JPH0362965B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は石油フアンヒータ等に用いられる予混
合式の燃焼装置に関するものである。

従来の技術 従来この種の燃焼装置は、第３図に示すよう
に、ヒーター１を埋設した気化筒２の上部開口に
有天筒状のバーナヘツド３を覆着して構成してあ
る。そして上記気化筒２内に供給され気化した気
化燃料と燃焼用空気との混合ガスはバーナヘツド
３内に導かれ、点火電極４からの火花放電により
点火され、この炎孔５の一部に点火した火炎がバ
ーナヘツド３の全周に火移りして火炎６を形成す
る。

発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記従来の構成では、気化筒２内
で予混合された気化燃料と燃焼用空気との予混合
ガスがバーナヘツド３内を強い旋回流を伴つてそ
のまま通過してしまうため十分な予混合が行われ
ず、円周方向の各炎孔５毎に空燃比の異なつた火
炎が形成される。したがつて燃焼用空気流量ある
いは燃料流量の変化により、空燃比の大きな火炎
はリフト状態になりやすく、逆に、空燃比の小さ
な火炎は黄炎発生がしやすくなるという問題があ
つた。またこのようにバーナヘツド３の周壁全周
に炎孔５を分割して設けたものは上記炎孔５の一
部に点火した火炎が上記バーナヘツド３の全周に
火移りして着火完了するのであるが、低温時等の
火移り性が悪い場合には炎孔全部、特に点火電極
４とは反対側部分の炎孔にまで火移りするのに時
間がかかり、その間に点火点極４と反対側部分の
炎孔より噴出した予混合ガスが未然のまま白煙と
なつて流出するという問題もあつた。

本発明はこのような従来の問題を解決したもの
で、バーナヘツド周壁の炎孔全周にわたつて均一
な火炎が形成されるようにすると同時に着火白煙
をもなくすることを目的としたものである。

問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するための、、バー
ナヘツド内に気化筒からの予混合ガスの流入口を
覆う多孔板を設けこの多孔板には点火電極と対向
する位置にバイパス用の切り越し開口を設けた構
成としてある。

作 用 本発明は上記構成によつて気化筒内で生じた予
混合ガスの強い旋回流が多孔板によつて緩和され
混合が促進されるとともに、この予混合ガスは多
孔板のバイパス用切り起こし開口部分の炎孔から
噴出した後他の炎孔部分から噴出するようにな
る。したがつてバーナヘツド周壁の炎孔全周にわ
たつて均一な火炎が形成されるとともに火移り遅
れによる白煙等もなくなる。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて
説明する。第１図、第２図において、７は上部を
開口した有底筒状の混合兼気化筒（以下気化筒と
称す）、８はこの気化筒７に埋設したシーズヒー
タ、９は上記気化筒７に燃焼用空気を供給する空
気通路で、送風機１０と連通している。１１は同
気化筒７に燃料を供給する燃料パイプで、ポンプ
１２を介して燃料タンク１３を連通している。１
４は同気化筒７の外周を囲むバーナケース、１５
は気化筒７の上部開口に取り付けた筒状のバーナ
ヘツドで、上部にキヤツプ１５ａを覆着して有天
筒状としてあり、下部開口は小径に絞り込んで混
合ガス流入口１５ｂとしてある。このバーナヘツ
ド１５はその周壁に多数の炎孔１６が略均等に設
けてあり、その内外璧共にそれぞれ金網１７，１
８を内貼り外貼りしてある。１９は火炎検出セン
サとしてのフレームロツドで、その先端部は炎孔
の中央部に垂下している。２０は火花放電により
点火を行なう点火電極で、その先端は着火用炎孔
１６ａに相対して位置している。２１は上記バー
ナヘツド１５内に前記混合ガス流入口部１５ｂを
覆うように設けた多孔板で、点火電極２０と対向
する位置に混合ガスの一部をバイパスする切り起
こし開口２１ａを設けてある。２２は上記混合ガ
ス流入口部１５ｂと上記多孔板２１との間の間隙
の点火電極２０とは反対側部分に設けた半円形の
抑流金具である。なお、図中２３は気化筒７の外
周に嵌合したアース板である。

上記構成において、シーズヒータ８に通電さ
れ、気化筒７の温度がある設定値まで上昇する
と、ポンプ１２により燃料が燃料パイプ１１から
気化筒７内に供給され、同時に送風機１０により
空気通路９を通して燃焼用空気が送られる。上記
燃料は気化筒７内で気化され、燃焼用空気と混合
して炎孔１６から噴出する。そしてこの予混合ガ
スは点火電極２０からの火花放電によつて着火さ
れ、火炎２４を形成する。このとき火炎２４が形
成されることによつて、フレームロツド１９とバ
ーナヘツド１５、アース板２３等のアースとの間
に火炎電流が流れ火炎検出する。

ここで前記気化筒７で混合された予混合ガスは
強い旋回流を伴なつて混合ガス流入口１５ｂより
バーナヘツド１５内に流入すると、予混合ガスの
一部はバイパス用切り起こし開口２１ａを介して
点火電極近傍の着火炎孔１６ａから噴出するとと
もに、大部分の予混合ガスは、抑流金具２２と多
孔板２１の圧損により流れがよどみ、混合が促進
され、均一に分散されて多孔板２１を通過し、バ
ーナヘツド１５周壁の炎孔１６から噴出するよう
になる。したがつて気化燃料と燃焼用空気との混
合は極めて良好なものとなり、バーナヘツド全周
にわたり均一な火炎が形成される。すなわち、多
少空燃比のバランスがくずれても、一部の火炎の
みがリフト状態になつたり、黄炎状態になつたり
することがない。したがつて、空燃比の広い範囲
にわたり良好な燃焼特性（例えば、燃焼排ガス特
性、燃焼範囲等）を得ることが可能となる。

また、この構成にすると、着火時に着火炎孔１
６ａから流出する予混合ガスが、他の炎孔１６か
ら流出する予混合ガスよりも時間的に先に炎孔へ
達するため、最初に着火炎孔１６ａで火炎が形成
されて種火となり、他の炎孔１６に順次火炎が移
行するため、種火が形成される以前に着火炎孔１
６ａ以外の炎孔１６から予混合ガスが未然のまま
流出、すなわち白煙が発生するようなことがなく
なるとともに、着火時の特性（例えば、燃焼排ガ
ス特性、火廻り等）も良好になる。特に本実施例
では抑流金具２２を設けているので効果的であ
る。

さらにこの実施例では上記バイパス用切り起こ
し開口２１ａを小面積（ここでは多孔板２１の総
開口面積の1/10以下の面積）としているので、こ
のバイパス用切り起こし開口２１ａを介して流出
する予混合ガスはそれほど多くなく、このバイパ
ス用切り起こし開口２１ａを設けた側の炎孔から
噴出する予混合ガス量が多く、換言すればこのバ
イパス用切り起こし開口２１ａを設けた側の炎孔
の火炎が他の部分よりも著しくリフト炎になると
いう不都合はなくなる。

なお、上記実施例では液体燃料を用いる燃焼装
置で説明したが、気体燃料を用いる燃焼装置であ
つても同様であり、この場合の気化筒７に相当す
るものは単なる混合筒である。

発明の効果 以上実施例の説明で明らかなように本発明によ
れば、燃料と燃焼用空気との予混合が良好になる
のでバーナヘツド全周囲にわたつて均一な火炎が
形成される。しかも点火電極と対向する炎孔以外
の炎孔部分からはこの点火電極と対向する炎孔か
らよりも遅く予混合ガスが噴出するようになるの
で火移り遅れによる白煙等の発生もなく、かつ着
火特性も向上する等、その効果は大なるものがあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における燃焼装置の
要部拡大断面図、第２図は同全体構成を示す断面
図、第３図は従来の燃焼装置の要部拡大断面図で
ある。 ７……気化筒、１５……バーナヘツド、１６…
…炎孔、２０……点火電極、２１……多孔板、２
１ａ……切起こし開口、２２……抑流金具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 開口部を有する気化筒と、前記気化筒の開口
   部に取り付けたバーナヘツドと、このバーナヘツ
   ドの外周に設けた点火電極とを備え、上記バーナ
   ヘツドの周壁全周に多数の炎孔を設けるととも
   に、前記バーナヘツド内部の炎孔よりも手前側部
   分には多孔板を設け、この多孔板の前記点火電極
   と対向する位置に切り起し開口を設けて点火電極
   と対向する炎孔から噴出する混合ガスがそれ以外
   の炎孔から噴出する混合ガスよりも先に噴出する
   ようにした燃焼装置。 ２ バーナヘツドと多孔板との間の着火用炎孔と
   は反対側部分に半円形の抑流金具を設けた特許請
   求の範囲第１項記載の燃焼装置。