JPH038820B2 - - Google Patents

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JPH038820B2
JPH038820B2 JP60041922A JP4192285A JPH038820B2 JP H038820 B2 JPH038820 B2 JP H038820B2 JP 60041922 A JP60041922 A JP 60041922A JP 4192285 A JP4192285 A JP 4192285A JP H038820 B2 JPH038820 B2 JP H038820B2
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catalyst
slurry
water
sulfate
acid
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JP60041922A
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Kohei Ninomya
Shigeru Ito
Mitsuo Imaura
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、水に不溶性の硫酸バナジル(β−
VOSO4)、硫酸バリウムおよびチタン化合物から
なる窒素酸化物浄化用触媒の製法に関する。 更に詳しくは、本発明は、固定燃焼装置から排
出される窒素酸化物を含有する排ガス中の窒素酸
化物をアンモニアの如き還元性物質の存在下に還
元浄化する際に、排ガス中に共存する硫黄酸化物
やダスト等によるトラブルを防止でき、380℃を
こえるような高温の排ガス中の窒素酸化物でも長
時間にわたつて効率よく還元浄化することができ
る耐久性のすぐれた窒素酸化物還元浄化用触媒の
製法に関するものである。 〔従来の技術〕 重油や石炭等を使用するボイラ,発電所,製鉄
所などをはじめ、各種工場の固定燃焼装置から排
出される一酸化窒素(NO),二酸化窒素(NO2
などの窒素酸化物(NOx),さらにはNOxとと
もに二酸化硫黄(SO2),三酸化硫黄(SO3)な
どの硫黄酸化物(SOx)やダストを含有した排ガ
ス中のNOxを、次式に示すようにアンモニアの
如き還元性物質を存在下に還元して浄化する方法
およびその際に使用する窒素酸化物還元浄化触媒
については、すでに多数知られている。 4NO+NH3+O2→6H2O+4N2 6NO+4NH3→5N2+6H2O 6HO2+8NH3→7N2+12H2O 代表的な窒素酸化物浄化用触媒としては、鉄,
銅,バナジウムなどの酸化物を触媒成分とし、こ
れらをアルミナ,チタニアなどの担体に担持させ
たものがある。これらの触媒でもV2O5−TiO2
媒は、低温(300℃前後)でNOx除去活性が高
く,耐SOx性も大きく、すぐれた触媒であるが、
SO2をSO3に酸化する活性(SO2酸化活性)が大
きいため、SO3が多量に触媒上で生成し、これが
添加した還元性物質のアンモニアと結合して触媒
表面に蓄積したり、熱交換器や煙道などに酸性硫
酸アンモニウムのような硫黄化合物が付着堆積し
たりして、触媒の劣化,装置の腐蝕などをはじ
め、種々の運転上のトラブルを引きおこすという
欠点がある。 また担体および/または触媒成分として金属硫
酸塩を使用した窒素酸化物浄化用触媒についても
すでに多数知られている。これらの触媒は、耐
SOx性および寿命の点で比較的すぐれた触媒であ
るが、排ガス中のダストなどの付着により汚染さ
れた触媒を水洗により再生しようとした場合や運
転中に水が触媒にかかつたりした場合など触媒成
分が溶出したり、触媒が崩壊したりしてしまうと
いう難点がある。 例えば特開昭51−103869号公報の特許請求の範
囲には、非常に多くの金属硫酸塩触媒についての
記載があるが、この公報に記載の触媒は、その第
3ページ、左欄、第20行〜同ページ、右欄、第6
行の触媒調製時に焼成する必要はなく、触媒成分
も水洗によつて容易に分離できるとの記載からも
明らかであるように、触媒の耐水性において大き
な難点があり、水洗によつて触媒を再生しようと
すると、触媒が崩壊したり、触媒成分が溶出して
しまつたりする。 また特公昭57−30532号公報、特開昭59−35025
号公報等には、チタン化合物をケイ素化合物で処
理して焼成し、チタンおよびケイ素系の担体を調
製した後、バナジウム等の触媒成分を担持させて
再度焼成した触媒が記載されている。これらの触
媒は、その調製法が複雑であり、また長期間にわ
たつてのNOx除去活性が十分でなかつたりし、
工業的見地からみると改良の余地がある。 本出願人の出願に係る特公昭56−32020号公報
(西ドイツ公開特許公報第2842147号)には、硫酸
バリウムと水に不溶性の硫酸バナジルとからなる
触媒が記載されている。該公報に記載の触媒は、
耐水性および耐SOx性にすぐれ、SO2BをSO3
酸化する活性(SO2酸化活性)が低く、比較的低
温でNOx除去活性が高いという特長を有してい
る。また、特開昭59−59249号公報には、バナジ
ウムの原子価が5価のバナジウム化合物に水の存
在下で還元性物質を加えてバナジウムの原子価を
4価に還元したバナジウム化合物の溶液、硫酸ま
たは硫酸のアンモニウム塩、硫酸バリウム、およ
び水酸化チタンを混合した後、焼成することを特
徴とするチタン化合物,硫酸バリウムおよび水に
不溶性の硫酸バナジルからなる窒素酸化物還元浄
化用触媒の製法が記載されている。該公報に記載
の方法による触媒は、NH3NO(モル比)を1以
下にして300〜340℃で排ガスを処理した場合の
NOx除去活性が高く、脱硝後の排ガス中に残留
するアンモニアも少なく、SO2酸化活性も低いと
いう特長を有している。 前記特公昭56−32020号公報、特開昭59−59249
号公報などに記載の水に不溶性の硫酸バナジルを
含有する触媒は、前記したようなすぐれた特長を
有しているが、高温条件下、例えば排ガス温度が
380℃をこえるような高温下での長期間にわたる
NOx除去活性やSO2酸化活性に難点があり、こ
の点さらに改良の余地がある。 〔発明が解決しようとする問題点〕 燃焼装置の種類や脱硝装置のとりつけ位置など
によつても被処理排ガスの温度は異なるが、近年
は高温条件下、例えば380℃〜420℃程度の高温
の、NOxとともにSOx、ダスト等を含有する排
ガス中のNOx除去が要求されることが多い。 従来公知の触媒のなかには、SO2酸化活性が低
く、NOx除去活性も高い触媒についての提案は
あるが、前記したように高温条件下でのNOx除
去に適用した場合、NOx条去活性が低かつたり、
SO2酸化活性が大きかつたりする。 本発明は、高温の排ガス中のNOxの除去に適
用してもSO2酸化活性が低く、長期間にわたつて
高いNOx除去活性を安定して持続させることが
できる高温特性のすぐれたNOx浄化用触媒の製
法を提供することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、本出願人の出願に係る前記特公
昭56−32020号公報、特開昭59−59249号公報で提
案された水に不溶性のバナジルおよび硫酸バリウ
ムからなる触媒、水に不溶性の硫酸バナジル、硫
酸バリウムおよびチタン化合物からなる触媒の前
記特長を高温の排ガス中のNOx除去においても
十分に発揮させることができるようにさらに研究
を行つた結果、本発明に到つた。 本発明は、バナジウムの原子価が5価のバナジ
ウム化合物を還元性物質および溶媒の存在下に還
元してバナジウムの原子価を5価より小さい原子
価に還元したバナジウム化合物の溶液に、硫酸ま
たは硫酸のアンモニウム塩、硫酸バリウムおよび
チタン酸を混合したスラリを乾燥、焼成して、水
に不溶性の硫酸バナジル、硫酸バリウムおよびチ
タン化合物からなる窒素化物浄化用触媒を製造す
る方法において、チタン酸として、二酸化チタン
換算で二酸化チタン(TiO2)1gに対して水溶液
性硫酸根(SO2 4 -)の含有量(SO2 4 -/TiO2)が50
mg以下のチタン酸スラリを使用することを特徴と
する窒素酸化物浄化用触媒の製法に関するもので
ある。 本発明において、チタン酸スラリは水溶液硫酸
根(SO2 4 -)含有量が、スラリ中のチタン酸を二
酸化チタン(TiO2)に換算して二酸化チタン1g
に対し50mg以下、好ましくは30mg以下、特には10
mg以下のチタン酸スラリが用いられる。チタン酸
は比表面積が普通100〜300m2/gと大きく、また
一次粒子の平均径が30〜50Åと小さく、凝集しや
すいため、チタン酸を均一に分散させ、目的とす
る触媒性能を発現させるためにはチタン酸はチタ
ン酸スラリ、好ましくは水スラリとして用いる必
要がある。また水溶性硫酸根含有量が多いと、水
溶性硫酸根がチタン酸の凝集を助長させ、触媒調
製時にチタン酸の分散を妨げ、触媒活性成分であ
る水に不溶性の硫酸バナジルを均一に担持させる
ことができないので、チタン酸スラリは必要に応
じて水で十分に洗浄して水溶性硫酸根含有量の少
ないチタン酸スラリを用いる必要がある。チタン
酸スラリを混合する際チタン酸スラリにかえて乾
燥したものを用いたり、水溶性硫酸根含有量の多
いものを用いたりすると、長期におけるNOx除
去活性が低下したり、SO2酸化活性が大きくなつ
たりするので好ましくない。 チタン酸スラリは、四塩化チタンや硫酸チタン
のようなチタン塩類を中和加水分解または熱加水
分解することによつて得られるチタン酸を乾燥せ
ずに水で十分に洗浄したメタンチタン酸を主成分
とするチタン酸水スラリが好適であり、特に硫酸
法により製造したチタン酸水スラリが好適であ
る。チタン酸スラリの濃度は、二酸化チタン換算
で10〜40重量%、好ましくは15〜30重量%のもの
を用いるのが、チタン酸の分散性がよく、触媒の
高湿特性もよくなるので好適である。濃度が高す
ぎるとチタン酸の分散性が悪くなりやすく、また
濃度が低すぎると触媒の焼成に要する熱が多くな
る。 〔作 用〕 本発明において、高温条件下でもSO2酸化活性
が低く、NOx除去活性を長期にわたつて高く維
持できる触媒が得られる機構は十分解明されてい
ないが、水溶性硫酸根含有量の少ないチタン酸ス
ラリを使用すると、チタン酸の分散がよくなり、
熱的に不安定なチタン酸のシンタリングが、比表
面積は小さいが熱的に安定な硫酸バリウムによつ
て抑えられるとともに触媒成分である水に不溶性
の硫酸バナジルが硫酸バリウムおよびチタン酸に
均一に分散担持されるため、チタン酸の比表面積
が大きいという特長および熱的に安定であるとい
う硫酸バリウムの特長が十分に生かされることに
起因しているのではないかと思われる。 本発明の触媒の製法について詳しく説明する。 本発明においてバナジウムの原子価が5価のバ
ナジウム化合物としては、メタンバナジン酸アン
モニウム,メタバナジン酸、五酸化バナジウムな
どを挙げることができ、なかでもメタバナジン酸
アンモニウムが好適である。また還元性物質とし
ては5価のバナジウム化合物を5価より小さい原
子価(4価)に還元することができるものであれ
ばよく、例えばシユウ酸、クエン酸、酒石酸など
の有機カルボン酸を挙げることができ、なかでも
シユウ酸が好適である。 バナジウムの原子価が5価のバナジウム化合物
を還元性物質および溶媒の存在下に還元してバナ
ジウムの原子価を5価より小さい原子価に還元し
たバナジウム化合物の溶液を調製するにあたつて
は、例えば水の如き溶媒にメタバナジン酸アンモ
ニウムの如き5価のバナジウム化合物を溶解さ
せ、これにシユウ酸の如き還元性物質を加えて5
価のバナジウム化合物を還元する方法で行つて
も、また還元性物質を溶媒に溶解させた溶液に5
価のバナジウム化合物を加えて還元する方法で行
つてもよい。溶媒としては、5価のバナジウム化
合物および還元性物質を溶解するものであればよ
いが、一般には水が好適に使用される。 また本発明で使用する硫酸または硫酸のアンモ
ニウム塩としては、濃硫酸,硫酸アンモニウム、
酸性硫酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、過
硫酸アンモニウムなどを挙げることができ、なか
でも硫酸アンモニウムが安価であり、目的とする
触媒の再現性もよいので好適である。硫酸または
硫酸のアンモニウム塩は水に不溶溶性の硫酸バナ
ジルを形成させるうえで必要なものであるが、そ
の使用量は、使用する5価のバナジウム化合物の
バナジウム1グラム原子に対して、硫黄が1〜2
グラム原子になるような量が好適であり、2グラ
ム原子より多くなる量で使用しても多く使用した
ことによる利点はない。 硫酸バリウムとしては、一般に比表面積10m2
g以下で、平均粒径0.1〜1.0μの沈降性硫酸バリ
ウムが好適に使用される。 バナジウム化合物の溶液に、硫酸または硫酸の
アンモニウム塩,硫酸バリウムおよびチタン酸ス
ラリを混合する際の順序は、特に制限されること
はなく、これらが一緒になつた混合スラリにすれ
ばよく、加える順序はいずれでもよい。この段階
で重要な点は前記したように水溶性硫酸根の少な
いチタン酸スラリを用いることである。混合割合
は、バナジウム化合物の溶液が水に不溶性の硫酸
バナジル換算で0.5〜35重量%、好ましくは1〜
10重量%、硫酸バリウムが25〜95重量%、好まし
くは35〜70重量%、チタン酸スラリが二酸化チタ
ン(TiO2)換算で1〜65重量%、好ましくは20
〜50重量%の範囲になるように選択するのが適当
である。また混合する場合、更に成形性、仕上り
触媒の強度などを向上させるために、酸性白土、
活性白土、ベントナイト等の粘土鉱物を、仕上り
触媒に対して5〜30重量%の量になるような割合
で添加混合してもよい。 混合によつて得られる混合スラリのPHは、2〜
8、望ましくは3〜7になるようにするのがよ
い。混合によつてバナジウム化合物の一部は、硫
酸バリウムおよびチタン酸に吸着されるが、吸着
量、吸着状態などは、スラリのPHによつて大きく
影響されると推定され、スラリのPHを調整する
と、NOx除去活性が高く、SO2酸化活性が低い
高温特性のよい触媒を得るのがさらに容易になる
のでスラリのPHを前記範囲にするのが好適であ
る。スラリのPHは、一般にはPH調整剤を加えなく
ても前記範囲内に調整できるが、適当な酸または
アルカリを用いてPHを調整するのが適当である。
PH調整剤としては焼成時に揮散するものが好まし
く、酸としては塩酸の如き鉱酸、酢酸の如き有機
酸などが使用できアルカリとしてはアンモニア、
アンモニア水などやエタノールアミン、メチルア
ミンの如きアミン類が好適である。 混合したスラリは、これを濃縮してハニカム
状、粒状などに成形した後乾燥し、次いで焼成し
ても、また乾燥した後に成形して焼成してもよ
い。乾燥、焼成によつて目的とする触媒が得られ
る。 乾燥は、一般に空気雰囲気下に90〜200℃の温
度で水のような揮発成分がなくなる程度に行うの
が適当である。 また焼成は、200〜500℃、好ましくは350〜450
℃の温度で行うのが適当であり、焼成時間は一般
には1〜24時間、好ましくは3〜16時間程度が適
当である。また焼成雰囲気は特に制限されず、例
えば亜硫酸ガス、アンモニア、水蒸気、窒素、酸
素などいずれを含む雰囲気でもよいが、空気の如
き酸素含有ガス雰囲気が経済的でもあり、また好
適でもある。 焼成することによつて原料として使用したバナ
ジウム化合物は、水に不溶性の硫酸バナジル(β
−VOSO4)になるので、触媒中のバナジウム化
合物としては水溶性の硫酸バナジル以外に他のバ
ナジウム化合物はほとんど含まれていないが、少
量(全バナジウム化合物の5重量%以下程度)で
あれば他のバナジウム化合物が含まれていても差
支えない。なお水に不溶性の硫酸バナジルそれ自
体は、赤外線吸収スペクトルによると、水溶性硫
酸バナジル(α−VOSO4)に見られない940-1cm
および510-1cmに特徴的な吸収ピークを有してお
り、ASTM19−1400にバナジウム(IV)オキサ
イドサルフエイト〔Vanadium(IV)Oxide
Salfate〕として記載されている。触媒中の硫酸
バナジル濃度が5重量%以下の場合には、940-1
cmおよび510-1cmの赤外線吸収スペクトルは顕著
ではないが、ESCAを用いて分析すると、バナジ
ウムの原子価は4価であり、また触媒を水につけ
てもバナジウムの溶出がないことから、水に不溶
性の硫酸バナジルと認められる。 また原料として使用したチタン酸スラリのチタ
ン酸は、触媒中でどのようなチタン化合物になつ
ているかX線回折スペクトルなどでは十分明らか
ではないが、チタン酸と二酸化チタンを含む複雑
なチタン化合物になつているのではないかと推定
される。 〔実施例〕 各例において、NOx除去活性(初期活性)の
試験は、9〜12meshに破砕した触媒12mlをステ
ンレス製反応に充填し、反応管、に、
NO300ppm、NH3300ppm、SO2800ppm、
H2O10%、O23%および残りN2からなるモデルガ
ス(NH3/NO=1,モル比)を、空間速度
30000hr-1の流量で流し、320℃、350℃、380℃お
よび410℃に保持し、24時間後、反応管入口およ
び出口におけるガス中のNOx含有量を化学発光
式NOx分析計で測定し、次式に従つてNOx(%)
を求める方法で行つた。 NOx除去率(%)=X1−X2/X1×100 X1=反応管入口におけるガス中のNOx濃度 X2=反応管出口におけるガス中のNOx濃度 また各触媒とも初期におけるNOx除去活性を
測定した後、380℃で、2000hrの耐久試験を行つ
た。 またSO2の酸化活性の試験は、前記モデルガス
を前記と同様にして空間速度10000hr-1の流量で
流し、350℃および380℃に保持し、72時間後、反
応管入口および出口におけるガス中のSO2および
SO3濃度を分析,測定し、次式によりSO2酸化率
(%)を求める方法で行つた。 SO2酸化率=Z/Y×100 Y=反応管入口におけるガス中のSO2濃度 Z=反応管出口におけるガス中のSO3濃度 また各例のチタン酸スラリ中の水溶性硫酸根
(SO2- 4)含有量(mg)は、TiO2(チタン酸を二酸
化チタンに換算)1gに対する量であり、その含
有量の測定はバリウムで固定する方法で行つた。 実施例 1 硫酸タンの熱加水分解法で製造されたメタチタ
ン酸の水スラリ(硫酸法で製造したメタチタン酸
の水スラリ)を水洗して、水溶性硫酸根含有量
3.2mgのメタチタン酸水スラリ(TiO2換算スラリ
濃度25重量%)を準備した。 水6に、メタバナジン酸アンモニウム0.217
Kgを加えて70℃に加温し、撹拌下にシユウ酸(2
水塩)0.351Kgを徐々に加えてバナジウムを還元
してバナジウム化合物の溶液を調製し、これに順
次硫酸アンモニウム0.368Kg、沈降性硫酸バリウ
ム粉末5.4Kgおよび先に準備したメタチタン酸水
スラリを二酸化チタンで換算で4.4Kg加えて混合
し、PH3.5の混合スラリを得た。 混合スラリを撹拌下100℃に加熱してペースト
状にし、押出成形機で4mmφの棒状に成形し、空
気雰囲気下150℃で5時間乾燥した後、空気雰囲
気下450℃で4時間焼成して触媒を得た。 得られた触媒組成は、水に不溶性の硫酸バナジ
ル2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量%およびチ
タン化合物(TiO2換算)44.0重量%からなり、
触媒の比表面積は73m2/gであつた。初期におけ
るNOx除去率およびSO2酸化率を第1表に、ま
た長期におけるNOx除去率を第2表に示す。 実施例 2 実施例1において沈降性硫酸バリウム粉末の使
用量およびメタチタン酸水スラリの使用量をかえ
たほかは、実施例1と同様にして、水に不溶性の
硫酸バナジル2.0重量%、硫酸バリウム70.0重量
%およびチタン化合物(TiO2換算)28.0重量%
からなる触媒を製造した。なお混合スラリのPHは
3.1であつた。 触媒の比表面積は42m2/gであり、触媒性能試
験結果は第1表および第2表に示す。 実施例 3 実施例1において沈降性硫酸バリウム粉末の使
用量およびメタチタン酸水スラリの使用量をか
え、押出成形する前のペースト状物に、触媒中の
酸性白土が15重量%になるように酸性白土を混練
したほかは、実施例1と同様にして、水に不溶性
の硫酸バナジル2.0重量%、硫酸バリウム45.7重
量%、チタン化合物37.3重量%および酸性白土
15.0重量%からなる触媒を製造した。なお混合ス
ラリのPHは3.3であつた。 触媒の比表面積では67m2/gであり、触媒性能
試験結果は第1表および第2表に示す。 実施例 4 実施例1においてメタチタン酸水スラリとして
水溶性硫酸根含有量29mgのメタチタン酸水スラリ
(TiO2換算スラリ濃度30重量%)を使用したほか
は、実施例1と同様にして、水に不溶性の硫酸バ
ナジル2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量%およ
びチタン化合物(TiO2換算)44.0重量%からな
る触媒を製造した。なお混合スラリのPHは2.6で
あつた。 触媒の比表面積は49m2/gであり、触媒性能試
験結果は第1表および第2表に示す。 実施例 5 実施例1においてメタチタン酸水スラリとして
水溶性硫酸根含有量0.5mgのメタチタン酸水スラ
リ(TiO2換算スラリ濃度30重量%)を使用した
ほかは、実施例例1と同様にして、水に不溶性の
硫酸バナジル2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量
%およびチタン化合物(TiO2換算)44.0重量%
からなる触媒を製造した。なお混合スラリのPHは
3.8であつた。 触媒の比表面積は68m2/gであり、触媒性能試
験結果は第1表および第2表に示す。 実施例 6 実施例1において混合スラリのPH3.5を希アン
モニウム水を滴下してPH6.5にしたほかは、実施
例1と同様にして、水に不溶性の硫酸バナジル
2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量およびチタン
化合物(TiO2換算)44.0重量%からなる触媒を
製造した。 触媒の比表面積は75m2/gであり、触媒性能試
験結果は第1表および第2表に示す。 実施例 7 実施例1において混合スラリのPH3.5モノエタ
ノールアミンを滴下してPH6.0にしたほかは、実
施例1と同様にして、水に不溶性の硫酸バナジル
2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量%およびチタ
ン化合物(TiO2換算)44.0重量%からなる触媒
を製造した。 触媒の比表面積は74m2/gであり、触媒性能試
験結果は第1表および第2表に示す。 比較例 1 実施例1においてメタチタン酸水スラリを使用
しなかつたほかは、実施例1と同様にして、水に
不溶性の硫酸バナジル7.5重量%および硫酸バリ
ウム92.5重量%からなる触媒を製造した。なお混
合スラリのPHは1.5であつた。 触媒の比表面積は5m2/gであり、触媒性能試
験結果は第3表および第4表に示す。 比較例 2 実施例1において硫酸バリウム粉末を使用しな
かつたほかは、実施例1と同様にして、水に不溶
性の硫酸バナジル2.0重量%およびチタン化合物
(TiO2換算)98.0重量%からなる触媒を製造し
た。なお混合スラリのPHは3.4であつた。 触媒の比表面積は89m2/gであり、触媒性能試
験結果は第3表および第4表に示す。 比較例 3 実施例1と同様の水溶性硫酸根含有量3.2mgの
メタチタン酸スラリを空気雰囲気下120℃で6時
間乾燥したチタン酸を、メタチタン酸水スラリの
かわりに混合したほかは、実施例1と同様にし
て、水に不溶性の硫酸バナジル2.0重量%、硫酸
バリウム54.0重量%およびチタン化合物(TiO2
換算)44.0重量%からなる触媒を製造した。なお
混合スラリのPHは3.4であつた。 触媒の比表面積は48m2/gであり、触媒性能試
験結果は第3表および第4表に示す。 比較例 4 実施例1のメタチタン酸スラリのかわりに、水
溶性硫酸根含有量68.5mgのメタチタン酸水スラリ
(TiO2換算スラリ濃度30重量%)を使用したほか
は、実施例1と同様にして、水に不溶性の硫酸バ
ナジル2.0重量%、硫酸バリウム54.0重量%およ
びチタン化合物(TiO2換算)44.0重量%からな
る触媒を製造した。なお混合スラリのPHは2.2で
あつた。 触媒の比表面積は43m2/gであり、触媒性能試
験結果は第3表および第4表に示す。 比較例 5 実施例1においてバナジウム化合物の溶液に、
硫酸アンモニウムとメタチタン酸水スラリを混合
して120℃で乾燥させた後、沈降性硫酸バリウム
粉末および少量の水を加えてペースト状にし、こ
れを押出成形機で成形したほかは、実施例1と同
様にして、水に不溶性の硫酸バナジル2.0重量%、
硫酸バリウム54.0重量%およびチタン化合物
(TiO2換算)44.0重量%からなる触媒を製造し
た。 触媒の比表面積は55m2/gであり、触媒性能試
験結果は第3表および第4表に示す。
【表】
【表】
【表】
〔発明の効果〕
実施例および比較例から明らかであるように、
本発明によつて得られる触媒は、高温においても
NOx除去活性を長期にわたつて安定して高く維
持することができ、SO2酸化活性も低く、さらに
は単位時間当りの排ガス処理能力も高いという特
長を有している。また本発明によると、一度焼成
するだけで耐久性のある触媒が得られ、触媒原料
としても特に高価なものを必要としない利点があ
る。 これに対してチタン酸スラリを使用しないで製
造したチタン化合物を含まない触媒(比較例1)
は、長期でもNOx除去活性は安定しているが初
期および長期ともNOx除去活性が低いだけでな
く、SO2酸化活性も大きい。また硫酸バリウムを
使用しないで製造した硫酸バリウムを含まない触
媒(比較例2)は、初期におけるNOx除去活性
が高く、SO2酸化活性も低いが、長期における
NOx除去活性が悪い。 またチタン酸スラリにかえてチタン酸粉末を使
用して製造した触媒(比較例3)は、長期におけ
るNOx除去活性が低い。 またチタン酸スラリとして水溶性硫酸根含有量
の高いものを使用した触媒(比較列4)は、SO2
酸化活性が大きい。またバナジウム化合物の溶液
にチタン酸スラリを混合し、乾燥させた後、硫酸
バリウムを混合して製造した触媒(比較例5)
は、長期におけるNOx除去活性が低い。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 バナジウムの原子価が5価のバナジウム化合
    物を還元性物質および溶媒の存在下に還元してバ
    ナジウムの原子価を5価より小さい原子価に還元
    したバナジウム化合物の溶液に、硫酸または硫酸
    のアンモニウム塩,硫酸バリウムおよびチタン酸
    を混合したスラリを乾燥,焼成して,水に不溶性
    の硫酸バナジル,硫酸バリウムおよびチタン化合
    物からなる窒素酸化物浄化用触媒を製造する方法
    において、チタン酸として、二酸化チタン換算で
    二酸化チタン(TiO2)1gに対して水溶性硫酸根
    (SO2 4 -)の含有量(SO2 4 -/TiO2)が50mg以下の
    チタン酸スラリを使用することを特徴とする窒素
    酸化物浄化用触媒の製法。 2 チタン酸スラリの水溶性硫酸根の含有量が、
    30mg以下である特許請求の範囲第1項記載の窒素
    酸化物浄化用触媒の製法。 3 バナジウム化合物の溶液に硫酸または硫酸の
    アンモニウム塩,硫酸バリウムおよびチタン酸ス
    ラリを混合したスラリのPHが、2〜8である特許
    請求の範囲第1項記載の窒素酸化物浄化用触媒の
    製法。 4 混合したスラリのPHが、3〜7である特許請
    求の範囲第3項記載の窒素酸化物浄化用触媒の製
    法。 5 チタン酸スラリのチタン酸濃度が、二酸化チ
    タン(TiO2)換算で10〜40重量%である特許請
    求の範囲第1項記載の窒素酸化物浄化用触媒の製
    法。 6 チタン酸スラリが、硫酸法により製造したチ
    タン酸水スラリである特許請求の範囲第1項記載
    の窒素酸化物浄化用触媒の製法。
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