JPH0379261B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、衛生的な状態に維持すべき液体を入
れ、或いは必要に応じてこの液体を取出すための
比較的小容量（小形）のタンクに関するものであ
る。

〔発明の概要〕

本発明は、衛生的な状態に維持すべき液体を入
れる小形タンクに、その小型タンク内が照射され
るように複数の発光ダイオードを配設することに
より、小形タンクの内部における菌の増殖を防止
して、光源を小形化しながら、小形タンク内を衛
生的な状態に保つようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来、各種液体の殺菌消毒には、紫外線ランプ
が広く使用されている。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで、浄水器や自動飲料販売機の小容量タ
ンク、精製水容器、加湿器や除湿器又は空気清浄
器の水溜タンク、コンタクトレンズを入れる水容
器、その他各種の小形給水タンク類は、いずれも
衛生的な状態を維持する必要がある。

ところが、このような比較的小形のタンク内の
殺菌に紫外線ランプが使用される場合、小容量
で、例えば直径が12mm、長さが120mm程度と比較
的小形のものは、ランプの寿命が連続点灯で、
2000〜3000時間、点滅点灯ではその半分と極めて
短く、より小形のランプの寿命は更に短いという
維持・管理面での問題があつた。

また、紫外線ランプを使用する場合は、ランプ
やソケツト等の大きさに制約されて、光源全体が
大きくなり、タンク自体に取付けることが困難で
あるという問題があつた。

したがつて、本発明は、長寿命で小形の光源に
より菌の増殖を防止して、比較的小形のタンク内
を効率よく衛生的な状態に保持しようとするもの
である。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明は、衛生的な状態に維持すべき液体を入
れる小形タンク１の少なくとも一面に複数の発光
ダイオード６を配設し、この発光ダイオードから
の光線により小形タンクの内部を照射して、この
小形タンクの内部における菌の増殖を防止するよ
うにした衛生小形タンクである。

〔作用〕

発光ダイオードからの光線に照射されて、小形
タンクの内部では菌の増殖が抑えられ、小形タン
ク内の液体は衛生的な状態に維持される。

〔実施例〕

第１図は、本発明を浄水器に実施した例を示す
断面図である。同図において、１は浄水器を全体
として示し、２は水の入口、３は水の出口、４は
蓋、５は内付け基板、６及び６′は発光ダイオー
ド、７は濾過器、８は外付け基板である。このよ
うな浄水器１は、一種の小形タンクと見ることが
できる。このタンクの外形は、円柱状でも角柱状
でもよい。蓋４は、タンク外形が円柱状ならば円
形、角柱状ならば角形である。

蓋４の裏に発光ダイオード６を取付けた基板５
が固着され、発光ダイオード６は濾過器７より入
口側（１次側）を照射する。外付け基板８は、タ
ンク外形が円柱状ならば円環形、角柱状ならば角
環形とする。外付け基板８の内側に取付けた発光
ダイオード６′は、濾過器７より出口側（２次側）
を照射する。本実施例では、少なくともタンクの
発光ダイオード６′と対向する部分を光透過性と
する必要がある。発光ダイオード６のみを配設す
る場合は、タンクを光透過性とする必要はない。
なお、発光ダイオード６，６′には適当な透光性
保護被膜を施してある。

本例では、発光ダイオード６，６′として、レ
ーザ発振により、例えば800nｍ程度の波長の近
赤外線を発光するレーザダイオードが使用され
る。

発光ダイオードは個々の大きさが小さいので、
多数使用の場合でも、光源の占有空間を小さくす
ることができる。

本発明は、発光ダイオードが発する可視光線や
赤外線でも菌の増殖を防止する作用がある点に着
目してなされたものである。

周知のように、レーザ光は指向性がよく、適宜
の光学系により所要部分をスポツト的に照射し
て、光エネルギーを高密度に集中することができ
る。また、パルス発振の場合、各レーザダイオー
ドの光出力は、例えば40〜50ｍＷ程度になる。

菌がこのスポツト照射を受けた場合、菌細胞内
の吸収物質による吸光で温度が上昇し、蛋白質の
凝固などの熱損傷が発生して、増殖バランスがく
ずれる。

菌の増殖周期は、例えは、最も短い種類の一つ
である大腸菌でも30分程度であることが知られて
おり、上述のスポツト照射のためには、比較的長
時間が許容されることになる。このため、前述の
ように比較的小出力の半導体レーザを用いても、
照射部分の菌の増殖を抑えることができる。可視
光を発光する半導体レーザを使用する場合も同様
である。

これにより、光源を小形かつ長寿命として、比
較的小形のタンクに簡単に取り付けることができ
て、衛生小形タンクを廉価に構成することができ
る。

なお、周知のパルス発振の場合には、各発光ダ
イオードの出力を大きくできるので、発光ダイオ
ードの数を適宜に少なくしうる。

第２図は、本発明を加湿器に実施した例を示す
要部断面図である。同図において、１は加湿器の
貯水タンク、６は発光ダイオード、９は調整つま
みを示す。本実施例においても、タンク１の発光
ダイオード６と対向する部分を光透過性とする必
要がある。こうして、発光ダイオードはタンク内
を側面より照射する。

第３図は、本発明をコンタクトレンズの水容器
に実施した例を示す断面図である。同図におい
て、１は水容器、４は蓋、６は発光ダイオード、
１０は仕切り板、１１は電源装置、１２は電源コ
ード、１３はコンタクトレンズを示す。本実施例
は、水容器１内を下方より照射するようにしたも
ので、そのため仕切り板１０は光透過性とする必
要がある。電源装置１１にはトランスや整流器な
どが含まれているが、電源を電池式（又は充電
式）としてもよい。

なお、上述の実施例において、発光ダイオード
に対向して受光素子を配し、タンク外部に表示灯
を設けて実際に発光中であることを確認できるよ
うにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明したとおり、本発明によれば、複数の
発光ダイオードの使用により、光源を小形かつ長
寿命とすることができ、小形タンク内の菌の増殖
を防止しうるので、上述の実施例だけでなく、自
動飲料販売機の小容量タンク、精製水容器、水洗
トイレ用給水タンク、尻洗浄トイレ器用具水タン
クなどその用途は極めて広範囲にわたり、それら
の小形タンク内を効率よく衛生的な状態に維持す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す断面図、第
２図は本発明の第２実施例を示す要部断面図、第
３図は本発明の第３実施例を示す断面図である。 １は小形タンク、６，６′は発光ダイオードで
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 衛生的な状態に維持すべき液体を入れる小形
   タンクの少なくとも一面に複数の発光ダイオード
   を配設し、 この発光ダイオードからの光線により上記小形
   タンクの内部を照射して、 当該小形タンクの内部における菌の増殖を防止
   するようにした衛生小形タンク。