JPH0356618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案はヒンジに係り、とくに家具などの扉に
用いるヒンジに関する。

（従来の技術） 従来、この種のヒンジとしては、たとえば、特
開昭58−199980号公報に記載されているように、
家具などの本体側に取付けるベースプレートの基
端部にこのベースプレートに被嵌したアジヤスト
プレートの基端部を軸にて回動自在に支持し、上
記軸上において、上記アジヤストプレートの基端
部から上記ベースプレートの基端部に上下調整ね
じを脱着可能に締着し、上記アジヤストプレート
の先端部に螺着した左右調整ねじの首部を上記ベ
ースプレートの先端部の***部に係合し、上記ア
ジヤストプレートに家具などの扉側に取付ける回
動体を有する基体を被嵌するとともに、この基体
から上記アジヤストプレートに上記左右調整ねじ
の上記軸側近傍に位置して固定ねじを螺着した構
造がしられている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記公報に記載の構造では、ベースプレートに
対して基体を角度調整する際には、まず、上下調
整ねじをベースプレートから外し、ついで、左右
調整ねじを進退回動してベースプレートに対して
軸を中心としてアジヤストプレートを回動調整
し、この設定位置をアジヤストプレートからベー
スプレートに螺進した上下調整ねじにて固定し、
最後に固定ねじにて基体をアジヤストプレートに
固定するものであるから、基体の角度調整に多く
の手数を要し操作性が悪く、また、アジヤストプ
レートを調整する左右調整ねじは、その回動中心
となる基端部の軸から大きく離間した先端部に設
けられているので、左右調整ねじの回動量にアジ
ヤストプレートの調整量が比例しその調整効率が
悪く、さらに、部品点数が多く構造が複雑でコス
トアツプとなるという問題がある。

本考案は、このような問題点を解決しようとす
るもので、家具などの本体側への取付具および基
体の取付け作業が容易であるとともに、取付具に
対する基体の角度調整も簡単に、かつ容易に行な
うことができ、部品点数が少なく構造が簡単で操
作性にすぐれたヒンジを提供することを目的とす
るものである。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案のヒンジは、家具などの本体５側に取付
具６を介して取付ける基体１と、家具などの扉７
側に取付ける回動体２と、この基体１と回動体２
とを回動自在の外側に位置する第１のリンクアー
ム３および内側に位置する第２のリンクアーム４
で回動開閉自在に連結したヒンジにおいて、上記
取付具６の基端部に上記基体の基端部を軸２２に
て回動自在に支持し、上記取付具６には、上記回
動体２側の先端部に固定用ねじ孔２１を穿設する
と共に、この固定用ねじ孔２１と上記軸２２との
間に調整用ねじ孔２０を穿設し、上記基体１に
は、上記固定用ねじ孔２１に対向する貫通孔１２
を形成するとともに、この貫通孔１２と上記軸２
２との間に上記調整用ねじ孔２０に対向する挿通
孔１１を形成し、上記取付具６の調整用ねじ孔２
０に頭部２３ａが上記挿通孔１１の内側に当接す
る調整用ねじ２３を進退自在に螺着し、上記取付
具６の固定用ねじ孔２１に頭部２４ａが上記貫通
孔１２の外側に当接する固定用ねじ２４を進退自
在に螺着したものである。

（作用） 本考案のヒンジは、軸２２により基体１を回動
自在に支持した取付具６を家具などの本体５側へ
取付けるとともに、取付具６に螺着され基体１の
挿通孔１１の内側に当接する頭部２３ａを有する
調整ねじ２３を、挿通孔１１からドライバーなど
を挿入して回動させ取付具６に対して進退させる
ことにより、取付具６に対して基体１が軸２２を
中心として回動され、基体１が簡単に角度調整さ
れる。そして、取付具６に螺着され基体１の貫通
孔１２の外側に当接する頭部２４ａを有する固定
ねじ２４を締め付けることにより、取付具６に基
体１を簡単に固定することができる。

上記基体１の角度調整に際し、調整ねじ２３
は、軸２２と固定用ねじ孔２１との間の調整用ね
じ孔２０に螺着したことにより、この調整ねじ２
３の小さい回動調整で大きい調整角が得られ、基
体１を効率よく角度調整できる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

このヒンジは、基体１と回動体２とを回動自在
の第１のリンクアーム３および第２のリンクアー
ム４で回動自在に連結してあり、上記基体１を家
具などの本体５側に取付具６を介して取付けると
ともに、上記回動体２を家具などの扉７側に取付
け、扉７を本体５に開閉自在とするものである。

上記基体１は金属材等により断面ほぼコ字形に
一体に形成され、その上面に基端部側には挿通孔
１１が穿設されているとともに、その上面の上記
回動体側の途中には貫通孔１２が穿設されてい
る。

上記回動体２は金属材等で一体に形成され、一
面を開口した凹部１３が形成されているととも
に、この凹部１３の開口面側の両側方に板状の取
付部１４が突設されている。そして、この回動体
２は、家具などの扉７に埋設され、この扉７に取
付部１４を接合して、扉７に取付けるようになつ
ている。

上記第１のリンクアーム３は金属板等により一
体に形成され、その基端部が上記基体１の前端部
に軸１５により回動自在に軸着されているととも
に、その先端部が上記回動体２の凹部１３内に軸
１６により回動自在に軸着されている。

また、上記第２のリンクアーム４は金属板等に
より一体に形成され、その基端部は上記基体１の
上記軸１５より中央部側に軸１７により回動自在
に軸着されているとともに、その先端部は上記回
動体２の凹部１３内に軸１８より回動自在に軸着
されている。

上記取付具６は金属材等で側面ほぼ三角形状か
つ断面ほぼコ字形に一体に形成され、その下面両
側には板状の取付部１９が突設されている。ま
た、この取付具６の上面には、上記基体１の挿通
孔１１および貫通孔１２にそれぞれ対向する一対
のねじ孔２０，２１がすなわち、その基端部側に
挿通孔１１に対向する調整用ねじ孔２０およびそ
の先端部に貫通孔１２に対向する固定用ねじ孔２
１がそれぞれ穿設されている。

そして、この取付具６を覆うようにして、上記
基体１は、これら取付具６および基体１の基端部
を貫通した軸２２によつて回動自在に支持され、
かつ取付具６に対して基体１が軸２２を中心とし
て回動自在に支持されている。また、上記取付具
６の調整用ねじ孔２０には、調整ねじ２３が進退
自在に螺着されており、この調整ねじ２３の頭部
２３ａは上記基体１と取付具６との間に位置し
て、上記基体１の挿通孔１１の内側に対向されて
いる。さらに、上記取付具６の固定用ねじ孔２１
には、上記基体１の貫通孔１２を回動自在に貫通
した固定ねじ２４が進退自在に螺着されており、
この固定ねじ２４の頭部２４ａは上記基体１の外
側に位置されている。

そうして、取付具６の取付部１９をねじなどに
より家具などの本体５側に固着することによつ
て、取付具６を本体５に取付ける。

さらに、基体１の挿通孔１１からドライバーな
どを挿入して、調整ねじ２３を回動させて取付具
６に対して進退させ、挿通孔１１の内側周縁部に
調整ねじ２３の頭部２３ａが当接した状態で、取
付具６に対する基体１の角度が調整される。この
際、調整ねじ２３は、軸２２と固定用ねじ孔２１
との間の調整用ねじ孔２０に螺着したことによ
り、この調整ねじ２３の小さい回動調整で大きい
調整角が得られ、基体１は効率よく角度調整され
る。

ついで、固定ねじ２４を締め付けることによ
り、この固定ねじ２４の頭部２４ａが基体１の貫
通孔１２の周縁部に外側より当接されるととも
に、調整ねじ２３の頭部２３ａに基体１の挿通孔
１１の内側周縁部が当接した状態で、取付具６に
対して基体１が固定される。

上述のような取付け作業に際しては、基体１が
取付具６にあらかじめ軸着されているので、本体
５への取付けが容易に行なえる。また、このよう
に取付具６に基体１が回動自在に支持されている
ので、基体１の角度調整が容易に行なえる。さら
に、取付具６に螺着した調整ねじ２３および固定
ねじ２４のそれぞれの頭部２３ａ，２４ａで基体
１を挟持することによつて、基体１は取付具６に
確実に固定され、ぐらつくようなことはない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、取付具の基端部に基体の基端
部を軸にて回動自在に支持し、取付具の先端部に
穿設した固定用ねじ孔には基体の貫通孔からこの
貫通孔の外側に当接する頭部を有する固定ねじを
螺着するとともに、上記貫通孔と上記軸との間に
穿設された調整用ねじ孔に基体の挿通孔の内側に
当接する頭部を有する調整ねじを螺着したので、
取付具に対して基体を角度調整する場合には、調
整ねじを回動操作することによつて、取付具に対
して基体が軸を中心として回動調整されるが、こ
の際、調整ねじは貫通孔と軸との間の調整用ねじ
孔に螺着したので、調整ねじの小さい回動調整量
によつて基体を大きく回動調整することができ、
したがつて基体の角度調整を効率よく容易に行う
ことができる。また、基体の角度調整後に固定ね
じを締着することにより、基体は調整ねじの頭部
と固定ねじの頭部とによつて挟持され基体を確実
に固定することができる。さらに、取付具に軸お
よび固定ねじにて基体を取付けておくことによ
り、基体を家具などの本体側に取付けることがで
きるので、その取付け作業が容易になる。また、
調整ねじおよび固定ねじにて基体の角度調整がで
きるので、部品点数が少なく構造が簡単で、しか
も操作性にすぐれ安価に提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のヒンジの一実施例を示す閉状
態の縦断側面図、第２図はその開状態の縦断側面
図、第３図はその閉状態の平面図である。 １……基体、２……回動体、３……第１のリン
クアーム、４……第２のリンクアーム、６……取
付具、１１……挿通孔、１２……貫通孔、２０…
…調整用ねじ孔、２１……固定用ねじ孔、２２…
…基体を取付具に支持する軸、２３……調整ね
じ、２３ａ……調整ねじの頭部、２４……押えね
じ、２４ａ……押えねじの頭部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 家具などの本体側に取付具を介して取付ける基
   体と、家具などの扉側に取付ける回動体と、この
   基体と回動体とを回動自在の外側に位置する第１
   のリンクアームおよび内側に位置する第２のリン
   クアームで回動開閉自在に連結したヒンジにおい
   て、 上記取付具の基端部に上記基体の基端部を軸に
   て回動自在に支持し、 上記取付具には、上記回動体側の先端部に固定
   用ねじ孔を穿設すると共に、この固定用ねじ孔と
   上記軸との間に調整用ねじ孔を穿設し、 上記基体には、上記固定用ねじ孔に対向する貫
   通孔を形成するとともに、この貫通孔と上記軸と
   の間に上記調整用ねじ孔に対向する挿通孔を形成
   し、上記取付具の調整用ねじ孔に頭部が上記挿通
   孔の内側に当接する調整ねじを進退自在に螺着
   し、 上記取付具の固定用ねじ孔に頭部が上記貫通孔
   の外側に当接する固定ねじを進退自在に螺着した
   ことを特徴とするヒンジ。