JPH0377005B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、使用順に列挙して加熱装置、傾斜ロ
ール式せん孔機、プラグ圧延機、径拡大圧延機、
および該径拡大圧延機に直接に続く定形圧延機、
冷却床から成り、特定長の中実棒材から肉薄継目
なし鋼管を製造する圧延設備に関する。

上記本発明で使用する径拡大圧延機は、圧延鋼
材の軸線に対し２個以上のロールの軸を傾斜配置
したタイプのいわゆる傾斜圧延機であり、前記各
ロールの軸線投影を被圧延鋼材の軸線に対し最低
2゜ないし最大35゜、特に15゜程度の開き角度で配置
し、かつ各ロールの輪郭線を円錐状進入部分と回
転双曲面部分とから構成すると共に、各ロールを
両側でロールスタンドにて支承し、全ロールを、
ロール間に設けた共通の固定芯金と共働させ、ロ
ールと芯金とにより圧延方向で先の細くなつたロ
ールギヤツプを形成したものである。

肉薄継目なし鋼管を製造するこの種の圧延設備
は、『鉄と鋼』（1933）第693〜695頁に記載してあ
る。この刊行物では、圧延機として特にピルガー
圧延機が提案され、肉薄継目なし鋼管を上述した
本発明にかかる傾斜圧延機で製造する課題は、ま
だ未解決であることが確認される。その他、この
刊行物以来、そしてこの刊行物にもかかわらず、
この提案による圧延設備が実際に使用されること
はなかつた。

ここにおいて、近年直径約350mm以上の肉薄管
は、たとえばエネルギー業界において次第に需要
が増している。この種の管の製造は、壁厚が比較
的薄いのでかなり困難であるばかりか、設備の点
で上述した『鉄と鋼』にも記載されているピルガ
ー圧延機に著しく支出を要し、設備投資が高くな
つていた。

また、該ピルガー圧延機を使用した設備におい
ては、圧延鋼材の中間加熱工程が必要であり、設
備の作業周期はそれに依存し、この種の圧延設備
は需要の変化に対し適合性に乏しいものであつ
た。

それゆえ継目なし鋼管の製造を、次に行なう拡
管工程の組合わせることは技術的には正当であ
り、またこの提案は、同時に下記の複数個の目的
を有する。

１ 仕上げに至るまで加熱工程を１回で済ます。

２ 熱間で肉厚をならす。

３ 中空体の肉厚を段階的に延伸させる。

４ 直径の寸法精度をだす。

すなわち、本発明の目的は、肉薄鋼管の製造を
設備の点で簡素化し、また技術的に向上させるこ
とである。

この目的は、使用順に列挙して加熱装置、傾斜
ロール式せん孔機、プラグ圧延機、径拡大圧延
機、および該径拡大圧延機に直接に続く定形圧延
機、冷却床から成り、上記径拡大圧延機を、圧延
鋼材の軸線に対し２個以上のロールの軸線を傾斜
配置したタイプの傾斜圧延機とし、前記各ロール
の軸線投影を圧延鋼材の軸線に対し最低2゜ないし
最大35゜の開き角度で配置し、かつ各ロールの輪
郭線を円錐状進入部分と回転双曲面部分とから構
成すると共に、各ロールを両側でロールスタンド
にて支承し、全ロールをロール間に設けた共通の
固定芯金と共働させ、ロールと芯金とにより圧延
方向で先の細くなつたロールギヤツプを形成た構
成のものとし、特定長の中実棒材から肉薄継目な
し鋼管を製造する圧延設備とすることで解決され
る。

ここで、プラグ圧延機は、通常製造した鋼管の
肉厚が十分に均一ではないことが知られている
が、上述した本提案による組合せでは技術的に有
利であることが判明した。

また、縦圧延機としてのプラグ圧延機は、たと
えばピルガー圧延機に比べて定形圧延機に至るま
での中間加熱工程を必要としないほど早く動作
し、このことは高温エネルギーの費用が急激に高
まりつつある現在特に重要である。

なお、補足的にプラグ圧延機の前に、さらに延
伸用傾斜圧延機を設けることができ、中実棒材か
ら、たとえば周知のごとくに２個の前後に設けた
傾斜圧延機で中空体を形成し、該中空体を本提案
によりプラグ圧延機用ブランクとし、その後、径
をひろげても良い。

プラグ圧延機で製造した鋼管を、上述した本発
明にかかる径拡大圧延機に送り、希望する径にひ
ろげる。仕上管の径を決定するのは該径拡大圧延
機であり、たとえば直径350mmを直径500mm以上に
ひろげることができる。

ロールおよび芯金の形状を特殊構成すると特に
有利であり、この点は同年の別の出願の対象であ
る。それによると芯金の長さを変えて管のさまざ
まな直径を決定し、設備、および寸法変更時の必
要な設備の組替えが一段と簡単になつている。

本提案の実験調査かあ、径拡大は、特に別の個
所で提案されているような孔形カリバを適用する
場合、壁厚の均一化にかなり役立ち、プラグ圧延
機または径拡大圧延機の後段に特別な傾斜ロール
（リーラ）を設けなくともよく、設備が安価にな
る。

このことにより、本来なら必要となる中間加熱
工程が不要となり、加熱経費が特に低下する。む
しろ鋼管は、本発明により径拡大圧延機から定形
圧延機へと直接送られ、そこで丸みを付け、直径
が数mmけずられる。

以下、本発明を、図示の実施例により詳述す
る。

ここで、第１図に示した圧延設備は、回転炉
１、傾斜ロール式せん孔機２、プラグ圧延機３、
径拡大圧延機４、定形圧延機５および冷却床６か
ら成る。

まず、中実ビレツトを矢印７の方向から回転炉
１に入れ、約1250゜に加熱して矢印８の方向から
取出す。

加熱したビレツト９のスケール除去と芯出しと
を行ない、サポート内で固定された芯金１０を有
する傾斜ロール式せん孔機２にビレツトを供給す
る。これにより広範な熱間成形を行えるほどまだ
暖かい中空体が得られる。

中空体１１が比較的肉薄であるならば、それを
ただちにプラグ圧延機３に送る。

プラグ圧延機３は、サポート１３内で支持され
た芯金１４と共働する対ロール１２から成る。中
空体１１を芯金棒１５に嵌め、ロール１２を開い
て駆動ロール１６により中空体を押し戻す。

一般にプラグ圧延機３はたんに１組のロールか
ら成り、複数回、特に２回通過させ（パス２個）、
中空体を成形する。そのため、パスごとにロール
間隔をより狭くおよび／または芯金の直径をより
大きく選択する。

最終プラグパスの後、中空体１１を圧延機から
戻し、望ましくは横送りで径拡大圧延機４に供給
する。

径拡大圧延機４は、傾斜ロール１７とやはり図
示省略したサポートで保持された径拡大用芯金１
８とから成る。

この装置を第２図に拡大図示した。図より管軸
線１９を通る平面、すなわち図示平面に対し、ロ
ール１７が傾斜位置にあるのがわかる。上ロール
は図示平面に対し右下り、下ロールは左下りであ
る。管軸線１９と、図示平面に対するロール軸線
２０，２１の投影とが成す開き角度は、それぞれ
2゜ないし35゜である。

第３図がロール１７の輪郭線を示す。該輪郭線
は円錐形部２２と回転双曲面部１７とから成る。

この輪郭線および傾斜位置の結果、ロール１７
のうず巻線は中空体円錐部２３の形状に無理なく
一致し、その軸線１９は径拡大用芯金の円錐部１
８の軸線と一致する。

中空体は、均一な壁厚を有する継目なし仕上管
として上述した径拡大圧延機４を離れ、直径矯正
のため約900℃で定形圧延機５に送られ、冷却床
６で常温まで冷却される。

冷却後、通常の調整および検査作業が当該仕様
書に従つて行われる。

なお、第１図において、せん孔機２とプラグ圧
延機３との間に延伸用傾斜圧延機２４を補足する
ことも可能であり、この場合には、少なくともこ
の延伸圧延機２４でプラグ圧延機３ロールにとつ
て十分肉薄な中空体が作られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、圧延設備における装置の技術的配置
を示した図である。第２図は、管軸平面における
径拡大圧延機の縦断面図である。第３図は、ロー
ル軸平面における径拡大ロールの縦断面図であ
る。 １……回転炉、２……傾斜ロール式せん孔機、
３……プラグ圧延機、４……径拡大圧延機、５…
…定形圧延機、６……冷却床、９……ビレツト、
１１……中空体、１２……対ロール、１４……芯
金、２４……延伸圧延機。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 使用順に列挙して加熱装置、傾斜ロール式せ
   ん孔機、プラグ圧延機、径拡大圧延機、および該
   径拡大圧延機に直接に続く定形圧延機、冷却床か
   ら成り、上記径拡大圧延機を、圧延鋼材の軸線に
   対し２個以上のロールの軸線を傾斜配置したタイ
   プの傾斜圧延機とし、前記各ロールの軸線投影を
   圧延鋼材の軸線に対し最低2゜ないし最大35゜の開
   き角度で配置し、かつ各ロールの輪郭線を円錐状
   進入部分と回転双曲面部分とから構成すると共
   に、各ロールを両側でロールスタンドにて支承
   し、全ロールをロール間に設けた共通の固定芯金
   と共働させ、ロールと芯金とにより圧延方向で先
   の細くなつたロールギヤツプを形成た構成のもの
   とし、特定長の中実棒材から肉薄継目なし鋼管を
   製造する圧延設備。