JPH04102533U - サーモスタツトスイツチ用キヤツプおよびブラケツト集合体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サーモスタットスイッチ用金属製キャップ１
６を集熱作用をなす金属製ブラケット１２に熱伝達が良
好であるようかつコストがかからないように連結する。 【構成】 主部分２２とこれよりも径の小さい縮小端部
２４とこれらの間の中間端壁２８と前記縮小端部２４を
閉じる終端壁３０とからなるサーモスタットスイッチ用
キャップ１６を、ブラケット１２の開口１４に前記縮小
端部２４で嵌め込み、その後、前記縮小端部２４の円筒
状壁をスエージングまたはクリンプ加工してブラケット
１２の開口１４の周縁に係合させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】 本考案はサーモスタットスイッチ装置に関し、さらに詳しくはサーモスタット スイッチ用キャップおよびブラケット集合体に関する。

【０００２】 キャップ部分とこのキャップ部分にバイメタル作動デイスクとを入れたハウジ ングよりなる型式のサーモスタットスイッチ装置を各種の温度関連のスイッチ応 用分野に用いることは公知である。多くの温度関連のスイッチの用途では、例え ば火災警報装置などにおいては、バイメタルデイスク作動のサーモスタットスイ ッチの応動時間はこれを用いた装置がその意図した機能を効果的に果すためには 最小限にされなければならない。さらに、バイメタルデイスク作動スイッチの応 動時間はキャップに収められたこのスイッチのバイメタルデイスクに熱を集めか つ（または）伝達するためキャップに取付けられた熱伝達ブラケットがこのスイ ッチに含まれていれば大きく減少できることは公知である。多くの場合、この型 式のスイッチのブラケットはキャップがスイッチの他の構成要素と組合わされる 前にキャップと組立てられており、極板または開口を備えたデイスク状要素より なる。この型式キャップおよびブラケット集合体のキャップは一般にカップ形の 形状で、このキャップはその開口端を形成する拡大された実質的環状主部分と閉 じ端を形成する縮小された実質的環状端部分とよりなる。さらに、この型式のキ ャップおよびブラケットのキャップは、好ましくは、キャップがそれぞれのブラ ケットと組合された関係にはめ込まれると、キャップの端部分がそれぞれのブラ ケットの開口にきちんと取付けられる関係にはめ込まれ、ブラケットがそれぞれ のキャップの主部分に隣接して配置されるように寸法決めされ形状につくられて いる。さらに、この型式のキャップおよびブラケット集合体のキャップは一般に 溶接によって組合せられた関係に固定される。この型式のキャップおよびブラケ ット集合体よりなるサーモスタットスイッチ装置を用いるために、スイッチ装置 はこのスイッチ装置のブラケットが他の要素と（または）周囲区域における空気 と熱連絡した状態に配置されるように取付けられている。従って、ブラケットが 熱連絡している他の要素と（または）周囲区域における空気に温度変化がおこる と、ブラケットに対応的温度変化が生れ、この温度変化はキャップおよびブラケ ット集合体のキャップ部分を介してスイッチ装置のバイメタルデイスクに伝達さ れる。従って、この型式のブラケットはこの装置のバイメタルデイスクと他の要 素および（または）周囲区域における空気との間の熱連絡を増加させることによ って装置の応動時間を大きく短縮するために作動する。

【０００３】 上記型式の熱伝達ブラケットの使用がサーモスタットスイッチ装置の応動時間 を短縮させる効果的装置であることが判ったが、上記型式のキャップおよびブラ ケット集合体は比較的に製造費が高く、多くの場合、サーモスタットスイッチ装 置の応動時間をさらに短縮させることでも望ましいことが判った。この点におい て、抵抗溶接かまたは超音波溶接によって上記型式の集合体のキャップおよびブ ラケット部分を固着することは従来から一般に標準的慣行である。しかし、この 型式の集合体のキャップおよびブラケット部分は、これら部分が確かな材料、例 えばステンレス鋼などでつくられている場合、抵抗溶接により始めて効果的に固 定できること、またこれらの材料、特にステンレス鋼を用いることによってこの 型式の集合体の材料費が大幅に増加することが多いことも判明した。他方、この 型式の集合体のキャップおよびブラケット部分を熱伝達特性の優れたアルミニウ ムでつくった場合には超音波溶接によって始めて効果的に溶接できる。しかし超 音波溶接は比較的高価な工法であるので、これもまたこの型式のキャップおよび ブラケット集合体のキャップおよびブラケットのコストを大幅に増加させる。さ らに、この型式の集合体のキャップおよびブラケット部分が超音波溶接される場 合、この集合体をサーモスタットスイッチに組立てる時にバイメタルデイスクを 支えさせるキャップの内面に凹凸ができることが多い。不都合なことには、この 種の表面凹凸はバイメタルデイスクのスナップ動作または曲り運動に対する摩擦 抵抗を増加し、これがスイッチの反復性を大きく低下させることが判明した。

【０００４】 最後にいえば、この型式の集合体のキャップおよびブラケット部分が抵抗溶接 または超音波溶接で固着される場合は、ある特定の箇所が相互に接触するだけで 、これが両者間の熱伝達を制限することが判った。

【０００５】 本考案は公知のキャップおよびブラケット集合体の欠点の多くを克服するサー モスタットスイッチ用キャップおよびブラケット集合体を提供せんとするもので ある。本考案のキャップおよびブラケット集合体は実質的に環状の主部分および 実質的に端部分を有する金属製カップ形キャップと、このキャップに支えられる 開口を有する金属製ブラケットとよりなる。さらに詳しく述べると、キャップの 縮小端部分がブラケットの開口にはめ込まれ、キャップの端部分が縁曲げされて キャップの主部分と端部分との間でブラケットを緊密係合状態に捕捉するように ブラケットはカップ形キャップと組合せられる。キャップの端部分は好ましくは 終端壁と主部分からこの終端壁へ延びる端部分側壁とよりなり、端部分側壁は主 部分から端部分の終端壁へ至る端部分側壁の範囲がブラケットの厚さの少なくと も３倍、またはブラケットのうちキャップに隣接する部分の厚さの少なくとも３ 倍になるように寸法決めされることが好ましい。さらに、キャップは全体的な構 造剛性を一定量備えているように構成されているが、キャップの端部分はその金 属の厚さがキャップの主部分の金属厚さより少なくとも３０％少なくしてブラケ ットとキャップに入れられたバイメタルデイスクとの間の熱連絡を増加させるよ うに形成されることが好ましい。キャップの終端壁は好ましくは実質的に平らな 形状に形成され、キャップの主部分は好ましくは主部分側壁とこの主部分側壁か らキャップの端部分に内側へ延びる中間端壁とよりなる。キャップがこのように して構成されると、ブラケットが主部分の中間端壁と端部分の終端壁との間で緊 密係合状態に捕捉されてキャップとキャップの全周面を取囲むブラケットとの間 に均等な金属対金属接触を与えるようにキャップおよびブラケット集合体に組付 けられることが好ましい。

【０００６】 本考案のキャップおよびブラケット集合体はキャップの端部分がブラケットの 開口にはめ込まれるように上記型式の実質的に環状の金属キャップを上記型式の ブラケットと組合せる工程と、キャップの主部分とキャップの端部分との間にブ ラケットを緊密係合状態に捕捉するためキャップの端部分を縁曲げする工程で作 られる。好ましき形態においては、上記工程は、ブラケットが端部分の終端壁と 主部分の中間端壁との間に緊密係合状態に捕捉されるように、かつ実質的に平ら な環状リングがバイメタルデイスクを支えるためにキャップの内部に設けられる ように、端部分を軸方向に圧縮することによって、おこなわれる。

【０００７】 本考案のキャップおよびブラケット集合体は公知の集合体より著しく進歩した ものである。特に、ブラケットをキャップに固定するのにキャップの端部分を縁 曲げしてブラケットを挟着することによっておこなわれるために、ブラケットと キャップ内のバイメタルデイスク間の熱連絡が増加するようにキャップとキャッ プの全周面を取囲むブラケットとの間の緊密な金属対金属の接触が事実上保証さ れる。さらに、キャップの端部分が縮小壁厚を有するように形成されることが好 ましいので、ブラケットとキャップに入れられたバイメタルデイスクとの間の熱 連絡がさらに増強すらされる。さらに、ブラケットはキャップの端部分を縁曲げ することによってキャップに固着されるので、実質的に平らで滑らかな環状リン グがキャップの内部に形成され、これによってキャップの内部の表面の凹凸から くる大きな摩擦抵抗を受けることなくバイメタルデイスクは自由に容易に曲がる ことができるような方法でバイメタルデイスクがキャップ内部に支えられる。

【０００８】 従って、本考案の主たる目的はサーモスタットスイッチ用の改良されたキャッ プおよびブラケット集合体を提供することにある。

【０００９】 本考案の目的はブラケットがキャップの端部分を縁曲げすることによってキャ ップに固定し両者間の熱連絡を向上させるようにしたサーモスタットデイスク用 のキャップおよびブラット集合体を提供することにある。

【００１０】 本考案の他の目的、特徴および作用は添付の図面を参考にしておこなう以下の 説明が進行するにつれてさらに明白になるものと思われる。

【００１１】 図面は本考案を実施する上で目下考えられる最良の態様を示すものである。 さて図面について述べると、本考案のキャップおよびブラケット集合体は図１ 乃至図５において符号１０を以てその全体が示されている。図に示すとおり、集 合体１０は貫通する開口１４を有する全体を符号１２で示す実質的に環状のデイ スク形ブラケットと、開口１４に入れられ、キャップ１６の端を縁曲げ、または スエージで型曲げすることによってブラケット１２に固定される符号１６で全体 的に示す実質的に環状のカップ形キャップとよりなる。集合体１０を用いるため に、キャップ１６がスイッチ装置の本体またはハウジングの端にのせて固定され てバイメタルデイスクを入れて配置するようにバイメタルデイスクサーモスタッ トスイッチ装置の他の構成要素と共に組立てられる。次いでスイッチ装置はブラ ケット１２が所望の部分および（または）これに隣接の要素と熱的に連絡するよ うに取付けられ、スイッチ装置は意図されたスイッチ機能を果すため適当な回路 構成部分に電気的に接続されている。従って、ブラケット１２が熱を受ける部分 および（または）要素の温度に大きな変化がおきると、ブラケット１２の温度は これに対応して急速に変化する。そしてブラケット１２はキャップ１６と金属対 金属の緊密な接触状態に配置されているので、キャップ１６に含まれたバイメタ ルデイスクの温度に対応した変化が急速におこる。その結果、ブラケット１２は その応動時間を実質的に短縮することによってサーモスタットスイッチ装置の感 度を実質的に増加するように作用する。

【００１２】 ブラケット１２は好ましくはアルミニウムまたはステンレス鋼などの板金の打 貫き作業で作られた実質的に平らな金属板または円板よりなる。本実施例のごと く、ブラケット１２はその剛性を高めるため環状に打ち出されたリング１８が形 成された熱コレクタよりなり、ブラケット１２と周囲区域の空気との間の熱連絡 を増進するために多数の空気還流穴２０がブラケット１２に形成されている。開 口１４は好ましくはブラケット１２の中心部分に設けられ、好ましくは実質的に 環状で、以下にさらに詳しく説明するように、キャップ１６をはめ込む寸法につ くられている。

【００１３】 キャップ１６は好ましくは実質的にカップ形に形成され、図示のごとく一端が 開き他端が閉じられている。カップ１６は好ましくはアルミニウムまたはステン レス鋼などの適当な耐食性金属でつくられていて、好ましくは開口端を形成する 主部分２２と、この主部分２２から一体的に延びてキャップ１６の閉じ端を形成 する縮小端部分２４とよりなる。主部分２２は主部分の周面側壁２６とこの側壁 ２６から内側へ小端部分２４へ延びる中間端壁２８とを有し、小端部分２４は好 ましくはキャップ１６の閉じ端を形成する終端壁３０と、主部分２２から終端壁 ３０へ延びる周面側壁３２とよりなる。キャップ１６は好ましくは主部分２２が 開口１４より大きい寸法形状につくられているが、小端部分２４は開口１４内に きちんとはまり込み、ブラケット１２が中間端壁２８に隣接配置されるような寸 法形状に作られている。キャップ１６はこれがサーモスタットスイッチの本体ま たはハウジングの端にバイメタルデイスクを取付ける効果的装置を提供するに足 る十分な全体の構造的剛性を備えるように形成されているが、好ましくはさらに キャップ１６の小端部分２４がその主部分２２の金属厚さよりも少なくとも３０ ％少ない金属厚さを持ち、小端部分２４を通る熱伝導性を増加するように形成さ れている。さらに、キャップ１６は好ましくはその側壁部分３２の中間端壁２８ から終端壁３０にわたる範囲がキャップ端部分２４に隣接する部分の金属厚さの 少なくとも３倍となるように形成されている。このことによって保証されること は以下にさらに詳しく説明する方法でブラケット１２を端部分２４にしっかり固 定するため端部を縁曲げさせるに足るだけの十分な材料厚さが端部に存在するこ とである。

【００１４】 さて、図３乃至図５について述べると、ブラケット１２とキャップ１６を組合 せてキャップおよびブラケット集合体１０を形成する方法をさらに明確に示す。 この点で、先ず、キャップ１６はその中間端壁２８が図４に示すごとくブラケッ ト１２の表面に隣接して位置決めされるように端部分２４を開口１４に挿入する ことによってブラケット１２と組合せられる。次に、端部分２４を縁曲げまたは スエージで型曲げしてこれを図５に示す位置まで変形すると、終端壁３０の直径 は僅かに増加し、ブラケット１２は終端壁３０と中間端壁２８との間で緊密係合 状態に捕捉される、即ち圧縮されることになる。このことによってブラケット１ ２をキャップ１６に恒久的に固定する効果的手段が提供されるので端部分２４の 全外周面にわたる金属対金属の接触がブラケット１２とキャップ１６との間に形 成されて両者間の熱連絡を最大にする。この点において、端部分２４は中間端壁 ２８の内面に当てがわれる第１ダイと終端壁３０の外面に当てがわれる第２ダイ との間に端部分２４を圧縮することによって縁曲げまたはスエージで型曲げする と端部分２４は両端壁間で軸方向に圧縮される。端部分２４がこのようにして縁 曲げされると、中間端壁２８の形は実質的に変化しないままになるので、端部分 ２４が縁曲げされた後は実質的に平滑な環状リング３４がキャップ１６の内部に 形成されてリング３４からの大きな摩擦抵抗なくバイメタルデイスクを曲げさせ てリング上に受止める。従って本考案はサーモスタットスイッチ装置の効果的な キャップおよびブラケット集合体を提供するものであることが理解される。ブラ ケット１２は容易に経済的にキャップ１６と組合わされ固定されて両者間に効果 的な熱連絡がおこなわれる。さらに、ブラケット１２をキャップ１６に固定する のにキャップの端部分２４を縁曲げする場合、実質的に平滑なリング３４がキャ ップ１６の内部に形成されてバイメタルデイスクを受止めるための効果的な支持 面を提供する。さらに、端部分２４の金属厚さは薄くしてあるので、ブラケット １２とキャップ１６内のバイメタルデイスクとの間の熱連絡はさらに増加する。 従って、こうした理由その他以上に記載の理由から、本考案は実質的な商業的長 所を有する当業技術の大きな進歩を示すことが理解される。

【００１５】 以上に本考案を実施したある特定の構造を示し説明したが、本考案の基本的考 案概念および範囲を逸脱することなく各部分の変態形および配置替えの可能なこ と、また付属の実用新案登録請求の範囲に示す範囲のほかに本文に示し説明した 特定の形態に限定されないことは当業技術者には明白である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のキャップおよびブラケット集合体の斜
視図である。

【図２】図１の集合体の展開斜視図である。

【図３】図２の３−３線に沿った拡大断面図である。

【図４】キャップをブラケットに入れた状態を示す拡大
断面図である。

【図５】キャップをブラケットに入れて固定した状態を
示す拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ キャップおよびブラケット集合体 １２ ブラケット １４ 開口 １６ キャップ ２２ 環状主部分 ２４ 縮小端部分 ２６ 主部分側壁 ２８ 中間端壁 ３０ 終端壁 ３２ 環状側壁

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属製カップ形キャップの開口端を形成
   する実質的に環状の主部分と該主部分から延び上記キャ
   ップの閉じ端を形成する縮小直径の実質的に環状の端部
   分とよりなる上記金属製カップ形キャップと、該環状端
   部分は終端壁と上記主部分から該終端壁へ延びる端部分
   側壁とよりなること、板金より形成され該板金を貫通す
   る開口を有するブラケットとよりなるサーモスタットス
   イッチ用のキャップおよびブラケット集合体において、
   上記端部分が上記ブラケットの上記開口にはめ込まれて
   縁曲げされて上記ブラケットを上記主部分と上記端部分
   との間に緊密係合状態に捕捉し、上記端部分側壁の上記
   主部分から端部分終端壁へ至る範囲を上記ブラケットの
   上記開口に近い部分の厚さの少なくとも３倍にしたキャ
   ップおよびブラケット集合体。
2. 【請求項２】 前記端部分の前記キャップの金属厚さが
   前記主部分のキャップの金属厚さより少なくとも３０％
   少なくされた請求項１に記載のキャップおよびブラケッ
   ト集合体。
3. 【請求項３】 前記終端壁における前記キャップの金属
   厚さが前記主部分のキャップの金属厚さの少なくとも３
   ０％少なくされた請求項１に記載のキャップおよびブラ
   ケット集合体。
4. 【請求項４】 前記終端壁が実質的に平らである請求項
   １に記載のキャップおよびブラケット集合体。
5. 【請求項５】 前記主部分が主部分の側壁と、該主部分
   の側壁から内側へ延びる主部分の中間端壁とよりなり、
   該端部分の側壁が該中間端壁から延びる請求項１に記載
   のキャップおよびブラケット集合体。
6. 【請求項６】 前記ブラケットが前記中間端壁と前記終
   端壁との間に係合状態に捕捉された請求項５に記載のキ
   ャップおよびブラケット集合体。
7. 【請求項７】 前記キャップおよびブラケット集合体と
   上記中間端壁上の前記キャップ内にはめ込まれ支えられ
   たバイメタルデイスクとがサーモスタットスイッチ構造
   体に組立てられると、該バイメタルデイスクが所定の温
   度においてスイッチ動作をおこなうため改良された熱応
   動特性を以て作動する上記バイメタルデイスクと組合せ
   た請求項５に記載のキャップおよびブラケット集合体。