JPH035099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はプラグに係り、特にソケツトに接続さ
れるプラグに関する。

従来の技術 プラグは、大略、コンタクトピンを保持するコ
ンタクトピン保持体が金属製のシエルで囲繞さ
れ、更にこのシエルの外側に樹脂製のカバーがシ
エルを被うように設けられた構成である。カバー
とシエルとの固定構造、カバーの外側のマーク等
との関係で、カバーのシエルに対する周方向の相
対的向きが所定の向きに定まつている。

考案が解決しようとする問題点 カバーはシエルの後側よりシエルの周囲に嵌合
させて取り付けられる。従来は、カバーがシエル
に嵌合しうるときのカバーのシエルに対する周方
向の向きを所定の方向に限定するようにはなつて
いず、カバーのシエルに対する向きが上記所定の
方向以外の方向であつてもカバーはシエルに嵌合
可能であつた。このため、カバーの取り付けに際
してはカバーの向きを見極めることが必要とな
り、取付作業に注意しても、カバーが誤つた向き
で取り付けられる虞れがあるという問題点があつ
た。

本考案は上記問題点を解決したプラグを提供す
ることを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案は、コンタクトピンを導電性のシエルで
囲繞し、絶縁性のカバーが該シエルにその後側か
ら嵌合されて該シエルを被うように取り付けられ
た構造であり、ソケツトに挿入接続されるプラグ
において、 上記シエル１０の前側部分に上記ソケツト１３
に対する誤挿入防止用に形成されている凹条１２
を、該シエルの軸線に沿つて該シエルの後端まで
延長して形成し、 上記カバー１１の内面に、上記凹条に対応する
突条部１８を該カバーの軸線方向に延在させて設
け、 上記カバー１１が、その突条部１８を上記凹条
１２のうち上記シエル１０の後端まで延長して形
成した部分１２ａに係合させつつ上記シエル１０
に嵌合させて取り付けられた構成としたものであ
る。

実施例 次に本考案になるプラグの一実施例について説
明する。

第１図、第２図Ａ，Ｂ、第３図に示すように、
プラグ１は、複数のコンタクトピン２〜６は保持
するコンタクトピン保持部材７と、一対の金属製
のシエルハーフ８，９を組み合わせてなり、コン
タクトピン保持部材７を囲繞する。断面四角形の
筒状のメタルシエル１０と、断面四角形の筒形状
を有し、シエル１０を被う絶縁性の樹脂製のカバ
ー１１とよりなる。このプラグ１は、第４図に示
すように、シエルハーフ８に形成してある誤挿入
防止用の凹条１２がソケツト１３の溝１４に対向
する向きで、凹条１２を溝１４に嵌合させつゝソ
ケツト１３に挿入接続される。

第１図及び第３図に示すように、ケーブル１５
の端はシエルハーフ８の後端にかしめられて固定
してあり、ケーブル１５の端より引き出された電
線１６がコンタクトピン２〜６後端に接続してあ
る。更にシエルハーフ８は、ケーブル１５の端に
露出している編組シールド１７に接続してある。

第５図及び第６図に示すように、誤挿入防止用
凹条１２は、シエルハーフ８の後端まで延長して
形成してあり、この凹条１２のうち後側部分１２
ａがカバー１１の取付け誤りを無くするように機
能する。

第１図、第２図Ａ、第３図に示すように、カバ
ー１１の四面の内壁のうち一の面には、突条（係
合部）１８が長手方向に延在して形成してある。

カバー１１は、第７図に示すように、矢印Ａ方
向に移動させて、メタルシエル１０の後端側より
メタルシエル１０に嵌合させて、第１図及び第２
図Ａに示すように取り付けられる。

カバー１１のメタルシエル１０に対する周方向
の向きが、突条１８が凹条１２より食い違つてい
る向きである場合には、カバー１１をメタルシエ
ル１０に嵌合させようとするときに、突条１８の
先端がメタルシエル１０の後端１０ａに係止され
てカバー１１のメタルシエル１０への嵌合が制限
される。これにより、カバー１１が誤つた向きで
取り付けられることが確実に防止される。

カバー１１のメタルシエル１０に対する周方向
の向きが、突条１８が凹条１２と一致した向きで
ある場合には、突条１８が凹条１２に後端側より
嵌入することにより、カバー１１はメタルシエル
１０の外側に嵌合する。カバー１１は第１図に示
すように奥部の厚み部２１の端の段部がメタルシ
エル１０の後端１０ａに当接する位置まで嵌合さ
れ、カバー７に一体形成している係止爪１９がシ
エルハーフ９の係止爪２０に係止されてシエル１
０に固定される。

即ち、突条１８と凹条１２の存在により、カバ
ー１１が誤つた向きでメタルシエル１０に取り付
けられることを防止され、カバー１１は必ず正常
な向きで取り付けられる。

第５図及び第６図に示すように、凹条１２は開
口２２により分断されずに形成している。このた
め凹条１２の底面は開口２２の個所でも段差を有
せずに延在する。従つて、突条１８は凹条１２の
途中で引つ掛かることなく凹条１２と嵌合し、カ
バー１１はメタルシエル１０にスムーズに取り付
けられる。なお、開口２２が凹条１２を横切つて
いるときには、凹条１２の底面は開口２２の個所
で段差を生じ易く、またバリが出る虞れもあり、
突条１８がこれらに引つ掛かつてカバー１１の取
り付けがしにくゝなることもある。また突条１８
の先端は斜面１８ａであり、凹条に嵌合し易くし
てある。

また、コンタクトピン保持部材７も上記の誤挿
入防止用凹条１２を利用して向きを規制されて取
り付けられている。即ち、第２図に示すように、
保持部材７は、一の面に形成してある壁２３が凹
条１２に嵌合した向きで組み込まれている。また
保持部材７は、周面の複数の突部２７がメタルシ
エル１０の開口２２及び２５（第１図参照）に嵌
合して、軸線方向の動きを規制されて取り付けら
れている。

なお、凹条１２を、第５図に示す如く、シエル
ハーフ８の内側へ突出させることにより、カバー
１１は溝が形成されずに突条１８が形成されるこ
とになり、カバー１１の厚さを通常必要とされる
厚みより余分に厚くする必要はない。

また、本考案は、メタルシエル及びカバーは上
記のように四角形状のものに限るものでなく、円
形のものでもよい。

考案の効果 上述の如く、本願考案によれば、以下に挙げる
特長を有する。

共に軸線方向に延在して形成されているシエ
ルの凹条とカバーの突条部とにより、シエルに
取り付けるときのカバーのシエルに対する軸線
周りの方向が−の方向に規制される。これによ
り、カバーは必ずシエルに対して周方向上所定
の方向で取り付けられることになり、カバーが
誤つた向きで取り付けられる組立ミスを確実に
無くすることが出来る。

カバーの突条部が嵌合する部分は、プラグの
ソケツトに対する誤挿入を防止するためにシエ
ルに予め形成されている凹条を延長させて形成
した部分であるため、別の個所に別途凹条を形
成する場合に比べて凹条は形成し易く、製造上
も有利である。

カバーの内面に凹溝を形成するときには、カ
バーの厚さを凹溝の深さ寸法を見込んだ寸法と
する必要があり、カバーの厚みが厚くなつてし
まうけれども、本考案におけるカバーはその内
面に凸条部を設けた構造であるため、カバーの
厚さを薄く出来る。このため、プラグのサイズ
が大きくなることが避けられる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になるプラグの一実施例の縦断
面図、第２図Ａ，Ｂは夫々第１図のシエルの正面
図、第３図はコンタクトピン保持部材が取り付け
られたシエルハーフと上側を切截除去したカバー
とを対応させて示す斜視図、第４図はプラグとソ
ケツトとを対応させて示す図、第５図及び第６図
は夫々誤挿入防止用凹条が形成してあるシエルハ
ーフの正立状態及び上下反転状態の斜視図、第７
図はカバーのメタルシエルへ取付け方を説明する
図である。 １……プラグ、２〜６……コンタクトピン、７
……コンタクトピン保持部材、１０……メタルシ
エル、１１……カバー、１２……誤挿入防止用凹
条、１２ａ……凹状の後側部分、１３……ソケツ
ト、１４……溝、１５……ケーブル、１８……突
条、１８ａ……斜面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 コンタクトピンを導電性のシエルで囲繞し、絶
   縁性のカバーが該シエルにその後側から嵌合され
   て該シエルを被うように取り付けられた構造であ
   り、ソケツトに挿入接続されるプラグにおいて、 上記シエルの前側部分に上記ソケツトに対する
   誤挿入防止用に形成されている凹条、該シエルの
   軸線に沿つて該シエルの後端はで延長して形成
   し、 上記カバーの内面に、上記凹条に対応する突条
   部を該カバーの軸線方向に延在させて設け、 上記カバーが、この突条部を、上記凹条のうち
   上記シエルの後端まで延長して形成した部分に係
   合させつつ上記シエルに嵌合されて取り付けられ
   た構成のプラグ。