JPH0410495B2 - - Google Patents

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JPH0410495B2
JPH0410495B2 JP6262683A JP6262683A JPH0410495B2 JP H0410495 B2 JPH0410495 B2 JP H0410495B2 JP 6262683 A JP6262683 A JP 6262683A JP 6262683 A JP6262683 A JP 6262683A JP H0410495 B2 JPH0410495 B2 JP H0410495B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、粒子分散性が良好で、かつ静電密着
性が高度に改良された主たる繰り返し単位がエチ
レンテレフタレートからなるポリエステルを直接
重合法で製造する方法に関するものである。 ポリエチレンテレフタレートで代表される飽和
線状ポリエステルから得られるフイルムは、すぐ
れた力学特性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、耐
薬品性等を有するため包装用途、写真用途、電気
用途、磁気テープ等の広い分野において多く使用
されている。ところが該ポリエステルフイルム
は、概して摩擦係数が大きく製膜時の工程通過性
が悪いため、摩擦係数が小さくかつ易滑性の優れ
たフイルムを与える様なポリエステルの製法を確
立することが切望されている。 一般にポリエステルフイルムの易滑性を改善す
る方法としては、ポリエステルに不溶性の微粒子
を混合し、フイルムの表面に微細な凹凸を形成す
る方法が採用されており、具体的にはポリエス
テルを製造する際に二酸化チタン、カオリナイ
ト、タルク、シリカ、炭酸カルシウムの様なポリ
エステルに対して不活性な微粒子を添加するいわ
ゆる外部粒子法と、ポリエステル製造反応中に
カルボン酸成分、オリゴマーあるいはP化合物の
いずれかを金属化合物と反応させて微粒子を形成
させるいわゆる内部粒子法とがある。 上記2方法のうち、内部粒子法は微粒子の析出
量や粒子径を常時一定に保つ為には、重合条件を
厳密にコントロールしなければならない。これに
ひきかえ外部粒子法は、添加すべき不活性粒子の
濃度や粒子径を一定に保つことにより、製品の均
質性が容易に保たれるので有用な方法である。し
かしながら、外部粒子法で添加される微粒子はい
ずもポリエステルとの親和性に欠けるため、往々
にしてポリエステルの製造工程中で凝集を起し、
たとえばフイシユアイのような製品欠陥をひき起
すことがある。 フイシユアイ等の凝集粒子が多いと不透明化、
光沢度変化等の光学特性低下やドロツプアウト等
の電磁変換特性低下などの製品欠陥につながるば
かりでなく、極薄フイルムを製造する場合には膜
破れの原因になつたり、ポリマーのフイルター通
過性が悪化する等の操業面にも支障が生ずるので
好ましくない。この微粒子の凝集によるフイシユ
アイ等の生成は、ポリエステルを直接重合法で製
造する場合の方がエステル交換法で製造する場合
よりもより起り易い傾向にあり、ポリエステルを
直接重合法で製造する時に特に大きな問題とな
る。 通常は、添加微粒子の凝集を防止するために分
散剤を併用することが行われているが、一般に分
散剤は製品の耐熱性や電気的特性を阻害するから
分散剤の併用は避けた方が好ましい。そのために
分散剤を併用することなく、添加微粒子の凝集の
ない粒子分散性が良好なポリエステルを直接重合
法で製造する方法の確立が切望されている。 通常ポリエステルフイルムは、ポリエステルを
溶融押出したのち2軸延伸して得られる。この場
合、フイルムの厚みの均一性やキヤステイングの
速度を高めるには、押出口金から溶融押出したシ
ート状物を回転冷却ドラム表面で急冷する際に、
該シート状物とドラム表面との密着性を高めなけ
ればならない。該シート状物とドラム表面との密
着性を高める方法として、押出口金と回転冷却ド
ラムの間にワイヤー状の電極を設けて高電圧を印
加し、未固化のシート状物上面に静電気を折出さ
せて、該シート状物を冷却体表面に密着させなが
ら急冷する方法(以下静電密着キヤスト法とい
う)が有効であることが知られている。 フイルムの厚みの均一性はフイルム品質の中で
極めて重要な特性であり、またフイルムの生産性
はキヤステイング速度に直接依存するため生産性
を向上させるにはキヤステイング速度を高めるこ
とが極めて重要となるため、静電密着性の向上に
多大の努力がはかられている。 静電密着性は、シート状物表面の電荷量を多く
することが有効な手段であることが知られてい
る。また静電密着キヤスト法においてシート状物
表面の電荷量を多くするには、ポリエステルフイ
ルムの製膜において用いられるポリエステル原料
を改質してその比抵抗を低くすることが有効であ
ることが知られている。このポリエステル原料の
比抵抗を低くする方法として、エステル化または
エステル交換反応終了後にアルカリ金属またはア
ルカリ土類金属化合物を添加することが知られて
いる。確かにこの方法でポリエステル原料の比抵
抗が下げられ、静電密着性は一応のレベルには到
達するが、近年市場におけるフイルムの厚みの均
一性に対する要求性能がより厳しくなり、かつ低
コスト化のためにより高度な生産性の向上が望ま
れるようになつてきたので、従来公知の方法で得
たポリエステル原料では高キヤステイング速度で
市場の要求を完全に満足するような高品質フイル
ムを製造することが困難となつてきた。また従来
公知の方法では、比抵抗を下げようとするとどう
しても粗大粒子の析出がおこつて透明性の低下が
起り、透明性が高度に要求される用途へ利用され
るフイルム原料として満足すべき品質を有するポ
リエステルの製造法はこれまで確立されていなか
つた。 本発明者らは上記のような事情に着目し、直接
重合法で粒子分散性が良好でかつ静電密着性が高
度に改良されたポリエステルの製造法を確立すべ
く鋭意研究を行なつた結果、本発明に到達したも
のである。 すなわち本発明は、主たる繰り返し単位がエチ
レンテレフタレートからなるポリエステルを直接
重合法で製造するに際し、(1)固有粘度が0.2に達
するまでの任意の段階で、下記()および
()式を同時に満足する量のMg化合物並びに
NaおよびK化合物より選ばれた少なくとも1種
のアルカリ金属化合物を添加すること、(2)エステ
ル化率91%から固有粘度が0.2に達するまでの間
に、下記()式を満足する量のP化合物を添加
すること、および(3)該アルカリ金属化合物と同時
あるいは該アルカリ金属化合物の添加後で固有粘
度が0.2に達するに、平均粒径0.01〜5.0μの不活性
物質を0.001〜2.0重量%添加することを特徴とす
るポリエステルの製造法である。 30≦Mg≦400 …() 3.0≦M≦50 …() 1.2≦Mg/P≦20 …() 〔式中、MgはMg化合物のポリエステルに対
するMg原子としての添加量(ppm)、Mは(1)で
示すアルカリ金属化合物のポリエステルに対する
金属原子としての添加量(ppm)、Mg/PはMg
原子とP原子との原子数比を示す。〕ここでいう
固有粘度とはポリマーあるいはオリゴマーをフエ
ノール(6重量部)と1,1,2,2,−テトラ
クロルエタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、
30℃で測定したものをさす。また、前記ポリエス
テルは最終的に得られたものをさす。 本発明のポリエステルは、その繰り返し単位の
80モル%以上がエチレンテレフタレートからなる
ものであり、他の共重合成分としてはイソフタル
酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、2.6−ナ
フタレンジカルボン酸、4.4′−ジカルボキシルジ
フエニール、4.4′−ジカルボキシルベンゾフエノ
ン、ビス(4−カルボキシルフエニール)エタ
ン、アジピン酸、セバシン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分があげら
れる。またグリコール成分としてはプロピレング
リコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジ
メタノール、ビスフエノールAのエチレンオキサ
イド付加物等を任意に選択使用することができ
る。この他共重合成分として少量のアミド結合、
ウレタン結合、エーテル結合、カーボネート結合
等を含んでいてもよい。 エステル化反応は回分式および連続式の何れで
もよいが、連続式の方が安定した品質の製品が得
られるので好ましい。連続式でエステル化を行な
う場合には、エステル化反応を2〜4槽の反応缶
に分けて行なうのが反応のコントロール面よりみ
て好ましい。 本発明で用いられるMg化合物は、反応系へ可
溶なものであればすべて使用できる。たとえば水
素化マグネシウム、酢酸マグネシウムのような低
級脂肪酸塩、マグネシウムメトキサイドのような
アルコキサイド等があげられる。 Mg化合物の添加量は、()式で示したよう
に最終的に得られるポリエステルに対してMg原
子として30〜400ppmで、50〜200ppmが特に好ま
しい。 30ppm未満では得られるポリエステル原料の比
抵抗の低下が少なく、その結果静電密着性の向上
が満足できなくなるので好ましくない。逆に
400ppmを越えると静電密着性の向上が頭打ちと
なるうえに、ジエチレングリコール(以下DEG
という)副生量が増加したりポリエステルの耐熱
性が低下する等の品質低下をひき起すので好まし
くない。 本発明で用いられるアルカリ金属化合物は、反
応系へ可溶なものであればすべて使用できる。た
とえばNaおよびKのカルボン酸塩、リン酸塩、
炭酸塩、水素化物およびアルコキサイド等で、具
体的には酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、安息香
酸ナトリウム、安息香酸カリウム、リン酸二水素
ナトリウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸
ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン
酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、重炭酸
ナトリウム、重炭酸カリウム、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウム、ナトリウムメトキサイド、
カリウムメトキサイド、ナトリウムエトキサイ
ド、カリウムエトキサイド等があげられるが、カ
ルボン酸塩の使用が特に好ましい。これらの化合
物は単独で使用してもよく、また2種以上を併用
してもよい。 これらのアルカリ金属化合物の添加量は、()
式で示したように生成するポリエステルに対して
金属原子として3.0〜50ppmの範囲、特に5.0〜
30ppmの範囲が好ましい。 この範囲で添加して初めて高度な静電密着性お
よび粒子分散性が付与される。 アルカリ金属化合物の添加量が3.0ppm未満で
は静電密着性および粒子分散性が低くなるうえ
に、DEG副生量が大巾に増大するので好ましく
ない。逆に50ppmを越すと静電密着性が低下する
ばかりでなく、粒子分散性が頭打ちになり、かつ
粗大粒子の増加、耐熱性の低下、レジンカラーの
悪化等が起るので好ましくない。 これらのMg化合物およびアルカリ金属化合物
の反応系への添加は、初期縮合反応が終了するま
での間の任意の段階で適宜選ぶことができる。初
期縮合反応が終了した時点とは固有粘度が0.2に
達した時をさし、これ以後では反応系の粘度が高
すぎるために添加成分の混合が不均一になり均質
な製品が得られなくなる。またオリゴマーの解重
合が起り、生産性の低下やDEG副生量の増大を
ひき起すので好ましくない。 これらのMg化合物およびアルカリ金属化合物
の反応系への添加は、上記条件を満足すれば単独
で行なつてもよいし、他の添加剤と同時に行なつ
てもかまわない。他の添加剤と同時に添加する方
法は、連続法で実施する場合に反応槽の数を少な
くすることができるので特に好ましい。 本発明で用いられるP化合物としては、リン
酸、亜リン酸、ホスホン酸およびそれらの誘導体
等があげられ、具体例としてはリン酸、リン酸ト
リメチルエステル、リン酸トリエチルエステル、
リン酸トリブチルエステル、リン酸トリフエニル
エステル、リン酸モノメチルエステル、リン酸ジ
メチルエステル、リン酸モノブチルエステル、リ
ン酸ジブチルエステル、亜リン酸、亜リン酸トリ
メチルエステル、亜リン酸トリエチルエステル、
亜リン酸トリブチルエステル、メチルホスホン
酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチル
ホスホン酸ジメチルエステル、フエニールホスホ
ン酸ジメチルエステル、フエニールホスホン酸ジ
エチルエステル、フエニールホスホン酸ジフエニ
ールエステル等であり、これらは単独で使用して
もよく、また2種以上を併用してもよい。 これらのP化合物の添加は、()式で示した
ようにMg/Pの原子数比として1.2〜20の範囲、
好ましくは1.6〜10に設定するのが好ましい。こ
の範囲に設定することにより、P化合物の添加効
果が有効に発揮される。 1.2未満では得られるポリエステル原料の比抵
抗の低下が少なく、その結果静電密着性の向上が
不充分となるので好ましくない。逆に20を越える
と、静電密着性が低下するうえに耐熱性やレジン
カラーが悪化するので好ましくない。 これらのP化合物の反応系への添加は、エステ
ル化率が91%以上進行した時点から初期縮合反応
が終了するまでの間に行なう必要がある。 エステル化率が91%未満で添加した場合は、静
電密着性の向上が不充分となるので好ましくな
い。またDEGの副生量が増加し、かつ重合活性
の低下が起り重合生産性が低下するので好ましく
ない。逆に初期縮合反応が終了した後に添加する
と、反応系の粘度が高すぎるために添加成分の混
合が不均一になり均質な製品が得られなくなる。
またオリゴマーの解重合が起り、生産性の低下や
DEG副生量の増大をひき起すので好ましくない。 さらに、P化合物の反応系への残存量が低くな
るので好ましくない。 これらのP化合物の反応系への添加は、上記条
件を満足すれば単独で行なつてもよいし、他の添
加剤と同時に行なつてもかまわない。 本発明方法において、添加する微粒子は平均粒
径が0.01〜5.0μの不活性物質であれば格別の制約
を受けるものでなく、無機微粒子あるいは有機微
粒子のどちらを用いてもかまわない。 具体的には二酸化チタン、シリカ、アルミナ、
マグネシア、カオリナイト、タルク等の金属の酸
化物、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸カ
ルシウム等の金属塩、スチレン−ジビニールベン
ゼン共重合体等の有機高分子ゲル等があげられ
る。 これらの微粒子は単独で用いてもよいし、2種
以上を併用してもかまわない。特に2種以上を併
用する方法は、フイルムの耐摩耗特性が改良され
るので有用な方法である。 なお、ここに言う平均粒径とは、ストークスの
式に基ずいて算出された等価球形粒度分布の積算
50%点における径をさす。該平均粒径が0.01μ未
満では、易滑性の向上が満足できなくなるので好
ましくない。逆に平均粒径が5μを越えると不透
明化や光沢度低下等の光学特性低下、ドロツプア
ウト等の電磁変換特性低下等がひき起されるので
好ましくない。 これらの微粒子の添加量は、最終的に得られる
ポリエステルに対して0.001〜2.0重量%で、0.01
〜1.0重量%が特に好ましい。0.001重量%未満で
は、易滑性の向上が満足できなくなるので好まし
くない。逆に2.0重量%を越えると、不透明化や
光沢度低下がひき起されるので好ましくない。 これらの微粒子の反応系への添加は、前記のア
ルカリ金属化合物と同時あるいはアルカリ金属化
合物の添加後であれば、初期縮合反応が終了する
までの任意の段階で適宜選ぶことができる。 初期縮合反応が終了した後に添加すると、反応
系の粘度が高すぎるために添加成分の混合が不均
一になり均質な製品が得られなくなる。また微粒
子をエチレングリコールや水のスラリーとして添
加する場合には、オリゴマーの解重合が起り、生
産性の低下やDEG副生量の増大をひき起すので
好ましくない。たとえ初期縮合反応終了前に添加
したとしても、アルカリ金属化合物と同時あるい
はアルカリ金属化合物の添加後でないと本発明方
法の効果は発現されない。すなわち、微粒子をア
ルカリ金属化合物の添加前に添加すると、粒子の
分散性が低下し、フイシユアイ等の凝集物が生成
するので好ましくない。上記条件を満せば本発明
方法の効果が発現されるが、エステル化反応が実
質的に終了した後に微粒子を添加する方が、本発
明方法の効果がより大きく発現されるので特に好
ましい。 微粒子をアルカリ金属化合物と同時に添加する
態様としては、微粒子とアルカリ金属化合物を別
個の供給口よりそれぞれ単独で添加してもよい
し、また微粒子のスラリー溶液にアルカリ金属化
合物を添加しておいて反応系へ供給してもよい。 上記添加剤は粉体、スラリー状および溶液のい
ずの形態で添加してもよいが、Mg化合物、アル
カリ金属化合物およびP化合物はエチレングリコ
ール溶液として、また微粒子はエチレングリコー
ルスラリーとして添加するのが最も好ましい。 前記添加剤を添加する時の反応系の温度は、
290℃までの温度範囲であればいずれでもかまわ
ない。最適温度は添加剤を添加する時期により異
なり、たとえばエステル化反応開始前に添加する
場合には室温から180℃までの温度範囲が好まし
く、またエステル化反応開始以降で添加する場合
には230℃〜290℃、特に240℃〜270℃の範囲が好
ましい。 230℃未満では、オリゴマーの固化が起るので
好ましくない。逆に290℃を越えた時点で添加す
ると、DEG副生量や着色が増大する等の副反応
が促進されるので好ましくない。 以上のように限定された条件を満たすことによ
り初めて粒子分散性と静電密着性の両方を同時
に、かつ高度に改良できることを見いだしたもの
である。 特に、極めて微量のアルカリ金属化合物の添加
で粒子分散性や静電密着性が向上することは驚く
べきことである。これらのアルカリ金属化合物の
添加による粒子分散性や静電密着性が向上する作
用機構は不明であるが、たとえば静電密着性の向
上はこれらのアルカリ金属化合物の添加により
Mg化合物、P化合物およびオリゴマーの3者の
反応生成物の組成が微妙に変化し、電気伝導的に
高活性な化合物が生成するためであると考えられ
る。 重縮合反応は回分式および連続式のいずれを採
用してもよい。また重縮合触媒としては、従来公
知の触媒の中から適宜選択して使用することがで
きる。 次に本発明の実施例および比較例を示す。実施
例中の部は、特にことわらないかぎりすべて重量
部を意味する。 また用いた測定法を以下に示す。 (1) エステル化反応率 反応生成物中に残存するカルボキシル基の量と
反応生成物のケン化価とから求める。 (2) 固有粘度 ポリマーあるいはオリゴマーをフエノール(6
重量部)とテトラクロルエタン(4重量部)の混
合溶媒に溶解し、30℃で測定する。 (3) ポリマーの溶融比抵抗 275℃で溶融したポリエステル中に2枚の電極
板をおき、120Vの電圧を印加した時の電流値
(iο)を測定し、比抵抗値(ρi)を次式により求
める。 ρi(Ω・cm)=A/l×V/iο A=電極面積(cm2) l=電極間距離(cm) V=電圧(V) (4) 静電密着性 押出し機の口金部と冷却ドラムとの間にタング
ステンワイヤー製の電極を設け、電極とキヤステ
イングドラム間に10〜15KVの電圧を印加してキ
ヤステイングを行ない、得られたキヤステイング
原反の表面を肉眼で観察し、ビンナーバブルの発
生が起り始めるキヤステイング速度で評価する。
キヤステイング速度が大きいポリマー程、静電密
着性が良好である。 (5) フイルムの動摩擦係数 ASTM−D−1894−63Tに準じ、23℃、65%
RH、引張速度200m/分の条件で測定する。 (6) ポリマー中の凝集粒子数 2枚のアルミホイルの間にポリマーをはさみ、
285℃の温度でヒートプレスし厚さ約350μのシー
トを作製する。該シートを95℃の温度で縦方向、
横方向ともに3.5倍に同時に延伸し、厚さ約25μの
延伸シートを得る。該延伸シートをポーラロスコ
ープで観察し、10cm2当りに存在する星状に輝く異
物の数をカウントする。 実施例 1 撹拌装置、分縮器、原料仕込口および生成物取
り出し口を設けた2段の完全混合槽よりなる連続
エステル化反応装置を用い、その第1エステル化
反応缶のエステル化反応生成物が存在する系へ
TPAに対するEGのモル比1.7に調整し、かつ三
酸化アンチモンをアンチモン原子としてTPA単
位当り289ppmを含むTPAのEGスラリーを連続
的に供給した。 同時にTPAのEDスラリー供給口とは別の供給
口より酢酸マグネシウム四水塩のEG溶液と酢酸
ナトリウムのEG溶液を反応缶内を通過する反応
生成物中のポリエステル単位ユニツト当りそれぞ
れMg原子およびNa原子として100ppmおよび
10ppmとなるように連続的に供給し、常圧にて平
均滞留時間4.5時間、温度255℃で反応させた。 この反応生成物を連続的に系外に取り出して、
第2エステル化反応缶に供給した。第2エステル
化反応缶内を通過する反応生成物中のポリエステ
ル単位ユニツトに対して0.5重量部のEG、トリメ
チルホスフエートのEG溶液をP原子として
64ppmおよび平均粒径が2.5μの湿式法で製造され
たシリカのEGスラリーをシリカとして900ppmと
なるようにそれぞれ別個の供給口より連続的に供
給し、常圧にて平均滞留時間5.0時間、温度260℃
で反応させた。第1エステル化反応缶の反応生成
物のエステル化率は70%であり、第2エステル化
反応缶の反応生成物のエステル化率は98%であつ
た。また固有粘度は0.1以下であつた。 該エステル化反応生成物を撹拌装置、分縮器、
原料仕込口および生成物取り出し口を設けた2段
の連続重縮合反応装置に連続的に供給して重縮合
を行ない、固有粘度0.620のポリエステルを得た。
このポリマーの品質および該ポリマーを290℃で
溶融押出しし、90℃で縦方向に3.5倍、130℃で横
方向に3.5倍延伸した後、220℃で熱処理して得ら
れた12μのフイルムの動摩擦係数を表1に示し
た。 表1より明らかなごとく、本発明方法で得たポ
リエステルはポリマー中の凝集粒子が少なく、粒
子分散性に優れ、かつ静電密着性が高度に高く極
めて高品質であることがわかる。また、フイルム
の滑り性も良好である。 比較例 1 実施例1の方法において、シリカのEGスラリ
ーの添加を取りやめる以外、実施例1と同じ方法
により得たポリマーの品質およびフイルムの動摩
擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、粒子分散性および静電密着
性は良好であるが、フイルムの滑り性が極端に悪
い。 比較例 2 実施例1の方法において、酢酸マグネシウム四
水塩、酢酸ナトリウムおよびトリメチルホスフエ
ートのそれぞれのEG溶液の添加を取りやる以外、
実施例1と同じ方法により得たポリマーの品質お
よびフイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、フイルムの滑り性は良好で
あるが、粒子分散性および静電密着性が極端に悪
い。 比較例 3 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液の添加を取りやめる以外、実施例1と同
じ方法により得たポリマーの品質およびフイルム
の動摩擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、フイルムの滑り性は良好で
あるが、粒子分散性が極端に悪い。また静電密着
性も劣つている。 比較例 4 実施例1の方法において、トリメチルホスフエ
ートのEG溶液添加量をP原子として64ppmから
129ppmに増加し、Mg/Pを2.0から1.0に下げる
以外、実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質
およびフイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、粒子分散性およびフイルム
の滑り性は良好であるが、静電密着性が悪い。 比較例 5 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液の添加をNa金属原子として10ppmから
100ppmに増す以外、実施例1と同じ方法で得た
ポリマーの品質およびフイルムの動摩擦係数を表
1に示した。 本比較例の方法は、粒子分散性およびフイルム
の滑り性は良好であるが、静電密着性が劣つてい
る。 比較例 6 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液の添加を第1エステル化反応缶から第2
エステル化反応缶へ移し、かつシリカのEGスラ
リーの添加を第2エステル化反応缶から第1エス
テル化反応缶へ移す以外、実施例1と同じ方法で
得たポリマーの品質およびフイルムの動摩擦係数
を表1に示した。 本比較例の方法は、静電密着性およびフイルム
の滑り性は良好であるが、粒子分散性が極端に悪
い。 実施例 2 実施例1の方法において、シリカのEGスラリ
ーの添加を第2エステル化反応缶から第1エステ
ル化反応缶へ移し、酢酸ナトリウムのEG溶液と
同時に添加するよう変更する以外、実施例1と同
じ方法で得たポリマーの品質およびフイルムの動
摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、粒子分
散性、静電密着性およびフイルムの滑り性が良好
で、極めて高品質である。 実施例 3 実施例1の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液をシリカのEGスラリーに混合して第2エ
ステル化反応缶へ添加するように変更する以外、
実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質および
フイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、極めて
高品質である。 実施例 4 実施例1の方法において、酢酸マグネシウム四
水塩のEG溶液の添加量をMg原子として100ppm
から150ppmとし、トリメチルホスフエートのEG
溶液をリン酸のEG溶液に変更し、かつその添加
量をP原子として64ppmから98ppmとし、更に酢
酸ナトリウムのEG溶液を酢酸カリウムのEG溶液
に変更し、かつその添加量をNa原子として
10ppmからK原子として5ppmに変更する以外、
実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質および
フイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは極めて高
品質である。 実施例 5 実施例1の方法において、シリカのEGスラリ
ーを平均粒径0.7μのカオリナイトのEGスラリー
に変更し、かつその添加量を2000ppmとする以
外、実施例1と同じ方法で得たポリマーの品質お
よびフイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、極めて
高品質である。 実施例 6 実施例5の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液をカオリナイトのEGスラリーに混合して
第2エステル化反応缶へ添加するように変更する
以外、実施例5と同じ方法で得たポリマーの品質
およびフイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、極めて
高品質である。 比較例 7 実施例5の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液の添加を第1エステル化反応缶から第2
エステル化反応缶へ移し、かつカオリナイトの
EGスラリーの添加を第2エステル化反応缶から
第1エステル化反応缶へ移す以外、実施例5と同
じ方法で得たポリマーの品質およびフイルムの動
摩擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、静電密着性およびフイルム
の滑り性は良好であるが、粒子の分散性が極端に
悪い。 実施例 7 実施例5の方法において、酢酸マグネシウム四
水塩のEG溶液の添加を第1エステル化反応缶か
ら第2エステル化反応缶へ移す以外、実施例5と
同じ方法で得たポリマーの品質およびフイルムの
動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、極めて
高品質である。 実施例 8 実施例3の方法において、シリカのEGスラリ
ーに替え、かつ硫酸バリウム添加量を生成ポリエ
ステルに対して7000ppmとなるように変更する以
外実施例3と同じ方法で得たポリマーの品質およ
びフイルムの動摩擦係数を表1に示した。 本実施例の方法で得たポリエステルは、極めて
高品質である。 比較例 8 実施例8の方法において、酢酸ナトリウムの
EG溶液の添加をとりやめる以外、実施例1と同
じ方法により得たポリマーの品質およびフイルム
の動摩擦係数を表1に示した。 本比較例の方法は、フイルムの滑り性は良好で
あるが粒子分散性が悪い。また静電密着性も劣つ
ている。
【表】
【表】 * アルカリ金属化合物を滑剤のスラリーに混合して
添加

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレー
    トからなるポリエステルを直接重合法で製造する
    に際し、(1)固有粘度が0.2に達するまでの任意の
    段階で下記()および()式を同時に満足す
    る量のMg化合物並びにNaおよびK化合物より選
    ばれた少なくとも1種のアルカリ金属化合物を添
    加すること、(2)エステル化率91%から固有粘度が
    0.2に達するまでの間に下記()式を満足する
    量のP化合物を添加すること、および(3)該アルカ
    リ金属化合物を同時あるいは該アルカリ金属化合
    物の添加後の固有粘度が0.2に達するまでに、平
    均粒径0.01〜5.0μの不活性物質を0.001〜2.0重量
    %添加することを特徴とするポリエステルの製造
    法。 30≦Mg≦400 …() 3.0≦M≦50 …() 1.2≦Mg/P≦20 …() 〔式中、MgはMg化合物の最終的に得られた
    ポリエステルに対するMg原子として添加量
    (ppm)、Mは(1)で示すアルカリ金属化合物の最終
    的に得られたポリエステルに対する金属としての
    添加量(ppm)、Mg/PはMg原子とP原子の原
    子数比を示す。 そして前記固有粘度とはポリマーあるいはオリ
    ゴマーをフエノール(6重量部)と1,1,2,
    2,−テトラクロルエタン(4重量部)の混合溶
    媒に溶解し、30℃で測定したものをさす。〕
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