JPH0381694A - 高速増殖炉用ライニング設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的コ （産業上の利用分野） 本発明は高速増殖炉用発電プラントにおけるコンクリー
ト製建屋の建屋構造材コンクリートを保護するための高
速増殖炉用ライニング設備に関する。

（従来の技術） 一般に高速増殖炉の冷却材として使用される液体ナトリ
ウムは化学的に極めて活性な化合物であり、酸素ないし
は水素等と激しく反応することは周知の通りである。従
って、原子炉容器から液体ナトリウムの大規模な漏洩が
生じた場合、雰囲気中の酸素ないしは水素と反応して大
量の熱を発生する。また、この液体ナトリウムはコンク
リート製建屋を構成するコンクリートと接触するとコン
クリート中の結合水と反応して水素を発生する。

この水素が蓄積されると非常に危険であり、またコンク
リートは脱水によってその構造強度が著しく低下する。

これを防止するため、コンクリート建屋には第２図に示
すようなライニング設備を施して建屋の健全性を確保す
るようにしている。すなわち、第２図に示すように建屋
構造材コンクリート１の上に高温時にも強度を有する耐
熱コンクリート２を敷設し、その耐熱コンクリート２の
上に漏洩してくるナトリウムと反応しない塗布材ライナ
３を施工している。ところで、建屋構造材コンクリート
１．耐熱コンクリート２および塗布材ライナ３には漏洩
した液体ナトリウムを流れやすくするために予め勾配が
付けられている。すなわち、例えば建屋内の機器・配管
等から液体ナトリウムの漏洩が生じた場合、その液体ナ
トリウムは前記勾配に沿って流下し、ドレンパイプ４を
通して建屋の最下部に設けた貯溜室（図示してない）に
流入し、貯溜室内のタンクに貯溜されるようになってい
る。図中５はドレンパイプ４が接続されるドレン溝を示
している。

なお、上述した例はコンクリート製建屋の床面における
ライニング設備を示しているが、ライニング設備はそれ
のみでなく漏洩した液体ナトリウムと接触するおそれの
ある壁面６等にも設けられる。

塗布材ライナ３はナトリウムとは反応しない物質で構成
されているので、漏洩ナトリウムがそのライナ３の上を
流下中にコンクリートとの反応により火災が過大になる
ことはない。また、耐熱コンクリート２は温度が高くて
も強度が確保され、その断熱性からその下階の低温状態
でのみ強度が確保された建屋構造材コンクリート１の健
全性も確保することができる。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、建屋構造材コンクリートには自由水とか
結合水の形で水分が含まれている。そこで、漏洩ナトリ
ウムの熱による温度上昇と共にこれらの水分が遊離して
１００℃を越える温度で水蒸気を発生する。この水蒸気
の発生に伴ないコンクリート内の圧力が上昇して塗布材
ライナに圧力を加え塗布材ライナの破損をもたらすこと
が懸念される課題がある。

本発明は上記課題を解決するためになされたもので、耐
熱コンクリート内に遊離してくる水分に対する対策を施
した高速増殖炉用ライニング設備を提供することにある
。

［発明の構ｔｃ］ （課題を解決するための手段） 本発明はコンクリート製建屋内に液体ナトリウムを案内
する配管などを収納し、前記配管などから漏洩するナト
リウムと前記コンクリート製建屋の建屋構造材コンクリ
ートとの接触を防止するために前記建屋構造材コンクリ
ート上に耐熱コンクリートを敷設し、前記耐熱コンクリ
ート上に漏洩ナトリウムと反応しない塗布材ライナを施
工してなる高速増殖炉用ライニング設備において、前記
耐熱コンクリートに複数のベント溝を設け、これらのベ
ント溝にベント管を接続してなることを特徴とする。

（作　用） 漏洩したナトリウムは塗布材ライナの勾配に沿って流れ
ドレンパイプを通して貯溜室内のタンクに溜められるが
、コンクリート床との接触は遮断される。漏洩ナトリウ
ムの熱による温度上昇によって遊離されるコンクリート
中からの水蒸気は建屋構造材コンクリートおよび耐熱コ
ンクリートの下方から上昇してベント溝に集められる。

ベント溝内の水蒸気はベント管を通してコンクリート内
から放出させる。

したがって、過大な外圧を塗布材ライナに付加すること
なくライニング設備の構造健全性を確保することができ
る。

（実施例） 第１図を参照しながら本発明に係る高速増殖炉用ライニ
ング設備の一実施例を説明する。

なお、第１図は本発明の要部のみを示し、第２図と同一
部分には同一符号で示す。

図中、符号１は高速増殖炉用ライニング設備の建屋構造
材コンクリートを部分的に拡大して示したもので、この
建屋構造材コンクリート１上に耐熱性に優れた耐熱コン
クリート２が敷設されている。この耐熱コンクリート２
には複数のベント溝７が設けられている。これらのベン
ト溝７にはそれぞれベント管８の一端が開口して挿入さ
れている。ベント管８の他端は外部に開放されている。

耐熱コンクリート２の表面には漏洩したナトリウムと直
接接触しても反応しない物質で構成された塗布材ライナ
３が施工されている。これら耐熱コンクリート２および
塗布材ライナ３は建屋の床面だけでなく建屋の壁面６に
も形成されている。

耐熱コンクリート２は２００℃以上の高温状態において
も普通コンクリートの室温状態での強度と同程度または
それ以上の強度を有するものである。

また、塗布材ライナ３．耐熱コンクリート２および建屋
構造材コンクリート１を貫通して漏洩したナトリウムを
流出させるドレン管４が設けられている。漏洩ナトリウ
ムとコンクリートとが反応して水蒸気が発生した場合、
その水蒸気はベント溝７に集められベント管８から放出
されるためにコンクリート内の圧力の上昇を防止するこ
とができる。

なお、複数のベント溝７にはそれぞれの溝７にベント管
８を挿入する必要はなく、それぞれのベント溝７を相互
に連通しておけば、ベント管は一本でもよいことになる
。また、ベント溝７またはベント管８に排気装置を接続
することによって本発明の効果をより一層向上させるこ
とができる。

［発明の効果］ 本発明によれば、建屋構造材コンクリートまたは耐熱コ
ンクリートの温度が上昇することに伴なう水蒸気発生に
対して上記各コンクリート内の圧力上昇を生じることが
なくなる。よって、高速増殖炉建屋の健全性を確保する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る高速増殖炉用ライニング設備の一
実施例の建屋躯体を部分的に示す断面図、第２図は従来
のライニング設備を示す断面図である。 １・・・建屋構造材コンクリート ２−耐熱コンクリート ３・・・塗布材ライナ ４・・・ドレンパイプ ５・・・ドレン溝 ６・・・建屋壁面 ７・・・ベント溝 ８・・・ベント管 第 図 第 図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. コンクリート製建屋内に液体ナトリウムを案内する配管
   等を収納し、前記配管等から漏洩するナトリウムとコン
   クリート製建屋の建屋構造材コンクリートとの接触を防
   止するために前記建屋構造材コンクリート上に耐熱コン
   クリートを敷設し、前記耐熱コンクリート上に漏洩ナト
   リウムと反応しない塗布材ライナを施工してなる高速増
   殖炉用ライニング設備において、前記耐熱コンクリート
   にベント溝を設け、このベント溝にベント管を接続して
   なることを特徴とする高速増殖炉用ライニング設備。