑処理性能を示す図であ
る。
【図8】突起を有する従来のチップの一例を示す平面図
である。
【図9】図8に示した従来例のXX断面図である。
【図10】図8に示した従来例のYY断面図である。
【符号の説明】
21 チップ 22 チップ本体 23 すくい面 23A 第一のすくい面 23B 第二のすくい面 24 着座面 25 逃げ面 26 ノーズ部 27 切刃 28 ランド 29 ブレーカー面 31 突条部 32 稜線部 33 稜線部32とすくい面23との交点 34 突条部31の突端部 d 切刃27から稜線部32とすくい面23との交点3
3までのチップ厚さ方 向に垂直な方向の距離 h 切刃27と稜線部32とのチップ厚さ方向の距離 α 第一のすくい面がなすすくい角 β 第二のすくい面がなすすくい角 W すくい面23の幅 W1 第一のすくい面の幅

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 すくい面側からの平面視に多角形平板状
    をなすチップ本体の該すくい面と逃げ面との交差稜線部
    に、上記多角形の角部にノーズ部を有する切刃が形成さ
    れるとともに、該すくい面が上記切刃から離間するに従
    って漸次上記チップ本体の厚さ方向の内側に向かう傾斜
    面とされたスローアウェイチップにおいて、上記すくい
    面には、該すくい面から上記厚さ方向外側に向かって突
    出し、かつその突出先端を結ぶ稜線部が上記厚さ方向に
    垂直になるように成形された複数の突条部が、上記切刃
    に沿う方向に並列に、かつそれぞれの突条部の上記稜線
    部が上記チップ本体外周側から該チップ本体内側に向か
    って延びるように形成されるとともに、これらの突条部
    は、上記ノーズ部から離間した突条部ほど、上記切刃か
    ら上記稜線部と上記すくい面との交点までの、上記厚さ
    方向に垂直な方向の距離が漸次長くなるように成形され
    ていることを特徴とするスローアウェイチップ。
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