JPH037603Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、複数の板状部材の固定、またはワ
イヤハーネス等の棒状体を板状部材に固定するた
めの留め具に関する。

（従来技術） 従来、この種の留め具としては第５図に示すよ
うに略平板状の基板１０２と、該基板１０２下面
より前記取付孔２に挿通可能な中央軸１０３を垂
設し、該中央軸１０３の先端に左右対称に所定の
角度で斜上方へ上端に係止面１０５を有し、かつ
弾性変形可能な係止片１０６を設け、また、前記
係止面１０５より略舌状の首部を上設してなる係
止脚１０４を一体に形成している。

（解決しようとする問題点） したがつて、上記のように構成された留め具に
おいては、板状部材１に係着された後大きな荷重
が加わる箇所において、係止片１０６の肉厚が薄
い場合は中央軸１０３との連結部が白化し、遂に
は破損する等の問題点があつた。

また、係合片１０６の肉厚を厚くすると板状部
材１の取付孔２に係止脚１０４を挿入する際に荷
重が重く、指などでは挿通できない等の問題点が
あつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、上記従来の問題点を解決するために
なされたもので、荷重が加わる箇所でも指で押す
程度で簡単に固定することができるとともに、荷
重が加えられても破損することなく確実に、ま
た、ガタつきを生ずることなく固定することがで
きる留め具を提供することを目的とするものであ
る。

（実施例） 次に、本考案の実施例について図面に従つて説
明すると、図中３は留め具であつて、略平板状の
基板４と、該基板４下面より前記取付孔２に挿通
可能な中央軸５を垂設し、該中央軸５の先端には
左右対称に所定の角度で斜上方へ上端に係止面７
を有し、かつ弾性変形可能な係止片８を設け、ま
た、前記係止面７より首部９を上設し、前記中央
軸５と前記首部９上端とを剛性を有する接合片１
０で連結したものである。

４は基板であつて、略平板状で本例では電線Ｗ
１を粘着性のビニルテープ等よりなるバンドＴに
よつて結束したワイヤハーネスＷを上面に固定す
るために端部下面にズレ止め用の突起を突設して
いる。

５は中央軸であつて、前記基板４中央下面より
略平板状で前記取付孔２に挿通可能に垂設されて
いる。

６は係止脚部であつて、前記中央軸５の先端よ
り左右対称に所定の角度で斜上方へ上端に係止面
７を有し、かつ弾性変形可能で内面を平面上とす
る断面略蒲鉾状の係止片８を設け、また、前記係
止面７より略舌状の首部９を上設し、前記中央軸
５と前記首部９上端とを剛性を有する接合片１０
で連結している。

１０は接合片であつて、前記中央軸５と前記首
部９上端を連結し、かつ剛性を有するとともに前
記中央軸５との挟み角が前記係止片８のものより
小さくなるように形成され、また、この接合片１
０の中央軸５側基部の上面と首部９側基部の下面
とに薄肉のヒンジ部１１を形成している。

次に、上記のように構成された本実施例の作用
と効果について説明する。

先ず、予め複数本の電線Ｗ１を粘着性のビニル
テープ等よりなるバンドＴによつて巻着し結束さ
れたワイヤハーネスＷを基板４上面に当接し、粘
着性のビニルテープ等よりなるバンドＴによつて
巻着し固定する。

しかる後、留め具３の係止脚部６を板状部材１
に貫設された取付孔２に当接させ押圧すると、係
止脚部６の係止片８は取付孔２内周縁に案内され
て中央軸５側へ弾性変形されるとともに、接合片
１０は中央軸５側基部上面と首部９側基部下面に
形成された薄肉のヒンジ部１１によつて中央軸５
側へ回動され、係止片８が取付孔２を通過すると
同時に係止片８は元の位置に復元され係止面７は
板状部材１下面に係合されるとともに、首部９は
取付孔２の内周縁に当接し、留め具３は板状部材
１に係着する。

この際、大きな荷重が引抜き方向へ作用した場
合、この荷重により係止片８上端の係止面７が板
状部材１の取付孔２下面により下方に押圧され該
係止片８が中央軸５に対し拡開方向に動くと、中
央軸５に対する係止片８と接合片１０の挟み角の
違いにより前記首部９はその上端側が下端側より
も中央軸５に対して大きく拡開し、また接合片１
０はその両側基部の薄肉のヒンジ部１１以外は剛
性を有するものであるから、首部９上端を突つ張
り状に押圧して拡開させ、取付孔２内周縁への弾
性係着を強固なものにすることから充分に抜けを
防止することができる。また、接合片１０は中央
軸５側基部上面と首部９側基部下面に薄肉のヒン
ジ部１１を形成していることから板状部材１の取
付孔２に係止脚部６を挿入する際、抵抗なく、指
で押す程度で挿入することができる。さらに、首
部９が取付孔２内周縁に拡開状に弾性係着するた
め、取付孔２に対しガタなく固定することができ
る。

（考案の効果） さて、本考案は上記の構成としたことにより、
荷重が加わる箇所でも指で押す程度で簡単に固定
することができるとともに、荷重が加えられても
破損することなく確実に固定することができ、特
に引抜き方向の荷重に対しては首部の上端側が下
端側よりも中央軸に対して大きく拡開することか
ら取付孔内周縁に対して強固に拡開状に弾性係着
し、係止面と協働してガタなく充分に抜けを防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の留め具を示す正面図であつ
て、第２図、第３図は作用を示す一部破断の正面
図、第４図は他の実施例の留め具を示す正面図、
第５図は従来技術の留め具を示す正面図である。 １……板状部材、２……取付孔、３……留め
具、４……基板、５……中央軸、６……係止脚
部、７……係止面、８……係止片、９……首部、
１０……接合片、１１……薄肉のヒンジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 板状部材に貫設した取付孔内周縁に拡開状に弾
   性係着する合成樹脂等からなる一体形成の留め具
   であつて、略平板状の基板と、該基板下面より前
   記取付孔に挿通可能な中央軸を垂設し、該中央軸
   の先端には左右対称に所定の角度で斜上方へ、上
   端に係止面を有し、かつ弾性変形可能な係止片を
   設け、また、前記係止面より首部を上設し、前記
   中央軸と前記首部上端とを剛性を有する接合片で
   連結するとともに該接合片は前記中央軸との挟み
   角が前記係止片のものより小さくなるように形成
   され、前記接合片の中央軸側基部と首部側基部に
   薄肉のヒンジ部を形成してなることを特徴とする
   留め具。