JPH038039Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は充電式小型電気機器、とくに充電池
への充電と機器駆動とを同時に行なえるようにし
たものに関する。

従来この種の充電式小型電気機器は、第７図に
示す如く電源スイツチ２２のスライド操作と連繋
して、第１，第２および第３固定電極２３ａ，２
３ｂ，２３ｃ間を移動電極２４で同時に接続する
ことにより、ACアダプター１１から充電池６へ
の充電と、モータ５への通電を同時に行なう様に
したものが多い。この場合、充電池６の容量が十
分残つていれば充電池６に流入する電流は少な
く、モータ５へ供給される電流も十分確保されて
問題がないが、充電池６が完全に放電している時
にはACアダプター１１から充電池６に供給され
る電流は大きく、更に充電池６が容量性負荷とな
るのに対し、モータ５は誘導性の負荷であるた
め、両者に同時に電圧を印加した場合にはモータ
５よりも充電池６側に先に電流が流れる。更にモ
ータ５のトルクは、定常回転時に比して始動時の
ほうが幾倍も大きく、従つてモータ５への供給電
流、すなわち起動トルクが不足して起動ミスをお
こす虞れがあつた。

本考案は上記問題に着目してなされたものであ
つて、第８図に基本的な構成を示す如く、充電池
６と、ACアダプター１１と、充電池６またはAC
アダプター１１から選択的に電力が供給されるモ
ータの様な誘導性の負荷５と、この負荷５への通
電時期を規制する電源スイツチ９とを備えてい
る。

更に、上記した電源スイツチ９を、スイツチノ
ブ１５の操作と連動し、且つ、時間差をもつて順
次オンする第１および第２スイツチング手段で構
成する一方、負荷５を第１スイツチング手段と、
充電池６を第２スイツチング手段とそれぞれ直列
接続し、その直列接続した各々をACアダプター
１１の出力側に並列接続するとともに、上記した
第１スイツチング手段を、第２スイツチング手段
より先にオン可能とすることにより、始動時に負
荷５に対して十分な電力を供給でき、起動ミスな
どの不都合を未然に防止した充電式小型電気機器
を提供することを目的とする。

以下図面に示す実施例に基づき、本考案を具体
的に説明する。

なお図面は本考案を充電式の電気かみそりに実
施した一例を示すがこれに限らず、テープワイン
ダー、電気バリカンなど各種の充電式小型電気機
器に実施できることは勿論である。

第１図ないし第３図に示す如く、本考案を実施
する電気かみそり１は従来と略同様に、本体ケー
ス２の上端に着脱式の外刃３と、該外刃３に内接
摺動する内刃４とを備えると共に、本体ケース２
の内部には、内刃４を往復駆動するモータ（負
荷）５と、該モータ５に電力を供給する充電池６
とを収納配備し、本体ケース２の前面７に備えた
電源スイツチ９で充電池６からモータ５への通電
時期を規制する。

本体ケース２の下面等にはピンプラグとジヤツ
クの様な接続手段１０を備え、外部に配したAC
アダプター１１から充電池６への充電と、モータ
５への通電とを同時に行なえる様にしている。

本考案は、かかるACアダプター１１の使用時
における、モータ５および充電池６への電圧の印
加手順にその特徴を有する。すなわちモータ５を
起動する際、モータ５の起動トルクが大きく起動
電流も定常回転時に比較して過大な量を必要とす
るため、ACアダプター１１からの出力電圧をー
タ５に印加してモータ５の回転が定常状態になり
電流も略一定値に落ち着いた時を見計らつて、充
電池６にもACアダプター１１からの出力電圧を
印加することにより、モータ５が起動ミスをする
のを未然に防止するものである。

かかる動作をする電源スイツチ９の構成の一例
を第２図および第３図に基づいて説明する。

電源スイツチ９は、固定電極１２を備えたスイ
ツチ基板１３と、可動電極１４を下面側に備えて
スイツチ基板１３上を摺動移行するスライドノブ
１５とから成る。固定電極１２は、略平行に配設
した第１および第２固定電極１２ａ，１２ｂと、
両電極１２ａ，１２ｂと直交方向に延びて、その
先端１６が第２固定電極１２ｂの先端１７に接近
配備された第３電極１２ｃとから構成される。

一方可動電極１４は略Ｈ形状であつて、各端部
下面に各々第１ないし第４接点１９ａ，１９ｂ，
１９ｃ，１９ｄを設けている。ここで第３および
第４接点１９ｃ，１９ｄの間隔は第２電極１２ｂ
と第３電極１２ｃの両先端１７，１６間の距離に
略等しく、また第１および第３接点１９ａ，１９
ｃ間距離は第１および第２固定電極１２ａ，１２
ｂ間距離より稍長く設定されている。

また、固定電極１２が配設される部分のスイツ
チ基板１３に第３図の如く適宜凹凸を設けるとと
もに、可動電極１４を板ばね状としてスライドノ
ブ１５を本体ケース２側に付勢することにより、
節度感をもつてスライド操作可能としている。

かかる構成において、ACアダプター１１の電
源プラグ２０をコンセントに差し込むと、第５図
ａの様に接続手段１０および定電流用抵抗２１を
介して、充電池６には抵抗２１でその量が制限さ
れた所定値の充電電流が供給される。

ここでスライドノブ１５を一段スライド操作す
ると、第４図ａの如く可動電極１４の第１および
第２接点１９ａ，１９ｂがまず第１固定電極１２
ａに接触する。この時、第４接点１９ｄは第３固
定電極１２ｃと接触しているので、ACアダプタ
ー１１から出力された電圧は、第５ｂの如く第３
固定電極１２ｃから可動電極１４の第４接点１９
ｄおよび第２接点１９ｂを介して第１固定電極１
２ａに至り、直接モータ５に電圧が印加される。
この時充電池６にも電流が供給されているが、か
かる電流は抵抗２１で十分小さく規制されている
ので、モータ５を起動するのに必要な電力はAC
アダプター１１から十分供給され、従つてモータ
５は安定した起動を行なう。

スライドノブ１５を更に摺動させると、今度は
第４図ｂの如く、第３接点１９ｃが第２固定電極
１２ｂに接触し、第５図ｃに様にACアダプター
１１から充電池６にもそれまでよりも大きな電流
が供給される。この時にはモータ５は既に安定動
作範囲に入つており、モータ５の消費電力は少な
く、充電池６への充電電流の供給はモータ５の動
作には何ら悪影響を与えることはない。

また、ACアダプター１１を使用しない場合に
は、第６図の如くスライドノブ１５を一気にスラ
イドさせることにより、充電池６からモータ５へ
給電される。

なお上記電源スイツチ９は、スライド式に限ら
ず、押しボタン式でもよい。この場合、押し操作
と連繋してオン動作をする２組のスイツチを設
け、両スイツチのオンタイミングを稍ずらすこと
により、上記と同様な動作が可能となる。

またACアダプター１１は、機器本体と別体に
形成したが、本体ケース２内に内蔵して、電源コ
ードだけを着脱自在としたものであつてもよい。

本考案は上記の如く、充電池６およびACアダ
プター１１の２通りの電源を切換え使用するとと
もに、ACアダプター１１の使用時に同時に充電
池６への充電をも行なう小型電気機器にあつて、
電源スイツチ９をオンする際に、まずACアダプ
ター１１の出力電圧をモータの様な誘導性の負荷
５に印加して負荷５を起動させて安定動作させた
のちに充電池６への通電を行なうことにより、誘
導性の負荷５に、モータにおける起動ミスの様な
始動時の動作不良が発生するのを未然に防止でき
る利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施した一例を示す電気かみ
そりの正面図、第２図は電気回路図、第３図は電
源スイツチの拡大断面図、第４図ａおよびｂは電
源スイツチの切換え状況を示す説明図、第５図ａ
ないしｃは電気回路の動作状況を示す説明図、第
６図は電源として充電池を使用した場合の動作を
示す説明図である。第７図は従来例を示す電気回
路図である。第８図は本考案の基本的な構成を示
す説明図である。 ２……本体ケース、５……モータ（負荷）、６
……充電池、９……電源スイツチ、１０……接続
手段、１１……ACアダプター、１５……スライ
ドノブ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 充電池６と、 ACアダプター１１と、 前記した充電池６またはACアダプター１１
   から選択的に電力が供給される誘導性の負荷５
   と、 該負荷５への通電時期を規制する電源スイツ
   チ９とを備え、 ACアダプター１１を負荷駆動用電源として
   選択時に、負荷５への駆動電流供給と充電池６
   への充電電流供給とを並行して行う小型電気機
   器であつて、 上記した電源スイツチ９を、スイツチノブ１
   ５の操作と連動し、且つ、時間差をもつて順次
   オンする第１および第２スイツチング手段で構
   成する一方、 負荷５を第１スイツチング手段と、充電池６
   を第２スイツチング手段とそれぞれ直列接続
   し、その直列接続した各々をACアダプター１
   １の出力側に並列接続するとともに、 上記した第１スイツチング手段を、第２スイ
   ツチング手段より先にオン可能としたことを特
   徴とする充電式小型電気機器。 上記した誘導性の負荷５はモータである実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の小型電気機
   器。