JPH04107565U

JPH04107565U - トラクターの変速装置

Info

Publication number: JPH04107565U
Application number: JP1100491U
Authority: JP
Inventors: 博晴川口
Original assignee: セイレイ工業株式会社
Priority date: 1991-03-04
Filing date: 1991-03-04
Publication date: 1992-09-17

Abstract

(57)【要約】【目的】ノークラッチ式高低変速装置を過負荷時や旋
回時に自動的に低速側に変速する変速装置を得る。【構成】ノークラッチ式高低変速装置の高低変速アク
チュエーターをアクチュエーターにて回動し、該アクチ
ュエーター、エンジンの出力軸設けた回転数センサー及
び作業機の昇降スイッチをコントローラと接続し、エン
ジン回転数が減少した過負荷時または作業機上昇操作時
にアクチュエーターを作動して低速側に変速し、過負荷
解除時または作業機下降時に高速側に変速すべく構成し
たものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はトラクターのエンジンに過負荷がかかったり、旋回する時に高低変速装置を低速側に自動的に変速するための構成に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来からトラクターの変速装置において、ノークラッチで高低変速を行える技術は公知となっているのである。これらは例えば作業中に負荷が大きくなると低速に減速してトルクを高くしてその負荷を乗り切れるようにしていたのである。この高低変速の操作はノークラッチで変速はできるが、手動により操作しなければならなかったのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このように手動により高低変速を行う構成であると、高速での作業を行っている時に枕地で旋回を行う場合、作業機の負荷がなくなるので旋回速度が速くなり、危険な状態となり、運転者も恐怖感を抱くのである。また、作業中に過負荷となった場合、高速から低速への変速操作は面倒なのでどうしてもタイミングが遅れることになり、エンストを起こしたり無理な負荷がエンジンにかかったりしていたのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような問題点を解消するために、高低変速をノークラッチで行える変速装置において、高低変速アームをアクチュエーターにて回動し、該アクチュエーター及びエンジンＥの出力軸に設けた回転数センサーをコントローラと接続し、エンジン回転数が減少した過負荷時に低速側に変速し、過負荷解除時に高速側に変速すべく構成したものである。また、作業機の昇降スイッチをコントローラに接続し、作業機上昇操作時に低速側に変速し、下降操作時に高速側に変速すべく構成したものである。

【０００５】

【実施例】

本考案の解決しようとする課題及び解決するための手段は以上の如くであり、添付の図面に示した実施例の構成を説明する。図１は本考案の変速装置の配置を示すトラクター側面図、図２は高低変速装置をクラッチハウジングに設けた側面断面図、図３は制御ブロック図である。トラクターのボンネット内にエンジンＥが内装され、該エンジンＥの後部にクラッチハウジング１が付設されている。該クラッチハウジング１内には高低変速装置が内装され、該高低変速装置からユニバーサルジョイントを介してミッションケース２に動力が伝達されのである。

【０００６】前記高低変速装置の構成は図２に示すように、エンジンＥのクランク軸後端がフライホイール３に固設され、該フライホイール３はクラッチハウジング１に横架された入力軸１１上に遊嵌され、該フライホイール３にはクラッチ板４がダイヤフラムスプリング５により付勢されて圧接され、入力軸１１にスプライン嵌合したクラッチ板４に動力を伝えている。前記ダイヤフラムスプリング５はクラッチペダルを踏んで、該クラッチペダルに連設されたアーム６を回動することにより付勢が解除されてクラッチ板４を離し、動力の伝達を断つことができるのである。前記入力軸１１の他側には歯車７が固設され、該歯車７は中間軸１２上の固設歯車９と噛合し、該固設歯車９は出力軸１３上の遊嵌歯車１５とも噛合している。

【０００７】また、中間軸１２上には歯車１４が固設され、該歯車１４に出力軸１３上の遊嵌歯車１６及びワンウエイクラッチ２０上に外嵌された歯車１７の両方に噛合している。そして、前記遊嵌歯車１５には噛み合い歯車が設けられ、摺動歯車２１の噛み合い歯車と噛合可能とし、該摺動歯車２１には更に内歯が設けられ、前記遊嵌歯車１６の外歯車と噛合可能としているのである。そして、該摺動歯車２１は出力軸１３にスプライン嵌合され、軸２２を中心に回動されるアーム２５の回動により摺動歯車２１が摺動されて前記遊嵌歯車１５と遊嵌歯車１６を選択的に噛合でき、該アーム２５は軸２２を介して高低変速アーム２３と連設され、該高低変速アーム２３はアクチュエーター（ソレノイドや電磁シリンダーやモーター等より構成される）２４にて回動されるのである。

【０００８】即ち、遊嵌歯車１５と摺動歯車２１が噛合されているときには、固設歯車９から動力が出力軸１３に伝達されて高速回転され、遊嵌歯車１６と摺動歯車２１が噛合されているときには、歯車１４から動力が出力軸１３に伝達されて低速回転されるのである。そして、アクチュエーター２４を作動して高低変速アーム２３を回動して摺動歯車２１を摺動させて高速から低速、或いは低速から高速へと変速するのであるが、変速のとき歯車が外れて遊嵌歯車１５または１６が空回りして回転数が減少しないように歯車１７からワンウエイクラッチ２０を介して出力軸１３に伝えられて低速回転数で駆動し、このような同期回転部分を構成してメインクラッチを切らずに変速できるようにしているのである。

【０００９】このようなノークラッチ変速機構を有するトラクターにおいて、本考案は旋回時や過負荷によりエンジン回転数が減少したときに低速側へ変速するものであり、エンジンＥの出力軸に回転数センサー３０が配置されてコントローラ３１と接続され、該コントローラ３１はフェンダー２６上に配置されて、変速制御だけでなく作業機Ａの昇降制御・水平制御等も行っており、３３は手動昇降スイッチでありコントローラ３１と接続されている。そして、操作パネル３４上には高低変速を自動または手動に切り換える切換スイッチ３２及び手動で高低変速を行う高低切換スイッチ３５が配設されているのである。

【００１０】このような構成において、高低変速装置は通常高速側に変速されており、エンジンＥの回転数は回転数センサー３０により検知されており、作業中に過負荷がかかってエンジンＥの回転数が設定値以下に低下するとコントローラ３１からアクチュエーター２４に駆動信号が送られて作動し、高低変速アーム２３を回動して摺動歯車２１と遊嵌歯車１６を噛合させて低速に変速し、過負荷が解除されて回転数が増加してくるとアクチュエーター２４をＯＦＦとして高速側に変速するのである。また、枕地に至ると作業機を上昇させて回行するので、昇降スイッチ３３を上昇側にＯＮすると、その信号がコントローラ３１に送られて前記同様にアクチュエーター２４が作動して低速側に切り換え、回行後昇降スイッチ３３を下降側にＯＮするとその信号がコントローラ３１に送られて前記同様にアクチュエーター２４がＯＦＦとして高速側に切り換えるようにしている。但し、昇降スイッチの代わりに、ステアリングのきれ角を検知して高低変速を切り換えることも可能であり、旋回時は高速走行は危険であるので、ステアリングが設定回動角以上となるとコントローラからアクチュエーターに信号を送り、低速側に切り換え、直進になると高速側に切り換えるように構成することも可能である。そして、路上走行等の非作業時では切換スイッチ３２を手動側に切り換えておけば高低切換スイッチ３５により任意に変速操作できるものである。

【００１１】

【考案の効果】

以上のような構成により本考案は次のような効果が得られるのである。即ち、過負荷がかかったときや旋回時には高低変速を自動的に低速に変速できるようになったので、高低変速レバーをその都度変速操作する必要がなくなり、トラクター自体にも無理な負荷が加わらなくなったのである。また、老人や婦人、機械操作に弱い人等であっても安全に運転できるようになったのである。そして、スイッチ操作で高低変速ができるので操作が楽になり、変速レバーが不要になってそのスペースも省け、また、高低変速のアクチュエーターはコントローラに接続されているので、作業機の水平制御等ともリンクでき新たに付加する部品は少なく、そのコストは低く抑えることができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の変速装置の配置を示すトラクター側面
図である。

【図２】高低変速装置をクラッチハウジングに設けた側
面断面図である。

【図３】制御ブロック図である。

【符号の説明】

１クラッチハウジング２３高低変速アーム２４アクチュエーター３０回転数センサー３１コントローラ３３昇降スイッチ３５高低速切換スイッチ

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】高低変速をノークラッチで行える変速装
置において、高低変速アームをアクチュエーターにて回
動し、該アクチュエーター及びエンジンＥの出力軸に設
けた回転数センサーをコントローラと接続し、エンジン
回転数が減少した過負荷時に低速側に変速し、過負荷解
除時に高速側に変速すべく構成したことを特徴とするト
ラクターの変速装置。
【請求項２】高低変速をノークラッチで行える変速装
置において、高低変速アームをアクチュエーターにて回
動し、該アクチュエーター及び作業機の昇降スイッチを
コントローラと接続し、作業機上昇操作時に低速側に変
速し、下降操作時に高速側に変速すべく構成したことを
特徴とするトラクターの変速装置。