JPH038546Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば自動車製造工場において、
ボデイから分離したドアーを搬送したり、ボデイ
に組付けようとするドアーを搬送したりするのに
採用されるパレツト使用の吊下げ搬送装置に関す
るものである。

従来の技術 従来、この種の装置としては、たとえば特開昭
58−36776号公報に見られるように、キヤリヤレ
ールに支持案内されて一定経路上を走行自在なキ
ヤリヤを設け、このキヤリヤに、一枚のドアーを
縦向きで支持自在なドアー支持体（ハンガ）を設
けた構成が提供されている。

考案が解決しようとする問題点 上記の従来形式によると、一台のキヤリヤで一
枚のドアーしか搬送できず効率の悪い搬送とな
る。

本考案の目的とするところは、複数枚の板状物
を同時に安定して搬送し得るパレツト使用の吊下
げ搬送装置を提供する点にある。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決すべく本考案におけるパレツ
ト使用の吊下げ搬送装置は、レールに支持案内さ
れて一定経路上を走行自在な可動体を設け、この
可動体に、左右対の上向き係合具を前後方向に複
数対有するハンガを設け、左右対の係合具間に係
脱自在な被係合具を有し、かつハンガに対して前
後方向で複数放を並列して載置自在なパレツトを
設け、このパレツトに、板状物を縦向きで支持自
在な受け具を設けて構成している。

作 用 かかる本考案構成によると、受け具を介して板
状物を支持してなるレツトは、その被係合具を左
右対の係合具間に係合させることで、ハンガ側に
安定して支持させることができ、さらにパレツト
は、ハンガの前後方向に複数支持させることがで
きる。

実施例 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図、第２図において、１はレール２に支持
案内されて一定経路３上を走行自在な可動体で、
パワートロリ４と、ロードトロリ５と、フレーム
６とから構成される。前記レール２はブラケツト
７を介して天井梁８側に支持されている。前記パ
ワートロリ４は、前記レール２の上面に載置され
るべくトロリ本体９の上部に取付けた駆動輪体１
０と、この駆動輪体１０に連動すべくトロリ本体
９に設けた正逆駆動自在な走行用駆動装置１１
と、レール２の側面に対向すべくトロリ本体９に
設けたガイドローラ１２とから構成される。また
ロードトロリ５は、前記レール２の上面に載置さ
れるべくトロリ本体１３の上部に取付けた従動輪
体１４と、レール２の側面に対向すべくトロリ本
体１３に設けたガイドローラ１５とから構成され
る。そしてレール２の側面に給電装置１６を全長
に亘つて配設するとともに、前記パワートロリ４
のトロリ本体９に集電装置１７を設けている。前
記フレーム６は、両トロリ４，５の下端側にそれ
ぞれトラニオンピン１８，１９を介して連結され
る。前記可動体１の下部にはハンガ２０が取付け
られ、このハンガ２０は左右対で上向きの係合具
２１Ａ，２１Ｂを前後方向に複数対有する。すな
わちハンガ２０は、正面視での門形部材２２を前
後一対有するとともに、これら門形部材２２の天
枠部をフレーム６に固定している。そして両門形
部材２２の前後での下端間に受け材２３Ａ，２３
Ｂを取付け、これら受け材２３Ａ，２３Ｂの上面
からピン状の前記係合具２１Ａ，２１Ｂを、前後
方向で所定ピツチＰ置きに突設している。前記受
け材２３Ａ，２３Ｂの前後端にはストツパ片２４
Ａ，２４Ｂが取付けられる。２５は長尺板状のパ
レツトで、その幅Ｗは前記所定ピツチＰに対して
少し短めに設定してある。このパレツト２５の両
端で幅Ｗの中央部には、左右対の係合具２１Ａ，
２１Ｂ間に係脱自在な孔状の被係合具２６Ａ，２
６Ｂが設けられている。この実施例では係合具２
１Ａ，２１Ｂとしてピン状のもの、被係合具２６
Ａ，２６Ｂとして孔状のものを示したが、これは
逆であつてもよく、さらには上下方向で係脱する
他の手段であつてもよい。前記パレツト２５の上
面には、板状物の一例である自動車のドアー２７
を支持する受け具、すなわち下端受け具２８と側
面受け具２９とが設けられている。

第３図、第４図において３５はスラツトコンベ
ヤでボデイ３６を支持搬送する。前記一定経路３
を形成するレール２は、分岐されたのち前記スラ
ツトコンベヤ３５の両側に沿い、そして或る距路
の分断区間を置いたのち合流するようにしてあ
る。ここで分岐経路のうち一方は左ドアー用であ
り、また他方は右ドアー用である。両分断区間の
始端部には上手昇降装置３７を介して上手昇降レ
ール３８が配設され、また終端部には下手昇降装
置３９を介して下手昇降レール４０が配設され
る。そして両昇降装置３７，３８の間には、天井
近くに配設した前記レール２に対して上下方向の
中間位置に中継レール４１が固設されている。そ
して両昇降レール３８，４０の始終端は、その昇
降によつてレール２と中継レール４１とに択一的
に接続自在となる。前記中継レール４１の下方に
は、リフト装置４２を介してパレツト受け台４３
が設けられる。

次に上記実施例の作用を説明する。

可動体１は、走行用駆動装置１１で駆動輪体１
０を回転させることによつて、レール２に支持案
内されて一定経路３上を走行する。ハンガ２０が
空の可動体１は分岐され、スラツトコンベヤ３５
に沿つて走行したのち、上昇限にあ上手昇降レー
ル３８上に乗り移る。そして上手昇降レール３８
が下降して中継レール４１に接続することによ
り、可動体１は上手昇降レール３８から中継レー
ル４１へと走行される。中継レール４１上の可動
体１は、リフト装置４２を通り抜けたのち停止さ
れる。この状態でリフト装置４２のパレツト受け
台４３上には所定枚数のパレツト２５が、幅Ｗの
方向を前後方向（可動体走行方向）として、並列
して載置される。そしてスラツトコンベヤ３５上
で搬送されてきたボデイ３６からドアー２７が取
外され、このドアー２７は両受け具２８，２９を
介してパレツト２５に積付けられる。全てのパレ
ツト２５にドアー２７を積付けた状態で、これら
パレツト２５群はリフト装置４２の作動で上昇す
るパレツト受け台４３を介して持上げられる。次
いで可動体１が後進され、そのハンガ２０の受け
材２３Ａ，２３Ｂをパレツト２５群の下方に突入
させる。そしてリフト装置４２を下降動させるこ
とで、パレツト２５群の両側を受け材２３Ａ，２
３Ｂ上に載せるのであるが、その際に係合具２１
Ａ，２１Ｂに対して被係合具２６Ａ，２６Ｂが上
方から係合して、これらパレツト２５の位置決め
が行なわれる。次いで可動体１は前進走行され、
下降限にある下手昇降レール４０上に乗り移る。
そして下手昇降レール４０が上昇してレール２に
接続することで、可動体１は下手昇降レール４０
からレール２へと乗り移り、次工程へと走行され
る。

なおパレツト２５を介しての卸し作業は一枚づ
つ独立して行なつてもよく、また積込みも一枚づ
つ行なつてもよい。

考案の効果 上記構成の本考案によると、受け具を介して板
状物を支持してなるパレツトは、その被係合具を
左右対の係合具間に係合させることで、ハンガ側
に安定して支持させることができ、さらにパレツ
トは、ハンガの前後方向に複数支持させることが
できる。これにより一台の可動体で複数枚の板状
物を同時に効率良く、しかもそれぞれ安定して搬
送することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
切欠き側面図、第２図は正面図、第３図は一使用
例を示す平面図、第４図は同側面図である。 １……可動体、２……レール、３……一定経
路、４……パワートロリ、５……ロードトロリ、
６……フレーム、１１……走行用駆動装置、２０
……ハンガ、２１Ａ，２１Ｂ……係合具、２２…
…門形部材、２３Ａ，２３Ｂ……受け材、２５…
…パレツト、２６Ａ，２６Ｂ……被係合具、２７
……ドアー（板状物）、２８……下端受け具、２
９……側面受け具、３５……スラツトコンベヤ、
３６……ボデイ、４１……中継レール、４２……
リフト装置、４３……パレツト受け台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レールに支持案内されて一定経路上を走行自在
   な可動体を設け、この可動体に、左右対の上向き
   係合具を前後方向に複数対有するハンガを設け、
   左右対の係合具間に係脱自在な被係合具を有し、
   かつハンガに対して前後方向で複数枚を並列して
   載置自在なパレツトを設け、このパレツトに、板
   状物を縦向きで支持自在な受け具を設けたことを
   特徴とするパレツト使用の吊下げ搬送装置。