JPH0397639A - 微粒子分散複合材料およびその製造方法 - Google Patents

微粒子分散複合材料およびその製造方法

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JPH0397639A
JPH0397639A JP23366389A JP23366389A JPH0397639A JP H0397639 A JPH0397639 A JP H0397639A JP 23366389 A JP23366389 A JP 23366389A JP 23366389 A JP23366389 A JP 23366389A JP H0397639 A JPH0397639 A JP H0397639A
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porous
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Hiroyuki Sakai
裕之 坂井
Takeshi Okubo
毅 大久保
Toshinobu Miura
三浦 敏信
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 し産業上の利用分野] 本発明は、微粒子分散複合材料およびその製造方法に係
り、詳しくは、多孔質ガラス体をマトリックスとし、こ
の多孔質ガラス体の細孔内に半導体、金属、金属酸化物
等の微粒子を担持させてなる、微粒子分散複合材料およ
びその製造方法に関する。本発明の微粒子分散複合材料
は、光学機器において用いられるカラーフィルターの材
料や非線形光学材料等に利用される。
[従来の技術コ CdS. Sel−t等の半導体やAu等の金属の微粒
子を分散させた微粒子分散ガラスは、従来よりシャープ
カットフィルター用ガラス材料として用いられているが
、近年これらのガラスにおいて3次の非線形性が観測さ
れ、注目を集めている。
このような微粒子分散ガラスは、従来より主として溶融
法により製造されている。この溶融法は、マトリックス
となるガラスの原料と微粒子の原料とをガラス融液とし
た後、一度冷却して固化したガラスを得(熔融工程)、
次にこのガラスを再度加熱して微粒子を構成する元素を
再びイオン化させ、これを急冷することにより微粒子の
存在しないガラスとし(色消し工程)、さらにこのガラ
スを一定時間加熱することによりガラス内に微粒子を析
出させて(発色熱処理工程)、微粒子分散ガラスを得る
ものである。
一方、3次の非線形性は、微粒子分散ガラス中の微粒子
の濃度および粒径に大きく影響されるため、3次の非線
形性に優れた微粒子分散ガラスを得るべく、微粒子の濃
度および粒径を制御するための方法が種々検討されてい
るが、溶融法よりも微粒子の濃度および粒径の制御が容
易な微粒子分散ガラスの作製方法として、ガラスの分相
やゾルゲル法により作製した多孔質ガラス体の細孔内に
、半導体、金属、金属酸化物の微粒子を担持させる方法
が見い出されている。
このような、多孔質ガラス体の細孔内に微粒子を担持さ
せてなる微粒子分散ガラスでは、湿度等の環境変化によ
る特性の変化や、細孔内に大気中の有機物が吸着するこ
とによる特性の変化等を抑止するために、細孔径をでき
る限り小さくし、かつ表面積を小さくして、最終的には
無孔化することが望ましい。無孔化の方法としては、細
孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を、1000℃
前後の温度で加熱することにより焼結させる方法が一般
的である。
[発明が解決しようとする課題コ しかしながらこの方法では、1000℃前後の加熱によ
り微粒子の揮発が起るという問題点があった。また、加
熱すると微粒子の粒径が増大するという問題点もでてく
る。粒径が増大しすぎると、その大きさが光の散乱を生
じない1μm以下であっても、光学非線形特性に重要な
量子とじ込め効果が低下するので好ましくない。
したがって本発明の目的は、細孔内に担持させた半導体
、金属、金属酸化物等の微粒子の揮発や微粒子の粒径の
増大を招くことなく、マトリックスである多孔質ガラス
体を実質的に無孔化した微粒子分散複合材料およびその
製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段コ 本発明は上記目的を達成するためになされたものであり
、本発明の微粒子分散複合材料は、細孔内に微粒子を担
持した多孔質ガラス体と、この多孔質ガラス体の前記細
孔を実質的に閉塞する有機ポリマーとからなることを特
徴とするものである。
また本発明の微粒子分散複合材料の製造方法は、細孔内
に微粒子を担持した多孔質ガラス体を有機モノマーによ
り処理した後、前記有機モノマーを重合反応により有磯
ポリマーにして前記細孔を実質的に閉塞することを特徴
とするものである。
以下本発明を詳細に説明する。
まず本発明の微粒子分散複合材料について説四すると、
この微粒子分散複合材料は、前述したように、細孔内に
微粒子を担持した多孔質ガラス体の細孔を、有機ポリマ
ーにより実質的に閉塞したものである。
細孔内に微粒子が担持される多孔質ガラス体としては、
ホウケイ酸ソーダガラスを分相熱処理した後、ホウ酸に
富む相を酸でリーチングすることにより得られる、細孔
径が数十〜数百六の多孔質ガラス体、または、ゾルーゲ
ル法においてドライゲルを無孔化する温度未満で焼成す
ることにより得られる多孔質ガラス体等が挙げられる。
そして、これらの多孔質ガラス体の細孔内に担持される
微粒子としては、CdS XCdSeSCdTe、Ga
As等の半導体、Ag, Au, PL等の金属、li
lnl03、Cu+ O等の金属酸化物の微粒子が挙げ
られる。この微粒子の大きさは、1μm以下であること
が好ましい。これは、微粒子が1μmより大きいと光の
散乱が多くなるからである。前記微粒子のうち、例えば
CdS微粒子は細孔内におけるCd(CIO4)とI1
, Sとの反応により得られ、またCdSe微粒子は細
孔内におけるCdSe04の還元反応により得られる。
また、Ag, Mn+03 は細孔内におけるAgNO
3、Mn( NO3  )2の分解反応によりそれぞれ
得られる。
その他、ゾルーゲル法において、出発ゾル中にGaAs
やCdSe等の微粒子を分散させたり、出発ゾル中に微
粒子の原料となるMn( NO3  )2やCuNO3
等の塩、CdTeOaやCdSOa等の複合酸化物、M
nCl2やAuCl3等の塩化物等を混合した後ゲル化
させて得られ得たドライゲルを、このドライゲルが無孔
化する温度未満の温度で焼成することによっても、細孔
内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を得ることもでき
る。
なお本明細書において、多孔質ガラス体の細孔内に担持
される微粒子とは、上記の半導体、金属、金属酸化物か
らなる微小物質を意味し、その形状は特に限定されるも
のではない。
本発明の微粒子分散複合材料は、細孔内に微粒子を担持
した上述の多孔質ガラス体の細孔を、前述したように、
有機ポリマーにより実質的に閉塞させたものである。
ここで用いられる有機ポリマーの屈折率は、本発明の微
粒子分散ガラスをカラーフィルター等に用いる場合には
、多孔質ガラス体の屈折率と同程であることが望ましい
。これは、多孔質ガラス体の屈折率と有機ポリマーの屈
折率との差が大きいと、光の散乱の原因となるからであ
り、例えば多孔質ガラス体がシリカガラス(屈折率:1
.46)からなる場合、有機ポリマーの屈折率は1.4
6程度であることが望ましい。また、本発明の微粒子分
散複合材料を非線形光学材料として用いる場合には、微
粒子を取り囲む媒質の誘電率あるいは屈折率が低いほど
3次の非線形光学効果の増大を図ることができるため(
花村榮一: OplusE,No.l03  77頁 
1988年6月)、有機ポリマーの屈折率は多孔質ガラ
ス体よりも低いことが望ましい。
さらに、本発明の微粒子分散複合材料をカラーフィルタ
ーあるいは非線形光学材料として用いる場合には、その
光学特性に悪影響を与えないよう、多孔質ガラスの細孔
を閉塞する有機ポリマーはできるだけ光の吸収がないこ
とが望まし《、少なくとも使用する光の波長域において
は透明であることが望ましい。
このような有機ポリマーとしては、2.2.2− 1−
リフロ口エチルメタクリレート、2−(トリフロロエト
キシ)エチルアクリレート、トリフロロイソプロビルメ
タクリレート、テトラフロロ−3(トリフロロメトキシ
)プロビルアクリレート、イソボルニルメタクリレート
、トリシクロデシルメタクリレート、ウレタンメタクリ
レートと工1・キシエチルアクリレートとの混合物、ウ
レタンメタクリレートとN−ビニルピロリドンとの混合
物、トリシクロデシルメタクリレートと1・リフロロエ
チルメタクリレートとの混合物、エボキシアクリレート
とt−プチルシク口へキシルメタクリレートとの混合物
等の有機モノマーを重合させることにより得られる有機
ポリマーが挙げられる。
以上説明した本発明の微粒子分散複合材料は、以下に示
す本発明の微粒子分散複合材料の製造方法により得るこ
とができる。
本発明の微粒子分散複合材料の製造方法は、前述したよ
うに、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を有機
モノマーにより処理した後、前記有機モノマーを重合反
応により有機ポリマーにして前記細孔を実質的に閉塞す
ることを特徴とするものである。
本発明の微粒子分散複合材料の製造方法において用いら
れる、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体として
は、例えば、上述の半導体、金属、金属酸化物からなる
微粒子を担持した、上述のホウケイ酸ソーダガラスの酸
によるリーチングやゾルーゲル法により得られる多孔質
ガラス体を用いることができる。なお、多孔質ガラス体
の細孔内に担持させる微粒子の大きさは、前述したよう
に1μm以下であることが好ましい。微粒子の大きさは
、プリフォームとして用いる多孔質ガラス体の細孔径、
細孔内に担持させる微粒子の原料の濃度、多孔質ガラス
の細孔内に微粒子を生成させる際の熱処理温度等により
制御することができる。
本発明の微粒子分散複合材料の製造方法においては、ま
ず、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を有機モ
ノマーにより処理する。ここでいう有機モノマーによる
処理とは、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体の
前記細孔内に有機モノマーを実質的に充填することおよ
び/または前記細孔の開口部を有機モノマーにより実質
的に封鎖することを意味する。
細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体の前記細孔内
に有機モノマーを実質的に充填する方法としては、低粘
度の有機モノマー中に多孔質ガラス体を浸漬腰毛管現象
によって細孔内に有機モノマーを浸透させる方法が挙げ
られる。このとき、多孔質ガラス体の細孔内を減圧状態
、望ましくは真空状態にしてから、この多孔質ガラス体
を有機モノマー中に浸漬することにより、充填に要する
時間を短縮することができると共に、細孔中に気泡が残
留するのを防ぐことができる。
また、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体の前記
細孔の開口部を有機モノマーにより実質的に封鎖する方
法としては、高粘度の有機モノマー中に多孔質ガラス体
を浸漬する法、多孔質ガラス体の外表面に有機モノマー
を塗布する法等を用いることができる。
細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体の処理に用い
る有機モノマーの粘度は、多孔質ガラスの細孔径や処理
の方法に応じて適宜選択されるが、多孔質ガラス体を処
理する際の温度における粘度が概ね105センチポアズ
以下であるものが望ましく、特に望ましくは300セン
チポアズ以下のものが良い。これは、処理時の有機モノ
マーの粘度が高いと多孔質ガラスの細孔内への浸透性が
低下し、細孔内に有機モノマーを実質的に充填すること
、あるいは細孔の開口部を有機モノマーにより実質的に
封鎖することが困難となるためである。
同様の理由により、有機モノマー分子の大きさは多孔質
ガラスの細孔径よりできるだけ小さいことが望ましい。
有機モノマーは、後述の重合反応により有機ポリマーを
得る際に起こる体積収縮ができる限り少ないものが望ま
しい。これは、重合に伴う体積収縮により生ずる空孔が
大きいと、最終的に得られる微粒子分散複合制料の特性
が、湿度等の環境変化や細孔内に大気中の有機物が吸着
すること等により大きく変化してしまうためである。ま
た有機モノマーは、有機ポリマーとしたときに、前述の
如く屈折率が多孔質ガラス体の屈折率と同程度あるいは
それ以下であり、最終的に得られる微粒子分散複合材料
の使用する光の波長域において透明であるものを用いる
このような有機モノマーとしては、本発明の微粒子分散
複合材料で有機ポリマーの原料として例示したもの等を
用いることができる。
本発明の微粒子分散複合材料の製造方法においては、次
いで有機モノマーを重合反応により有機ポリマーにする
ことにより微粒子を担持した細孔を実質的に閉塞して、
微粒子分散複合材料を得る。
このときの重合反応は、熱、紫外線等各種の方法により
行なうことが可能である。しかしながら、紫外域に吸収
を有する微粒子を細孔内に担持させた多孔質ガラス体で
は、この多孔質ガラス体の細孔の深層部に浸透した有機
モノマーに充分な紫外線を照射することが困難となるた
め、熱重合が好ましい。ただし、熱重合させる際の温度
が高いと微粒子の成長や揮発が生ずるため、重合させる
際の温度は300℃以下が望ましい。
有機モノマーの重合に伴う体積収縮により生ずる空孔を
できるだけ小さくするためには、重合に伴う体積収縮の
少ない有機モノマーを用いる他、細孔内に微粒子を担持
した多孔質ガラス体を有機モノマーにより処理しこの有
機モノマーを重合させる操作を複数回行ってもよい。
なお、多孔質ガラス体は大きな表面積を有するため、細
孔内に水分等を吸着し易い。この水分は、有機モノマー
を熱により重合させる段階において脱離および気化して
、発泡の原因となる。このため、有機モノマーによる処
理を行う前に、細孔内の水分を取り除くことが望ましい
。水分を取り除く方法としては、多孔質ガラス体を真空
処理する方法や、多孔質ガラス体を80℃以上の温度で
加熱する方法、あるいは多孔質ガラス体を相対湿度が2
0%以下の雰囲気中で乾燥させる方法等およびこれらの
方法の併用が挙げられる。
本発明の微粒子分散複合材料の製造方法において好まし
く用いられる有機モノマーとその粘度および重合時の収
縮率を表−1にまとめて示す。また、表−1には重合に
より得られる各挿ポリマーの屈折率もまとめて示した。
(以下余白) [作 用J 本発明の微粒子分散複合材料においては、細孔内に微粒
子を担持した多孔質ガラス体の細孔が有機ポリマーによ
り実質的に閉塞されて、この多孔質ガラス体が実質的に
無孔化されているため、湿度等の環境変化や細孔内に大
気中の有機物が吸着すること等による特性の変化が抑止
される。
また、本発明の微粒子分散複合材料の製造方法において
は、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を有機モ
ノマーにより処理した後、この有機モノマーを比較的低
温で重合させて有機ポリマーとして細孔を実質的に閉塞
するため、細孔内の微粒子の揮発や微粒子の粒径の増大
を招くことなく、この多孔質ガラスを実質的に無孔化す
ることが可能であり、微粒子の揮発や微粒子の粒径の増
大による特性の低下を招くことなく微粒子分散複合材料
を得ることができる。
[実施例] 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 気孔率36%、中心細孔径90人の多孔質ガラスを、厚
さ3mm,幅20問、長さ30mmの板状に加工し、こ
の板状の多孔質ガラス体を0.65mol/j!の濃度
に調製したCdSeOa水溶液中に室温下で24時間浸
漬して、細孔中にCdSeOa水溶液を含浸させ、次い
で、この板状の多孔質ガラス体を真空デシケータ内で室
温で乾燥させて、細孔内にCdSeOaを分散折出させ
た。この後、細孔内にCdSeOaが分散析出した板状
の多孔質ガラス体を電気炉に入れ、2%H2−98%N
!からなる混合ガスを0.  1j2/minの割合で
流しながら100℃/hrの速度で500℃まで昇温さ
せ、この温度で1時間加熱することにより細孔内にCd
Se微粒子を生成させて、細孔内にCdSe微粒子を担
持した多孔質ガラス体を得た。
この段階では多孔質ガラス体自体はほとんど変化してお
らず、線収縮は1%未満であった。
この多孔質ガラスの細孔内のCdおよびSeの濃度を蛍
光X線により求めたところ、細孔内に充填した原料量に
対して91%の生成量であった。また担持されたCdS
e微粒子の粒径を、X線回折により(110)回折ピー
クの幅から求めたところ、1,15人であった。
この細孔内にCdSe微粒子を担持した多孔質ガラス体
の室温での光吸収スペクトルおよび液体窒素温度での蛍
光スペクトル(励起波長4 8 8 nm)を、それぞ
れ第1図中の破線1および第2図中の破線11で示す。
次に、細孔内にCdSe微粒子を担持した多孔質ガラス
体を、ロータリーポンプにより真空状態とした乾燥器内
で100℃で1時間加熱することにより、細孔内の吸着
水の除去を行なった後、この多孔質ガラス体を、内径3
0mm,深さ50mmの容器に入れた、重合開始剤とし
てアゾビスジメチルバレロニトリルを0.  2wt%
含む2.2.2−トリフロロエチルメタクリレート(2
5℃における粘度:0.9センチポアズ)中に5℃で1
2時間浸漬することにより、細孔内に上記有機モノマー
を充填した。
この後、重合器内で有機モノマーの重合を行なった。こ
の時の加熱スケジュールは、以下の通りである。すなわ
ち、まず10分で40℃まで昇温させて、この温度で4
0時間保持した。次いで、6時間かけて50℃まで昇温
させ、3時間かけて70℃まで昇温させた後、さらにl
時間かけて90′Cまで昇温させて、この温度で4時間
保持した。
この重合による体積収縮率は10%未満であり、得られ
た有機ポリマーの屈折率は1.437であった。
このようにして得られたCdSe微粒子分散複合ヰ3料
の気孔率をアルキメデス法により測定したところ、ほぼ
O%であり、多孔質ガラス体の細孔はH機ポリマーによ
り実質的に閉塞されて、ほぼ完全に無孔化していること
が確かめられた。
このCdSe微粒子分散複合祠料中のCdおよびSeの
濃度を蛍光X線により求めたところ、CdおよびSeの
濃度は無孔化前と同じであった。またCdSe微拉子の
大きさをX線回折により求めたところ、120Aと無孔
化前とほとんど差はなかった。
また、このCdSe微粒子分散複合材料の室温での光吸
収スペクトルを測定したところ、第1図中の実線2で示
されるスペクトルが得られた。無孔化前の吸収スペクト
ル(第1図中の破線1)との差は、細孔による光の散乱
が無孔化により除去されたことによるものと思われる。
さらに、このCdSe微粒子分散複合材料の液体窒素温
度での蛍光スペクトルを測定したところ、第2図中に実
線12で示すように、無孔化前の蛍光スペクトル(第2
図中の破線11)とほぼ同様のスペクトルが得られた。
比較例 実施利1で得られた、細孔内にCdSe@粒子を担持し
た多孔質ガラス体を、2%112−98%N2からなる
還元雰囲気中で100℃/hrの速度で900℃まで昇
温させ、この温度でl時間加熱することにより焼結して
無孔化した。
このガラス内のCdおよびSeの濃度を蛍光X線により
測定したところ、無孔化前の61%に減少していた。ま
た、CdSe微粒子の粒径をX線回折により求めたとこ
ろ230Aと大きく、光吸収スペクトルも第1図中の一
点鎖線3で示されるように大きく変化した。この光吸収
スペクトルの低エネルギー側へのシフトは、光学非線形
性にとって重要な量子とじ込め効果の低下を示すもので
ある。さらに、蛍光スペクトルは第2図中の一点鎖線1
3で示すように、強度が低下するとともにスペクl・ル
形状も変化し、光学非線形性にとって好ましくない非輻
射緩和が増加した。
実施例2 実施例1と同様の板状に加工した多孔質ガラス体を、0
.  65 mol/1の濃度に調製したMn( NO
3  )!水溶液中に室温下で1晩浸漬して、細孔中に
Mn( NO3)2水溶液を含浸させ、次いで、この板
状の多孔質ガラス体を真空デシケータ内で室温で乾燥さ
せて、細孔内にMn( NO3  )l!を分散折出さ
せた。この後、細孔内にMn( NO3  hが分散析
出したこの板状の多孔質ガラス体を電気炉に入れ、10
0℃/hrの速度で600℃まで昇温させ、この温度で
3時間加熱することにより細孔内にMn+O+微粒子を
生成させて、細札内にNin+03微粒子を担持した多
孔質ガラス体を得た。
この多孔質ガラス体の細孔内のMnの濃度を蛍光X線に
より求めたところ、細孔内に充填した原料量に対してほ
ぼ100%の生成量であった。また、細孔内に担持され
たMJOs微粒子の粒径をX線回折により求めたところ
、160Aであった。
次に、内径25mm、深さ100mmの容器に、重合開
始剤としてアゾビスジメチルバレロニトリルを0.  
2wt%含むトリシクロデシルメタクリレート(25℃
における粘度:168センチボアズ)を35mmの深さ
まで入れ、この容器内に、細孔内にMn+03微粒子を
担持した多孔質ガラス体をこの有機モノマーに接触しな
いように上から吊るして入れた。アスピレーターを用い
て容器内を減圧状態にするとともに細孔内を減圧した後
、細孔内にMn+ 03微粒子を担持した多孔質ガラス
を上記H機モノマー中に25゜Cで1時間浸漬すること
により、細孔内にこの有機モノマーを浸透させた。
トリシクロデシルメタクリレートの25℃における粘度
は168センチポアズと高いため、多孔質ガラス体の外
表面から0.  5mm程度浸透しただけであったが、
細孔の開口部はこの有機モノマーにより実質的に封鎖さ
れていた。
この後、多孔質ガラス体を容器から取り出して表面の有
機モノマーを拭き取った後、40℃で10時間、続いて
60℃で5時間、さらに120゜Cで3時間加熱するこ
とにより重合させて、Mn+ Os微粒子分散複合材料
を得た。
このときの重合による有機モノマーの体積収縮率は8.
2%であり、得られた有機ポリマーの屈折率は1.53
であった。
このようにして得られたMnlQ3微粒子分敗複合材料
の気孔率をアルキメデス法により測定したところ、ほぼ
0%であり、多孔質ガラス体の細孔は有機ポリマーによ
り実質的に閉塞されて、ほぼ完全に無孔化していること
が確かめられた。
このMIIIO!微粒子分散複合利料中のMnの濃度を
蛍光X線により求めたところ、Mnの濃度は無孔化前と
同じであった。また、X線回折により求めた11111
101 ?j!L粒子の大きさも160Aと無孔化前と
同じであった。
このMn+Os微粒子分散複合材料の透過率曲線を、第
3図に示す。
浸水試験 実施例1で得られたCdSe微粒子分散複合材料、実施
例2で得られたMn+Os微粒子分散複合材料、および
実施例1のCdSe微粒子分散複合材料を作製する過程
で得られた細孔内にCdSe微粒子を担持した多孔質ガ
ラス体を、水中にlO分間浸漬したのち取り出して、外
表面の水を拭き取った後の透過率の変化を調べた。
この結果、実施列1〜2で得られた各微粒子分散複合材
料では透過率に変化はなく、水の影響は認められなかっ
た。これに対して、細孔内にCdSe微粒子を担持した
多孔質ガラス体では、細孔内が乾燥する途中で光散乱が
著しく増加して半透明となったのち元の透過率を取り戻
した。
〔発明の効果〕
以」二説明したように、本発明の微粒子分散複合材料で
は、細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体の細孔を
有機ポリマーにより実質的に閉塞しているため、湿度等
の環境変化や細孔内に大気中の有機物が吸着すること等
による特性の変化が抑止される。また、本発明の微粒子
分散複合材料の製造法によれば、細孔内に微粒子を担持
した多孔質ガラス体の細孔を、有機モノマーを比較的低
温で重合させて得られる有機ポリマーにより塞ぐため、
細孔内の微粒子の揮発や微粒子の粒径の増大を招くこと
なく、この多孔質ガラス体を実質的に無孔化することが
可能である。
したがって、本発明を実施することにより、環境変化や
細孔内に大気中の有機物が吸着すること等による特性の
変化の少ないカラーフィルターや非線形光学材料を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるCdSe微粒子分散複合材料およ
び従来の焼結法で得られたCdSe微粒子分散ガラスの
光吸収スペクトルを示す図、第2図は本発明によるCd
Se微粒子分散複合材料および従来の焼結法により得ら
れたCdSe微粒子分散ガラスの蛍光スペクトルを示す
図、第3図は本発明によるMn+Oa 微粒子分散複合材料の透過率曲線である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体と、こ
    の多孔質ガラス体の前記細孔を実質的に閉塞する有機ポ
    リマーとからなることを特徴とする微粒子分散複合材料
  2. (2)細孔内に微粒子を担持した多孔質ガラス体を有機
    モノマーにより処理した後、前記有機モノマーを重合反
    応により有機ポリマーにして前記細孔を実質的に閉塞す
    ることを特徴とする、請求項(1)記載の微粒子分散複
    合材料の製造方法。
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