JPH0358124B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は光通信機能を具備した架空送電線、架
空地線等の光複合架空電線の製造方法に関するも
のである。

この種光複合架空電線は、複数本の金属素線を
撚合せてなる架空電線内に光ケーブルを配置して
なる。

従来、この光複合架空電線の製造方法において
は、例えば光ケーブルを中心に配置し、これの外
周に複数本の金属素線を撚合せる方法や光ケーブ
ルを中心以外の位置に配置するように光ケーブル
と金属素線を一緒に撚合せる方法が採用されてい
る。尚、光ケーブルはアルミニウム等の金属管内
に遊嵌状で収納される場合もある。

しかしながら、上記のような方法は、撚線工程
や電線の延線工程での作業は光ケーブルを存在さ
せた状態でなされるため、撚線加工時の圧縮力や
延線の際の金車通過時に受ける圧縮力等により光
ケーブルが損傷する恐れがあつた。

一方、近時光ケーブルを配置すべき位置にパイ
ロツト線を撚込み、撚線工程や延線工程の終了時
に、パイロツト線端部に光ケーブルを接続してパ
イロツト線を引抜くと共に光ケーブルを引込む方
法が提案されている。

この方法によると、光ケーブルを撚線工程や延
線工程で損傷する恐れは無くなる。

しかしながら、パイロツト線と光ケーブルとの
接続は、単に両者端末を接続スリーブで固着した
だけのものであるから、パイロツト線と光ケーブ
ルとの接続強度が低く、両者の引抜き引込み時に
両者が分断してしまう恐れがあり、また接続強度
を高めるため接続スリーブを厚肉、長尺のものと
した場合には、接続部と他部との剛性が大きく異
なり、パイロツト線入り架空電線が湾曲している
場合には、引抜き引込時に接続スリーブ端部の光
ケーブルやパイロツト線が鋭角に折曲がり、この
部分が周囲金属体に引掛り、パイロツト線と光ケ
ーブルとの引抜き引込みをスムーズに行い得ない
欠点があつた。

本発明はこのような欠点を改良したものであ
る。

これを第１図〜第４図に示した一実施例に基づ
き説明する。

図は、光ケーブルを中心に配置した光複合架空
電線の製造に、本発明を適用した例を示し、図に
おいて１は金属素線、２はパイロツト線を示す。

先ず、複数本の金属素線１を撚合せる際、その
中心部にパイロツト線２を配置して撚合せ第１図
に示す如きパイロツト線入り架空電線３とする。

金属素線１としては、亜鉛メツキ鋼線、アルミ
被覆鋼線、アルミ線等からなる。

パイロツト線２としては、後述する光ケーブル
の外層材と同種材質、例えばFRP線とする。

次に、このように構成したパイロツト線入り架
空電線３を、第２図に示すように公知方法により
鉄塔４，５間に延線し、これをカムアロング６に
より保持する。

しかる後、パイロツト線２の端部に光ケーブル
７を接続し、パイロツト線２を引抜くと共に光ケ
ーブル７を引込み第３図に示す如く光複合架空電
線とする。なお第２図において８は金車、９は引
抜き用ロープ、１０はウインチ、１１はドラムを
示す。

光ケーブル７は、１本又は複数本の光心線１２
を集合し、これの外方にFRP外層１３を設けて
ある。

また、パイロツト線２と光ケーブル７との接続
手段としては、先ず第４図イに示すように、パイ
ロツト線２の端末所定長、例えば10cmを削り加工
により細径部１４とすると共に、光ケーブル７の
端末に軸線に沿つて前記細径部１４と略同長、同
径の空洞部１５を形成する。

この空洞部１５の形成は、光ケーブル７の外層
材１３をカツターにより切り開き、内部の光心線
１２を除去して行えばよい。

次に、第４図ロに示すようにパイロツト線２の
細径部１４を光ケーブル７の空洞部１５に挿入
し、両者をエポキシ樹脂系接着剤等により強固に
固着する。

次いで、同第４図ロに示すようにパイロツト線
２端縁と光ケーブル７端縁とに亘り、接続テープ
１６を巻回固着する。

接続テープ１６としては、例えばガラスクロス
テープを用い、これをエポキシ樹脂系接着剤等に
より強固に固着する。このようにすればテープ１
６もFRPと同種材料となる。

この接続テープ１６の巻回固着に際しては、こ
のテープ１６を固着するパイロツト線２端縁と光
ケーブル７端縁とに、巻回するテープ１６の厚さ
相当分だけ削り加工により細径とし、パイロツト
線２外周と光ケーブル７外周とが滑らかに連続す
るようにすれば他部との剛性を等しくし得る。ま
た巻回固着した接続テープ１６外面はサンドペー
パー等により平滑面としておくことが望ましい。

尚、パイロツト線２は、これをアルミニウム等
の金属管内に収納したものとしてもよい。このよ
うにした場合には、光ケーブル７も金属管内に引
込まれる。

また、金属素線１としては断面円形のものに限
らず、例えば断面略扇型形状に形成したものとし
てもよい。

更にパイロツト線２の配置位置、即ち光ケーブ
ル７の配置位置は中心部以外としてもよい。

また接続テープ１６はパイロツト線２と光ケー
ブル７を嵌挿するスリーブ状のものとしてもよ
い。

更に、パイロツト線２と光ケーブル７との引抜
き引込み作業は、実施例に示したものに限らず任
意時に行い得、例えばパイロツト線入り架空電線
３を延線、引留、架設し、これから数年後に、引
留クランプ等を取外してカムアロングで保持し、
しかる後パイロツト線２と光ケーブル７とを接続
し、両者を引抜き引込んでもよく、或はパイロツ
ト線を中心部に遊嵌状で配置したパイロツト線入
り架空電線３を、クサビ式引留クランプ又はクラ
ンプ式引留クランプを介して引留め架設し（この
場合、パイロツト線は引留部でも遊嵌状で配置さ
れている）、この後数年後必要時にパイロツト線
２と光ケーブル７とを接続し、両者を引抜き引込
んでもよい。このような場合には、光ケーブル７
を引込む前は通常の架空電線として機能する。

しかして、本発明は複数本の金属素線を撚合せ
てなる架空電線内に光ケーブルを配置してなる光
複合架空電線の製造方法において、前記光ケーブ
ルを配置すべき位置に光ケーブルの外層材と同種
材料からなるパイロツト線を配置し、次にパイロ
ツト線の端末所定長を細径にすると共に、光ケー
ブル端末に軸線に沿つて前記細径部と略同長で同
径の空洞部を形成し、この空洞部内にパイロツト
線の細径部を挿入固着し、次いでパイロツト線端
縁と光ケーブル端縁とに亘り接続テープを固着
し、しかる後パイロツト線を架空電線から引抜く
と共に光ケーブルを引込むものであるから、撚線
時や延線の際の金車通過時には光ケーブル不存在
の状態で斯る作業を行い得、従つて光ケーブルの
損傷を防止できるばかりか次のような格別の作用
効果を奏する。

即ち、パイロツト線は光ケーブルの外層材と同
種材料からなると共に、パイロツト線の端末所定
長を細径とし、この細径部を光ケーブル端末に設
けた空洞部に挿入固着し、次いでパイロツト線端
縁と光ケーブル端縁とに亘り接続テープを巻回固
着するから、パイロツト線と光ケーブルとの接続
強度が高くなると共に、これにより接続テープを
薄肉短尺品とし得、従つてパイロツト線入りの架
空電線が湾曲していても、パイロツト線と光ケー
ブル及び両者接続部全体が滑らかに湾曲し、従来
のように接続部が外周金属体に引掛つてしまうこ
とがなく、もつてスムーズにパイロツト線と光ケ
ーブルとを引替えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図イ，ロは本発明の一実施例を説
明する説明図で、第１図は架空電線内にパイロツ
ト線を撚込んだ状態の説明図、第２図はパイロツ
ト線を引抜くと共に光ケーブルを引込む状態の説
明図、第３図は完成した光複合架空電線の断面
図、第４図イ，ロはパイロツト線と光ケーブルと
の接続方法を説明する説明図である。 １……鋼素線、２……パイロツト線、３……パ
イロツト線入り架空電線、４，５……鉄塔、６…
…カムアロング、７……光ケーブル、８……金
車、９……引抜き用ワイヤー、１０……ウイン
チ、１１……ドラム、１２……光心線、１３……
外層材、１４……細径部、１５……空洞部、１６
……接続テープ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数本の金属素線を撚合せてなる架空電線内
   に光ケーブルを配置してなる光複合架空電線の製
   造方法において、前記光ケーブルを配置すべき位
   置に光ケーブルの外層材と同種材質からなるパイ
   ロツト線を配置し、次にパイロツト線の端末所定
   長を細径にすると共に、光ケーブル端末に軸線に
   沿つて前記細径部と略同長で同径の空洞部を形成
   し、この空洞部内にパイロツト線の細径部を挿入
   固着し、次いでパイロツト線端縁と光ケーブル端
   縁とに亘り接続テープを固着し、しかる後パイロ
   ツト線を架空電線から引抜くと共に光ケーブルを
   引込むことを特徴とする光複合架空電線の製造方
   法。 ２ 光ケーブルはその外層材がFRPからなると
   共にパイロツト線はFRP線からなることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項に記載の光複合架空
   電線の製造方法。 ３ 光ケーブル端末に形成した空洞部は、その端
   末所定長の外層材を残して他を除去して形成する
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２
   項に記載の光複合架空電線の製造方法。 ４ 接続テープは、ガラスクロスからなることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項〜第３項のうち
   いずれかに記載の光複合架空電線の製造方法。