JPH0356176Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、掘起機により地表に掘り起され、適
宜乾燥を施した玉葱をその茎切と共に、後方のコ
ンテナーに収容し得るようにした玉葱収穫機に於
いて、特に収穫作業に伴つてコンテナーへの玉葱
の収納量が増加して、基体の重心が後方に移動し
ても、バランスウエイトの調節により簡易に機体
のバランスを保つようにして、スムーズに走行す
ることができるようにした玉葱収穫機のバランス
装置に関するものである。

近時、玉葱の収穫方法として、人力によらずに
機械を用いた収穫機が普及し、経済的にも人力収
穫法に比べ効果的であり、また、技術的にも機械
を用いて玉葱を収穫しても、玉葱の損傷を防止で
き、長期保存できる機構の収穫機が開発されてい
る。

しかし、玉葱を収容するコンテナーは、収穫機
本体とは、別構成の荷車に積載し、この荷車は機
体の後部に連結してあるために、小回りができず
作業性に問題があり、この荷車の長さが増えると
収穫機の長さは相当長尺となり、同様な問題が生
じる。

また、コンテナーを積載している荷車は蛇行す
るために、玉葱は地表に落下してしまう欠点が生
じる。

しかも最大の欠点は、収穫機が長尺であると、
機体の重心が移動し、機体のバランスを保つこと
が困難であり、特に収穫量の増加に伴つて、運転
が難しくなるという問題が生じる。この問題を解
決するため実開昭54−70834号のごとき玉葱収穫
機が知られている。これは玉葱収穫機のコンベヤ
ー先端部両側に機枠に取付けた支持具を介して取
外し自在で、且つ位置調節可能なバランスウエイ
トを設けたものである。

しかし、前記の公知例は機体のバランス調整が
必要になると、作業者が支持具に取付けられてい
るバランスウエイトを少し持ち上げるようにして
１個ずつ前方移動させるため、作業者にとつて
は、大変な労力が要る作業であり、且つバランス
調整に時間がかかるなど作業効率が低下するとい
う欠点があつた。

本考案者が前記の問題点を検討した結果、これ
はバランスウエイトの使用方法に起因するもので
あるとの結論に達した。すなわち、バランス調整
する場合、従来はバランスウエイトのみを支持具
から持上げて移動しているから前述の問題が生じ
るのであり、これを解決すればよいと考えた。本
考案は前述の観点に鑑みて提案されたもので、バ
ランスウエイトをその支持具と共に回動すること
により、軽い力でしかも迅速にバランス調整でき
るようにしたものである。

すなわち、本考案に係わる玉葱収穫機のバラン
ス装置は、機枠２に前方から順に、玉葱を拾い上
げる羽根６及びコンベヤー７とで構成される拾い
上げ装置１と、茎切り及び後方送りを行うカツテ
イング装置１２と、玉葱を収納するコンテナー２
２を積載する積載装置２１とを備えた玉葱収穫機
に於いて、前記機枠２の先端部に取付けた支持枠
２８に支持具３２を設け、この支持具３２の上下
部に取付板３６，３７を固着すると共に、この取
付板３６，３７に上下端部を枢支した軸３５に、
その軸線と直角方向に複数のウエイト素子１０
ａ，１０ｂ…からなるバランスウエイト１０を可
動的に支持する支持腕１１を突出させ、上方の取
付板３６に軸３５をはさんで機枠２の前後方向反
対側の位置に２つの小孔４１，４２を設け、この
軸３５を支点とする支持腕１１の回動により、小
孔４１，４２と合致する小孔３８を前記支持腕１
１に設けた係止片３９，４０に開設し、上下位置
にある各小孔４１，４２，３８の軸線を合致させ
たうえ、これにピン４３を挿抜自在に構成したこ
とを特徴とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

１は機枠２，２の先端部に設けた拾い上げ装置
で、これは既に地表に掘り起され、相当時間経過
して乾燥を施してある玉葱を拾い上げるものであ
り、機枠２，２の先端部に、先方を斜め下向きに
して側枠３，３を取付けてある。

この側枠３，３の先端部に取付けた支持枠４，
４を介して端部に円板５，５を有する逆時計方向
に回動する玉葱を掻き込む羽根６，６…を適間隔
ごとに設けてあり、この羽根６，６の後方には、
玉葱を後方に送り込むコンベヤー７を側枠３，３
間に張設して拾い上げ装置１を構成してある。

８，８は支持枠４，４に取付けた案内板で、そ
の先端部は外方に広がつており、９，９は前記拾
い上げ装置１の深さを調節する深度調節用の車輪
であり、１０，１０は前記機枠２，２の先端部に
支持腕１１を介して設けたバランスウエイトであ
り、この構成については、後に詳しく説明する。

なお、前記コンベヤー７を駆動するための駆動
装置は図示省略してある。

１２は前記拾い上げ装置１の後方に設置した玉
葱の茎を切断する共に、その茎切りした玉葱を後
方に送り込むカツテイング装置で、このカツテイ
ング装置１２は新規な技術ではなく、従来公知の
技術で構成してあるので、その詳細は図示省略し
てある。

１３はこのカツテイング装置１２の後方に立設
した玉葱をコンテナーに送り込むためのバケツト
コンベヤー装置で、前記機枠２，２の後端部に縦
枠１４，１４を立設し、この縦枠１４，１４の内
側に設けたコンベヤー１５に適間隔ごとにバケツ
ト１６，１６…を取付け、この縦枠１４，１４の
頂端部に取付具１７をその長溝１８，１９分だけ
位置調節可能に取付け、この取付具１７に後方下
向のホツパー２０を上方に一定範囲回動自在に枢
支してある。

２１は玉葱を収容するコンテナー２２の積載装
置で、前記機枠２，２の後端部にリフト２３を立
設し、このリフト２３にフオーク２４，２４を取
付け、このフオーク２４，２４は図示省略の油圧
機構等の昇降装置によつて、その高さ位置を調節
できるように構成してある。

２５，２５は無限軌道帯２６，２６からなる走
行装置で、前記機枠２，２の後端に設けてあり、
所定駆動源によつてこの走行装置２５を駆動して
走行するように構成してあり、この走行装置２５
の前方の機枠２，２には遊動輪２７，２７を取付
けてある。

つぎに、機枠２の先端部両側に設けたバランス
ウエイト１０，１０の構成を詳しく説明すると、
このバランスウエイト１０は、機体のバランス状
態に応じて機枠２の先端部に於いて、前後方向に
回動させることができると共に、各ウエイト素子
１０ａ，１０ｂ、…自体を取外しができ、且つ
個々に前後方向に移動させることができる可動的
構成になつている。

つまり、２８は機枠２の先端部に設けた支持枠
で、この支持枠２８に金具２９，３０を介してボ
ルト３１で支持具３２を取付けてある。具体的に
は、金具２９の基端部２９ａは、支持枠２８を通
つて支持具３２に固定し、他方の金具３０の折曲
げ基端部３０ａは、支持具３２にボルト３３、ナ
ツト３４を介して固定してある。さらに、金具２
９，３０の折曲げ部２９ｂ，３０ｂにボルト３１
を挿通して支持具３２を押圧することにより、支
持枠２８に支持具３２を取付けるように構成して
ある。

３５は軸で、支持具３２の上下端部に設けた取
付板３６，３７に軸支してあり、この軸３５には
バランスウエイト１０を配する支持腕１１と基端
両側部に小孔３８を有する一対の係止片３９，４
０を設けてある。また、上方の取付板３６には、
一対の小孔４１，４２が設けてあり、支持腕１１
を前方向に位置させるとき、小孔４１と係止片３
９の小孔３８とを一致させピン４３を挿入して、
支持腕１１の前向状態を確保させる。

逆に支持腕１１の後方向に位置させるときは、
取付板３６の小孔４２と係止片４０の小孔３８と
を一致させピン４３を挿入して、支持腕１１の後
向状態を確保することができる。

本考案は以上の構成であれば、既に地表に掘り
起され、適宜乾燥を施してある玉葱を収穫機の先
端に設けた拾い上げ装置１の羽根６，６，…を介
して拾い上げ、コンベヤー７により玉葱を後方の
カツテイング装置１２に送り込み、このカツテイ
ング装置１２によつて玉葱の茎を切断しながら後
方のバケツトコンベヤー装置１２に送り、そのバ
ケツト１６，１６，…を介してホツパー２０に玉
葱を送り込み、最後にこのホツパー２０からフオ
ーク２４，２４上に積載しているコンテナー２２
に玉葱を収納し、コンテナー２２が満載になつた
ら、フオーク２４を適位置に調節し、他の車輌に
移し変えるのである。

しかして、本考案はバランス装置を構成したこ
とにより、収穫作業中コンテナー２２への収納量
が多くなり、機体の重心が移動した場合、これに
対応してバランスウエイト１０を配してある支持
腕１１を前後方向に回動させることにより、機体
のバランスを保つことができる。

しかも、ウエイト素子１０ａ，１０ｂ…自体を
支持腕１１に可動的に配してあるから、僅かなバ
ランス調節は、ウエイト素子１０ａ，１０ｂ…の
みの移動或いは支持腕１１からウエイト素子１０
ａ，１０ｂ…を取外すことにより行うことができ
る簡易さがある。

また、機体後方にコンテナー２２の積載装置２
１を構成したことにより、機体をコンパクト化で
き、且つ走行装置２５が無限軌道帯２６の構成と
相俟つて、小回り運転が可能となるなどスムーズ
な走行を可能とすることもできる。

以上説明したように本考案によると、バランス
ウエイトをその支持腕に支持させたまま軸を中心
に回動させることにより、手の軽い力で楽に前後
方向に移動させて容易にバランス調整を行うこと
ができる。よつて、バランスの調整作業は短時間
で行え、作業効率が向上するという効果がある。
とくに玉葱収穫作業を１日中行うと、多数回バラ
ンスウエイトの移動作業が必要となるが、本考案
によるとこの場合、作業者は余り労力を必要とせ
ず、手際よくバランス調整作業を行うことができ
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の平面図、第２図は同側面図、
第３図は要部の正面図、第４図は同平面図であ
る。 １……拾い上げ装置、６，６……羽根、７……
コンベヤー、１０……バランスウエイト、１２…
…カツテイング装置、１３……バケツトコンベヤ
ー装置、２２……コンテナー、２４……フオー
ク、２６……無限軌道帯、２７……遊動輪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機枠２に前方から順に、玉葱を拾い上げる羽根
   ６及びコンベヤー７とで構成される拾い上げ装置
   １と、茎切り及び後方送りを行うカツテイング装
   置１２と、玉葱を収納するコンテナー２２を積載
   する積載装置２１とを備えた玉葱収穫機に於い
   て、 前記機枠２の先端部に取付けた支持枠２８に支
   持具３２を設け、この支持具３２の上下部に取付
   板３６，３７を固着すると共に、この取付板３
   ６，３７に上下端部を枢支した軸３５に、その軸
   線と直角方向に複数のウエイト素子１０ａ，１０
   ｂ…からなるバランスウエイト１０を可動的に支
   持する支持腕１１を突出させ、上方の取付板３６
   に軸３５をはさんで機枠２の前後方向反対側の位
   置に２つの小孔４１，４２を設け、この軸３５を
   支点とする支持腕１１の回動により、小孔４１，
   ４２と合致する小孔３８を前記支持腕１１に設け
   た係止片３９，４０に開設し、上下位置にある各
   小孔４１，４２，３８の軸線を合致させたうえ、
   これにピン４３を挿抜自在に構成したことを特徴
   とする玉葱収穫機のバランス装置。