JPH037639Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動変速機のシフトレバ装置、特に
自動車用自動変速機のシフトレバ装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、自動車用等の自動変速機のシフトレバ装
置においては、シフトレバの誤操作等による車両
の急発進事故等を防止するため、例えば、実開昭
60−23427号公報に記載のように運転者が所定の
安全操作を終了しない間は、シフトレバのシフト
操作に連動する部材のニユートラル（Ｎ）および
パーキング（Ｐ）レンジに対応する位置に穿設し
た透孔に、固定部に設けたソレノイドのプランジ
ヤを突出係合させ、シフトレバがニユートラル
（Ｎ）およびパーキング（Ｐ）位置から移動でき
ないようにして、シフト操作を不可能としている
ものがある。

しかしながら、かかる従来のシフトレバ装置
は、車両の停止状態でパーキング（Ｐ）およびニ
ユートラル（Ｎ）レンジに静止固定されていたシ
フトレバが、所定の安全操作を終了しない限り他
のレンジにシフトされるのを阻止するものであ
り、車両の走行中における誤操作を防止すること
はできないものであつた。

例えばドライブ（Ｄ）レンジからニユートラル
（Ｎ）レンジへシフトをする際、誤つてリバース
（Ｒ）レンジまでオーバランさせる誤操作に対し
ては、何等防止することはできないものであつ
た。これは、シフト操作に連動する部材に穿設し
た透孔の移動中に、ソレノイドを動作させそのプ
ランジヤを係合させようとしても、透孔径とプラ
ンジヤ径とがほとんど変らないことからその係合
タイミングを合わせるのが困難であるからであ
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案の目的は、かかる従来技術が有する問題
点を解消し、車両の走行中における誤操作をも防
止することができる自動変速機のシフトレバ装置
を提供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、シフト
レバのシフト操作に連動する部材の車両停止レン
ジに対応する位置に係合孔を設けると共に、係合
孔に係脱可能な係合部材を駆動する駆動手段を固
定部に設け、シフトレバが車両停止レンジ以外の
レンジにあるときと少なくともブレーキが作動し
ているときとに駆動手段の動作により係合部材と
係合孔との係合を解除する駆動回路を備えると共
に少なくともニユートラルレンジに対応する位置
に設けた係合孔の前記シフトレバが前記ニユート
ラルレンジに隣接するリバースレンジに移動する
のを阻止し、かつ、前記係合部材が移動中の該係
合孔に係合できる大きさに形成したことを特徴と
する。

〔作用〕

本考案によれば、シフトレバのシフト操作に連
動する部材の車両停止レンジに対応する位置に係
合孔が設けられると共に、該係合孔に係合し得る
係合部材を有する駆動手段が固定部に設けられ
る。

そして、この係合部材は駆動回路によりシフト
レバが車両停止レンジにないときと少なくともブ
レーキが作動しているときとに、駆動手段により
駆動され係合孔との係合が解除される。

従つて、車両の停車中においてシフトレバが車
両停止レンジにあるときは、係合部材が係合孔と
係合しており他レンジへのシフト操作は不可能で
あるが、このときブレーキペダル等が踏まれブレ
ーキが作動すると、係合部材は駆動手段により駆
動され係合が解除されることから、他レンジへの
シフト操作が可能となる。

一方、車両の走行中、すなわち、例えばドライ
ブレンジにて走行中においては、シフトレバは車
両停止レンジにないことから、係合部材は係合解
除位置にある。

しかして、この状態から仮りにニユートラルレ
ンジにシフト操作が行なわれると、駆動回路によ
り駆動手段が動作され、係合部材が係合位置に突
出することとなる。すると、少なくともニユート
ラルレンジに対応する位置に設けられた係合孔の
移動方向径はシフトレバがニユートラルレンジに
隣接するリバースレンジに移動するのを阻止し、
かつ、係合部材が移動中の係合孔に係合できる大
きさに形成されていることから、この突出する係
合部材が容易にこの係合孔と係合し、ニユートラ
ルレンジを越えてすなわちリバースレンジに迄、
シフトレバが操作されることが防止される。

従つて、車両の走行中における誤操作をも防止
できるのである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を添附図面を参照して説
明する。

第１図ないし第４図に本考案の一実施例を示
す。図において、１はシフトレバであり車両の床
面等に固設される機枠３に取付けられたポジシヨ
ンプレート５および支持板７に支承された枢軸９
の回りに回動可能に支持されている。

シフトレバ１は先端にシフトノブ１１と、この
シフトノブから突出するプツシユボタン１３、お
よびこのプツシユボタン１３の動作により作動杆
１５を介して上下動するポジシヨンピン１７を有
している。ポジシヨンピン１７はシフトレバ１に
設けた長孔２から突出しポジシヨンプレート５の
案内カム６と係合すべく、ばね１６にて上方に付
勢されている。

１９はシフトレバ１と一体的に回動するコント
ロールレバであり、図示しない自動変速機の作動
ロツドと連繋される。２１はシフトレバ１の基端
部にシフト操作と連動すべく溶接等により固設さ
れた基板であり、この基板２１にはシフトレバ１
の車両停止レンジに対応する位置に、夫々係合孔
２３Ｐおよび２３Ｎが穿設されている。そしてニ
ユートラルレンジに対応する位置に穿設した係合
孔２３Ｎは、シフトレバ１の回転中心を中心とす
る円弧状の長孔とされている。

２５は支持板７に固設された駆動手段であるソ
レノイドであり、係合孔２３Ｎおよび２３Ｐと係
合可能にソレノイド２５の非励磁時に突出すべく
ばね（不図示）で付勢された係合部材であるプラ
ンジヤ２７を有している。

なお、本実施例では駆動手段および係合部材と
してソレノイドのプランジヤを直接係合孔に係合
させる構成であるが、駆動手段は、係合部材を間
接的に駆動しても良い。すなわち、レバー等の伝
達部材を介しても良い。また駆動手段はソレノイ
ドに限定されずモーターのような係合部材の係合
孔への係脱のための駆動力を発生できるものなら
ば、実施可能である。

次に、ソレノイド２５の駆動回路の一例を第４
図につき説明する。

３１はブレーキスイツチであり、例えばブレー
キペダルを踏み車両のブレーキが作動していると
きにオンとなる。３３および３５はニユートラル
位置検出スイツチおよびパーキング位置検出スイ
ツチ、３７はインバータ、３９はオア回路であ
り、ブレーキスイツチ３１、ニユートラル位置検
出スイツチ３３あるいはパーキング位置検出スイ
ツチ３５のいずれかの動作によりオン信号が入力
されるとトランジスタ４１を導通させリレー４３
によつてソレノイド２５に通電し、プランジヤ２
７を非係合位置に引込むようになつている。

なお、ソレノイドは通電時にプランジヤが突出
するタイプのものを使用しても良く、この時はオ
ア回路からトランジスタへの入力線中にインバー
ターを追加して全入力を反転すればよい。

尚、上記両位置検出スイツチ３３および３５
は、通常両位置以外でのエンジンの始動を禁止す
るために設けられる、いわゆるインヒビタスイツ
チと兼用することが可能である。

上記の構成になる本考案の一実施例の作用を以
下説明する。

車両の停止時において、シフトレバ１がパーキ
ング位置あるいはニユートラル位置にあるときに
は、両位置検出スイツチ３３あるいは３５のいず
れかがオン状態にありインバータ３７で反転され
る結果、オア回路３９にはオフ信号が入力され、
またブレーキ作動もないことから、ソレノイド２
５は非励磁状態にあり、プランジヤ２１は係合孔
２３Ｎあるいは２３Ｐのいずれかと係合しシフト
ロツクされている。

かかる状態で、ブレーキペダルが踏まれブレー
キスイツチ３１がオン動作すると、オア回路３９
を経てトランジスタ４１が導通し、リレー４３に
よりソレノイド２５は通電励磁し、プランジヤ２
７と係合孔２３Ｎあるいは２３Ｐとの係合が解除
され、シフトレバ１は自由にシフト操作可能とな
る。シフト操作は周知の如くプツシユボタン１３
を押し、作動杆１５を介してポジシヨンピン１７
を下動させ、ポジシヨンプレート５の案内カム６
との係合を解除させて行われるが、ニユートラル
（Ｎ）←→ドライブ（Ｄ）レンジ間はかかる操作は
不要である。しかして、例えば、ドライブレンジ
にシフトするとニユートラル位置検出スイツチ３
３およびパーキング位置検出スイツチ３５のいず
れもオフとなり、インバータ３７で反転されオン
信号がオア回路３９に入力されるため、ソレノイ
ド２５は励磁されプランジヤ２７が非係合位置と
なる。かかるドライブレンジにて走行中にニユー
トラルレンジにシフト操作を行う際、通常は上述
の如くプツシユボタン１３の押圧動作は不要であ
るが、従来装置ではこの押圧動作をも伴なつてシ
フト操作を行うとリバースレンジ迄シフトされて
しまう惧れがあつたのである。

ところが、本例ではニユートラルレンジにシフ
トが行なわれるとニユートラル位置検出スイツチ
３３がオン動作することからインバータ３７の出
力はオフ信号となりソレノイド２５の励磁が解か
れプランジヤ２７が係合位置にばね力で突出する
こととなる。

しかして、シフト操作によつて移動中のシフト
レバ１の基板２１に穿設した係合孔２３Ｎは、シ
フトレバ１の回転中心を中心とする円弧状の長孔
とされていることから、プランジヤ２７は移動中
のこの係合孔２３Ｎと容易に係合し、シフトレバ
１を拘束する。従つて、シフトレバ１はニユート
ラルレンジを越えて動くことができず、もつて誤
操作が防止されることとなる。

尚、上記実施例では係合孔２３Ｎを長孔とした
がこの孔の形状はこれに限られず、長孔の長径を
直径とする円孔でもよい。

さらに、第５図に示すように基板２１に設ける
係合孔２３Ｎの周縁部にテーパＴを設けるか、ま
たは第６図に示すようにプランジヤ２７の先端に
テーパＴを設けるか、あるいはその両者を組合わ
せて用いることも可能であることはいうまでもな
い。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば車両の停止状態における誤操作のみならず、車
両の走行中における誤操作をも防止でき、安全対
策上有効な自動変速機のシフトレバ装置を得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図は
第１図の−線断面図、第３図は本考案の一実
施例の部分拡大斜視図、第４図は同じくその回路
図、第５図および第６図は他の実施例を示す正面
図である。 １……シフトレバ、２１……基板、２３Ｎ，２
３Ｐ……係合孔、２５……ソレノイド、２７……
プランジヤ、３１……ブレーキスイツチ、３３…
…ニユートラル位置検出スイツチ、３５……パー
キング位置検出スイツチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフトレバのシフト操作に連動する部材の車両
   停止レンジに対応する位置に係合孔を設けると共
   に、該係合孔に係脱可能な係合部材を駆動する駆
   動手段を固定部に設け、前記シフトレバが車両停
   止レンジ以外のレンジにあるときと、少なくとも
   ブレーキが作動しているときとに、前記駆動手段
   の動作により前記係合部材と係合孔との係合を解
   除する駆動回路を備えると共に、少なくともニユ
   ートラルレンジに対応する位置に設けた係合孔の
   移動方向径を、前記シフトレバが前記ニユートラ
   ルレンジに隣接するリバースレンジに移動するの
   を阻止し、かつ、前記係合部材が移動中の該係合
   孔に係合できる大きさに形成したことを特徴とす
   る自動変速機のシフトレバ装置。