JPH0365278B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 この発明は、プリンタのリボン切換装置に関す
るものである。

発明の技術的背景及びその問題点 従来、二色印字を行なう場合には、両端がスプ
ールに巻回された二色リボンや、カセツトケース
に収納されたエンドレスの二色リボンのプラテン
と対向する一部を上下方向にシフトさせている。

また、二色印字を行なう他の例として、プラテ
ンに沿つて移動するキヤリアにカセツト支特台を
任意位置固定自在に取付け、このカセツト支特台
にカセツトリボンを着脱自在に取付けたものが存
する。しかしながら、カセツト支特台の位置決め
機構の精度にもよるが、カセツト支特台に遊びが
多かれ少なかれ生じ、また、カセツト支特台に対
するカセツトリボンの遊びも生じ、このために、
印字色の切換動作が不正確となり色が混じる惧れ
がある。リボン幅を大きくすればこのような問題
点を解消することができるが、機種によつてカセ
ツトリボンのカセツトケースの厚さを厚くなけれ
ばならず、互換性がなく標準化の防げとなり、生
産性が低下し、また、コストも上る欠点を有して
いる。

発明の目的 この発明は、リボンの切換動作を正確にして二
色印字のみならず多色印字を綺麗に行うことがで
き、また、リボン幅を狭くしてリボンの幅並びに
カセツトケースの厚さを標準化することができ、
しかも、高速印字を可能にしたプリンタのリボン
切換装置を得ることを目的とする。

発明の概要 この発明は、長尺方向に沿つて複数色のゾーン
に色分けされたエンドレスのリボンをカセツトケ
ースに収納してなるカセツトリボンを設け、プラ
テンに沿つて移動するキヤリアに前記カセツトリ
ボンを着脱自在に保持するカセツト支特台を前記
プラテンの軸心と直交する方向に回動自在に取付
け、互いに連結されるステツプモータ及びギア並
びに前記カセツト支特台を支えるストツパを前記
キヤリアに設け、前記ギヤと噛合するギヤを前記
カセツト支特台に設け、このカセツト支特台への
前記ギヤの取付手段又は前記キヤリアへの前記ス
テツプモータの取付手段の少なくともいずれか一
方を位置調節自在の取付手段とし、前記キヤリア
に前記カセツトリボンの先端に爆発的に係合して
このカセツトリボンを階段的節度をもつて位置決
めする位置決め機構を設けたものである。したが
つて、位置決め機構によりカセツトリボンの先端
を位置決めすることにより、リボン色切換時のシ
フト量を正確にして印字色の混じりを防止し、こ
れにより、リボンの幅及びカセツトケースの厚さ
を標準のものと同様に定めるこができ、また、キ
ヤリアにステツプモータを搭載しているため、任
意の場所でリボンの上下方向の切換を行うことが
できて高速印字を行うことができるように構成し
たものである。

発明の実施例 この発明の一実施例を図面に基いて説明する。
プラテン１と平行に設けたガイド２，３に印字ヘ
ツド４を保持するキヤリア５がスライド自在に保
持されている。このキヤリア５の両側にはカセツ
ト支特台６の両側から突出するピン７を支承する
軸受８が設けられている。さらに、キヤリア５に
はストツパ９，１０が設けられている。

ついで、カセツトケース１１にエンドレスのリ
ボン１２を収納してなるカセツトリボン１３が設
けられている。このカセツトケース１１はカセツ
ト支特台６に設けた押えばね１４により着脱自在
に取付けられるもので、カセツトケース１１内に
は送りローラ１５と押えローラ１６とが設けら
れ、送りローラ１５のつまみ軸１７は上方へ突出
し、そのつまみ軸１７の先端には第４図に示すよ
うに三色に色分けされた表示部１８が形成されて
いる。表示部１８はリボン１２の色を表示するも
ので、リボン１２はその長尺方向に沿つてＣ（シ
アン）、Ｍ（マゼンダ）、Ｙ（イエロー）の三色に色
分けされている。

ついで、キヤリア５にはモータ１９に駆動され
るワイヤ２０が止着されているとともに駆動部で
あるステツプモータ２１が取付けられている。伝
達機構２９は、ステツプモータ２１に直結された
ギヤ２２と、キヤリア５に保持されてこのギヤ２
２に噛合するギヤ２３と、このギヤ２３に同軸上
で連結されたギヤ２４と、扇形のギヤ２５とより
なる。扇形のギヤ２５はカセツト支特台６に形成
した長孔２６に上下動自在に保持するピン２７を
有し、カセツト支特台６の側面に螺合されたネジ
２８により固定されている。

しかして、カセツトリボン１３の先端に係合す
る位置決め機構３０が設けられている。すなわ
ち、カセツトケース１１の先端には上下一対の切
欠３１が形成され、これらの切欠３１に弾性を有
する樹脂によるデイテント３２が爆発的に取付け
られている。このデイテント３２には三つの係止
凹部３３がＶ字形に定められて等ピツチで配列形
成されている。そして、キヤリア５の先端に取付
けたデイテントアームガイド３４にはデイテント
３２の係止凹部３３のいずれかに係合するデイテ
ントアーム３５がスプリング３６により一方へ付
勢されつつピン３７により回動自在に取付けられ
ている。

このような構成において、モータ１９を駆動す
るとキヤリア５はワイヤ２０の張力により移動す
る。印字色は次のようにして選択する。第３図に
示すように、デイテントアーム３５がデイテント
３２の最上段の係止凹部３３に係合している位置
はカセツトリボン１３がカセツト支特台６ととも
に最下段に下降したホームポジシヨンで、この位
置でリボン１２は最も使用頻度の高いＣ（シアン）
が印字面に対向する。ステツプモータ２１を10パ
ルス回転させてカセツト支特台６の先端を上昇さ
せると、第２図に示すようにデイテント３２の中
央の係止凹部３３にデイテントアーム３５が係合
し、リボン１２のＭ（マゼンダ）が印字面に対向
する。さらに、ステツプモータ２１を10パズル回
転させるとデイテントアーム３５が最下段の係止
凹部３３に係合してリボン１２のＹ（イエロー）
が印字面に対向する。

リボン１２は標準幅（13mm）で一色の幅は4.3
mmである。９ピンのドツトヘツドの場合文字の高
さは通常３〜3.3mmとなりリボン１２の一色の幅
は文字の上下に0.5mmの余裕しか得られない。し
かし、ギヤ２２〜２５にバツクラツシユがあり、
これによるカセツト支特台６の動きとカセツト支
特台６に対するカセツトリボン１３の動きがあつ
たとしても、カセツトリボン１３は回動支点から
遠く離れたプラテン１の近傍でデイテントアーム
３５によつて位置決めされるので、色が混じるこ
とはない。リボン１２の幅やカセツトケース１１
の厚さも標準のものと共通にすることができる。
一色のリボンを使うときはデイテント３２を外せ
ばよいのでカセツトケース１１は共通使用するこ
とができる。また、カセツト支特台６の回動中心
はプラテン１の軸心とリボン１２の幅方向の中心
とを結ぶ平面の延長面上に位置することにより、
リボン１２はどの印字色を用いる場合でもプラテ
ン１に近い部分に対向させることができ、リボン
１２を上下にシフトしてもプラテン１との対向間
隔に変化を生じない。

組立に際しては、ギヤ２２を連結したステツプ
モータ２１とギヤ２３，２４とをキヤリア５に取
付け、ネジ２８を緩めた状態でカセツト支特台６
にギヤ２５を仮止めし、カセツト支特台６をスト
ツパ９に当接するホームポジシヨンに押え、ギヤ
２４，２５が噛合しない状態でステツプモータ２
１を特定の相に励磁し、この状態でギヤ２４に噛
合する位置にギヤ２５を位置させてネジ２８で固
定する。したがつて、ステツプモータ２１を特定
の相に励磁することによりカセツト支特台６をホ
ームポジシヨンに位置させることができる。ある
いは、ギヤ２５に噛合させて先カセツト支特台６
に固定した場合には、ステツプモータ２１を特定
の相に励磁し、カセツト支特台６をストツパ９に
当接し、この位置でステツプモータ２１を位置調
節しつつ固定しても同様の作用が得られる。いず
れにしてもホームポジシヨンの調整はきわめて容
易である。

また、印字中はカセツトリボン１３のつまみ軸
１７が回転するが、つまみ軸１７は色分けの為の
表示部１８が色彩をもつて形成されているのでリ
ボン１２が走行していることを確認することがで
きる。リボン１２もインキが濃く真の色が分りに
くいが表示部１８を見ることにより有している色
を容易に知ることができる。

発明の効果 この発明は上述のように、長尺方向に沿つて複
数色のゾーンに色分けされたエンドレスのリボン
をカセツトケースに収納してなるカセツトリボン
を設け、プラテンに沿つて移動するキヤリアに前
記カセツトリボンを着脱自在に保持するカセツト
支特台を前記プラテンの軸心と直交する方向に回
動自在に取付け、互いに連結されるステツプモー
タ及びギヤ並びに前記カセツト支特台を支えるス
トツパを前記キヤリアに設け、前記ギヤと噛合す
るギヤを前記カセツト支特台に設け、このカセツ
ト支特台への前記ギヤの取付手段又は前記キヤリ
アへの前記ステツプモータの取付手段の少なくと
もいずれか一方を位置調節自在の取付手段とし、
前記キヤリアに前記カセツトリボンの先端に弾発
的に係合してこのカセツトリボンを段階的節度を
もつて位置決めする位置決め機構を設けたので、
位置決め機構によりカセツトリボンの先端を位置
決めすることにより、リボン色切換時のシフト量
を正確にして印字色の混じりを防止し、これによ
り、リボンの幅及びカセツトケースの厚さを標準
のものと同様に定めることができ、また、キヤリ
アにステツプモータを搭載しているため、任意の
場所でリボンの上下方向の切換を行うことができ
て高速印字を行うこができ、さらに、デイテント
機構とステツプモータとをともにキヤリアに搭載
したことにより、指定色のリボンをプラテンに対
向させた状態でステツプモータへの通電を次の切
換まで切ることができ、節電についても有利であ
る等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の一実施例を示すもので、第１
図は一部を切欠した平面図、第２図及び第３図は
一部を切欠してカセツト支持台の動作を示す側面
図、第４図はカセツトリボンの斜視図である。 １……プラテン、５……キヤリア、６……カセ
ツト支特台、７……ピン（カセツト支特台の回動
中心）、９……ストツパ、１２……リボン、１３
……カセツトリボン、２１……ステツプモータ
（駆動部）、２２〜２５……ギヤ、２９……伝達機
構、３０……位置決め機構、３２……デイテン
ト、３５……デイテントアーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 長尺方向に沿つて複数色のゾーンに色分けさ
   れたエンドレスのリボンをカセツトケースに収納
   してなるカセツトリボンを設け、プラテンに沿つ
   て移動するキヤリアに前記カセツトリボンを着脱
   自在に保存するカセツト支特台を前記プラテンの
   軸心と直交する方向に回動自在に取付け、互いに
   連結されるステツプモータ及びギア並びに前記カ
   セツト支特台を支えるストツパを前記キヤリアに
   設け、前記ギヤと噛合するギヤを前記カセツト支
   特台に設け、このカセツト支持台への前記ギヤの
   取付け手段又は前記キヤリアへの前記ステツプモ
   ータの取付手段の少なくともいずれか一方を位置
   調節自在の取付手段とし、前記キヤリアに前記カ
   セツトリボンの先端に爆発的に係合してこのカセ
   ツトリボンを階段的節度をもつて位置決めする位
   置決め機構を設けたことを特徴とするプリンタの
   リボン切換装置。