JPH035933B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、主として車両用エンジンのコンロツ
ドにクランクシヤフトを自動的に組付ける組付装
置に関する。

（従来の技術） 本願出願人は、先に特願昭60−232346号におい
て、組付ステーシヨンに可動台を配置すると共
に、コンロツド付きのピストンを挿着したシリン
ダブロツクを該組付ステーシヨンに定置して、該
可動台にクランクシヤフトを弾力的に支承させる
と共にコンロツドキヤツプをセツトし、該可動台
をシリンダボアの軸線方向に該シリンダブロツク
のスカート部側に前進させて、該コンロツドの大
端部に該クランクシヤフトのピン部を当接させ、
該コンロツドキヤツプのボルト孔に該大端部のコ
ンロツドボルトを挿入させてこれにナツトを締付
けるようにしたクランクシヤフト組付方法を提案
した。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、可動台を前進させてコンロツドの大
端部にクランクシヤフトのピン部を当接させたと
き、該クランクシヤフトが該可動台に弾力的に支
承されているため、該ピン部が該大端部にピスト
ンピンと平行な状状態で当接せずに傾いて当接す
ることがあつて、この状態でコンロツドキヤツプ
のボルト孔にコンロツドボルトを挿入させてこれ
にナツトを本締めしたのでは、大端部のメタルを
痛めたりコンロツドとコンロツドキヤツプとが規
定の結着圧力に締付けられないことがあり、又該
クランクシヤフトが上記の如く弾力的に支承され
てているため該ナツトを締付けるときの反力を充
分に受けられず、該クランクシヤフトが動いてし
まうことがあつてこじり等によりメタルを痛める
虞れがある。

又、可動台を前進させてシリンダブロツクの軸
支部にクランクシヤフトのジヤーナル部を当接さ
せ、この状態でコンロツドの大端部にピン部を当
接させ、コンロツドキヤツプのルト孔にコンロツ
ドボルトを挿入させてこれにナツトを本締めする
ことが考えられるが、この場合該可動台を前進す
るとき、シリンダブロツクに挿着したピストンの
摺動抵抗による反力でクランクシヤフトが傾いた
り軸方向に動いたりすることがあり、コンロツド
の大端部に対しピン部が傾いて、大端部のメタル
を痛めめたり、更にはクランクシヤフトの位置が
ずれてジヤーナル部がシリンダブロツクの軸支部
に正確に当接しなくなる虞れがある。

本発明は、かかる問題点を解決した組付方法を
提供することをその目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本発明は、かかる目的を達成すべく、組付ステ
ーシヨヨンに可動台を配置すると共に、コンロツ
ド付きのピストンを挿着したシリンダブロツクを
該組付ステーシヨンに定置して、該可動台にクラ
ンクシヤフトを弾力的に支承させると共にコンロ
ツドキヤツプをセツトし、該可動台をシリンダボ
アの軸線方向に沿つて該シリンダブロツクのスカ
ート部側に前進させて、該コンロツドの大端部に
該クランクシヤフトのピン部を当接させ、該コン
ロツドキヤツプのボルト孔に該大端部のコンロツ
ドボルトを挿入させてこれにナツトを締付けるよ
うにしたクランクシヤフト組付方法において、該
可動台を前進させて、先ず該大端部に該ピン部を
当接させ、該ボルト孔に該コンロツドボルトを挿
入させてこれに該ナツトを仮締めし、次いで該可
動台を更に前進させて該シリンダブロツクの軸支
部に該クランクシヤフトのジヤーナル部を当接さ
せ、この状態で該ナツトを本締めするようにした
ことを特徴とする。

（作用） 可動台を前進させて、先ずコンロツドの大端部
にクランクシヤフトのピン部を当接させ、コンロ
ツドキヤツプのボルト孔にコンロツドボルトを挿
入させてこれにナツトを仮締めするため、該大端
部に対し該ピン部が傾いて当接した場合でも該コ
ンロツドと該コンロツドキヤツプとは仮締め結着
であることからメタルを痛めることがない。

又、仮締めなためナツトを締付けるときの反力
が小さく、従つてクランクシヤフトが可動台に弾
力的に支承されていても上記反力でクランクシヤ
フトが動くことがなく大端部にこじり等を生じな
い。

又、シリンダブロツクの軸支部にクランクシヤ
フトのジヤーナル部を当接させた状態で本締めを
行なうため、コンロツドの大端部に対しクランク
シヤフトのピン部がピストンピンと平行な状態で
ナツトが締付けられ、従つてメタルを痛めること
なくコンロツドとコンロツドキヤツプとが規定の
結着圧力に締付けられる。

而も、クランクシヤフトがジヤーナル部におい
てシリンダブロツクに当接していることからナツ
トを本締めするときの反力をシリンダブロツクで
受けることができ、従つてその反力でクランクシ
ヤフトが動いてしまうことがなく大端部にこじり
等を生じない。

更に、コンロツドとコンロツドキヤツプとが仮
締め結着されているため、シリンダブロツクの軸
支部にジヤーナル部が当接するまでの可動台の前
進時に生じるクランクシヤフトの傾きや軸方向へ
の動きが規制され、従つて大端部のメタルを痛め
ることがなく而もクランクシヤフトの位置ずれを
生じない。

（実施例） 図示の実施例は、直列４気筒型エンジンのシリ
ンダブロツクＡの各シリンダボアにコンロツドＢ
付きのピストンＣを挿着し、これを組付ステーシ
ヨンにシリンダヘツド載置面を上向きにして定置
して、該各コンロツドＢの大端部にクランクシヤ
フトＤの各ピン部Ｐを当接させ、各コンロツドキ
ヤツプＥのボルト孔に該各大端部のコンロツドボ
ルトＦを挿入させてこれにナツトを締付けるよう
にしたもので、第１図乃至第３図を参照して、１
はシリンダブロツクＡを搬送するローラコンベ
ア、２は該組付ステーシヨンに配置した機枠、３
は該機枠２の上側に設けたセツト台、４は該機枠
２の下側に設けた可動台を示し、該セツト台３を
該機枠２に垂設したレール５に摺動自在に取付け
てこれにシリンダ６の作動による昇降動が与えら
れるようにし、該セツト台３の上昇により該ロー
ラコンベア１で搬送されたシリンダブロツクＡを
ワーク受け７に支持しこれを該コンベア１から少
許持上げてシリンダブロツク載置面を上向きにし
て位置決め保持し得るようにし、又該可動台４を
該機枠２に垂設したレール８に摺動自在に取付
け、該機枠２に設けた螺杆９を該可動台４のナツ
トスリーブ４ａに螺挿し、該螺杆９を正逆転する
モータ１０により該可動台４に該セツト台３上の
シリンダブロツクＡのシリンダボアの軸線方向即
ち上下方向の進退動が与えられるようにした。

そして、上記可動台４にクランクシヤフトＤを
弾力的に支承させると共にコンロツドキヤツプＥ
をセツトし、該可動台４を上記セツト台３上のシ
リンダブロツクＡのスカート部側に前進即ち上昇
させて、先ずコンロツドＢの大端部に該クランク
シヤフトＤのピン部Ｐを当接させ、該コンロツド
キヤツプＥのボルト孔に該大端部のコンロツドボ
ルトＦを挿入させてこれにナツトを仮締めし、次
いで該可動台４を更に上昇させて該シリンダブロ
ツクの軸支部に該クランクシヤフトＤのジヤーナ
ル部Ｊを当接させ、この状態で該ナツトを本締め
するようにした。

更に詳述するに、上記可動台４の上側に第３図
に示す如く、上方に出没自在な位置決めピン１１
の複数を設け、これら位置決めピン１１を突出し
て、該可動台４の上側にこれの側方に配置したコ
ンベア１２を介して投入されるセツト治具１３を
該可動台４上に位置決め保持し得るようにし、該
セツト治具１３には、第４図乃至第６図に示す如
く、パレツト１４の上側にクランクシヤフトＤの
一端の面取部Ｇに嵌合してクランクシヤフトＤを
回止めして支持する支持具１５と、その他端を支
持する支持具１６とが各ばね１７で上方に付勢し
て設けられて、これら支持具１５，１６を介して
該セツト治具１３にクランクシヤフトＤを弾力的
に支承し得るようにし、又該パレツト１４に先端
にナツトをセツト自在なソケツト１８の複数を第
３図に明示する如く、夫々ばね１９で上方に付勢
して設けると共に、該各ソケツト１８の先端にピ
ン２０をばね２１に抗して下方に没入自在に突設
し、コンロツドキヤツプＥをこれのボルト孔に該
各ピン２０を挿入して該各ソケツト１８の先端部
に位置決め保持自在とした。従つて、クランクシ
ヤフトＤ及びコンロツドキヤツプＥをセツト治具
１３を介して可動台４にセツトし得るようにし
た。又、上記可動台４の直下に取付板２２を前記
機枠２に垂設した図示しないレールに沿つて昇降
動自在に設け、該取付板２２に、セツト治具１３
のソケツト１８の駆動軸１８ａに係脱自在な先端
の凹部２３ａを有するナツトランナ２３の複数を
垂設し、該取付板２２に取付けたドツキングシリ
ンダ２４のピストンロツドを該可動台４に連結し
て、該取付板２２に該ドツキング２４の作動によ
る該可動台４に対する昇降動と、該可動台４の昇
降動に連動した動きとが与えられるようにした。

図面で２５はセツト台４上のシリンダブロツク
Ａに向つて横方向に進退する４本の位置決め具を
示し、これら位決め具２５はシリンダ２６，２６
の作動によるシリンダブロツクＡ側への前進によ
り、該各位置決め具２５の先端のガイド溝２５ａ
に該シリンダブロツクＡから垂下した各コンロツ
ドＢの大端部を挿入させてこれをクランクシヤフ
ト方向に位置決めする。

２７，２７は該シリンダブロツクＡに向つて横
方向に進退する各４本のボルト押えを示し、該各
ボルト押え２７はシリンダ２８，２８の前進側へ
の作動による該シリンダブロツクＡ側への前進に
より、各コンロツドＢのコンロツドボルトＦの頭
部を上方から覆いこれを各コンロツドキヤツプＥ
のボルト孔への挿入時に抜けないように押える。

２９は上記可動台４に設けたセツト治具１３の
払い出し用コンベア、３０はクランクシヤフトＤ
のジヤーナル部Ｊに挿入されて該シヤフトＤを軸
方向に位置決めを行なうセツト治具１３に設けた
位置決め部材を示す。

次に、実施例の作用を説明する。

先ず、ローラコンベア１によりコンロツドＢ付
きのピストンＣを挿着したシリンダブロツクＡを
搬送して組付ステーシヨンのセツト台３上に位置
決めし、次いで各位置決め具２５をシリンダ２
６，２６の作動によりシリンダブロツクＡ側に前
進させるもので、これによれば各位置決め具２５
のガイド溝２５ａに各コンロツドＢの大端部が挿
入されコンロツドＢがピストンピンの中央に位置
するようにクランクシヤフト方向に位置決めさ
れ、コンロツドＢの姿勢が自重により一定に決ま
ることと相俟つて各コンロツドＢの中心線が各シ
リンダボアの軸線に合致される。

次いで各ボルト押え２７をシリンダ２８，２８
の作動によりシリンダブロツクＡ側に前進すると
共に、各位置決め具２５を後退させる。

又、可動台４の上側にクランクシヤフトＤ及び
コンロツドキヤツプＥを各セツトしたセツト治具
１３を投入して、これを該可動台４上に位置決め
し、上記した各コンロツドＢの位置決めを終了し
た後にモータ１０を作動して可動台４をシリンダ
ボアの軸線方向スカート部側に前進即ち上昇させ
て、先ず各コンロツドＢの大端部にクランクシヤ
フトＤの各ピン部Ｐを当接させ、各コンロツドキ
ヤツプＥのボルト孔に該各大端部のコンロツドボ
ルドＦを挿入させ、次いでドツキングシリンダ２
４を作動して可動台４に対し取付板２２を上昇さ
せて、各ナツトランナ２３の凹部２３ａに各ソケ
ツト１８の駆動部１８ａを接続し、各ナツトラン
ナ２３を作動して各コンロツドボルトＦに各ナツ
トを仮締めする。

ここで各大端部に各ピン部Ｐが傾むい当接した
としても各コンロツドＢとコンロツドキヤツプＥ
とは仮締め結着であるためメタルを痛めることが
なく、而もクランクシヤフトＤに作用するナツト
を締付けるときの反力が小さいめクランクシヤフ
トＤが動いてしまうことがなく大端部にこじり等
を生じない。

次いで、各ボルト押え２７を後した後、モータ
１０を作動し可動台４を更に上昇させて第９図に
示す如く、シリンダブロツクＡの各軸支部にクラ
ンクシヤフトＤの各ジヤーナル部を当接させ、こ
の状態で各ナツトランナ２３を作動して各ナツト
を本締めする。

これによれば、各ジヤーナル部が各軸支部に当
接されてクランクシヤフトＤのピン部Ｐがピスト
ンピンと平行な状態となり、従つてこの状態で本
締めされるためメタルを痛めることなくコンロツ
ドＢとコンロツドキヤツプとが規定の結着圧力に
締付けられる。

而もナツトを本締めするときの反力はシリンダ
ブロツクＡで受けられるためこれによりクランク
シヤフトＤが動くことがない。

その後、可動台４を下降し、コンベア２９によ
りセツト治具１３を払出し、又セツト台３上のシ
リンダブロツクＡをローラコンベア１により払出
して組付作業を完了する。

（発明の効果） このように本発明によるときは、コンロツドの
大端部のメタルを痛めることなくコンロツドとク
ランクシヤフトとを組付けることができ、而もコ
ンロツドとコンロツドキヤツプとを規定の結着圧
力に締付けられる効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法によりコンロツドにクラン
クシヤフトを組付けるようにした組付装置の平面
図、第２図はその−線矢視図、第３図は要部
の拡大図、第４図はセツト治具の正面図、第５図
はその平面図、第６図は第４図の−線截断面
図、第７図は位置決め具及びボルト押えの正面
図、第８図はその平面図、第９図は作用説明図で
ある。 Ａ……シリンダブロツク、Ｂ……コンロツド、
Ｃ……ピストン、Ｄ……クランクシヤフト、Ｅ…
…コンロツドキヤツプ、Ｆ……コンロツドボル
ト、Ｐ……クランクシヤフトのピン部、Ｊ……ク
ランクシヤフトのジヤーナル部、４……可動台。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 組付ステーシヨンに可動台を配置すると共
   に、コンロツド付きのピストンを挿着したシリン
   ダブロツクを該組付ステーシヨンに定置して、該
   可動台にクランクシヤフトを弾力的に支承させる
   と共にコンロツドキヤツプをセツトし、該可動台
   をシリンダボアの軸線方向に沿つて該シリンダブ
   ロツクのスカート部側に前進させて、該コンロツ
   ドの大端部に該クランクシヤフトのピン部を当接
   させ、該コンロツドキヤツプのボルト孔に該大端
   部のコンロツドボルトを挿入させてこれにナツト
   を締付けるようにしたクランクシヤフト組付方法
   において、該可動台を前進させて、先ず該大端部
   に該ピン部を当接させ、該ボルト孔に該コンロツ
   ドボルトを挿入させてこれに該ナツトを仮締め
   し、次いで該可動台を更に前進させて該シリンダ
   ブロツクの軸支部に該クランクシヤフトのジヤー
   ナル部を当接させ、この状態で該ナツトを本締め
   するようにしたことを特徴とするクランクシヤフ
   ト組付方法。