JP2663563B2 - ポリエステルフイルムの製造法 - Google Patents

ポリエステルフイルムの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は厚みの均一性に優れたポリエステルフイルム
を高能率で製造する方法に関するものである。
(従来の技術) ポリエチレンテレフタレートで代表される飽和線状ポ
リエステルは、すぐれた力学特性、耐熱性、耐候性、電
気絶縁性、耐薬品性等を有するため包装用途、写真用
途、電気用途、磁気テープ等の広い分野において多く使
用されている。通常ポリエステルフイルムは、ポリエス
テルを溶融押出したのち2軸延伸して得られる。この場
合、フイルムの厚みの均一性やキャスティングの速度を
高めるには、押出口金から溶融押出したシート状物を回
転冷却ドラム表面で急冷する際に、該シート状物とドラ
ム表面との密着性を高めなければならない。該シート状
物とドラム表面との密着性を高める方法として、押出口
金と回転冷却ドラム間にワイヤー状の電極を設けて高電
圧を印加し、未固定化のシート状物上面に静電気を析出
させて、該シートを冷却体表面に密着させながら急冷す
る方法(以下静電気密着キャスト法という)が有効であ
ることが知られている(例えば特公昭37−6142)。
フイルムの厚みの均一性はフイルム品質の中で極めて
重要な特性であり、またフイルムの生産性はキャスティ
ング速度に直接依存するため生産性を向上させるにはキ
ャスティング速度を高めることが極めて重要となるた
め、静電密着性の向上に多大の努力がはかられている。
静電密着性は、シート状物表面の電荷量を多くするこ
とが有効な手段であることが知られている。
また静電密着キャスト法においてシート状物表面の電
荷量を多くするには、ポリエステルフイルムの製膜にお
いて用いられるポリエステル原料を改質することが有効
な手段であることが知られている。
従来該改質法としてはポリエステルの製造工程でアル
カリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、マンガンや
亜鉛化合物を添加する方法が知られている。しかしなが
ら該方法で高度な静電密着性を附与するためには多量の
金属化合物を添加する必要がある。これらの金属化合物
を添加するとポリエステルの安定性が低下するという問
題がある。リン化合物を併用することにより安定性を向
上させる方法が提案されているが満足できるレベルに達
しているとはいえない。
(発明が解決しようとする課題) 本発明者等は前述の実情に鑑み出来るだけ少量の金属
化合物で高度な静電密着性を附与する方法を鋭意検討し
本発明を完成した。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記(I)および(II)式を同時に満足する
量の亜鉛化合物およびアルカリ金属化合物を含むポリエ
ステル組成物をフイルム状に溶融押出しし、ついで溶融
押出ししたフイルムを回転冷却ロールに静電気的に密着
させ急冷固化させることを特徴とするポリエステルフイ
ルムの製造方法である。
5≦Zn≦500 ……(I) 0.1≦Zn/M≦20 ……(II) 本発明の好ましい実施態様は前記本発明においてポリ
エステルフイルムを更に少くとも1方向に1.1倍以上延
伸するポリエステルフイルムの製造法である。
本発明のポリエステルは2塩基酸と2価アルコールか
ら得られるフイルム形成能を有するポリエステルまたは
その共重合体であればいずれでもよい。かかるポリエス
テルとしてはポリエチレンテレフタレートおよびその共
重合体が代表的なものであるがこれらに限定されるもの
ではない。
本発明の方法は従来公知の方法に比べ重合活性が高い
という特徴を有しているので、重合反応の遅い共重合体
に適用することが特に好適である。本発明のポリエステ
ルの製造方法は、通常の溶融重縮合法によるものであれ
ば特に限定されないがジカルボン酸とグリコールとの反
応により製造されるいわゆる直接重合法に適用するのが
好ましい。
また、回分式および連続式のどちらの製造法にも適用
できる。
本発明で用いられるZn化合物は、反応系へ可溶なもの
であればすべて使用できる。たとえば、酢酸亜鉛や安息
香酸亜鉛等の有機酸塩、塩化亜鉛等のハロゲン化物、亜
鉛のアセチルアセトナート塩等があげられる。該Zn化合
物の添加量は(I)式で示すように最終的に得られるポ
リエステルに対してZn原子として5〜500ppmで20〜300p
pmが特に好ましい。
5ppm未満では静電密着性向上効果が小さくなるので好
ましくない。逆に500ppmを越えると静電密着性向上効果
が飽和し、かつ、ポリエステルの耐熱性の低下が引き起
されるので好ましくない。本発明で用いられるアルカリ
金属化合物は反応系へ可溶なものであれば全て使用でき
る。たとえばLi、NaおよびKのカルボン酸塩、リン酸
塩、炭酸塩、水素化物およびアルコキサイド等で、具体
的には酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、
安息香酸リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリ
ウム、リン酸二水素カリウム、ピロリン酸ナトリウム、
ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリ
ポリリン酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウ
ム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウ
ム、、リチウムメトキサイド、ナトリウムメトキサイ
ド、カリウムメトキサイド、リチウムエトキサイド、ナ
トリウムエトキサイド、カリウムエトキサイド等があげ
られるが、カルボン酸塩の使用が特に好ましい。これら
の化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を併用
してもよい。
該アルカリ金属化合物の添加量は(II)式で示すよう
にZn金属/アルカリ金属の原子比で0.1〜20の範囲にす
る必要がある。0.3〜10の範囲が特に好ましい。金属の
原子比が0.1〜20の範囲をはずれると静電密着性の向上
効果が少くなるので好ましくない。また、0.1未満では
アルカリ金属による析出粒子が増大し、フイルムの透明
度が低下したり異物の発生が増大する等の悪影響がでる
ので好ましくない。
該Zn化合物やアルカリ金属化合物の添加時期は特に限
定はなく、ポリエステルの製造開始時よりフイルム状に
溶融押出しする時点までの任意の段階で行うことができ
る。該化合物を出来るだけ均一にポリエステルに溶解し
異物の発生を抑える意味から、ポリエステルの製造工程
で添加するのが好ましい。特に初期縮合を開始するまで
に添加するのが好ましい。また、Zn化合物とアルカリ金
属化合物は、同時に添加しても別個に添加してもかまわ
ない。別個に添加する場合の添加順序も限定を受けな
い。更に高濃度のZn化合物およびアルカリ金属化合物を
含有するポリエステル、いわゆるマスターポリマーを別
途製造し、製膜の溶融押出しの段階で含有量の所定量に
調製するマスターポリマー方式を採用してもよい。
Zn化合物やアルカリ金属化合物をポリエステル製造工
程で添加する場合は、ポリエステルの製造に使用される
グリコールに溶解し反応系へ添加するのが好ましい。
本発明の方法においてはZn化合物が重縮合活性を有す
るので他の重縮合触媒を添加することなくポリエステル
を製造してもよいが、Sb、TiおよびGe等の他の重縮合触
媒を併用するのが好ましい。熱安定性や色調改良等の目
的でCo化合物や有機の坑酸化剤等の安定剤を併用しても
かまわない。また、ポリエステルフイルムの滑り性を改
良する目的で無機あるいは有機微粒子よりなる滑剤や潤
滑剤等の併用も何ら制限を受けない。
本発明方法においては静電印加装置の構造や静電印加
条件に対する限定はなく任意に設定すればよい。たとえ
ば静電印加装置の構造としては電極構造、対電極の有
無、電極や対電極と押出口や冷却ロール等の位置関係、
静電印加条件としては設定電圧および電流値を任意に設
定すればよい。
本発明方法におけるフイルムは未延伸フイルム、一軸
延伸フイルム、二軸延伸フイルムのいずれでもかまわな
いが少くとも1方向に1.1倍以上、好ましくは2.5倍以上
延伸することが力学特性その他の物性を向上させ種々の
用途に供する上で好ましい。
(実施例) 次に本発明の実施例および比較例を示す。実施例中の
部は特にことわらないかぎりすべて重量部を意味する。
また用いた測定法を以下に示す。
(1) 固有粘度 ポリマーをフェノール(6重量部)とテトラクロルエ
タン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定す
る。
(2) 静電密着性 押出し機の口金部と冷却ドラムとの間にタングステン
ワイヤー製の電極を設け電極とキャスティングドラム間
に10〜15KVの電圧を印加してキャスティングを行ない、
得られたキャスティング原反の表面を肉眼で観察しピン
ナーバブルの発生が起こり始めるキャスティング速度で
評価する。キャスティング速度が大きいポリマー程静電
密着性が良好である。
(3) 縦方向の厚みむら 接触式連続厚み計でフイルム長さ10mについてフイル
ム厚さを測定し下記式で厚みむらを算出した。
実施例1 (1) ポリエステルの製造法 テレフタル酸519部、エチレングリコール(EG)357
部、ネオペンチルグリコール50部、三酸化アンチモン0.
150部、酢酸ナトリウム0.0428部、酢酸亜鉛の二水塩0.2
6部を撹拌機、蒸留塔及び圧力調整器を備えたステンレ
ス製オートクレーブに仕込み窒素置換後加圧してゲージ
圧2.5kg/cm2に保ち240℃で生成する水を蒸留塔の頂部よ
り連続的に除去しながらエステル化反応を行なった。反
応開始後120分経過してから放圧し、エステル化率が98
%の生成物を得た。このエステル化生成物に平均粒径が
0.7μmのカオリナイト1.2部を8容量部のEGに分散液を
添加し、常圧、240℃にて10分間撹拌した後、240℃の重
縮合反応器に移し、45分を要して275℃まで昇温しつつ
反応系の圧力を徐々に下げて0.05mmHgとし更に同温度、
同圧力で約70分間重縮合反応を行ない固有粘度0.681の
ポリエステルを得た。得られたポリエステルの静電密着
性は65m/分であった。
(2) フイルムの製造 (1)で得られたポリエステルを下記条件で製膜を実
施したところ、220m/分の引取速度で製膜してもフイル
ム表面に欠点がまったくなくかつ縦方向の厚みむらが6.
5%以下の高品質のフイルムが得られた。
製膜条件 フイルム厚み:12μ(2軸延伸後) 押出し温度:290℃ 静電密着条件:0.25mmφSUS電極印加電圧10〜15KV 縦延伸倍率:3.5倍 縦延伸温度:90℃ 横延伸倍率:3.5倍 横延伸温度:130℃ 熱セット温度:220℃ 比較例1 実施例1の(1)の方法において、酢酸ナトリウムを
添加しない以外実施例1の(1)と同じ方法でポリエス
テルを製造した。得られたポリエステルの静電密着性は
低く38m/分であった。
該ポリエステルを実施例1の(2)と同じ方法で製膜
したが、最高製膜速度は低く130m/分であった。
比較例2 実施例1の(1)の方法において、酢酸亜鉛二水塩を
添加しない以外実施例1の(1)と同じ方法でポリエス
テルを製造した。得られたポリエステルの静電密着性は
低く15m/分であった。
該ポリエステルを実施例1の(2)と同じ方法で製膜
したが、最高製膜速度は低く50m/分以下であった。
実施例2〜4 実施例1の(1)に準じて表1に示した組成のポリエ
ステルを製造し、実施例1の(2)と同じ方法で製膜し
た時の結果を表1に示す。いずれの場合も高速で製膜し
ても高品質のフイルムが得られた。
(発明の効果) 以上実施例で示したごとく、本発明方法によって厚み
の均一性に優れ高品質のポリエステルフイルムを高速度
で製膜出来るという効果がある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(I)および(II)式を同時に満足す
    る量の亜鉛化合物およびアルカリ金属化合物を含むポリ
    エステル組成物をフイルム状に溶融押出しし、ついで溶
    融押出ししたフイルムを回転冷却ロールに静電気的に密
    着させ急冷固化させることを特徴とするポリエステルフ
    イルムの製造法。 5≦Zn≦500 ……(I) 0.1≦Zn/M≦20 ……(II)
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