JPH037797Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電動モータまたは油圧シリンダを利用
する車両用動力舵取装置の舵取用情報の検出装置
に関し、特にアブソリユートエンコーダを２組使
用し、非接触方式で入力トルク、操舵角度などの
舵取用情報を得ることを可能になした検出装置に
関する。

従来、ステアリング入力軸に歪みゲージのロー
ドセルを取着し、このゲージからの出力により入
力トルクを検出するようなものがあつた。この方
式ではステアリングシヤフトが回転するため可動
部から出力信号を取出さざるを得ず、この点を改
良するため、トーシヨンバーの捩れ角を例えばポ
テンシヨメータで検出する方法を採る入力トルク
検出装置が提案されている。しかし、この方式で
もポテンシヨメータ中に接触部を備えることにな
り、耐久性、これに由来する信頼性の点で問題が
あり、接触部を持たない非接触方式の検出装置が
求められていた。

また、従来からあるポテンシヨメータ、抵抗歪
ゲージ、感圧半導体等を用いる検出装置はアナロ
グ量の信号を出力するものであり、この出力信号
をマイクロコンピユータで処理・制御する場合、
アナログ量からデジタル量へ変換する必要があつ
た。そこでこうした変換が不要なデジタル量信号
として出力する検出装置が要求されていた。

更に、従来の検出装置では、限られた舵取用情
報しか得られない信号を出力するものがほとんど
で、ステアリングの入出力特性の設定の自由度が
狭く、運転者の好み、操縦技術などにより入出力
特性を多様に設定することが不可能であつた。そ
のため、多様できめ細かい入出力特性の設定を可
能とするように、舵取用情報を潜在的に多種含ん
だ信号を出力する検出装置が要求されていた。

従つて、本考案の目的は以上の要求を満たす舵
取用情報の検出装置を提供することにある。

以下、本考案を添付図面に示された実施例によ
り説明する。

第１図には、不図示のステアリングホイールが
取付けられたスタブシヤフト１と第１図示のギア
ボツクスを介してタイヤホイール側につながつた
シヤフト２との接続部が示してある。スタブシヤ
フト１はこの接続部を覆う一方のカバー３に取付
けられたベアリング４により回転自在に軸受けさ
れ、シヤフト２は他方のカバー５に取付けられた
ベアリング６により同じく回転自在に軸受けされ
ている。

シヤフト２には軸方向に伸びた空洞部２ａが形
成され、ここにトーシヨンバー７が配設されてい
る。トーシヨンバー７の内端はピン８によりシヤ
フト２に固定され、外端はピン９によりスタブシ
ヤフト１に固定されている。トーシヨンバー７の
外端側はベアリング１０によりシヤフト２に回転
自在に軸受けされている。トーシヨンバー７を介
しての両シヤフト１，２の接続部は、第１図のＳ
−Ｓ断面図である第２図に示すように、シヤフト
２の二又部１１の間にスタブシヤフト１の両側切
欠きの端部１２が嵌め入れられ、ここにトーシヨ
ンバー７の外端がピン９により固定される構造に
なつている。こうしてスタブシヤフト１がシヤフ
ト２に対して一定角度以上捩れないようにする、
すなわちトーシヨンバー７が一定角度以上捩れな
いようにするストツパ構造が形成されている。

スタブシヤフト１には、ロツクナツト１３によ
り、一方のアブソリユートエンコーダ１４を構成
するためのコード板１５が固定され、コード板１
５上のコードを読むためのフオトカプラ１６は不
図示の取付手段によりカバー３，５内に取付けら
れている。他方のアブソリユートエンコーダ１７
のコード板１８はロツクナツト１９によりシヤフ
ト２に固定され、同じく、このコード板１８上の
コードを読むためのフオトカプラ２０は不図示の
取付手段によりカバー３，５内に取付けられてい
る。これらのエンコーダ１４，１７は精度により
そのコード板１５，１８の外径が規定されるが、
コード板１５，１８に符号化されたビツト数は11
ビツトから14ビツト程度で充分所期の目的に対応
可能であり、この程度なら車に装着可能な大きさ
となる。アブソリユートエンコーダとしてはマル
チターン型も使用可能である。

以上の構成において、ステアリングホイールを
回転させるとスタブシヤフト１も一体的に回転さ
れる一方、タイヤホイール側のシヤフト２はタイ
ヤと路面との抵抗その他により遅れて回転しよう
としトーシヨンバー７が捩られる。この際、スタ
ブシヤフト１とシヤフト２との回転状態は絶対回
転量として２組のエンコーダ１４，１７に読み取
られる。すなわちエンコーダ１４，１７からはそ
れぞれのシヤフト１，２の回転状態に対応したパ
ルス信号が出力され、これらをマイクロコンピユ
ータその他の制御手段により種々に演算処理して
入力トルク、操舵の絶対角度、操舵速度等の情報
が得られ、これらの情報から最適なステアリング
の入出力特性を設定する。入力トルク情報その他
を利用して、例えばトーシヨンバー７の捩れを除
去すべくシヤフト２を回転駆動するような舵取制
御を行なつたり、操舵の絶対角度情報を利用して
ストロークエンド位置での油圧式ステアリングの
圧抜制御や電動モーターのスイツチのOFFで行
つたりすることができる。尚、入力トルク情報は
２組のエンコーダ１４，１７からの信号の位相差
から求められ、操舵速度はスタブシヤフト１側の
エンコーダ１４からのパルス信号を微分して新た
なセンサを追備することなく検出できる。

なお、上記の説明はスタブシヤフト１をハンド
ル側、シヤフト２をタイヤ側として説明したが、
逆にシヤフト２をハンドル側、スタブシヤフト１
をタイヤ側としてもさしつかえない。

以上の如く本考案によれば、２組のアブソリユ
ートエンコーダからの信号に基いて舵取用情報を
得る方式としたので、接触部がなくて耐久性に富
み、デジタル量として信号を出力するので、マイ
クロコンピユータと直接的に組合わせうると共
に、ノイズなどの外来の影響を減じえて正確な舵
取制御が可能となり、更に多種の情報が得られて
多様な入出力特性の設定が可能となり、例えば入
力トルク、操舵速度等の情報を加味した複雑な特
性曲線に従わせて動力舵取制御ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
第１図のＳ−Ｓ断面図である。 主要部分の符号の説明、トーシヨンバー……
７、コード板……１５，１８、アブソリユートエ
ンコーダ……１４，１７。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ステアリングホイール側からタイヤホイール側
   まで機械的な接続を持つ車両用動力舵取装置にお
   いて、 カバーに回動可能に支持されたステアリングホ
   イール側シヤフトと、 前記ステアリングホイール側シヤフトの軸線と
   同一軸線の回りを回動可能に前記カバーに支持さ
   れたタイヤホイール側シヤフトと、 一端が前記ステアリングホイール側シヤフトに
   固定され、他端が前記タイヤホイール側シヤフト
   に固定されて前記両シヤフトと同一軸線回りを回
   動可能なトーシヨンバーと、 前記両シヤフトのそれぞれに装着され、シヤフ
   ト自身の角度位置に応じた異なつた符号を出力す
   るように符号化されたエンコーダとから成り、 前記エンコーダからの出力により操舵角度、入
   力トルク、操舵速度を得るようにしたことを特徴
   とする舵取用情報の検出装置。