JPH04110872U - 内蔵型引き戸用ロツク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 装置の本体部分が引き戸内に完全に隠没され
ると共に、内部から簡単に解錠できる内蔵型引き戸用ロ
ック装置を提供する。 【構成】 フロントプレート１に錠前ユニット３を固着
し、フロントプレートの背面側枠壁４に締付け固着され
るリアプレート５に軸孔６を設け、軸孔６に軸棒７の後
端丸軸部７ｂを、レバーハンドル８の基端部の丸孔９に
前端丸軸部７ａをそれぞれ回転可能に、フックボルト１
０の基端部の角孔１１に中間軸部７ｃを回転不能に嵌め
込み、レバーハンドルの先端部をフロントプレートの開
口部２に臨ませ、フックボルトの先端部を枠壁４の側面
開口から突設し、レバーハンドルの駆動突起１５とフッ
クボルトの受動突起１７が当接した時、錠止突起１４と
停止突起１６の間に遊び間隔が残るように設定し、止め
金板１８を錠前のロータ１９に固着し、フックボルトを
突き押すリリースロッド２８をリアプレート側から操作
可能に装備する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は引き戸に使用されるロック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

引き戸用ロック装置としては既に各種形式のものが提案されているが、フック ボルトの解錠操作用のレバーハンドルが引き戸の前面や後面から突出している構 造のロック装置では、器物や身体等がレバーハンドルに衝突したり引掛かるとい う難点がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従って本考案の目的は、比較的薄いフロントプレートとリアプレートが引き戸 の前後面から突出するだけであり、レバーハンドルを含めて装置の本体部分が引 き戸内に完全に隠没された内蔵型の引き戸用ロック装置を提供することである。 また、本考案の別の目的は、固定枠体内に閉じ込められた時、内部から簡単に 解錠して脱出できる引き戸用ロック装置を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると、本考案の引き戸用ロック装 置では、引き戸４２の前面に突き当て固着されるフロントプレート１の下部に操 作用開口部２を設け、フロントプレート１の上部に錠前ユニット３を固着し、フ ロントプレート１の背面側の枠壁４に締付け固着され、引き戸４２の後面に突き 当て固着されるリアプレート５の中間部に軸孔６を設け、該軸孔６に軸棒７の後 端丸軸部７ｂを回転可能に嵌め込み、レバーハンドル８の基端部の丸孔９に軸棒 ７の前端丸軸部７ａを回転可能に嵌め込み、フックボルト１０の基端部の角孔１ １に軸棒７の中間軸部７ｃを回転不能に嵌め込んで、レバーハンドル８とフック ボルト１０を重ね合わせてフロントプレート１とリアプレート５の間に収容し、 レバーハンドル８の先端部を前記開口部２内に臨ませ、フックボルト１０の先端 部を枠壁４の側面開口１３から横向きに突出させる。

【０００５】 レバーハンドル８の基端部の上面縁部に錠止突起１４と駆動突起１５を左右対 称に突設し、フックボルト１０の基端部の上面縁部に停止突起１６と受動突起１ ７を突設し、駆動突起１５と受動突起１７が当接した時、錠止突起１４と停止突 起１６の間に遊び間隔が残るように位置設定し、錠止突起１４に係合してレバー ハンドル８の回転を阻止する止め金板１８を錠前ユニット３のロータ１９に固着 し、フックボルト１０をバネ２１によって施錠方向に回転付勢し、レバーハンド ル８をバネ２５によって施錠位置へ復帰付勢し、フックボルト１０の中間部上面 を突き押すリリースロッド２８をリアプレート５側から操作可能に装備し、リリ ースロッド２８をバネ３１によって待機位置に復帰付勢する。

【０００６】

【作用】

建物や冷蔵庫本体等の固定枠体側の受け金２２にフックボルト１０の先端部が 係合した施錠状態では、フックボルト１０の受動突起１７がレバーハンドル８の 駆動突起１５に当接している。また、錠前ユニット３の止め金板１８はレバーハ ンドル８の錠止突起１４に当接している。リリースロッド２８はフックボルト１ ０を押さない位置に保持されている。

【０００７】 錠前ユニット３に適合する鍵を挿入してロータ１９を図５において時計回り方 向に回すと、止め金板１８によるレバーハンドル８の拘束が解除される。バネ２ ５の付勢に抗してレバーハンドル８を軸孔６を中心に時計回り方向に鎖線位置ま で回転させると、レバーハンドル８の駆動突起１５がフックボルト１０の受動突 起１７を押すため、フックボルト１０がバネ２１の付勢に抗して鎖線位置まで回 転し、先端部が受け金２２から離脱する。

【０００８】 このようにして解錠された引き戸４２は、レバーハンドル８に掛けた手を更に 横に引くことによって開放操作される。引き戸４２の開放後、レバーハンドル８ から手を離すと、レバーハンドル８とフックボルト１０はバネ２５、２１の付勢 によって元の位置に復帰する。引き戸４２を閉鎖方向に直線移動させた時、閉鎖 の終端においてフックボルト１０の先端部の円弧カム面４３に受け金２２が当接 する。そのため、フックボルト１０は軸孔６を中心に一旦退避回転する。

【０００９】 引き戸４２が完全に閉鎖された時、フックボルト１０は若干角度逆回転し、フ ックボルト１０の先端部と受け金２２が自動的に係合する。閉鎖後、錠前ユニッ ト３のロータ１９を施錠位置に回し、止め金板１８をレバーハンドル８の錠止突 起１４に係合させる。

【００１０】 冷蔵庫等の固定本体の内部に作業員が閉じ込められた時には、リリースロッド ２８を押し下げればよい。このリリースロッド２８の押し下げによってフックボ ルト１０は軸棒７と一体に軸孔６を中心に回転する。レバーハンドル８は軸棒７ の前端丸軸部７ａに丸孔９にて嵌められているため、レバーハンドル８が止め金 板１８によって回転を阻止されていても、フックボルト１０の回転動作には全く 支障はなく、レバーハンドル８に対して軸棒７が空転することになる。

【００１１】 このようにリリースロッド２８によってフックボルト１０だけを選択的に回転 操作できるため、閉じ込められた作業員は即座に脱出することができ、凍死や窒 息死などの致命的事故に発展することがない。

【００１２】

【実施例】

図示の実施例では、フロントプレート１は上下左右の隅部の透孔３４を通るビ スやリベット等の固着具３５によって引き戸４２の前面に固着される。リアプレ ート５は上下左右の隅部の透孔３６を通るビスやリベット等の固着具３７によっ て引き戸４２の後面に固着される。リアプレート５は、レバーハンドル８やフッ クボルト１０等を所定位置に組み付けた後、上下左右と中間部の合計６本のビス ３８によってフロントプレート１の枠壁４に締め付け固着される。

【００１３】 軸棒７の前端丸軸部７ａと後端丸軸部７ｂの断面円形は中間角軸部７ｃの断面 正方形の内接円になっている。レバーハンドル８の先端部は枠壁４の中間仕切り 壁部４ａの案内スロット１２からフロントプレート１の前記開口部２内に出てい る。フックボルト１０は、機械的強度を確保するため、連結ピン４０で接合した ４枚重ねの構造にしてある。フックボルト１０の付勢用バネ２１は引張りコイル バネで構成され、フロントプレート１に固着したバネ受けピン２０と、停止突起 １６の先端部の透孔３２との間に架設されている。

【００１４】 レバーハンドル８の付勢用バネ２５も引張りコイルバネで構成され、フロント プレート１に固着したバネ受けピン２３とレバーハンドル８の中間部のバネ受け 突起２４との間に架設されている。レバーハンドル８の中間部には、案内スロッ ト１２を閉塞する円弧状鍔板４１を突設してある。リリースロッド２８はリアプ レート５にビス３９で固着したガイド板２６の軸孔２７に起伏及び上下動可能に 挿通されている。リリースロッド２８の復帰付勢用バネ３１は圧縮コイルバネで 構成され、ガイド板２６と中間バネ受けピン３３の間に挿入されている。

【００１５】 リアプレート５の上隅部の窓孔３０からリリースロッド２８の折曲げ端部２９ を引出すことによって、フックボルト１０の押回し操作を軽快に行うことができ る。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように本考案の引き戸用ロック装置では、比較的薄いフロントプレート １とリアプレート５が引き戸４２の前面と後面に突き当て固着され、レバーハン ドル８、フックボルト１０、リリースロッド２８等の全ての構成部品がフロント プレート１の背面側の枠壁４内に収容され、この本体部分が引き戸４２の厚さ内 に完全に隠没状態に内蔵されるため、レバーハンドル８に器物や身体が引掛かる ことなく、安全に使用することができる。

【００１７】 また、リアプレート５の軸孔６に軸棒７の後端丸軸部７ｂを回転可能に嵌め込 み、レバーハンドル８の基端部の丸孔９に軸棒７の前端丸軸部７ａを回転可能に 嵌め込み、フックボルト１０の基端部の角孔１１に軸棒７の中間軸部７ｃを回転 不能に嵌め込み、フックボルト１０を押下げるリリースロッド２８をリアプレー ト５側に設けたので、レバーハンドル８の回転を錠前ユニット３で阻止されて固 定枠体内に閉じ込められても、フックボルト１０だけを選択的に回転操作して迅 速に脱出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例に係る内蔵型引き戸用ロック
装置の斜視図である。

【図２】該引き戸用ロック装置の正面図である。

【図３】該引き戸用ロック装置の背面図である。

【図４】該引き戸用ロック装置の左側面図である。

【図５】図４のＡ−Ａ線断面図である。

【図６】該引き戸用ロック装置の取付状態の平面図であ
る。

【図７】該引き戸用ロック装置の軸棒の斜視図である。

【符号の説明】

１ フロントプレート ２ 操作用開口部 ３ 錠前ユニット ４ 枠壁 ５ リアプレート ６ 軸孔 ７ 軸棒 ８ レバーハンドル ９ 丸孔 １０ フックボルト １１ 角孔 １２ 案内スロット １３ 側面開口 １４ 錠止突起 １５ 駆動突起 １６ 停止突起 １７ 受動突起 １８ 止め金板 １９ ロータ ２０ バネ受けピン ２１ 付勢用バネ ２２ 受け金 ２３ バネ受けピン ２４ バネ受け突起 ２５ 付勢用バネ ２６ ガイド板 ２７ 軸孔 ２８ リリースロッド ２９ 折り曲げ端部 ３０ 窓孔 ４２ 引き戸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 引き戸４２の前面に突き当て固着される
   フロントプレート１の下部に操作用開口部２を設け、フ
   ロントプレート１の上部に錠前ユニット３を固着し、フ
   ロントプレート１の背面側の枠壁４に締付け固着され、
   引き戸４２の後面に突き当て固着されるリアプレート５
   の中間部に軸孔６を設け、該軸孔６に軸棒７の後端丸軸
   部７ｂを回転可能に嵌め込み、レバーハンドル８の基端
   部の丸孔９に軸棒７の前端丸軸部７ａを回転可能に嵌め
   込み、フックボルト１０の基端部の角孔１１に軸棒７の
   中間軸部７ｃを回転不能に嵌め込んで、レバーハンドル
   ８とフックボルト１０を重ね合わせてフロントプレート
   １とリアプレート５の間に収容し、レバーハンドル８の
   先端部を前記開口部２内に臨ませ、フックボルト１０の
   先端部を枠壁４の側面開口１３から横向きに突出させ、
   レバーハンドル８の基端部の上面縁部に錠止突起１４と
   駆動突起１５を左右対称に突設し、フックボルト１０の
   基端部の上面縁部に停止突起１６と受動突起１７を突設
   し、駆動突起１５と受動突起１７が当接した時、錠止突
   起１４と停止突起１６の間に遊び間隔が残るように位置
   設定し、錠止突起１４に係合してレバーハンドル８の回
   転を阻止する止め金板１８を錠前ユニット３のロータ１
   ９に固着し、フックボルト１０をバネ２１によって施錠
   方向に回転付勢し、レバーハンドル８をバネ２５によっ
   て施錠位置へ復帰付勢し、フックボルト１０の中間部上
   面を突き押すリリースロッド２８をリアプレート５側か
   ら操作可能に装備し、リリースロッド２８をバネ３１に
   よって待機位置に復帰付勢した内蔵型引き戸用ロック装
   置。