JPH0381191B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、銀行等の金融機関で用いられる硬貨
分類機能付の硬貨入出金機に関する。

（従来の技術） 銀行等の金融機関では、紙幣を人手を介すこと
なく入出金できる機械、たとえば自動預金支払機
や窓口における紙幣入出金機などが使われるよう
になつてきた。しかし、硬貨を人手を介すことな
く入出金できる機械はない。

従来、多量の硬貨を一括して投入入金できる金
銭受入機として、たとえば特開昭50−7596号公報
記載の構成が知られている。これは硬貨受入口か
ら硬貨を落下させ、各硬貨毎の選別孔に所定の硬
貨を導入するものである。

ところが、この特開昭50−7596号公報記載の構
成のものでは、落下された硬貨を一時保留できな
いため、顧客が自分で認識していた金種や数量と
異なつていても投入された硬貨を返却することは
できない。

また、一時保留できるものとして特開昭51−
113797号公報記載の自動販売機が知られている。
これは、入金された硬貨を一時保留する一時保留
部を設けたものである。

ところが、この特開昭51−113797号公報の構成
は自動販売機のものであり、硬貨は単に１枚１枚
投入されるにすぎない。これに対し、通常、金融
機関では硬貨の入金が多量である場合が多いの
で、１枚ずつ投入する構成では入金に手間がかか
り実用的でない。

（発明が解決しようとする問題点） 上述のように、特開昭50−7596号公報記載のも
のでは、一時保留部を有さないので硬貨を返却す
ることができない。

また、特開昭51−113797号公報記載の構成で
は、硬貨を１枚ずつ投入しなければならないの
で、入金に手間がかかり実用的ではない。

そこで、特開昭50−7596号公報記載の構成およ
び特開昭51−113797号公報記載の構成を組合わせ
た構成が考えられる。

これは、一括して投入された硬貨を１枚ずつ硬
貨投入口に送り込み検銭装置により金種を判別し
た後に、一時保留装置で一時保留し硬貨受取口に
返却可能とする。そして、次の顧客の硬貨の投入
により一時保留されている硬貨を整列放出装置に
落下させ、選別穴を有する傾斜通路を転動させて
振り分け装置により金種別に振り分けて収納する
ものである。

しかしながら、上述の構成では硬貨投入口へ送
り込む速度を速くすることができないため、多量
の硬貨の入金処理には時間がかかり実用に適さな
い。

また、一時保留後の硬貨は選別穴を有する傾斜
通路を転動させて金種毎に振り分けるので処理速
度が遅く、さらにはゴミ等の異物の付着により誤
選別を起こしやすい。

さらに、硬貨の返却および出金時には硬貨投入
口とは全く別の投出口に硬貨を排出するため操作
性が悪い問題を有している。

本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、
一括投入された多量の硬貨を迅速に計数判別する
とともに一時保留後の硬貨の分類も確実かつ高速
に行なうことができ、また、出金取出口および返
却口を入金受入部と兼用させ小型化を図つた硬貨
入出金機を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明の硬貨入出金機は、底部を開閉する底部
開閉シヤツターを有し、閉塞状態のこの底部開閉
シヤツター上へ入金硬貨の投入、および、入金異
常硬貨および出金硬貨の放出が行なわれる入金受
入部と、この入金受入部内の入金異常硬貨の有無
を検知する入金異常硬貨有無検知手段と、前記入
金受入部内の投入された入金硬貨である入金投入
硬貨が底部開閉シヤツターの開放によつて放出さ
れる際にこの入金受入部内の入金投入硬貨を一括
して受入れこの入金投入硬貨を入金一次取込み硬
貨として１枚毎に繰出す繰出部と、この繰出部に
より繰出された前記入金一次取込み硬貨および入
金二次取込み硬貨を搬送する搬送部と、この搬送
部にて搬送される前記入金一次取込み硬貨が正常
である入金正常硬貨か入金異常硬貨かの判別およ
び入金正常硬貨の金種の判別を１枚毎に行なう判
別部と、前記搬送部で搬送され、前記判別部で入
金正常硬貨と判別された入金一次取込み硬貨を受
取つて一時保留するとともに入金一次取込み硬貨
すべての判別終了時点で、前記入金受入部内へ入
金異常硬貨が放出されなかつたことによりもしく
は放出された入金異常硬貨の取出しがなされたこ
とにより前記入金異常硬貨有無検知手段が入金異
常硬貨無を検知したとき、一時保留硬貨を前記底
部開閉シヤツター閉塞状態の前記入金受入部へ放
出する一時保留部と、前記搬送部による入金一次
取込み硬貨搬送中は前記判別部で入金異常硬貨と
判別される異常硬貨を分離し、また前記一時保留
部から前記入金受入部を通じて前記繰出部へ送り
込まれる入金二次取込み硬貨の搬送中は、上記判
別部の判別内容に基づき金種別に硬貨を分ける分
離部と、前記搬送部による入金一次取込み硬貨搬
送中に前記分離部で分離される入金異常硬貨を受
入れ、返却のために放出するリジエクト返却部
と、前記分離部で金種別に分けられた入金二次取
込み硬貨をそれぞれ収納する硬貨収納部と、別途
入力される出金データに基づき上記硬貨収納部か
ら必要枚数の硬貨を投出させる硬貨投出部と、こ
の硬貨投出部によつて放出された硬貨を、前記底
部開閉シヤツター閉塞状態の前記入金受入部に出
金硬貨として搬送するとともに前記搬送部による
入金一次取取込み硬貨の搬送時に前記リジエクト
返却部から放出される入金異常硬貨を前記底部開
閉シヤツター閉塞状態の前記入金受入部へ搬送し
て返却する出金搬送部と、前記一時保留部から前
記入金受入部へ入金一次取込み硬貨が放出された
後に取込指令または返却指令の指示入力を可能と
するとともに取込指令が入力されると前記底部開
閉シヤツターを開放して前記繰出部へ入金一次取
込み硬貨を放出し、前記繰出部、前記搬送部を通
じて硬貨を搬送させて前記判別部で金種を判別さ
せ、分離部にて金種別に硬貨を分離させ、返却指
令が入力されると前記底部開閉シヤツターを閉塞
状態に保持して前記入金受入部からの入金一次取
込み硬貨の取出しを可能とする取込・返却制御部
とを備えたものである。

（作用） 本発明は、底部開閉シヤツターを閉塞した状態
で入金受入部に入金硬貨を一括して投入し、その
後、底部開閉シヤツターを開放し、これら硬貨を
入金一次取込み硬貨として繰出部に放出し、繰出
部で１枚毎に繰出し搬送部で搬送して、判別部で
入金正常硬貨か入金異常硬貨かおよび入金正常硬
貨の金種を１枚毎に判別する。そして、搬送され
た入金正常硬貨を一時保留部で受取つて一時保留
する。また、判別部で入金異常硬貨と判別された
硬貨は、分離部、リジエクト返却部、出金搬送部
を通じて入金受入部へ放出される。こうして、入
金一次取込み硬貨すべての判別終了時点で、前記
入金受入部内へ入金異常硬貨が放出されなかつた
ことによりもしくは放出された入金異常硬貨の取
出しがなされたことにより前記入金異常硬貨有無
検知手段が入金異常硬貨無を検知したとき、一時
保留硬貨を前記底部開閉シヤツター閉塞状態の前
記入金受入部へ放出する。つぎに、取込指令が入
力されると取込・返却制御部を通じて前記底部開
閉シヤツターを開放して前記繰出部へ入金一次取
込み硬貨を放出し、前記繰出部、前記搬送部を通
じて硬貨を搬送させて前記判別部で金種を判別さ
せ、分離部にて金種別に硬貨を分離させて硬貨収
納部に収納される。また、返却指令が入力される
と取込・返却制御部を通じて前記底部開閉シヤツ
ターを閉塞状態に保持して前記入金受入部からの
入金一次取込み硬貨の取出しを可能とする。さら
に、別途入力される出金データに基づき上記硬貨
収納部から硬貨投出部により必要枚数の硬貨を投
出させ、この硬貨投出部によつて放出された硬貨
を、出金搬送路により前記底部開閉シヤツター閉
塞状態の前記入金受入部に出金硬貨として搬送す
る。

（実施例） 以下、本発明の硬貨入出金機の一実施例を図面
を参照して説明する。

第１図において、全体を破線で示す１１は硬貨
入出金機の外形を成す筐体で、この筐体１１の前
面傾斜部には、後述するデータ入力部や表示部等
が配置される接客面１２が設けられているととも
に、硬貨の入金受入部１３の一部を構成する開口
１４が設けられている。上記入金受入部１３は、
上記開口１４、およびこの開口１４と対向して筐
体１１の内側に設けられたホツパー１５とからな
る。ここで、上記開口１４は、開閉用の投入口シ
ヤツター１６を持ち、またホツパー１５もその底
部に底部開閉シヤツターとしてのホツパーシヤツ
ター１７を持つ。

上記ホツパー１５の下方には回転盤２０が設け
られている。この回転盤２０はモータ２４により
回転駆動され、第２図で示すようにその遠心力に
より、前記ホツパー１５から供給された硬貨２５
を入金一次取込み硬貨として、内周壁に押付けな
がら、１個ずつ連続的に通路２１に供給する。そ
して、この回転盤２０とモータ２４とで繰出部を
構成している。

また、１９は入金用の搬送部で、この搬送部１
９は、回転盤２０の接線方向に配置された搬送用
の通路２１、この通路２１の上面に設けられた硬
貨搬送用の搬送ベルト２２、および、通路２１の
末端近傍に設けられた補助搬送部２８等から構成
される。そして、前記搬送ベルト２２は、第２図
で示すように、通路２１に沿つてかけ渡された無
端状のもので、モータ２６により駆動される。そ
うして、通路２１の上面との間に位置する硬貨２
５を保持し、これを通路２１の長さ方向に沿つて
スライドさせる。また、補助搬送部２８は前記通
路２１の末端（図示右端）上面から斜めに立ち上
り、かつ通路２１に沿つてその開始端（図示左
端）近くまで延びる搬送ベルト２８ａと、通路２
１の末端下部から上記搬送ベルト２８ａに沿つて
斜めに立ち上る搬送ベルト２８ｂとで構成され
る。この補助搬送部２８は共通のモータ２９によ
り駆動されるもので、通路２１を通つてきた硬貨
２５を捕え、搬送ベルト２８ａ，２８ｂにて挾持
し、斜め上方に搬送した後に、搬送ベルト２８ａ
にて図示左方に搬送する。

３１は一時保留部で、この一時保留部３１は上
記搬送ベルト２８ａの先端（図示左端）下部か
ら、前記ホツパー１５上に達するバケツト状の搬
送ベルト３２により構成される。この一時保留部
３１は搬送ベルト２８ａにより送られた硬貨２５
を、バケツト状の搬送ベルト３２により受け、一
時保留する。その後、後述する条件成立に伴い、
モータ３３により駆動され、一時保留していた硬
貨２５を前記ホツパー１５上に放出供給する。

第２図において、３５は判別部で、この判別部
３５は前記通路２１の開始端近くに配置されてお
り、この通路２１を通る硬貨２５の種類を１個ず
つ判別する。この判別は、磁気ヘツドや光学イメ
ージセンサー等によつて硬貨２５の材質並びに径
寸法を検出することによつて行なう。すなわち、
予め設定した材質、径寸法およびこれらの組合わ
せにより金種を判別するとともに、これら材質、
径およびその組合わせ以外の物を検知した場合
は、これを異常硬貨として判別する。また、変形
や摩耗した硬貨も異常硬貨として判別する機能を
持つ。

３６は分離部で、この分離部３６は第１図およ
び第２図で示すように、通路２１上に、その長さ
方向に沿つて順次設けられ、前記判別部３５にて
判別した硬貨２５の種類に関する情報に基づき、
通路２１上を通る硬貨２５のうち、対応するもの
を通路２１の側方に取出す。すなわち、この分離
部３６は、通路２１に対し、硬貨２５の進行を阻
止すべく斜め横方向に沿つて配置された分岐板３
７を持つ。この分岐板３７は、第３図で示すよう
に、そのアーム３８を介して連結するソレノイド
３９により、通路２１上に突出駆動され、また、
アーム３８に連結した復帰ばね４０により、通路
２１上から退避動作する。また、各分離部３６は
対応する分離部３６内の通路２１上にある硬貨２
５を検出するための第１センサー４１と、通路２
１の側方に配置され硬貨２５が通路２１上から外
れたことを検出する第２センサー４２とを持つ。
上記第１センサー４１の出力は前記判別部３５に
よる判別情報とともに、前記ソレノイド３９を励
磁する条件信号として用いる。また第２センサー
４２の出力は、反対に前記ソレノイド３９を消磁
する条件信号として用いる。

ここで、図示左から１番目の分離部３６は異常
硬貨用として用い、通路２１上から、判別部３５
にて異常硬貨と判別された硬貨２５だけを側方に
取出す。また、２番目以降の分離部３６は各金種
毎の分離に用いる。たとえば２番目は１円硬貨
用、３番目は５円硬貨用というように順次設定す
る。

４４は硬貨収納部で、この硬貨収納部４４は、
異常硬貨用の分離部３６以外の各分離部３６の側
方に設けられた各金種毎の硬貨収納筒４５をそれ
ぞれ有し、対応する分離部３６にて分離された硬
貨２５を積層状態で収納する。なお、各硬貨収納
筒４５には、その最下部に、硬貨２５の有無を検
知するエンプテイ検知センサー４６を設け、か
つ、そのすぐ上にニアーエンド検知センサー４７
を設け、また最上部にはフル検知センサー４８を
設けている。５０は硬貨投出部で、この硬貨投出
部５０は各硬貨収納筒４５毎に設けられ、対応す
る硬貨収納筒４５内の硬貨２５を、１個ずつ外部
に投出させる。この硬貨投出部５０としては、た
とえば特開昭57−6985号公報に示されたようなモ
ータの回転によりカムおよびレバー等を動作さ
せ、硬貨収納筒４５の最下部の硬貨２５を１枚ず
つ外部に押出すようなものを用いればよい。５１
はオーバーフロー硬貨収納箱で、このオーバーフ
ロー硬貨収納箱５１は最終端の分離部３６に対応
して設けられ、本来収納すべき硬貨収納筒４５が
フル状態のため、分離されずに最終端までに達し
た硬貨２５を収納する。

５３は出金搬送部で、出金搬送部５３は上記各
硬貨収納筒４５から投出される硬貨２５を受ける
べく、硬貨収納筒４５の側方に沿つて設けられ、
かつ、斜め上方に立ち上つた後、前記ホツパー１
５の上部に達する搬送ベルト５３ａと、この搬送
ベルト５３ａの立ち上り部に沿つて設けられる搬
送ベルト５３ｂとから成る。なお、これら搬送ベ
ルト５３ａ，５３ｂは可逆運転可能な共通のモー
タ５４により駆動される。そして各硬貨収納筒４
５から投出された硬貨２５を搬送ベルト５３ａに
て受け、これを搬送ベルト５３ｂとともに挾持し
て上方に搬送した後、搬送ベルト５３ａにてホツ
パー１５内に出金硬貨として搬送する。また、こ
の出金搬送部５３は、モータ５４を逆転すること
により、回収搬送部として働く。すなわち、各硬
貨収納筒４５から投出された硬貨２５を、搬送ベ
ルト５３ａにより、図示右端下方に設置した回収
箱５５に搬送する。

５６はリジエクト返却部で、このリジエクト返
却部５６は、通路２１の図示左から１番目の異常
硬貨排除用の分離部３６の側方に設けられてお
り、この分離部３６にて分離された異常硬貨を、
前記搬送ベルト５３ａ上に直接導く。

なお、第２図において、５８は回転盤硬貨有無
検知センサーで、この回転盤硬貨有無検知センサ
ー５８は、回転盤２０上における硬貨２５の有無
を検知する。この回転盤硬貨有無検知センサー５
８としては、回転盤２０の硬貨繰り出し部近くに
突出するレバー５９を有し、このレバー５９が、
硬貨２５により上方に押上げられたことをフオト
カプラ等にて検知するものを用いればよい。また
前記ホツパー１５にも、ホツパー１５上における
硬貨の有無を検知する図示していないセンサーが
設けられている。このセンサーとしては、たとえ
ば本件出願人により考案された実開昭59−155662
号と同等のものを用いればよい。

次に制御部の構成を第４図により説明する。６
１は中央処理装置（以下CPUと呼ぶ）で、この
CPU６１は取込・返却制御部としての機能を有
し、リード・オンリ・メモリ（以下ROMと呼
ぶ）６２に記憶されているプログラムに従つて、
硬貨２５の入出金動作を制御する。６３はランダ
ム・アクセス・メモリ（以下RAMと呼ぶ）で、
このRAM６３は硬貨処理上の各種データ、たと
えば、金種別計数枚数や金額を、入金、出金別に
記憶したり、出金すべき金額または金種別枚数等
を記憶したりする。

第２図で示した判別部３５は、バス６４を介し
てCPU６１に接続されており、判別結果はCPU
６１に入力される。

６５はデータ入力部で、このデータ入力部６５
は第１図で示した筐体１１の接客面１２に取付け
られたり、あるいは別体の操作ターミナル等に設
けられる。このデータ入力部６５には図示してい
ないが、次のような各種のキーやスイツチ等が設
けられる。以下、これらにつき、それぞれ説明す
る。

金種キー；出金のための投出すべき金種の入力
用。

テンキー；枚数や金額等の数に関するデータ入力
用。

モード切換スイツチ；銀行の係員のみが操作でき
るキースイツチで、補充モード、入出金モー
ド、回収モードのいずれかを選択するべく操作
される。ここで、補充モードとは、硬貨２５を
予め硬貨収納部４４に収納させる場合に選択さ
れるモードである。また入出金モードとは、通
常の顧客や係員が入金または出金操作する場合
に選択されるモードである。さらに、回収モー
ドとは、硬貨収納部４４の硬貨２５を全て回収
箱５５に回収させる場合に選択されるモードで
ある。

入金キー、出金キー；顧客または係員が入金また
は出金するときにそれぞれ操作する。

入金OKキー；硬貨投入後、後述する動作により
投入額や金種別枚数が表示され、これにより顧
客または係員が確認して入金を承認する時に操
作される。

返金キー；上記表示等の結果、入金を承認しない
時操作される。

キヤンセルキー；出金モードのとき操作される
と、硬貨２５が元の硬貨収納部４４に回収され
る。

６６は表示部で、この表示部６６は前記接客面
１２等に設けてあり、CPU６１からのデータに
より、少なくとも、金種別枚数、金額、合計金額
を表示できるものである。

６７はモータ駆動部で、このモータ駆動部６７
はCPU６１からの指令に基づき、前述した各モ
ータ２４，２６，２９，３３，５４を選択的に駆
動制御する。

６８はゲートセンサー回路で、このゲートセン
サー回路６８は前述の各分離部３６に設けた第１
センサー４１および第２センサー４２（計16個）
からの検知出力を、CPU６１に入力させる。

６９はエンプテイ検知センサー回路、７０はニ
アーエンド検知センサー回路、７１はフル検知セ
ンサー回路で、それぞれ対応するセンサー４６，
４７，４８からの各硬貨収納筒４５毎の検知出力
をCPU６１に入力させる。

第１図で示した各硬貨収納筒４５毎の各硬貨投
出部５０も、CPU６１からの指令により選択的
に駆動され、対応する硬貨収納筒４５から硬貨２
５を投出させる。

７３は投入口シヤツター駆動部、７４はホツパ
ーシヤツター駆動部で、それぞれCPU６１から
の指令により、第１図で示した対応するシヤツタ
ー１６，１７を開閉駆動する。

７５はソレノイド駆動部で、このソレノイド駆
動部７５は前述の各分離部３６毎に設けられた第
３図で示すソレノイド３９を、CPU６１からの
指令により選択的に励磁させ、対応する硬貨２５
を分離させるためのものである。

第２図で示した回転盤上の回転盤硬貨有無検知
センサー５８およびホツパー１５内における図示
しない入金異常硬貨有無検知手段として、ホツパ
ー硬貨有無検知センサー７７の各検知出力も
CPU６１に入力される。

次に作用を第５図にフローチヤートを参照して
説明する。

(1) 入金モードの場合 係員がデータ入力部６５のモード切換スイツチ
を入出金モードに切換えている状態で入金モード
が操作されると、CPU６１はこの入金モードに
選択されたことを判定（ステツプ１）した後、投
入口シヤツター１６を開く（ステツプ２）。この
状態でホツパー１５内に硬貨２５が投入されたか
否かをホツパー硬貨有無検知センサー７７からの
情報により判定する（ステツプ３）。この場合、
一定時間内に投入されなければ投入口シヤツター
１６を閉じ（ステツプ４，５）、ステツプ１に戻
る。一定時間内に投入された場合は、投入から約
３秒後に投入口シヤツター１６を閉塞し（ステツ
プ６）、次に、ホツパーシヤツター１７を開放し
（ステツプ７）、ホツパー１５内の硬貨２５を回転
盤２０上に落下させ、入金一次取込み硬貨２５の
取込み動作がなされ、この状態で、回転盤２０お
よびモータ２４からなる繰出部および搬送部１
９，２８，５３を駆動すべく、モータ２４，２
６，２９，５４を起動させる（ステツプ８）。こ
のため回転盤２０は回転し、前記硬貨２５を遠心
力により内周に沿つて整列させ、かつ通路２１に
１個ずつ連続的に繰り出す。通路２１に繰り出さ
れた硬貨２５は、その上部にかけ渡された搬送ベ
ルト２２により長手方向に沿つて順次搬送され
る。

この通路２１の開始端近くには、判別部３５が
設けてあり、通路２１上を搬送される硬貨２５の
種類を判別する（ステツプ９，10）。この判別の
結果、排除すべき異常硬貨が検出された場合は、
通路２１の最も開始端に寄つた分離部３６の第１
センサー４１が検知動作したことを条件に（ステ
ツプ11）、そのソレノイド３９を励磁し（ステツ
プ12）、分岐板３７を通路２１上に突出させ、異
常硬貨を通路側方のリジエクト返却部５６に排除
する。この排除動作により、硬貨２５がリジエク
ト返却部５６に入つたことを第２センサー４２が
検知すると（ステツプ13）、ソレノイド３９を消
磁させ（ステツプ14）、分岐板３７を通路２１上
から退却させる。なお、排除された異常硬貨はリ
ジエエクト返却部５６から搬送ベルト５３ａ上に
落下し、この搬送ベルト５３ａによりホツパー１
５内に返却される。もちろん、このときホツパー
シヤツター１７は閉塞されており、異常硬貨はホ
ツパー１５内に保持される。

これに対し判別硬貨が正常であれば、その金種
に対応した信号を生じるので、これを前記RAM
６３内の金種別メモリの対応する計数部に＋１と
して加える（ステツプ15）。この動作は、回転盤
２０上に硬貨２５が無いと判定（ステツプ16）さ
れるまで、全ての入金一次取込み硬貨２５につき
繰り返し実行される。このようにして、投入され
た全ての硬貨２５につき、各金種毎の枚数を計数
することができる。そして、この計数された内容
はデータの表示部６６により表示される。また、
このとき、前述した異常硬貨排除用の分離部３６
以外の各金種毎の分離部３６は動作しないので、
通路２１上を搬送された正常な各硬貨２５は、入
金一次取込み硬貨２５として補助搬送部２８に捕
えられ、これにより一時保留部３１のバケツト状
の搬送ベルト３２上に順次供給される。

このようにして、全ての硬貨２５につき判別を
終了すると、繰出部および搬送部１９，２８，５
３を停止すべくモータ２４，２６，２９，５４を
停止させる（ステツプ17）。

次に、投入された硬貨のうち、排除された異常
硬貨があるか否かを判断する（ステツプ18）。す
なわち排除された場合、異常硬貨は前述のように
ホツパー１５内に戻されているので、ホツパー１
５内のホツパー硬貨有無検知センサー７７により
これを検知する。排除された異常硬貨がある場合
は、投入口シヤツター１６を開き、異常硬貨を顧
客または係員が取出した後、これを閉じる（ステ
ツプ19，20，21）。

上記異常硬貨取出し後、あるいは異常硬貨がな
い場合は、一時保留部３１を駆動すべくモータ３
３を起動する（ステツプ22）。この動作により一
時保留部３１上の硬貨２５は、全てホツパー１５
内に放出される。モータ３３は、上記放出に要す
る時間（約５秒）経過後停止制御される（ステツ
プ23，24）。

次に、顧客または係員が、前記データの表示部
６６に表示された各金種毎の枚数等のデータを目
視確認し、投入した硬貨２５を入金してもよいと
判断したならば、データ入力部６５に設けた前記
入金OKキーを操作して取込指令を入力する（ス
テツプ25）。この取込指令の入力により、取込制
御部でもあるCPU６１は、再び前記ホツパーシ
ヤツター１７を開動作させ（ステツプ26）、ホツ
パー１５内の硬貨２５を入金二次取込み硬貨２５
として回転盤２０上に供給する。さらに繰出部お
よび搬送部１９を駆動すべくモータ２４，２６を
起動する（ステツプ27）。この動作により、回転
盤２０上の硬貨は再び通路２１上に繰り出され、
この通路２１上を搬送される。そして、再び判別
部３５にて金種が判別され（ステツプ28）、この
金種に対応する前記分離部３６を動作させ（ステ
ツプ29）、通路２１上を搬送されて来る対応する
金種の硬貨を通路２１上から分離し、側方に位置
する硬貨収納筒４５内に収納させる。この分離収
納動作は、回転盤２０上に硬貨なしと判定（ステ
ツプ30）されるまで、全ての硬貨２５について繰
り返し実行される。そして全ての硬貨２５の分離
収納が終つたら、繰出部および搬送部１９を停止
すべく、モータ２４，２６を停止させ（ステツプ
31）、入金を終了する。

これに対し、前述したデータの表示部６６の内
容確認後、顧客または係員が自分の認識していた
データ（金種、枚数等）と異なる等の理由によ
り、入金を行なわない場合、すなわち、データ入
力部６５の返金キーが操作された場合は、返却指
令が出力され、投入口シヤツター１６が開制御さ
れる（ステツプ32）。そして、顧客または係員が
ホツパー１５内から硬貨２５を取出したことを確
認した（ステツプ33）後、投入口シヤツター１６
を閉じ（ステツプ34）、終了する。

(2) 出金モードの場合 係員がデータ入力部６５のモード切換スイツチ
を入出金モードに切換えている状態で出金キーが
操作されていて、かつ、金種キーやテンキー等に
より、出金金額や金種枚数を入力すると、CPU
６１は出金指令が入力されたことを判断（ステツ
プ35）した後、各硬貨収納筒４５毎に設けた硬貨
投出部５０のうち、入力された金種に対応するも
のを動作させる（ステツプ36）。この投出動作は、
投出された各金種毎の硬貨２５の数が、入力され
た出力データと一致したと判定される（ステツプ
37）まで繰り返し実行される。すなわち、上記判
定は、投出された硬貨２５を検出計数し、その値
を出金データと金種毎に比較することによりなさ
れる。なお、投出された硬貨２５は、出金搬送部
５３の搬送ベルト５３ａ上に受け止められる。

上記動作により、投出硬貨が出金データと一致
したならば、次に出金搬送部５３を駆動すべく、
モータ５４を正転させる（ステツプ38）。このた
め、搬送ベルト５３ａ上に投出されていた硬貨２
５は同搬送ベルト５３ａによりホツパー１５内に
搬送される。なお、この出金搬送部５３は、硬貨
２５をホツパー１５まで搬送するための時間（約
15秒）経過後、停止制御される（ステツプ39，
40）。

次に、上記投出動作が正常であつたか否かを判
定（ステツプ41）する。すなわち、具体的検知装
置は図示していないが、投出時の事故等により、
この検知装置が動作し、投出動作が正常でないと
判断された場合、あるいは、データ入力部６５の
キヤンセルキーが操作された場合は、前記ホツパ
ーシヤツター１７を開放し（ステツプ26）、ホツ
パー１５内に搬送されていた硬貨２５を回転盤２
０上に落下させる。そして、再び各金種別に対応
する硬貨収納筒４５内に硬貨を回収させ（ステツ
プ27，28，29，30，31）、制御を終る。

これに対し、正常投出と判定され、かつ、キヤ
ンセルキーが操作されていない場合は、投入口シ
ヤツター１６を開制御する（ステツプ42）。そし
て、顧客または係員がホツパー１５内の硬貨２５
を全て取出したことを確認（ステツプ43）した
後、投入口シヤツター１６を閉じ（ステツプ44）、
制御を終る。

(3) 補充モードの場合 硬貨収納部４４の各硬貨収納筒４５に、硬貨２
５を補充する場合は、データ入力部６５のモード
切換スイツチを補充モードに切換える。CPU６
１は、補充モードが指定されたことを判定（ステ
ツプ45）したことにより、投入口シヤツター１６
を開制御する（ステツプ46）。係員が補充すべき
硬貨２５をホツパー１５内に投入すると、CPU
６１はこれを確認（ステツプ47）した後、投入口
シヤツター１６を閉制御する（ステツプ48）。こ
の後、ホツパーシヤツター１７を開き（ステツプ
26）、ホツパー１５内に投入された硬貨２５を回
転盤２０上に落下させ、これを各金種別に対応す
る硬貨収納筒４５内に収納させ（ステツプ27，
28，29，30，31）、補充を終了する。

(4) 回収モードの場合 各硬貨収納筒４５内の収納を回収箱５５に回収
させる場合は、データ入力部６５のモード切換ス
イツチを回収モードに切換える。CPU６１は回
収モードが指示されたことを判定（ステツプ49）
した後、前記出金搬送部５３を回収用に使うた
め、モータ５４を逆転させる（ステツプ50）。次
に、全ての硬貨投出部５０を動作させ（ステツプ
51）、各硬貨収納筒４５内から硬貨２５を投出さ
せる。この投出動作は、各硬貨収納納筒４５に設
けたエンプテイ検知センサー４６が全ての投出完
了を検知したと判定（ステツプ５２）するまで行
なわれる。投出された硬貨２５は搬送ベルト５３
ａにより回収箱５５内に搬送される。全ての硬貨
２５の投出が検出された後は、各硬貨投出部５０
の動作を停止させ（ステツプ53）、かつ、最も図
示左寄りに投出された硬貨２５を回収箱５５まで
搬送するに要する時間（約10秒）後に、搬送部５
３用のモータ５４を停止制御（ステツプ54）し、
回収を終了する。

〔発明の効果〕

以上のように本発明によれば、入金受入部に多
量の硬貨を一括して投入しても、これらを自動的
に入金できるので、多量の硬貨を迅速に計数判別
するとともに、一時保留後の硬貨の分類も確実か
つ高速に処理することができる。また、投入され
た硬貨は計数後、一時保留されるので、計数内容
を確認後に返却することも可能であり、入金間違
い等のトラブルを有効に防止でき、さらには、入
金受入部を入金硬貨の投入受入、入金異常硬貨の
放出および出金硬貨の放出に共用したこと、入金
一次取込み硬貨の判別、分離および一時保留部へ
の搬送と、入金二次取込み硬貨の判別、分離を、
共通の判別部、搬送部を通じて行なうこと、入金
異常硬貨を出金搬送路を使つて放出することによ
り、装置の小型化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による硬貨入出金機の一実施例
を示す斜視図、第２図は第１図の要部を拡大して
示す平面図、第３図は第２図で示した分離部の構
成を示す断面図、第４図は本発明における制御部
の構成例を示すブロツク図、第５図は本発明の作
用を説明するためのフローチヤートである。 １３……入金受入部、１７……底部開閉シヤツ
ターとしてのホツパーシヤツター、１９……搬送
部、２０……繰出部を構成する回転盤、２４……
繰出部を構成するモータ、２５……硬貨、３１…
…一時保留部、３５……判別部、３６……分離
部、４４……硬貨収納部、５０……硬貨投出部、
５３……出金搬送部、５６……リジエクト返却
部、６１……取込・返却制御部としての機能を有
する中央処理装置（CPU）、７７……入金異常硬
貨有無検知手段としてのホツパー硬貨有無検知セ
ンサー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 底部を開閉する底部開閉シヤツターを有し、
   閉塞状態のこの底部開閉シヤツター上へ入金硬貨
   の投入、および、入金異常硬貨および出金硬貨の
   放出が行なわれる入金受入部と、 この入金受入部内の入金異常硬貨の有無を検知
   する入金異常硬貨有無検知手段と、 前記入金受入部内の投入された入金硬貨である
   入金投入硬貨が底部開閉シヤツターの開放によつ
   て放出される際にこの入金受入部内の入金投入硬
   貨を一括して受入れこの入金投入硬貨を入金一次
   取込み硬貨として１枚毎に繰出す繰出部と、 この繰出部により繰出された前記入金一次取込
   み硬貨および入金二次取込み硬貨を搬送する搬送
   部と、 この搬送部にて搬送される前記入金一次取込み
   硬貨が正常である入金正常硬貨か入金異常硬貨か
   の判別および入金正常硬貨の金種の判別を１枚毎
   に行なう判別部と、 前記搬送部で搬送され、前記判別部で入金正常
   硬貨と判別された入金一次取込み硬貨を受取つて
   一時保留するとともに入金一次取込み硬貨すべて
   の判別終了時点で、前記入金受入部内へ入金異常
   硬貨が放出されなかつたことによりもしくは放出
   された入金異常硬貨の取出しがなされたことによ
   り前記入金異常硬貨有無検知手段が入金異常硬貨
   無を検知したとき、一時保留硬貨を前記底部開閉
   シヤツター閉塞状態の前記入金受入部へ放出する
   一時保留部と、 前記搬送部による入金一次取込み硬貨搬送中は
   前記判別部で入金異常硬貨と判別される異常硬貨
   を分離し、また前記一時保留部から前記入金受入
   部を通じて前記繰出部へ送り込まれる入金二次取
   込み硬貨の搬送中は、上記判別部の判別内容に基
   づき金種別に硬貨を分ける分離部と、 前記搬送部による入金一次取込み硬貨搬送中に
   前記分離部で分離される入金異常硬貨を受入れ、
   返却のために放出するリジエクト返却部と、 前記分離部で金種別に分けられた入金二次取込
   み硬貨をそれぞれ収納する硬貨収納部と、 別途入力される出金データに基づき上記硬貨収
   納部から必要枚数の硬貨を投出させる硬貨投出部
   と、 この硬貨投出部によつて放出された硬貨を、前
   記底部開閉シヤツター閉塞状態の前記入金受入部
   に出金硬貨として搬送するとともに前記搬送部に
   よる入金一次取込み硬貨の搬送時に前記リジエク
   ト返却部から放出される入金異常硬貨を前記底部
   開閉シヤツター閉塞状態の前記入金受入部へ搬送
   して返却する出金搬送部と、 前記一時保留部から前記入金受入部へ入金一次
   取込み硬貨が放出された後に取込指令または返却
   指令の指示入力を可能とするとともに取込指令が
   入力されると前記底部開閉シヤツターを開放して
   前記繰出部へ入金一次取込み硬貨を放出し、前記
   繰出部、前記搬送部を通じて硬貨を搬送させて前
   記判別部で金種を判別させ、分離部にて金種別に
   硬貨を分離させ、返却指令が入力されると前記底
   部開閉シヤツターを閉塞状態に保持して前記入金
   受入部からの入金一次取込み硬貨の取出しを可能
   とする取込・返却制御部と、 を備えたことを特徴とする硬貨入出金機。