JPH0356900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はカセツトテープレコーダにおけるカセ
ツトホルダ移動装置に係り、特にホルダを垂直移
動してテープ演奏位置に持ち来す装置に敵するも
のである。

（従来の技術および問題点） カセツトホルダを例えば水平移動後、垂直移動
してテープ演奏位置に持ち来す装置は従来から
種々提案されており、またホルダの移動にモータ
等の駆動力を用いることも知られている。

然しながら、従来装置においてはかかる駆動力
をカセツトホルダの側面の前後の一方に与える構
成をとるため、ホルダの垂直移動時にホルダの姿
勢が傾き、ホルダが円滑に移動しない問題があつ
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案装置は、カセツトを装脱可能なカセツト
ホルダと、カセツトホルダをカセツト装脱位置と
テープ演奏位置との間で移動させるべく、カセツ
トホルダ側面の一端側に取付けられた第１のピン
を水平方向と垂直方向にガイドする水平部と垂直
部からなる第１のガイド溝と、水平方向に移動可
能にガイドされたスライダと、カセツトホルダの
垂直方向への移動に伴つてスライダを移動させる
スライダアームと、スライダに形成され、カセツ
トホルダを常に水平状態に保つべく、カセツトホ
ルダ側面の他端側に取付けられた第２のピンをガ
イドする水平部と傾斜部とからなる第２のガイド
溝とから構成されることを特徴とする。

（作用） 第１のガイド溝は、カセツトホルダ側面の一端
側に取付けられたピンを水平方向と垂直方向にガ
イドすることによつて、カセツトホルダをカセツ
ト装脱位置とテープ演奏位置との間で移動させ
る。一方、スライダに形成された第２のガイド溝
は、カセツトホルダ側面の他端側に取付けられた
ピンをガイドし、スライダがスライダアームによ
つてカセツトホルダの垂直方向への移動に伴つて
移動されることによりカセツトホルダを常に水平
状態に保つ。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照しながら
詳細に説明する。尚、第１図は左側面図、第２図
は右側面図、第３図は上面図、及び第４図は要部
斜視図を夫々示す。

図において、１はカセツト、２はカセツト挿入
口、３はカセツトホルダであり、このホルダ３の
左右両側部３₁，３₂に対向して一対のホルダ支持
板５₁，５₂がシヤーシ４から垂直に形成されてい
る。

ホルダ支持板５₁には逃溝６₁と、水平部６₂₁と
垂直部６₂₂から成るガイド溝６₂が夫々形成され
ている。

ホルダ支持板５₁の内側にはガイド溝６₂に沿つ
てラツク７₁が固定されている。

ホルダ支持板５₁の外側に突設された一対の軸
８₁，８₂はスライダ９に形成された直線状のガイ
ド溝１０₁，１０₂に夫々遊嵌されており、スライ
ダ９を矢印Ａ方向に付勢するバネ１１と共に、ス
ライダ９の位置規制を行なつている。またスライ
ダ９にはガイド溝６₁の水平部６₁₁と整合する水
平部１２₁と所要の傾斜角を有する傾斜部１２₂か
ら成るガイド溝１２が形成されている。

また、ホルダ支持板５₁の外側にはスライダア
ーム１３がホルダ支持板５₁に突設された軸８₃に
回動自在に軸支されている。このスライダアーム
１３の一端側にはＵ字状の切欠け部１３₁が形成
され、またその他端側にはスライダ９に突設され
た軸１４が遊嵌する長孔１３₂が形成されている。

一方、ホルダ支持板５₂には、ガイド溝６₂と対
向する位置に、同様の水平部６₃₁と垂直部６₃₂か
ら成る略Ｌ字状のガイド溝６₃が形成されている。

ホルダ支持板５₁同様に、ホルダ支持板５₂の内
側にはガイド溝６₃に沿つてラツク７₂が固定され
ている。

ホルダー支持板５₂の外側にはローデイングア
ーム１５が軸１６に回動自在に軸支されている。
ローデイングアーム１５には後述のピニオンシヤ
フト１８の右端１８₂が遊嵌する切欠け部１５₁が
形成され、またその軸１６と同軸になるギヤ１７
が固定されている。

ホルダ３の左右両側部３₁，３₂を遊貫するピニ
オンシヤフト１８の両端１８₁，１８₂には先ずラ
ツク７₁，７₂と噛合するピニオン１９₁，１９₂が
夫々圧入され、その外側にはホルダ支持板５₁の
ガイド溝６₂に遊嵌するガイドローラ２０₄と、ホ
ルダー支持板５₂のガイド溝６₃に遊嵌するガイド
ローラ２０₅が夫々遊挿され、さらにその外側に
スライダアーム１３の切欠け部１３₁に遊嵌する
ガイドローラ２０₁と、ローデイングアーム１５
の切欠け部１５₁に遊嵌するガイドローラ２０₂が
夫々遊挿されている。

またホルダ３の左側部３₁に突設された軸２１
にはガイドローラ２０₃が遊挿され、ホルダ支持
板５₁の逃溝６₁を貫通してスライダ９のガイド溝
１２に遊嵌されている。

以下、上記装置の動作を説明する。

ホルダ３がカセツト挿脱位置からカセツト演奏
位置へ移動する場合、ギヤ１７に噛合する駆動機
構（図示しない）が正回転し、ローデイングアー
ム１７が矢印の時計方向に回動を始め、これによ
りピニオンシヤフト１８の右端１８₂のガイドロ
ーラ２０₂に移動力が与えられる。

このガイドローラ２０₂がガイド溝６₃に沿つて
移動される時、ラツク７₂でピニオン１９₂が回転
され、ピニオン１９₂の回転トルクがピニオンシ
ヤフト１８により伝達されて、左端１８₁のピニ
オン１９₁が同期回転し、ラツク７₁との噛合によ
つてガイドローラ２０₁にもガイド溝６₂に沿つた
移動力が付与され、ホルダー３がスムーズに水平
移動する。

そしてガイドローラ２０₁がガイド溝６₂の水平
部６₂₁の終端近く、即ちスライダアーム１３の切
欠け部１３₁に到達し、以後下方への垂直移動に
移行すると、スライダアーム１３は反時計方向に
回動し、スライダ９をバネ１１に抗して右方向に
移動する。ここでガイドローラ２０₃はスライダ
９のガイド溝１２の傾斜部１２₂によつて降下位
置が規制され、その降下量がガイドローラ２０₁
と同一とされる。

このように、スライダ９がスライダアーム１３
の回動角に応じて右方向に移動すると、ガイドロ
ーラ２０₃の降下量が規制されるので、ホルダ３
は水平状態を維持して下方に垂直移動し、カセツ
ト演奏位置へ持ち来たされる。

また、ホルダ３のカセツト演奏位置からカセツ
ト挿脱位置への移動時は、ローデイングアーム１
７が反時計方向に回動し、スライダアーム１３が
時計方向に回動することによつて、スライダ９が
左方向に移動復帰するが、このときスライダ９の
ガイド溝１２の傾斜部１２₂の右側面がガイドロ
ーラ２０₁に対し上方移動力を付与するので、ホ
ルダ３は水平状態を維持して上方に垂直移動し、
カセツト挿脱位置へ持ち来たされる。

なお、本考案装置は上記の実施例に限定される
ものではなく、スライダアーム１３とスライダ９
をホルダ支持板５₂側にも設ける等、種々の態様
をとりえる。

（考案の効果） 上述した如く本考案装置によれば、カセツトホ
ルダを常に水平状態に保つことができ、また、そ
の構成も簡単なので、車載用カセツトテープレコ
ーダ等に用いて好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一実施例の左側面図、第
２図は同右側面図、第３図は同上面図、及び第４
図は同要部斜視図を夫々示す。 １……カセツト、３……はカセツトホルダ、３
_１，３₂……ホルダの左右両側部、５₁，５₂……ホ
ルダ支持板、６₁……逃溝、６₂，６₃，１０₁，１
０₂，１２……ガイド溝、８₁，８₂，８₃……軸、
９……スライダ、１１……バネ、１３……スライ
ダアーム、１５……ローデイングアーム、１８…
…ピニオンシヤフト、２１……ホルダ３に突設さ
れた軸、２０₁〜２０₅……ガイドローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 カセツトを装脱可能なカセツトホルダと、上記
   カセツトホルダをカセツト装脱位置とテープ演奏
   位置との間で移動させるべく、上記カセツトホル
   ダ側面の一端側に取付けられた第１のピンを水平
   方向と垂直方向にガイドする水平部と垂直部から
   なる第１のガイド溝と、 上記水平方向に移動可能にガイドされたスライ
   ダと、 上記カセツトホルダの垂直方向への移動に伴つ
   て上記スライダを移動させるスライダアームと、 上記スライダに形成され、上記カセツトホルダ
   を常に水平状態に保つべく、上記カセツトホルダ
   側面の他端側に取付けられた第２のピンをガイド
   する水平部と傾斜部とからなる第２のガイド溝と
   から構成されたことを特徴とするカセツトホルダ
   移動装置。